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第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!

サキュバスの過去 その15 ~最低な女~

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「ウチは、最低な女や……」

 外へと飛び出したウチは、そのまま家へと帰った。
 勝手に惚れて、勝手にフラれて、勝手に怒って……なんて自分勝手なんや、ウチは……。

「ウチ、まだまだ子どもやな……」

 もしも神様がこの光景を見ていたら、「お前はとんでもない大馬鹿者だ」って仰るんやろな……。
 明日、どんな顔してアンはんと会ったらええねん……めっちゃ気まずいわ……。

「ラピス、入るで」

 部屋で落ち込んでいるウチが気になったのか、オカンが部屋に入ってきた。

「どないしたんや、ラピス、いきなり帰ってきたと思ったらめちゃくちゃ落ち込んで……何かあったんか?」
「……」

 オカンはウチの肩を掴み、問いかける。
 今はその手が……とても暖かく感じた。

「なぁ、オカン……恋なんてしない方が良いと思ったこと、ある?」
「なんやねんいきなり……」

 突然の質問にオカンは困惑の表情を見せた。
 まぁ、そらこんな顔にもなるわ……変な質問してもうたな……。
 きっと回答にも困るはずや……。

「……そりゃそんなこと、何回もあるわ」
「……オカン?」

 ……オカンの答えは、ウチにとって、かなり予想外やった。

「何年この世で生きてると思っとんねん、最初に恋をしたときは……そりゃそんな風に思ったわ」
「……」
「でもな、2回3回と続けていくと『こんなもんか』と思うもんやで」
「そ、そんなもんかいな?」

 ウチはおかんの言っていることが、理解できなかった。

「でも……ウチ……」
「……なんかやったんか?」
「いや、あの……」
「なんやねん、はよ言わんかい!」
「え、えぇっと……」

 ウチはオカンに圧倒され、すべてを白状した。
 探索者ギルドの人に恋したこと、その人に旦那さんと息子さんがおったこと、そしてつい……恋した人を殴ってしまった事を話した。
 するとオカンは……。

「あはははは!」
「わ、笑い事とちゃうわ!」

 ……腹を抱えて笑い出した。

「いやぁ、ラピス! 流石はウチの娘やな! ええ根性してはるわ」
「お、オカン?」

 オカンは……どういうわけか、ウチを褒め称えた。

「探索者の女ぶん殴るなんて、相当な根性ないと無理やで! いやぁ、よくやったよくやった!」
「いや、恋した相手殴るってそりゃあかんことやろ」
「まぁ、それはマズい事やな、でもまぁ、その人との恋はそれまでやったってことで、別の恋探しや、別にラピスにはもっとええ相手が見つかるで」
「……」

 別の恋……か。
 せやけど、それを探そうにも、ここにとどまってても仕方がない気がするわ。
 どないしょうか……。
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