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一人では決して進めれない場所に 2
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ともあれ四苦八苦しながら作った初の竈料理は見事焦げいてしまっていた。
真っ黒ではないが焦げたごはんはおいしそうに見えると自分でフォロー。竈からお釜をどけても残った火でとてもとんかつを揚げる勇気はなく急きょキャンプ用品が置いてあるところから鉄板を持ち出して、タイルの貼られた竈に直接置くのは躊躇ったので、何故か床に置いてあった煉瓦を拝借して少し高さを付けて鉄板を置くのだった。バランスが悪いけど一人分だし肉と野菜を並べて焼く。何だかバーベキューのような楽しさにおこげを鉄板に乗せて醤油をかけて、ジュワッと立ち昇る醤油の焦げた匂いと音にお腹がグーとなるのだった。おかずが焼けるのが待ちきれないと立ったまま取り皿に醤油を浴びたおこげを取り分けて、立ち上る湯気を無視してカリッとしたおこげを齧る。
「!!!!!!」
言葉がなかった。熱いと言うのもあるが、圧倒的に耳にも鼻にも幸せが押し寄せてきて、かみしめるたびにお米の甘さ、焦げの苦さ、醤油のしょっぱさが見事に合わさって
「贅沢だぁ」
更にそれをインスタントのお吸い物を作ってそこに放り込む。
熱いなんて言ってられないようにおこげを沈めてお吸い物をたっぷりとすったご飯を口へと運ぶ。
贅沢な料理はたくさん食べてきた。
名前も読めないメニューから役を頼りに注文して食べた料理も山ほどある。
おごってもらうなら縦書きより横書きをと言うが、相手を選んで頼んだ縦書きのメニューの値段の恐ろしさも知っているつもりなのに食べた料理の贅沢さも味わって来た。
なのに自分で火をくべて炊いたご飯と四苦八苦して焼いた肉や野菜がこんなにもおいしい物だなんて、塩や醤油何て調味料と言うにはぞんざいすぎる存在がこんなにも素材を引き立てるなんて、判っていたつもりだったけどこの破壊力はなんなんだと言う様に無心で食べ続けた。
お米二合、お茶碗にして四杯。とんかつ用豚肉ロースを二枚、玉ねぎも丸ごと一個、キャベツも恐ろしいほど食べてしまっていた。
「しまった」
常日頃から食生活には気を付けていたのにこれは明らかに食べ過ぎだった。人の家の食材だし、週に一度しか買出しに行かないようにここでは食材はすぐに手に入れられる物ではない。なのに知ってしまった幸福感は確かに何かを満たしてくれて、満腹を越えた腹と襲い来る眠気には負けずに火の処理をきちんとする。あと食べ終わった食器を片づけているうちに眠気は消えて、ビールを持って囲炉裏の部屋へと入ればエネルギーを摂取した身体は汗ばむほど温まっていた。
自宅マンションでどれだけ料理をして食べてきたかなんて覚えてないけどこんな満たされた気分は一度もなく、以下に食事をおろそかにして、ただの作業となっていたかを思い知った。
せっかく料理をしたのだからと料理の映画を見る事にした。
ここより過酷な最果ての地で、限りある食材で長期間滞在をする。外に出る事も難しい土地での唯一の楽しみは食事ぐらい。まさに俺の環境と同じだと食い入るように見る。
「ちがう!こんなもんじゃない!」
苦心と工夫で作り上げられた料理を一心不乱に貪る様を見るも所詮はスタジオに作られた世界だ。もっと食への希求はこんなもんじゃないと俺は目の前に出された料理をイメージをし、手に取って顔に当る熱を楽しみ、その後備考に押し寄せる匂いを胸いっぱい何て生易しい物じゃないだろう。匂いも食事の逸品と言う様に胃に納め、両手で受け止める器越しの料理の熱で食事を受け入れる準備をする。
「いただきます」
あがめる様に器を持ち上げて、後は一心不乱に食べるだけ。味わうなんて二の次だとにかく一体化したいと言う欲求を止める事なんて出来なく、すべて食べ終わって空っぽになった器に激しく後悔をする。何も味わってない事に気付いた公開からあのスープの香りと味、食材の食感、まとめて仕上がった料理の姿でさえ記憶から消えてしまっていた。
項垂れる様に何もなくなった器に絶望を抱きながらふと隣に在る鍋に残る料理を見つけて、いやしくも貪りたくなる欲求を抑え込み、今度こそそのスープに隠された食材を一つ一つ確かめる様にかみしめるのだった。
真っ黒ではないが焦げたごはんはおいしそうに見えると自分でフォロー。竈からお釜をどけても残った火でとてもとんかつを揚げる勇気はなく急きょキャンプ用品が置いてあるところから鉄板を持ち出して、タイルの貼られた竈に直接置くのは躊躇ったので、何故か床に置いてあった煉瓦を拝借して少し高さを付けて鉄板を置くのだった。バランスが悪いけど一人分だし肉と野菜を並べて焼く。何だかバーベキューのような楽しさにおこげを鉄板に乗せて醤油をかけて、ジュワッと立ち昇る醤油の焦げた匂いと音にお腹がグーとなるのだった。おかずが焼けるのが待ちきれないと立ったまま取り皿に醤油を浴びたおこげを取り分けて、立ち上る湯気を無視してカリッとしたおこげを齧る。
「!!!!!!」
言葉がなかった。熱いと言うのもあるが、圧倒的に耳にも鼻にも幸せが押し寄せてきて、かみしめるたびにお米の甘さ、焦げの苦さ、醤油のしょっぱさが見事に合わさって
「贅沢だぁ」
更にそれをインスタントのお吸い物を作ってそこに放り込む。
熱いなんて言ってられないようにおこげを沈めてお吸い物をたっぷりとすったご飯を口へと運ぶ。
贅沢な料理はたくさん食べてきた。
名前も読めないメニューから役を頼りに注文して食べた料理も山ほどある。
おごってもらうなら縦書きより横書きをと言うが、相手を選んで頼んだ縦書きのメニューの値段の恐ろしさも知っているつもりなのに食べた料理の贅沢さも味わって来た。
なのに自分で火をくべて炊いたご飯と四苦八苦して焼いた肉や野菜がこんなにもおいしい物だなんて、塩や醤油何て調味料と言うにはぞんざいすぎる存在がこんなにも素材を引き立てるなんて、判っていたつもりだったけどこの破壊力はなんなんだと言う様に無心で食べ続けた。
お米二合、お茶碗にして四杯。とんかつ用豚肉ロースを二枚、玉ねぎも丸ごと一個、キャベツも恐ろしいほど食べてしまっていた。
「しまった」
常日頃から食生活には気を付けていたのにこれは明らかに食べ過ぎだった。人の家の食材だし、週に一度しか買出しに行かないようにここでは食材はすぐに手に入れられる物ではない。なのに知ってしまった幸福感は確かに何かを満たしてくれて、満腹を越えた腹と襲い来る眠気には負けずに火の処理をきちんとする。あと食べ終わった食器を片づけているうちに眠気は消えて、ビールを持って囲炉裏の部屋へと入ればエネルギーを摂取した身体は汗ばむほど温まっていた。
自宅マンションでどれだけ料理をして食べてきたかなんて覚えてないけどこんな満たされた気分は一度もなく、以下に食事をおろそかにして、ただの作業となっていたかを思い知った。
せっかく料理をしたのだからと料理の映画を見る事にした。
ここより過酷な最果ての地で、限りある食材で長期間滞在をする。外に出る事も難しい土地での唯一の楽しみは食事ぐらい。まさに俺の環境と同じだと食い入るように見る。
「ちがう!こんなもんじゃない!」
苦心と工夫で作り上げられた料理を一心不乱に貪る様を見るも所詮はスタジオに作られた世界だ。もっと食への希求はこんなもんじゃないと俺は目の前に出された料理をイメージをし、手に取って顔に当る熱を楽しみ、その後備考に押し寄せる匂いを胸いっぱい何て生易しい物じゃないだろう。匂いも食事の逸品と言う様に胃に納め、両手で受け止める器越しの料理の熱で食事を受け入れる準備をする。
「いただきます」
あがめる様に器を持ち上げて、後は一心不乱に食べるだけ。味わうなんて二の次だとにかく一体化したいと言う欲求を止める事なんて出来なく、すべて食べ終わって空っぽになった器に激しく後悔をする。何も味わってない事に気付いた公開からあのスープの香りと味、食材の食感、まとめて仕上がった料理の姿でさえ記憶から消えてしまっていた。
項垂れる様に何もなくなった器に絶望を抱きながらふと隣に在る鍋に残る料理を見つけて、いやしくも貪りたくなる欲求を抑え込み、今度こそそのスープに隠された食材を一つ一つ確かめる様にかみしめるのだった。
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