電車で苦くて甘いヒミツの関係

水瀬かずか

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後日談

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 ドクドクと鳴る心臓の音が耳の奥で響くほど大きくなり、緊張感が興奮を更に押し上げる。
 うつむいて震える彼女は、臀部を撫でられる痴漢行為に、それでも逃げることなく、震えながら受け止めている。恐怖で動けないのかもしれないと、興奮する自分をたしなめる理性の声もしたが、目の前で、とろけるような吐息を一つこぼした彼女の様子に、血液が逆流するような快感を覚える。

 香奈は、俺の指で感じている。

 柔らかな彼女の丸みを撫でる指先に、彼女がもっと感じればいいと願う。つっと下着のラインに沿ってなぞれば、小さくびくんと震える。
 逃げずに、ただ耐えている姿は、もっと困らせたいと嗜虐心が煽られる。もっと感じて、気持ちよくなって、困ればいい。もっと俺を欲しがればいい。

「ねぇ? きもちいい?」

 赤くなった彼女の耳が更に赤くなった気がした。震えている彼女が、ぷるぷると小さく首を横に振る。

 かわいい。

 彼女を愛でている感覚が強く罪悪感はあまりなかったが、常識的に考えてひどいことをしている自覚はあった。けれど彼女は背徳感はあっても、嫌悪感を持っていない。そしてそんな自分を恥じらっている様子が見て取れる。
 自分の触れる指先に感じる彼女のかわいらしさに興奮する。

 彼女の柔らかなおしりと、スカートごしの太ももを堪能し、指先を下へと滑らせてゆく。スカートの布地が途切れ、ストッキングが指先に触れた。それを辿り、再び指を上へと滑らせる。柔らかであたたかな感触を薄い生地越しに感じながら、スカートを少しずつめくってゆく行為に、込み上げてくる興奮がおさまらない。

 スカートの中に指を忍ばせていっているというのに、彼女は身をよじって逃げるでもなく、ただ立ちすくんでこらえている。
 真っ赤になった耳たぶ。ときどき漏れる吐息が熱く濡れて。
 それに後押しされるように、指をスカートの奥へと忍ばせる。臀部の柔らかな感触と、パンティのラインを指先が感じ取る。
 そのままラインを辿って、奥へと進ませた。

 電車の中で足を踏ん張っている彼女は、股を開いた状態で、指が足の間に進むのを止められない。
 指先は、ついに隠された場所へとたどり着く。
 彼女がぴくんとふるえた。震えながら、漏れる吐息は熱く濡れていて。
 顔がゆるむ。

 ねぇ、香奈? 気持ちいい?

 心の中で問いかけて、パンティ越しに、彼女の秘された割れ目に指を這わせる。
 少し、しっとりとした生地の感触に、彼女のそこが濡れているのだと分かる。

「……感じているね……?」

 息をつめてこらえている彼女の耳元に意地悪く囁いてみる。彼女が真っ赤な顔でうつむいた。
 そんな彼女の可愛い様子に満足する。
 少し指を強く割れ目に押しつけ、更にこすりあげてゆくと、布地と彼女の割れ目がぬるぬると擦れているのが分かる。
 彼女が身を小さくするように身体をこわばらせ、そして目を閉じてこらえている。
 彼女が耐えているのは痴漢行為ではなく、快感であることは明らかだった。

 その時、電車で彼女の降りる駅が近づいたとアナウンスされるのを聞き、仕方なく指を彼女から離した。
 彼女がほっと息を吐くのを見て、そのため息の意味を考える。けれど、電車が止まるまでの間、彼女がもじもじと動くのを見て、やり過ごせない快感に彼女が困っているのだと気付く。
 それだけ彼女は感じていたのだ。
 溜息をついたのは、痴漢から解放された安心感だけではないはずだ。

「明日は、もっと気持ちよくしてあげるから。……また、この電車でね」

 耳元で囁くと、彼女がびくっと震えて固まった。
 うつむいたまま反応はない。
 彼女は逃げるように電車を降りた。痴漢の犯人を、確かめることもなく。

 それを見送ってから、動き出した電車の中で深く息を吐く。
 激しい高揚感があった。同時に、こんな事が許されるはずがないという罪悪感もようやく込み上げてきた。

 明日、彼女はどうするだろう。

 電車にゆられながら、彼女を欲する気持ちとやったことの後ろめたさを抱え、先に降りた彼女を思った。



 この時はまだ、これから続く毎朝の行為を想像すらしていなかった。




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