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第9章 サンルートの王、参上!

第209話 スーパーの違和感

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「おぉー! ここ!?」
「そう、ここだよ」

 リンに急かされ、予定より結構早く、スーパーの近くに着いた。
 この辺はあまり来たことが無く、このスーパーができたのを知ったのはつい最近だ。

「にしても、この辺りに来るのも久々だなー」
「いつぶりくらい?」
「うーん……5年くらいかな」
「……最近じゃない?」
「まぁ、うん……」

 リンの感覚では5年なんて最近か……。

「とりあえず、買い物済ませよっか」
「うん!」

 私たちは手を繋ぎ、店の中に入った。
 確かに新しくできただけあって、中は綺麗だけど、特に他のスーパーと違う点は……。

「……あれ? ルリルリ、あそこにいる人……」
「……うん、サンルートの人……だよね?」

 ……内装は綺麗なところ以外は特に変わった様子はない……しかし、変わっていることが1つあった。
 サンルートの人……犬の獣人の人がいた……それだけはいい。
 それにおかしいのは……その獣人の人が、「スーパーの制服」を着ていたのだ。
 入店してすぐ、その違和感で一歩も動けなかった。

「ルリルリ、とりあえず中入ろ」
「うん……」

 正直困惑しかないが、私たちの目的は買い物、早く済ませてしまおう。
 私たちはカゴを持ち、一歩ずつ前へと進んだ。

「いらっしゃいませー!」

 犬獣人の人の目の前を通り過ぎると、その人は元気よく挨拶をした。
 ちゃんと名札もつけていて、一生懸命仕事をしていた。

 よく見てみると……働いているサンルート人は、その人だけではなかった。

 野菜売り場、魚売り場、肉売り場にも、サンルート人と思われる人が働いていた。
 獣人は勿論、白人風の人間にサキュバスやインキュバス、ドワーフと思われる人たちも、制服と名札を身に着け、店の一員として動いていた。

「こ、これは一体……」

 私は困惑を隠せなかった。
 サンルート人は事実上住所不定者かつ無国籍……そんな人たちが、なぜここで働いているのか……。

「さ、いらっしゃいませー!!」

 ゆっくりと歩いていると、私たちの後ろの従業員専用扉が開かれ、威厳のありそうな声が聞こえた。
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