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第1章
オークの洞窟生活 (11)
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オレの名は霧山コウスケ。日本人と外国人たちの闇の懸け橋となるべく、カッチャルバル商会を立ち上げた地下社会の経営者だ。ところが気が付くとオレは、豚面人族の姿にされて異世界に跳ばされていた。いったいオレの身に何が起こったのか。その原因を探るため、オレは密かに皇都を目指すことを決意した。
ノラの足枷を外して祝杯を挙げたオレたちが部屋へ戻ると、見覚えのある歯並びの悪い若い豚面人族が突っ立っていた。ベンデルだ。
「あっ! クロ様、どこ行ってたっスか。滅茶苦茶待ったっスよ」
ノラの足元に向けられたベンデルの視線が驚いたように訴え掛けてくる。勿論それは足枷が無くなっていることだろう。オレは話がややこしくなる前にノラを先に部屋へと入れた。
「すまんな、ベンデル。どうかしたのか?」
「えっと、そうそう、グズリ様からの言伝を伝えに来たっス」
「グズリ様からの言伝?」
そう聞いたオレは知らず知らずのうちに嫌そうな表情を浮かべていたに違いない。
「はい。明日は仕事に出るんで、朝飯が終わったら支度を整えて広間へ集合だそうっス。ちなみに今回はオレも同行させていただくっス!」
「仕事か、わかった。朝飯後に広場だな?」
オレがそう確認するとベンデルは満面の笑みで返事をして去って行った。狩猟班のオレに召集が掛かると言うことは狩りに出るのだろう。確かにこれだけの人数がいれば食料はいくらあっても余ることはないはずだが、まだ随分と獅子猪の肉が残っているはずなのだが。
それほど食料が必要なら採取や狩りだけに頼らずに、洞窟の近くに畑でも造って少しは農耕に着手してみたら良いだろうに。知識がないのかそういう習慣がないのか、周辺に畑らしきものは見当たらない。狩猟民族にしてはこの洞窟に長く定住している様子が窺える。いくらこの森に食料になる植物が豊富だとは言え、いずれ天候などの原因で食料となる植物が、潤沢に採取できない年が来るかも知れないとは考えないのだろうか。不思議でならない。
部屋へ入ると、ノラがまだ薄っすらと足枷の跡の残る自分の足を眺めていた。まだあどけなさの残る彼女が豚面人族に囲まれ、奴隷として過ごしたこの何日間かは、オレには想像できない恐怖と苦しみだったに違いない。それでいながらも、泣き言も言わないどころか、オレの力になるとまで言う彼女は、朗らかそうでいながら芯の強い娘なのだろう。
「なあ、ノラの故郷はどの辺なんだ?」
突然の問い掛けに顔を上げたノラは、一瞬だけ意外そうな表情を浮かべたがすぐに嬉しそうに笑みを浮かべた。
「メッサムという酪農が盛んな小さな村です。ここに連れてこられる前はカラモスという街に住んでいました」
「そのカラモスってのは、ここから遠いのか?」
「そうですねぇ、ちょっと遠いです」
遠い目をしながらノラが答える。きっとカラモスのことを思い浮かべているのだろう。だが、オレは悪戯に彼女を悲しませるためにこんなことを聞いているわけではない。
「皇都とどっちが遠いんだ?」
「そりゃ皇都ですよ。カラモスから皇都までは馬車で3日掛かりますから」
「そうか。馬車で3日か……」
気のない返事を返し、オレはゴロリと寝床に横になった。馬車で3日という距離がオレにはピンとこないのだが、かなり遠いというのは間違いなさそうだ。だが、カラモスの向こうに皇都があるのは都合が良い。いずれここを出て皇都を目指す途中にカラモスにも立ち寄れる。そこまで道案内してもらったら彼女を解放してやろう。オレは内心でそんな勝手な計画を練る。
「さっきの方は糞場の見張り役の方ですよね?」
「ああ。明日は朝飯を終えてから狩りに出るらしい」
「クロ様も行かれるのですか?」
「ああ。一応、狩猟班副長なんてのを任されちゃったからな」
「狩猟班ですか……」
ノラが沈んだ表情で呟く。
「明日は忙しくなりそうだし、今夜は早めに寝ないとな。寝る前にちょっと糞場に行って来るわ」
「あっ、私もご一緒してもよろしいですか?」
「おっし、じゃあ一緒に行くか」
これが男同士なら連れションなんてことになるのだろうが、少女とオッサンだからちょっと質が悪い。ノラもそんなそんなことを思ってか糞場までの道中は妙に静かだった。
糞場の手前の牢屋前にはベンデルたちとは別の見張り役が2人立っていた。オレたちの気配に気付くとすぐに駆け寄って来て蝋燭の灯かりを向け、オレの顔を確認すると畏まって「糞場までご案内いたしましょうか?」と訊ねてきたので、蝋燭だけ少し借りることにして案内は断った。
「じゃあ用を済ませたらここで待ち合わせな。何かあったらすぐに大きな声を出すんだぞ?」
「わかりました」
とてもこれからトイレへ向かう者たちの会話とは思えない。左右に道が分かれる12畳ほどの石造りの部屋でオレたちはそんな会話を交わし、蝋燭で照らしながらそれぞれの道へと歩を進めた。
あまり奥まで行かないうちにオレは蝋燭の灯かりを床に置くと、ズボンをずらして息子を出して用を足す。毎回この距離を移動して小便する手間を考えると、洞窟のそこかしこで豚面人族たちが立小便しているのにも頷けると言うものだ。そんなことを思いながら薄っすらと発光する天井を眺め、切れの悪い小便をいつまでも垂れ流す。
「きゃぁぁあ!」
その刹那、通路の向こうからノラの悲鳴が響く。糞蟲でも出たのかも知れない。急いでズボンを上げたオレは、腰に下げた中長剣を鞘から抜いて反対側の通路へと駆け付けた。その場には居たのは今朝も見掛けたひ弱な#鼠面人族__ラットマン__だ。またお前かよ。オレは内心でそんな言葉を吐き捨てながら、ビクビクしながら横目でこちらの様子を窺う鼠面人族に近付いた。
「あぁ、ごめんなさいアル。脅かすつもりはなかったアルよぉ。そ、それより大変なことになったアルよぉ~」
そう言ってひ弱な鼠面人族はオレと通路の奥に広がる闇を交互に見る。どうも様子がおかしい。
「どうしました? 掃除中に迷いましたか?」
「そうじゃないアル、あの人たちが大変アル!」
「あの人たち?」
オレは鼠面人族の指さす闇の先に目を凝らす。もしかしてこの先で奴隷の鼠面人族たち2人に何かあったのか。
「あんなのが出るなんて聞いてないアルよぉ……あの人たちきっと今頃はもう……」
ひ弱な鼠面人族は絞り出すような声でそう言うと両手で鼠面を覆った。魔物が出たのか。オレは首筋に嫌な空気を感じながら通りの先を蝋燭で照らし見る。
「ノラ、その人と一緒に上の豚面人族に知らせてきてくれ」
「ク、クロ様、危険です!」
「ああ、だから出来るだけ早めに伝えてきてくれるか?」
オレの言葉を耳にしたノラは、ひ弱な鼠面人族の手を牽いて上層に待機する見張り役の元へと駆け出した左手に持った燭台を前へ突き出し、右手には中長剣を構えながらゆっくりと通りの奥へと歩を進める。あぁ、嫌だ。何でいつもこうなるんだ。寝る前にトイレでスッキリしてからと軽い気持ちで訪れたのだが、どうやら最悪のタイミングだったらしい。
暫く進むと通りが先の方で2つに分岐しているのが見える。これ以上進むのは危険だろうか。そもそもオレはこの迷路のような魔宮の内部を全く把握できていない。下手をすればミイラ取りがミイラになんてことに成り兼ねない。そんなことを考え先に進むことを躊躇していると、通路の奥から微かに物音が聞こえた。この先にあの2人がいるのか。オレは意を決して音のする方へと進んだ。
蝋燭の灯かりで気付かれないように燭台は少し離れた床に置き、曲がり角から僅かに顔を出し様子を窺う。灯かり無しでは薄暗くて先の方までは見渡せないが、どうやら近くに人影などはなさそうだ。燭台を手にしたオレは改めて辺りを照らしてみた。すると通りの先に何かが落ちていることに気付く。棒。鼠面人族が使っていたこん棒か。
「に、にげ……」
近付いてこん棒を拾い上げようとしたとき、どこからか絞り出すような声が聞こえた。直後にポタリと液体が目の前の床に滴った。異様な気配を感じ身を低くして後退ると、ちょうどオレが元いた場所に天井から蔓の様な物が伸びているのに気付く。何だあれは。そう口にしようと思った矢先、目の前に大きな塊が降って来てゴシャリと生々しい音を立てて床に叩き付けられた。
オレは唖然としながらその物体に目を向けた。初めは何が起こっているのか理解できなかったのだが、そこから微かに聞こえる呻き声でそれが何なのかを理解した。全身血だらけで手足の関節がおかしな方向へと折れ曲がった、体格の良い鼠面人族だ。早鐘の如く耳元で鳴り響く鼓動を感じながら、オレは短く粗いを吐き出し蝋燭の灯かりを天井へと向けた。
天井を蔦の様な奇妙な植物が覆い尽くす。端の方に蔓がが絡まり纏まった箇所が見える。そこが本体の茎に当たる部分なのかと思い蝋燭で照らすと、蔓で巻かれグッタリとした様子で動かない年老いた鼠面人族が見えた。何だこいつは。こんな化物が出るだなんて聞いてないぞ。
オレは血だらけの鼠面人族の服を鷲掴みにすると、天井からこちらを狙って垂れ下がってくる太い蔦を剣で薙ぎ払いながら後退った。
「クロ様ぁー!」
「こっちだ! こっちに魔物がいるぞ!」
出口の方から聞こえる見張り役の豚面人族らしき叫び声に応えながら、オレは血だらけの鼠面人族の服を必死で引きずった。天井から垂れ下がった蔦は床まで到達すると、まるで生物のように地を這ってオレたちの跡を追って来る。すぐに駆け付けた見張り役の豚面人族たちは、血だらけになって引きずられる鼠面人族の姿と闇の中から迫る奇怪な触手に驚愕する。
「ク、クロ様、これは!?」
「手を貸してくれ! とにかくここから逃げるんだ!」
3人で血だらけの鼠面人族を運び出し、やっとのことで12畳ほどの石造りの部屋まで逃げ帰ると、涙目で口を押えるノラと茫然とした表情で血だらけの同族を見詰めるひ弱な鼠面人族の姿が見えた。すぐさま2人を引き連れて部屋を出ると鉄製の大きな扉を閉ざした。
その夜の洞窟内は、遅くまで糞場で起きた惨事の噂で持ち切りだったらしい。
◇
翌朝、集合場所となる広場へ向うと、既に狩猟班らしき者たちがしっかりと準備を整えて勢揃いしていた。オレの気配に気付くと広場のざわつきは一段と大きくなる。
「クロ様ぁ!」
オレの名を呼びながら、いかにも蛮族らしい様相の何者かが駆けて来る。頭部には額から突き出た1本の角と黄金の鬣の付いた革製の覆面を被り、動物の骨か角を削って作ったと思われる装飾が施されたワンピース風なデザインの毛皮を袈裟懸けにした上から、毛足の長い毛皮の肩掛けを着込んでいる。
「えっと……」
「もう、ヤダなぁ、クロ様。オレっスよ。ベンデルっスよ」
「うん。声で何となくわかったんだけど、君のその格好はどうしたのかな?」
オレは周りの豚面人族たちにコイツと知り合いであることを隠すように、出来るだけよそよそしく問い掛けた。
「あっ、やっぱ気になっちゃう感じっスか? これオレの自作の鎧っス」
ベンデルはその鎧的な要素の全くないコスチュームを指して何故か自慢げに胸を張る。
「そか。なかなか斬新な発想だな。ただ、ちょっと露出部分が多いから気を付けた方がいいぞ?」
「うっわ、流石はクロ様っスね。この『蛮族の騎士の鎧』の特徴を一瞬で見抜くなんて。でも、大丈夫っスよ! オレ今日は何か調子いい感じっスから!」
自称『蛮族の騎士』はそんな根拠のないことを口にしながら、自らを鼓舞するように中途半端に長くて大きな斧の柄をゴンゴンと床に叩き付けた。そんなアホなやり取りをしていると、奥の通路から族長のババンバと班長のグズリが奴隷の女たちを引き連れて現れた。
「クロ様、噂によれば今日は通常の仕事じゃなくなるみたいっスよ?」
ベンデルが小声で耳打ちした。恐らく昨夜の魔物騒ぎに寄るものだろう。オレもあの後、族長たちの前で詳しく報告させられた上に、あれこれと質問攻めにあった。族長はそのまま玉座に腰を掛けることなく、僅かに高くなった石段の上から皆を見下す。グズリはその斜め後ろで腕組をして控える。
「者どもよ、これは由々しき事態だ……」
族長が静かだがよく通る声でまるで呟くように口を開く。その直後、広場は五月蠅いほどの静寂に包まれた。僅かな衣擦れの音と武器と鎧が擦れる音だけが、この空間の時が止まってしまったのではないことを証明していた。
「我らがこの地に住み着き、早いものでもうすぐ18年になる────」
何だ、こいつらここに住み着いてまだ18年しか経ってなかったのか。てっきりオレは先祖代々ここに暮らしているのだろうと思っていた。
「この18年間では色々なことがあった。その中でも倅のグズリが昨年15歳になり、無事に成人の儀を終えたのは記憶に新しい────」
えっ、アイツってそんなに若いのか。オレの半分以下じゃねえかよ。
「だが、今その健やかなる歳月が打ち破られようとしている────」
その言葉に広場にざわめきが起こる。
「糞場に魔物が現れた。糞蟲などではない、凶悪な魔物だ。だが、我々はこの安住の地を護るため、力を合わせ、断固としてこの魔物の繁殖を阻止せねばならない!」
族長が声を張り上げると、それに同調した豚面人族たちから雄叫びのような歓声が上がった。そこまで話すと族長は振り返ってグズリを呼び付ける。それに応えるように前へと進み出たグズリが、族長から襷を受け取るように話を続ける。
「目撃者たちの話から魔物の正体を割り出した。ガイス、説明しろ」
グズリの陰から「はい」と返事が聞こえたかと思うと、小柄でチョビ髭を生やした豚面人種が現れた。ガイスと呼ばれた豚面人種は、広場に集まる豚面人種を見回すと、手にした紙の様な物を広げ読み上げ始めた。
「おほん。えぇ、それではこの度、魔宮に現れた魔物の特徴を読み上げるでぇあります」
やけに大袈裟な動作で読み上げられた魔物の特徴は『魔宮の天井に蔦のようにはびこるように生息するらしい』『蔓のような長い触手を伸ばして襲い掛かるらしい』『触手に捕まった者は細かな傷跡から血を吸われるらしい』の3つだ。
「以上の点から考えて魔物の正体は『吸血蔦』と考えられるでぇあります」
吸血蔦。ガイスがその名前を口にすると広場にどよめきが広がった。すぐにグズリは掌を突き出してどよめきを制すると不敵な笑みを浮かべて口を開く。
「心配するな。正体さえわかってしまえば糞蟲も吸血蔦も大差はない。討伐は狩猟班から選りすぐった6名を先発とする。後の者たちは牢屋前で待機だ!」
何故か先程からグズリがコチラを見ている気がしてならない。頼む、気のせいであってくれ。そう内心で祈りながら、流れに身を任せ鼠面人族たちの牢が並ぶ下層へと向かった。
ノラの足枷を外して祝杯を挙げたオレたちが部屋へ戻ると、見覚えのある歯並びの悪い若い豚面人族が突っ立っていた。ベンデルだ。
「あっ! クロ様、どこ行ってたっスか。滅茶苦茶待ったっスよ」
ノラの足元に向けられたベンデルの視線が驚いたように訴え掛けてくる。勿論それは足枷が無くなっていることだろう。オレは話がややこしくなる前にノラを先に部屋へと入れた。
「すまんな、ベンデル。どうかしたのか?」
「えっと、そうそう、グズリ様からの言伝を伝えに来たっス」
「グズリ様からの言伝?」
そう聞いたオレは知らず知らずのうちに嫌そうな表情を浮かべていたに違いない。
「はい。明日は仕事に出るんで、朝飯が終わったら支度を整えて広間へ集合だそうっス。ちなみに今回はオレも同行させていただくっス!」
「仕事か、わかった。朝飯後に広場だな?」
オレがそう確認するとベンデルは満面の笑みで返事をして去って行った。狩猟班のオレに召集が掛かると言うことは狩りに出るのだろう。確かにこれだけの人数がいれば食料はいくらあっても余ることはないはずだが、まだ随分と獅子猪の肉が残っているはずなのだが。
それほど食料が必要なら採取や狩りだけに頼らずに、洞窟の近くに畑でも造って少しは農耕に着手してみたら良いだろうに。知識がないのかそういう習慣がないのか、周辺に畑らしきものは見当たらない。狩猟民族にしてはこの洞窟に長く定住している様子が窺える。いくらこの森に食料になる植物が豊富だとは言え、いずれ天候などの原因で食料となる植物が、潤沢に採取できない年が来るかも知れないとは考えないのだろうか。不思議でならない。
部屋へ入ると、ノラがまだ薄っすらと足枷の跡の残る自分の足を眺めていた。まだあどけなさの残る彼女が豚面人族に囲まれ、奴隷として過ごしたこの何日間かは、オレには想像できない恐怖と苦しみだったに違いない。それでいながらも、泣き言も言わないどころか、オレの力になるとまで言う彼女は、朗らかそうでいながら芯の強い娘なのだろう。
「なあ、ノラの故郷はどの辺なんだ?」
突然の問い掛けに顔を上げたノラは、一瞬だけ意外そうな表情を浮かべたがすぐに嬉しそうに笑みを浮かべた。
「メッサムという酪農が盛んな小さな村です。ここに連れてこられる前はカラモスという街に住んでいました」
「そのカラモスってのは、ここから遠いのか?」
「そうですねぇ、ちょっと遠いです」
遠い目をしながらノラが答える。きっとカラモスのことを思い浮かべているのだろう。だが、オレは悪戯に彼女を悲しませるためにこんなことを聞いているわけではない。
「皇都とどっちが遠いんだ?」
「そりゃ皇都ですよ。カラモスから皇都までは馬車で3日掛かりますから」
「そうか。馬車で3日か……」
気のない返事を返し、オレはゴロリと寝床に横になった。馬車で3日という距離がオレにはピンとこないのだが、かなり遠いというのは間違いなさそうだ。だが、カラモスの向こうに皇都があるのは都合が良い。いずれここを出て皇都を目指す途中にカラモスにも立ち寄れる。そこまで道案内してもらったら彼女を解放してやろう。オレは内心でそんな勝手な計画を練る。
「さっきの方は糞場の見張り役の方ですよね?」
「ああ。明日は朝飯を終えてから狩りに出るらしい」
「クロ様も行かれるのですか?」
「ああ。一応、狩猟班副長なんてのを任されちゃったからな」
「狩猟班ですか……」
ノラが沈んだ表情で呟く。
「明日は忙しくなりそうだし、今夜は早めに寝ないとな。寝る前にちょっと糞場に行って来るわ」
「あっ、私もご一緒してもよろしいですか?」
「おっし、じゃあ一緒に行くか」
これが男同士なら連れションなんてことになるのだろうが、少女とオッサンだからちょっと質が悪い。ノラもそんなそんなことを思ってか糞場までの道中は妙に静かだった。
糞場の手前の牢屋前にはベンデルたちとは別の見張り役が2人立っていた。オレたちの気配に気付くとすぐに駆け寄って来て蝋燭の灯かりを向け、オレの顔を確認すると畏まって「糞場までご案内いたしましょうか?」と訊ねてきたので、蝋燭だけ少し借りることにして案内は断った。
「じゃあ用を済ませたらここで待ち合わせな。何かあったらすぐに大きな声を出すんだぞ?」
「わかりました」
とてもこれからトイレへ向かう者たちの会話とは思えない。左右に道が分かれる12畳ほどの石造りの部屋でオレたちはそんな会話を交わし、蝋燭で照らしながらそれぞれの道へと歩を進めた。
あまり奥まで行かないうちにオレは蝋燭の灯かりを床に置くと、ズボンをずらして息子を出して用を足す。毎回この距離を移動して小便する手間を考えると、洞窟のそこかしこで豚面人族たちが立小便しているのにも頷けると言うものだ。そんなことを思いながら薄っすらと発光する天井を眺め、切れの悪い小便をいつまでも垂れ流す。
「きゃぁぁあ!」
その刹那、通路の向こうからノラの悲鳴が響く。糞蟲でも出たのかも知れない。急いでズボンを上げたオレは、腰に下げた中長剣を鞘から抜いて反対側の通路へと駆け付けた。その場には居たのは今朝も見掛けたひ弱な#鼠面人族__ラットマン__だ。またお前かよ。オレは内心でそんな言葉を吐き捨てながら、ビクビクしながら横目でこちらの様子を窺う鼠面人族に近付いた。
「あぁ、ごめんなさいアル。脅かすつもりはなかったアルよぉ。そ、それより大変なことになったアルよぉ~」
そう言ってひ弱な鼠面人族はオレと通路の奥に広がる闇を交互に見る。どうも様子がおかしい。
「どうしました? 掃除中に迷いましたか?」
「そうじゃないアル、あの人たちが大変アル!」
「あの人たち?」
オレは鼠面人族の指さす闇の先に目を凝らす。もしかしてこの先で奴隷の鼠面人族たち2人に何かあったのか。
「あんなのが出るなんて聞いてないアルよぉ……あの人たちきっと今頃はもう……」
ひ弱な鼠面人族は絞り出すような声でそう言うと両手で鼠面を覆った。魔物が出たのか。オレは首筋に嫌な空気を感じながら通りの先を蝋燭で照らし見る。
「ノラ、その人と一緒に上の豚面人族に知らせてきてくれ」
「ク、クロ様、危険です!」
「ああ、だから出来るだけ早めに伝えてきてくれるか?」
オレの言葉を耳にしたノラは、ひ弱な鼠面人族の手を牽いて上層に待機する見張り役の元へと駆け出した左手に持った燭台を前へ突き出し、右手には中長剣を構えながらゆっくりと通りの奥へと歩を進める。あぁ、嫌だ。何でいつもこうなるんだ。寝る前にトイレでスッキリしてからと軽い気持ちで訪れたのだが、どうやら最悪のタイミングだったらしい。
暫く進むと通りが先の方で2つに分岐しているのが見える。これ以上進むのは危険だろうか。そもそもオレはこの迷路のような魔宮の内部を全く把握できていない。下手をすればミイラ取りがミイラになんてことに成り兼ねない。そんなことを考え先に進むことを躊躇していると、通路の奥から微かに物音が聞こえた。この先にあの2人がいるのか。オレは意を決して音のする方へと進んだ。
蝋燭の灯かりで気付かれないように燭台は少し離れた床に置き、曲がり角から僅かに顔を出し様子を窺う。灯かり無しでは薄暗くて先の方までは見渡せないが、どうやら近くに人影などはなさそうだ。燭台を手にしたオレは改めて辺りを照らしてみた。すると通りの先に何かが落ちていることに気付く。棒。鼠面人族が使っていたこん棒か。
「に、にげ……」
近付いてこん棒を拾い上げようとしたとき、どこからか絞り出すような声が聞こえた。直後にポタリと液体が目の前の床に滴った。異様な気配を感じ身を低くして後退ると、ちょうどオレが元いた場所に天井から蔓の様な物が伸びているのに気付く。何だあれは。そう口にしようと思った矢先、目の前に大きな塊が降って来てゴシャリと生々しい音を立てて床に叩き付けられた。
オレは唖然としながらその物体に目を向けた。初めは何が起こっているのか理解できなかったのだが、そこから微かに聞こえる呻き声でそれが何なのかを理解した。全身血だらけで手足の関節がおかしな方向へと折れ曲がった、体格の良い鼠面人族だ。早鐘の如く耳元で鳴り響く鼓動を感じながら、オレは短く粗いを吐き出し蝋燭の灯かりを天井へと向けた。
天井を蔦の様な奇妙な植物が覆い尽くす。端の方に蔓がが絡まり纏まった箇所が見える。そこが本体の茎に当たる部分なのかと思い蝋燭で照らすと、蔓で巻かれグッタリとした様子で動かない年老いた鼠面人族が見えた。何だこいつは。こんな化物が出るだなんて聞いてないぞ。
オレは血だらけの鼠面人族の服を鷲掴みにすると、天井からこちらを狙って垂れ下がってくる太い蔦を剣で薙ぎ払いながら後退った。
「クロ様ぁー!」
「こっちだ! こっちに魔物がいるぞ!」
出口の方から聞こえる見張り役の豚面人族らしき叫び声に応えながら、オレは血だらけの鼠面人族の服を必死で引きずった。天井から垂れ下がった蔦は床まで到達すると、まるで生物のように地を這ってオレたちの跡を追って来る。すぐに駆け付けた見張り役の豚面人族たちは、血だらけになって引きずられる鼠面人族の姿と闇の中から迫る奇怪な触手に驚愕する。
「ク、クロ様、これは!?」
「手を貸してくれ! とにかくここから逃げるんだ!」
3人で血だらけの鼠面人族を運び出し、やっとのことで12畳ほどの石造りの部屋まで逃げ帰ると、涙目で口を押えるノラと茫然とした表情で血だらけの同族を見詰めるひ弱な鼠面人族の姿が見えた。すぐさま2人を引き連れて部屋を出ると鉄製の大きな扉を閉ざした。
その夜の洞窟内は、遅くまで糞場で起きた惨事の噂で持ち切りだったらしい。
◇
翌朝、集合場所となる広場へ向うと、既に狩猟班らしき者たちがしっかりと準備を整えて勢揃いしていた。オレの気配に気付くと広場のざわつきは一段と大きくなる。
「クロ様ぁ!」
オレの名を呼びながら、いかにも蛮族らしい様相の何者かが駆けて来る。頭部には額から突き出た1本の角と黄金の鬣の付いた革製の覆面を被り、動物の骨か角を削って作ったと思われる装飾が施されたワンピース風なデザインの毛皮を袈裟懸けにした上から、毛足の長い毛皮の肩掛けを着込んでいる。
「えっと……」
「もう、ヤダなぁ、クロ様。オレっスよ。ベンデルっスよ」
「うん。声で何となくわかったんだけど、君のその格好はどうしたのかな?」
オレは周りの豚面人族たちにコイツと知り合いであることを隠すように、出来るだけよそよそしく問い掛けた。
「あっ、やっぱ気になっちゃう感じっスか? これオレの自作の鎧っス」
ベンデルはその鎧的な要素の全くないコスチュームを指して何故か自慢げに胸を張る。
「そか。なかなか斬新な発想だな。ただ、ちょっと露出部分が多いから気を付けた方がいいぞ?」
「うっわ、流石はクロ様っスね。この『蛮族の騎士の鎧』の特徴を一瞬で見抜くなんて。でも、大丈夫っスよ! オレ今日は何か調子いい感じっスから!」
自称『蛮族の騎士』はそんな根拠のないことを口にしながら、自らを鼓舞するように中途半端に長くて大きな斧の柄をゴンゴンと床に叩き付けた。そんなアホなやり取りをしていると、奥の通路から族長のババンバと班長のグズリが奴隷の女たちを引き連れて現れた。
「クロ様、噂によれば今日は通常の仕事じゃなくなるみたいっスよ?」
ベンデルが小声で耳打ちした。恐らく昨夜の魔物騒ぎに寄るものだろう。オレもあの後、族長たちの前で詳しく報告させられた上に、あれこれと質問攻めにあった。族長はそのまま玉座に腰を掛けることなく、僅かに高くなった石段の上から皆を見下す。グズリはその斜め後ろで腕組をして控える。
「者どもよ、これは由々しき事態だ……」
族長が静かだがよく通る声でまるで呟くように口を開く。その直後、広場は五月蠅いほどの静寂に包まれた。僅かな衣擦れの音と武器と鎧が擦れる音だけが、この空間の時が止まってしまったのではないことを証明していた。
「我らがこの地に住み着き、早いものでもうすぐ18年になる────」
何だ、こいつらここに住み着いてまだ18年しか経ってなかったのか。てっきりオレは先祖代々ここに暮らしているのだろうと思っていた。
「この18年間では色々なことがあった。その中でも倅のグズリが昨年15歳になり、無事に成人の儀を終えたのは記憶に新しい────」
えっ、アイツってそんなに若いのか。オレの半分以下じゃねえかよ。
「だが、今その健やかなる歳月が打ち破られようとしている────」
その言葉に広場にざわめきが起こる。
「糞場に魔物が現れた。糞蟲などではない、凶悪な魔物だ。だが、我々はこの安住の地を護るため、力を合わせ、断固としてこの魔物の繁殖を阻止せねばならない!」
族長が声を張り上げると、それに同調した豚面人族たちから雄叫びのような歓声が上がった。そこまで話すと族長は振り返ってグズリを呼び付ける。それに応えるように前へと進み出たグズリが、族長から襷を受け取るように話を続ける。
「目撃者たちの話から魔物の正体を割り出した。ガイス、説明しろ」
グズリの陰から「はい」と返事が聞こえたかと思うと、小柄でチョビ髭を生やした豚面人種が現れた。ガイスと呼ばれた豚面人種は、広場に集まる豚面人種を見回すと、手にした紙の様な物を広げ読み上げ始めた。
「おほん。えぇ、それではこの度、魔宮に現れた魔物の特徴を読み上げるでぇあります」
やけに大袈裟な動作で読み上げられた魔物の特徴は『魔宮の天井に蔦のようにはびこるように生息するらしい』『蔓のような長い触手を伸ばして襲い掛かるらしい』『触手に捕まった者は細かな傷跡から血を吸われるらしい』の3つだ。
「以上の点から考えて魔物の正体は『吸血蔦』と考えられるでぇあります」
吸血蔦。ガイスがその名前を口にすると広場にどよめきが広がった。すぐにグズリは掌を突き出してどよめきを制すると不敵な笑みを浮かべて口を開く。
「心配するな。正体さえわかってしまえば糞蟲も吸血蔦も大差はない。討伐は狩猟班から選りすぐった6名を先発とする。後の者たちは牢屋前で待機だ!」
何故か先程からグズリがコチラを見ている気がしてならない。頼む、気のせいであってくれ。そう内心で祈りながら、流れに身を任せ鼠面人族たちの牢が並ぶ下層へと向かった。
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聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
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