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2章 悲劇の王女
使い魔
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使い魔とは人と契約を結び、人と共生している魔物を指します。テイマーと呼ばれる使い魔を連れた人々は、魔物と信頼を築いて暮らしているのです。しかし魔物が人に心を開く事自体が少ないため、テイマーは滅多に見ません。また、契約して使い魔となると、双方身体のどこかに同じ印が現れます。これが、契約痕と呼ばれるものです。
しかし、実は契約をせず無理やり魔物を従えさせ、使い魔にする術があるのです。それが服従とよばれる乱暴な行為です。魔物を弱らせ、反撃ができなくなってから身体のどこかに刻印をつけ、そこに魔力を流し込んで魔物の身体を支配します。服従痕という刻印が現れ、使い魔となった魔物は絶対に主に逆らえなくなるのです。
そしてこのグリフォンの爪にある刻印は服従痕のそれ。つまり使い魔という訳ですが…服従している使い魔は主の命令無しには動けません。という事は…
「刺客か?」
「その可能性が高いと思います。」
だれかが私たちの命を狙ってこのグリフォンを差し向けた可能性がある、という事です。
「どうするのですか?」
「…レイ、服従痕は魔力で主と繋がっている。主を探れないか?」
「やってみます。」
刻印に手をかざし、目を瞑ると一本の糸のようなものが見えました。おそらくこれが魔力の繋がりなのでしょう。そのまま糸に私の魔力を流し込み、糸を辿って行きます。上手く行けば、主の元にたどり着けるはずです。
しかし、糸は途中でプツンと切れていました。いえ、そこにあることは感じるのですが糸そのものが見えないので魔力が流れないのです。事切れたから魔力の繋がりが無くなったのでしょうか。いえ、そうなら糸自体無くなるはずです。そうなるとこれは隠匿魔法ですかね。
「ダメですね。隠匿魔法かかっています。」
「そうか…随分手が込んでいるんだな。」
「ごめんなさい。」
「いや、レイが謝ることじゃない。」
私もルークもため息をつきました。せっかく良い雰囲気で帰れそうだったのに、台無しになってしまいました。
「騎士の中で数人がグレシアナの王宮に戻り、この事を陛下に伝える事を命じる。この指輪を見せれば良いだろう。私たちは先にハルティアに戻り、正式な事態解明を行う。」
「はいっ!」
騎士の一人に王家の紋章が刻まれた指輪を渡し、数人を率いて帰り道を逆走して行きました。
「…私達も帰ろうか。」
「…はい。」
私たちは馬車に乗り込み、また帰路を辿って進みます。どことなく緊張した雰囲気が流れていました。
ーーーーーー
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しかし、実は契約をせず無理やり魔物を従えさせ、使い魔にする術があるのです。それが服従とよばれる乱暴な行為です。魔物を弱らせ、反撃ができなくなってから身体のどこかに刻印をつけ、そこに魔力を流し込んで魔物の身体を支配します。服従痕という刻印が現れ、使い魔となった魔物は絶対に主に逆らえなくなるのです。
そしてこのグリフォンの爪にある刻印は服従痕のそれ。つまり使い魔という訳ですが…服従している使い魔は主の命令無しには動けません。という事は…
「刺客か?」
「その可能性が高いと思います。」
だれかが私たちの命を狙ってこのグリフォンを差し向けた可能性がある、という事です。
「どうするのですか?」
「…レイ、服従痕は魔力で主と繋がっている。主を探れないか?」
「やってみます。」
刻印に手をかざし、目を瞑ると一本の糸のようなものが見えました。おそらくこれが魔力の繋がりなのでしょう。そのまま糸に私の魔力を流し込み、糸を辿って行きます。上手く行けば、主の元にたどり着けるはずです。
しかし、糸は途中でプツンと切れていました。いえ、そこにあることは感じるのですが糸そのものが見えないので魔力が流れないのです。事切れたから魔力の繋がりが無くなったのでしょうか。いえ、そうなら糸自体無くなるはずです。そうなるとこれは隠匿魔法ですかね。
「ダメですね。隠匿魔法かかっています。」
「そうか…随分手が込んでいるんだな。」
「ごめんなさい。」
「いや、レイが謝ることじゃない。」
私もルークもため息をつきました。せっかく良い雰囲気で帰れそうだったのに、台無しになってしまいました。
「騎士の中で数人がグレシアナの王宮に戻り、この事を陛下に伝える事を命じる。この指輪を見せれば良いだろう。私たちは先にハルティアに戻り、正式な事態解明を行う。」
「はいっ!」
騎士の一人に王家の紋章が刻まれた指輪を渡し、数人を率いて帰り道を逆走して行きました。
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