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第三部 未来
めでたい報せ
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「クレア様、レイです。」
「どうぞ。」
彼女の入室を許可する声は、お茶会時より覇気のあるものに感じられました。そして部屋の中に入ると、ドレスを脱ぎ楽な格好になったクレア様が、ベットに横たわっていました。顔色もだいぶ良くなったようです。
「ご迷惑をおかけして、申し訳ありません。」
「いいえ。むしろ私こそ毒に気づけず…」
「ああ、そのことなのですが…」
後ろに着いていた女性侍医が、優しい声で話しました。
「グレシアナ王妃殿下、おめでとうございます。ご懐妊です。」
「「……え?」」
私とクレア様の声が重なり、同時に驚愕の表情を浮かべます。懐妊、つまりは妊娠ということですが、毒ではなかったということでしょうか。
「毒では、ないのですか?」
「はい、一連の体調不良の原因は、悪阻ではないかと思われます。」
隣のクレア様を見ると、納得したような表情に変わっていました。女性侍医の話に頷いているので、なにか思い当たる節もあったのでしょう。
懐妊。そう考えると、全ての辻褄が合いました。毒ではなかったとはいえ、香りの強い紅茶を出してしまったことは申し訳なさでいっぱいです。
女性侍医がメモを取りながら、クレア様に聞き込みしていきます。
「王妃殿下の妊娠はこれで五度目、最後の出産は十年前ということで間違いありませんか?」
「はい。」
「副作用のある薬を使われていることはありましたか?」
「特にありません。」
それからは沢山の注意事項を話されました。
出産までの基本。やるべき事とやってはいけない事。などなど。
その中で特に多く出てきたのは、「若い時とは違う」ということでした。
「私も歳をとったんだなぁ、って思いました。」
一通り説明が終わり、お腹を撫でながらクレア様は呟いていました。
まだ若々しい彼女ですが、実際の身体は変化し続けています。私自身もそうです。
高齢出産となると様々なリスクが付きまとうものですから、何事も気は抜けません。きっとレオナルド陛下はもっと過保護になるのでしょうね。目にありありと浮かびます。
どうか母子ともに健康でありますように、そう願うばかりです。
その後、グレシアナ王国に速達を出しました。もちろんクレア様懐妊の報せを添えて。するとすぐにレオナルド陛下が飛んできて、直々にクレア様と子供たちを連れて帰られました。
「どうぞ。」
彼女の入室を許可する声は、お茶会時より覇気のあるものに感じられました。そして部屋の中に入ると、ドレスを脱ぎ楽な格好になったクレア様が、ベットに横たわっていました。顔色もだいぶ良くなったようです。
「ご迷惑をおかけして、申し訳ありません。」
「いいえ。むしろ私こそ毒に気づけず…」
「ああ、そのことなのですが…」
後ろに着いていた女性侍医が、優しい声で話しました。
「グレシアナ王妃殿下、おめでとうございます。ご懐妊です。」
「「……え?」」
私とクレア様の声が重なり、同時に驚愕の表情を浮かべます。懐妊、つまりは妊娠ということですが、毒ではなかったということでしょうか。
「毒では、ないのですか?」
「はい、一連の体調不良の原因は、悪阻ではないかと思われます。」
隣のクレア様を見ると、納得したような表情に変わっていました。女性侍医の話に頷いているので、なにか思い当たる節もあったのでしょう。
懐妊。そう考えると、全ての辻褄が合いました。毒ではなかったとはいえ、香りの強い紅茶を出してしまったことは申し訳なさでいっぱいです。
女性侍医がメモを取りながら、クレア様に聞き込みしていきます。
「王妃殿下の妊娠はこれで五度目、最後の出産は十年前ということで間違いありませんか?」
「はい。」
「副作用のある薬を使われていることはありましたか?」
「特にありません。」
それからは沢山の注意事項を話されました。
出産までの基本。やるべき事とやってはいけない事。などなど。
その中で特に多く出てきたのは、「若い時とは違う」ということでした。
「私も歳をとったんだなぁ、って思いました。」
一通り説明が終わり、お腹を撫でながらクレア様は呟いていました。
まだ若々しい彼女ですが、実際の身体は変化し続けています。私自身もそうです。
高齢出産となると様々なリスクが付きまとうものですから、何事も気は抜けません。きっとレオナルド陛下はもっと過保護になるのでしょうね。目にありありと浮かびます。
どうか母子ともに健康でありますように、そう願うばかりです。
その後、グレシアナ王国に速達を出しました。もちろんクレア様懐妊の報せを添えて。するとすぐにレオナルド陛下が飛んできて、直々にクレア様と子供たちを連れて帰られました。
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