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二日酔いの浜島は、昨晩のことをなにも覚えていなかった。
「ごめん霜澤さん、俺さ、昨日帰ってきた記憶がないんだけど、もしかしてめちゃくちゃ迷惑かけなかった?」
具合の悪そうな様子でこたつに入り、青白くむくんだ顔をして新聞を眺めていた彼は、起床した尚澄が茶の間に入ってくるのを認めるなり、いつもより元気のない様子でそう問うてきた。
三好一家が「どうせ明日にはなにも覚えていない」と云っていたとおりで、尚澄はわずかばかり安堵する。
「すごかったよ。甘えてくるわ歩けないわで……、あんたのこと担いで帰ってきたけど、家の前の坂登るのに倍以上時間かかったかも」
そうして大げさにおどかすと、浜島は青白い顔をさらに紙のように白くして、「マジか、ごめん、申し訳ない」と尚澄に手を合わせてくる。尚澄は「おれもあんたに運ばれた身の上だからあんまり強いことは云えないな。これでおあいこだね」と笑った。
それから、調子が悪くてまだ朝食の準備をしていない、と申し訳なさそうな浜島に、「朝飯、おれが作るよ」と申し出てみる。
是非頼む、と浜島の承諾を得て台所に立つと、尚澄はひとつ大きなため息を吐いた。
昨晩浜島の部屋を出たあと、尚澄はほとんど眠れなかった。
どこかで唐突に響く落雪の音を聞きながら、一晩中まんじりともせず、考えていた。
浜島から吐露された感情についても、自らが浜島に抱いている感情についても、それに、勇斗のことも。
勇斗を過去のものにできていない己を、尚澄はようやく認識し始めていたのだった。
「勇斗のかたちをした穴」が、尚澄の中にずっとあった。
勇斗と別れて、埋めようと躍起になってもうまくいかなかったそれ。
時間が風化させてくれると思っていたそれは、喪失感や未練といった感情だった。
勇斗が死んだと知ったとき、尚澄はその穴を再び意識した。それが、彼と別れたときのまま、風化もせずくっきりと自らの中に穿たれているのを改めて感じた。
もう、埋められないものなのだと思っていた。勇斗にしか埋められない欠落感なら、勇斗が喪われてしまった今、手出しのしようもないものなのだと。
でも。
酔った浜島に「男がいるんだろ」と問い詰められ、それを否定できなかったことではじめて、尚澄は自らの中を漂っていた感覚の端緒を掴んだ。
尚澄は、喪失感を埋めようとしていなかった。
新しい出会いを得ようと努力していたときですら、尚澄はその勇斗のかたちをした穴を別なもので塞いでしまうのを、無意識に敬遠していた。
その穴、つまり未練、喪失感、欠落といった感情だけが、勇斗と付き合っていた頃の尚澄自身の存在を信じられる、唯一のものだったから。
喪失感を埋められないというのは、勇斗をいまだ過去のものにできていないということに相違ない。「特別な相手だった」と過去形にしてしまうことに怯えるばかりか、今でも彼が「特別な相手」であり続けているのだ。
だから浜島に勇斗とのことを伝えられもせず、もっと遡れば、彼に「元恋人の墓参りに行く」と告げられずにいた。
本当は、伝えてしかるべきだったのに。
勇斗は特別な相手だったけれど、もう六年も前に別れ、去年亡くなった人だから、浜島が罪悪感を抱くことはないのだときっぱり告げるべきだったのだ。
そうすれば、彼の苦悩を取り去ってやれたかも知れない。余計な苦しみを与えずにすんだかも知れないのに。
そんな罪悪感と、勇斗への気持ちの板挟みになるほど、尚澄は逃れようもなく、浜島を好きになっていた。
彼のお喋りは楽しかったし、彼の優しさはいつも身に沁みた。彼の作る食事、彼の描く絵は、心を温かくしてくれた。それに、彼に抱かれることにはむなしさがなかった。「甘え上戸」のせいとはいえ彼に甘えられて嬉しかったし、内心で彼が傷ついていたことは、ただただ心苦しく悲しかった。
出会ってからまだ一週間程度だというのに、尚澄の心の中で、浜島の存在は確実に大きくなっていた。
かけがえのないものとまで、思えるような。
けれど、勇斗のことを過去にできていない以上、尚澄は彼への好意に自信を持てなかった。
自分は浜島を、勇斗の穴を埋めるのに都合のいいものとして見ているのではないか。
本当にかけがえのない存在なのは、やっぱり勇斗なのではないか。
自らへの疑念が、尚澄の腹の奥に、泥のように凝っていた。
勇斗への気持ちにけじめをつけない限りは、自分が浜島を好きだと云うことも、浜島に好きだと思われることも、どちらも許されないような感覚があった。勇斗の代替ではないと、胸を張って云い切れるようにならないうちには。
どちらにせよ、彼の居心地の良さを利用して今までずるずると小岳平にとどまっていたことそのものが、そもそもあまりにも厚かましい行為だった。
だからこそ、このままここにいることはもうできない、というのが、尚澄の結論だった。
もうすぐ浜島との会話も、彼と過ごす時間も、最後になるはずだ。であれば、できるだけ今までと同じ空気で過ごしていたかった。
彼の心情の吐露もそれによって気づかされた自らの気持ちも、なかったことにはもうならないが、そう考えることで、尚澄は波風を立てずにここを去ろうとしていた。
使いかけの大根があったのでそれをすりおろして、尚澄は二日酔いの浜島のためにみぞれ雑炊を作ってやった。チューブの生姜もたっぷり入れて、その他雑多な具を煮るくらいの簡単なものだ。
これが胃にも優しくて水分もとれ、悪酔いの朝にはてきめんに効く。
もとをたどれば二十歳を過ぎて初めての飲み会で限界まで飲み、翌日あまりの不調にダウンしていた尚澄のために、勇斗が作ってくれたものだった。
だからか、雑炊を煮ながら尚澄は、奇妙な罪悪感を覚えていた。
幸いというか、不幸にも、というか。
その雑炊を、浜島は褒めてくれた。「旨いなこれ。調子悪くてもするする食える。おにぎりも旨いし、霜澤さん、あんた料理できるんだな」……少し大げさな気もするが、褒められるのは単純に嬉しかった。
ふたりで雑炊の鍋を空にして、少し元気を取り戻した浜島が淹れてくれた番茶をすすりながら、尚澄は舌が重くならないうちに、
「ちょっと話してもいい?」
と切り出す。
浜島の視線がもの問いたげに自分を見たのを確認したあと、尚澄は少しためらってから、「長居して申し訳なかったけど、そろそろおいとましようと思うんだ」と、小岳平を辞する意思を口にした。
「……とうとう山を下りるつもりになったってこと?」
「うん。だから悪いんだけど、都合のいいときに、車出してもらえる?」
浜島は短い間沈黙し、感情の薄い目で尚澄を見ていた。その目が尚澄には、さみしかった。
「そっか」
やがてぽつりとため息めいた間投詞を吐き出し、浜島はひとつ小さく頷いた。そうだね、そのほうがいいね、と今度は沈黙が落ちる前にことさらに同意の意を示す。
「週末はまた雪も降りそうだし、もう年末だからな。次ここで雪隠詰めになったら、今度は年越してもらわないといけなくなっちまうもんね。ただその、今日はちょっと見ての通りだから、明日でもいいかな。そしたら駅まででもどこでも送っていくんだけど……」
矢継ぎ早に言葉を発したあと、浜島は「あ、西上津の友達に会いに行くんだったな」と思い出したように付け加える。
尚澄はとっさに頷いて、それから、どうして自分はこの期に及んで浜島に嘘をつき続けているのかと、自責の念にも似た思いに苛まれた。こんな態度だから浜島を傷つけてしまったと、もう痛いほど理解したというのに。
「師走の忙しいさなかでちゃんと会えるか心配だけど、あれだね……仲直り、できるといいね。うまくいくよう祈ってるよ」
浜島のどうということもない励ましに、声にならない「嘘つき」という言葉が、尚澄の心の中に落ちていった。自分も彼もとんだ嘘つきだ、と尚澄は思った。
でも、それでいいはずなのだ。
お互い小さな嘘を抱えたまま、波風を立てず、行きずりのまま終わるのが。
「ごめん霜澤さん、俺さ、昨日帰ってきた記憶がないんだけど、もしかしてめちゃくちゃ迷惑かけなかった?」
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「すごかったよ。甘えてくるわ歩けないわで……、あんたのこと担いで帰ってきたけど、家の前の坂登るのに倍以上時間かかったかも」
そうして大げさにおどかすと、浜島は青白い顔をさらに紙のように白くして、「マジか、ごめん、申し訳ない」と尚澄に手を合わせてくる。尚澄は「おれもあんたに運ばれた身の上だからあんまり強いことは云えないな。これでおあいこだね」と笑った。
それから、調子が悪くてまだ朝食の準備をしていない、と申し訳なさそうな浜島に、「朝飯、おれが作るよ」と申し出てみる。
是非頼む、と浜島の承諾を得て台所に立つと、尚澄はひとつ大きなため息を吐いた。
昨晩浜島の部屋を出たあと、尚澄はほとんど眠れなかった。
どこかで唐突に響く落雪の音を聞きながら、一晩中まんじりともせず、考えていた。
浜島から吐露された感情についても、自らが浜島に抱いている感情についても、それに、勇斗のことも。
勇斗を過去のものにできていない己を、尚澄はようやく認識し始めていたのだった。
「勇斗のかたちをした穴」が、尚澄の中にずっとあった。
勇斗と別れて、埋めようと躍起になってもうまくいかなかったそれ。
時間が風化させてくれると思っていたそれは、喪失感や未練といった感情だった。
勇斗が死んだと知ったとき、尚澄はその穴を再び意識した。それが、彼と別れたときのまま、風化もせずくっきりと自らの中に穿たれているのを改めて感じた。
もう、埋められないものなのだと思っていた。勇斗にしか埋められない欠落感なら、勇斗が喪われてしまった今、手出しのしようもないものなのだと。
でも。
酔った浜島に「男がいるんだろ」と問い詰められ、それを否定できなかったことではじめて、尚澄は自らの中を漂っていた感覚の端緒を掴んだ。
尚澄は、喪失感を埋めようとしていなかった。
新しい出会いを得ようと努力していたときですら、尚澄はその勇斗のかたちをした穴を別なもので塞いでしまうのを、無意識に敬遠していた。
その穴、つまり未練、喪失感、欠落といった感情だけが、勇斗と付き合っていた頃の尚澄自身の存在を信じられる、唯一のものだったから。
喪失感を埋められないというのは、勇斗をいまだ過去のものにできていないということに相違ない。「特別な相手だった」と過去形にしてしまうことに怯えるばかりか、今でも彼が「特別な相手」であり続けているのだ。
だから浜島に勇斗とのことを伝えられもせず、もっと遡れば、彼に「元恋人の墓参りに行く」と告げられずにいた。
本当は、伝えてしかるべきだったのに。
勇斗は特別な相手だったけれど、もう六年も前に別れ、去年亡くなった人だから、浜島が罪悪感を抱くことはないのだときっぱり告げるべきだったのだ。
そうすれば、彼の苦悩を取り去ってやれたかも知れない。余計な苦しみを与えずにすんだかも知れないのに。
そんな罪悪感と、勇斗への気持ちの板挟みになるほど、尚澄は逃れようもなく、浜島を好きになっていた。
彼のお喋りは楽しかったし、彼の優しさはいつも身に沁みた。彼の作る食事、彼の描く絵は、心を温かくしてくれた。それに、彼に抱かれることにはむなしさがなかった。「甘え上戸」のせいとはいえ彼に甘えられて嬉しかったし、内心で彼が傷ついていたことは、ただただ心苦しく悲しかった。
出会ってからまだ一週間程度だというのに、尚澄の心の中で、浜島の存在は確実に大きくなっていた。
かけがえのないものとまで、思えるような。
けれど、勇斗のことを過去にできていない以上、尚澄は彼への好意に自信を持てなかった。
自分は浜島を、勇斗の穴を埋めるのに都合のいいものとして見ているのではないか。
本当にかけがえのない存在なのは、やっぱり勇斗なのではないか。
自らへの疑念が、尚澄の腹の奥に、泥のように凝っていた。
勇斗への気持ちにけじめをつけない限りは、自分が浜島を好きだと云うことも、浜島に好きだと思われることも、どちらも許されないような感覚があった。勇斗の代替ではないと、胸を張って云い切れるようにならないうちには。
どちらにせよ、彼の居心地の良さを利用して今までずるずると小岳平にとどまっていたことそのものが、そもそもあまりにも厚かましい行為だった。
だからこそ、このままここにいることはもうできない、というのが、尚澄の結論だった。
もうすぐ浜島との会話も、彼と過ごす時間も、最後になるはずだ。であれば、できるだけ今までと同じ空気で過ごしていたかった。
彼の心情の吐露もそれによって気づかされた自らの気持ちも、なかったことにはもうならないが、そう考えることで、尚澄は波風を立てずにここを去ろうとしていた。
使いかけの大根があったのでそれをすりおろして、尚澄は二日酔いの浜島のためにみぞれ雑炊を作ってやった。チューブの生姜もたっぷり入れて、その他雑多な具を煮るくらいの簡単なものだ。
これが胃にも優しくて水分もとれ、悪酔いの朝にはてきめんに効く。
もとをたどれば二十歳を過ぎて初めての飲み会で限界まで飲み、翌日あまりの不調にダウンしていた尚澄のために、勇斗が作ってくれたものだった。
だからか、雑炊を煮ながら尚澄は、奇妙な罪悪感を覚えていた。
幸いというか、不幸にも、というか。
その雑炊を、浜島は褒めてくれた。「旨いなこれ。調子悪くてもするする食える。おにぎりも旨いし、霜澤さん、あんた料理できるんだな」……少し大げさな気もするが、褒められるのは単純に嬉しかった。
ふたりで雑炊の鍋を空にして、少し元気を取り戻した浜島が淹れてくれた番茶をすすりながら、尚澄は舌が重くならないうちに、
「ちょっと話してもいい?」
と切り出す。
浜島の視線がもの問いたげに自分を見たのを確認したあと、尚澄は少しためらってから、「長居して申し訳なかったけど、そろそろおいとましようと思うんだ」と、小岳平を辞する意思を口にした。
「……とうとう山を下りるつもりになったってこと?」
「うん。だから悪いんだけど、都合のいいときに、車出してもらえる?」
浜島は短い間沈黙し、感情の薄い目で尚澄を見ていた。その目が尚澄には、さみしかった。
「そっか」
やがてぽつりとため息めいた間投詞を吐き出し、浜島はひとつ小さく頷いた。そうだね、そのほうがいいね、と今度は沈黙が落ちる前にことさらに同意の意を示す。
「週末はまた雪も降りそうだし、もう年末だからな。次ここで雪隠詰めになったら、今度は年越してもらわないといけなくなっちまうもんね。ただその、今日はちょっと見ての通りだから、明日でもいいかな。そしたら駅まででもどこでも送っていくんだけど……」
矢継ぎ早に言葉を発したあと、浜島は「あ、西上津の友達に会いに行くんだったな」と思い出したように付け加える。
尚澄はとっさに頷いて、それから、どうして自分はこの期に及んで浜島に嘘をつき続けているのかと、自責の念にも似た思いに苛まれた。こんな態度だから浜島を傷つけてしまったと、もう痛いほど理解したというのに。
「師走の忙しいさなかでちゃんと会えるか心配だけど、あれだね……仲直り、できるといいね。うまくいくよう祈ってるよ」
浜島のどうということもない励ましに、声にならない「嘘つき」という言葉が、尚澄の心の中に落ちていった。自分も彼もとんだ嘘つきだ、と尚澄は思った。
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