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第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!
サキュバスの過去 その16 ~決意~
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「いっそ、旅にでも出ようかな?」
「はぁ? アンタにそれができるんかいな!」
オカンはウチの考えに驚愕の声を上げる……まぁそう言うやろうな。
「ただでさえ男見たら放心状態になるのに、旅に出たらそれこそあかんやろ!」
「……」
確かにそれは事実やけど……なんか、言われると、いくらオカンでも腹立ってくるわ。
……よし、決めた。
「ウチ……恐怖症を克服するためにも、旅に出る!」
「はぁ!? アンタほんまに言うとるんかいな!?」
「ウチはもう決めた! 旅に出る!! こんなところにとどまっても腐っていくだけや!!」
「アンタ、ウチの言うたこと聞いとらんのか? アンタは男が……」
オカンはウチを止めようと腕を掴む……どうしても旅に出て欲しくないようやった。
ウチとオカンが攻防戦を繰り広げる中、間に第三者が入り込んだ……オトンや。
「ただいまー……って、お前ら何しとんねん!」
帰宅して開口一番、オトンはウチらにツッコミを入れてきた。
「オトン! 聞いてくれや! ウチ、旅に出たいんや!」
「た、旅ぃ!?」
「旅」という言葉を聞いた瞬間、オトンは驚愕の声を上げた。
「アンタ! ラピスを止めてくれや! この子に旅なんてアホみたいなことできるわけないやんか! きっと男に弄ばれて終わりやで!」
「そ、そんな言い方はないやろ! オカン!」
「ウチはラピスを心配してるんやで!」
オトンを置き去りにし、ウチとオカンは言い争いを始めた。
なんやねん、オカンはウチをアホやと言いよって……ウチはどうしても腹が立った。
するとオトンは……。
「あっはっはっは!!」
……大爆笑した。
「オトン! 笑いごととちゃうわ!」
「いやぁすまんすまん、いやまぁ……流石は俺の娘や! 突拍子の無い事思いつくなぁ」
オトンは涙を流して笑っている。
そないおかしなことかいな?
「アンタ! 笑いごととちゃうわ! はようラピスを……」
「なんや? 止める必要ないやんか?」
……え? 今、オトン、なんて言ったんや?
「ええやん! 旅! 流石にここにずーっとおっても何もおきんし、変わらない、なら外に出てパーッと色んなこと経験した方がええと俺は思うで」
「……オトン」
オトンは、ウチの考えに共感してくれた。
「アンタ! 本気かいな!?」
「俺は本気やで、ラピスならきっと大丈夫やて、それともなんや? ラピスの事信用してへんのか?」
「あんなぁ、ウチもラピスの事は信じとる、せやけど……」
「ならええやんか、ラピスはそんな弱い女とちゃうねん、お前みたいに強い女や、そない簡単に男に弄ばれる奴とちゃうわ」
「……」
オトンの説得に、オカンは……顔を赤くして、黙り込んだ。
ウチは、オカンに向かって、再度説得をした。
「なぁオカン、ウチ、弱い自分に打ち勝ちたいんや……せやから、旅に出させてほしいんや……ええやろ?」
ウチはオカンの手を掴み、説得を試みる……するとオカンは、まっすぐウチを見て、手を握り返した。
「……わかった、認めたる」
「ほ、ほんまか!?」
「せやけど……次帰ってきた時……弱いままやったら、勘当するから、そのつもりでな」
「か、勘当……」
そりゃ壮大すぎやろ……。
「おいおい、勘当ってそりゃないやろ」
「この子はそないせぇへんと強くならへん、稽古の時もそうやって成長したんや」
「せ、せやけど……」
……なるほど、これは、オカンの……最後の稽古、というわけやな。
「……わかった、ウチ、強くなって戻ってくる」
「……約束やで」
「……うん!」
……恋に失敗し、己の弱さを知ったウチは、今この場で、旅に出ることを決めた。
「はぁ? アンタにそれができるんかいな!」
オカンはウチの考えに驚愕の声を上げる……まぁそう言うやろうな。
「ただでさえ男見たら放心状態になるのに、旅に出たらそれこそあかんやろ!」
「……」
確かにそれは事実やけど……なんか、言われると、いくらオカンでも腹立ってくるわ。
……よし、決めた。
「ウチ……恐怖症を克服するためにも、旅に出る!」
「はぁ!? アンタほんまに言うとるんかいな!?」
「ウチはもう決めた! 旅に出る!! こんなところにとどまっても腐っていくだけや!!」
「アンタ、ウチの言うたこと聞いとらんのか? アンタは男が……」
オカンはウチを止めようと腕を掴む……どうしても旅に出て欲しくないようやった。
ウチとオカンが攻防戦を繰り広げる中、間に第三者が入り込んだ……オトンや。
「ただいまー……って、お前ら何しとんねん!」
帰宅して開口一番、オトンはウチらにツッコミを入れてきた。
「オトン! 聞いてくれや! ウチ、旅に出たいんや!」
「た、旅ぃ!?」
「旅」という言葉を聞いた瞬間、オトンは驚愕の声を上げた。
「アンタ! ラピスを止めてくれや! この子に旅なんてアホみたいなことできるわけないやんか! きっと男に弄ばれて終わりやで!」
「そ、そんな言い方はないやろ! オカン!」
「ウチはラピスを心配してるんやで!」
オトンを置き去りにし、ウチとオカンは言い争いを始めた。
なんやねん、オカンはウチをアホやと言いよって……ウチはどうしても腹が立った。
するとオトンは……。
「あっはっはっは!!」
……大爆笑した。
「オトン! 笑いごととちゃうわ!」
「いやぁすまんすまん、いやまぁ……流石は俺の娘や! 突拍子の無い事思いつくなぁ」
オトンは涙を流して笑っている。
そないおかしなことかいな?
「アンタ! 笑いごととちゃうわ! はようラピスを……」
「なんや? 止める必要ないやんか?」
……え? 今、オトン、なんて言ったんや?
「ええやん! 旅! 流石にここにずーっとおっても何もおきんし、変わらない、なら外に出てパーッと色んなこと経験した方がええと俺は思うで」
「……オトン」
オトンは、ウチの考えに共感してくれた。
「アンタ! 本気かいな!?」
「俺は本気やで、ラピスならきっと大丈夫やて、それともなんや? ラピスの事信用してへんのか?」
「あんなぁ、ウチもラピスの事は信じとる、せやけど……」
「ならええやんか、ラピスはそんな弱い女とちゃうねん、お前みたいに強い女や、そない簡単に男に弄ばれる奴とちゃうわ」
「……」
オトンの説得に、オカンは……顔を赤くして、黙り込んだ。
ウチは、オカンに向かって、再度説得をした。
「なぁオカン、ウチ、弱い自分に打ち勝ちたいんや……せやから、旅に出させてほしいんや……ええやろ?」
ウチはオカンの手を掴み、説得を試みる……するとオカンは、まっすぐウチを見て、手を握り返した。
「……わかった、認めたる」
「ほ、ほんまか!?」
「せやけど……次帰ってきた時……弱いままやったら、勘当するから、そのつもりでな」
「か、勘当……」
そりゃ壮大すぎやろ……。
「おいおい、勘当ってそりゃないやろ」
「この子はそないせぇへんと強くならへん、稽古の時もそうやって成長したんや」
「せ、せやけど……」
……なるほど、これは、オカンの……最後の稽古、というわけやな。
「……わかった、ウチ、強くなって戻ってくる」
「……約束やで」
「……うん!」
……恋に失敗し、己の弱さを知ったウチは、今この場で、旅に出ることを決めた。
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