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55.離れる
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そして、レイモン兄様が迎えに来たのは十日後のことだった。
伯父様とレイモン兄様の間で話し合いがつき、
私はイフリア公爵家に戻ることになった。
「ジュリアンヌ、迎えに来たよ」
「レイモン兄様」
レドアル公爵家を離れるのが悲しくて、
レイモン兄様の顔を見た瞬間、涙がこらえきれなくなる。
それに気がついたのか、レイモン兄様が抱きしめてくれた。
その胸にしがみついていると、レイモン兄様が伯父様と話をしている。
「それでは、ジュリアンヌはイフリア公爵家に連れて行きます。
書類はそちらのほうで王家に出してもらえますか?」
「ああ、署名はもらったしな。わかった。
レドアル公爵家から出しておこう」
その書類が王家に認められたら、
私はジュリアンヌ・レドアルではなく、ジュリアンヌ・イフリアに戻る。
ずっと悩んで決めたことなのに、もう後悔している。
ジェラルド兄様と離れてしまうのが嫌で、兄様を見ることもできない。
だって、兄様の顔を見たら、抱き着いてしまったら、
離れたくないと言ってしまいそうだから。
ジェラルド兄様が私に手を延ばそうとしたけれど、
私が下を向いたままだったからか、その手はふれるまえに戻された。
お別れを言わなくてはいけないのに、
何も言えずにレイモン兄様に抱き着いたまま。
「……ジュリアンヌ、行こうか。
挨拶はまた今度来よう」
もう声を出すこともできなくて、ただうなずく。
レイモン兄様はそんな私に無理に挨拶させることはなく、
そのまま馬車に乗せてくれた。
伯父様と伯母様、ジェラルド兄様が見送ってくれているのに、
窓の外に手を振ることもできない。
馬車が走り出して少ししてから、ようやく外を見る。
遠くなっていくレドアル公爵家の屋敷を見て、
叫んでしまいそうになる。
「ジュリアンヌ、好きなだけ泣いていい」
「レイモン兄様……」
「うん、大丈夫だ。これからは兄様がいるから」
優しく背中を撫でられ、安心はするけれど、
どうしてもジェラルド兄様ではないと思ってしまう。
イフリア公爵家に着いて馬車から降りると、
使用人たちがずらりと並んでいた。
泣き顔を見られたくなくてうつむいていると、
レイモン兄様が使用人に指示を出す。
「これから妹のジュリアンヌもこの屋敷に住む。
俺と同等の身分だと思って接するように」
公爵と公爵の妹では身分が違いすぎるのに、
そんな風に指示を出したからか、使用人たちに深く礼をされる。
「さぁ、ジュリアンヌの部屋に案内するよ」
「……母屋に?」
「ああ、もちろん。部屋は俺の隣にした。
何かあればすぐにわかるからな」
「ありがとう……」
母屋に入ったことは記憶にないから初めてだ。
レドアル公爵家の屋敷に慣れているから、それほど驚きはしないけれど、
イフリア公爵家の母屋に自分の部屋があるのが不思議に思ってしまう。
部屋に入った後、数人の侍女を紹介される。
レイモン兄様は落ち着くまで一緒にいようとしてくれたけれど、
一人で大丈夫だと言って断ることにした。
もう一人でも大丈夫になるためにイフリア公爵家に来たのだから。
レイモン兄様にも必要以上頼ったりはしない。
夜になって寝台に横になったけれど、少しも眠くなかった。
こんな日はいつもジェラルド兄様が来てくれた。
今にも部屋のドアが開くような気がして見つめてしまう。
いつになったら、ジェラルド兄様がいなくても平気になるんだろう。
手をつないでほしいと求めてしまう気持ちは、
どのくらい一人でいればなくなるのだろうか。
次の日、朝起きて準備が整ってから食事室へと向かう。
誰の手も借りずに歩いて行くことがなんだか不思議に思う。
屋敷の中だから当然のことだけど、
今まではジェラルド兄様が手をつないでくれていた。
だけど、レイモン兄様はそんなことはしない。
本当の兄妹なら、屋敷の中で手をつないだりしない。
「よく眠れたか?」
「……ううん」
「そうか。学園は休んでもいいんだぞ?」
「大丈夫。行くわ」
今日からはイフリア公爵家から学園に通うことになる。
レイモン兄様は心配していたようだけど、
このくらいで休むわけにはいかない。
学園に向かう馬車には侍女ユリナが一緒に乗り、護衛が何人もつけられた。
レドアル公爵家の時も護衛はいたけれど、侍女はいなかった。
ユリナには顔色が悪いことを心配されたけれど、
気にしないように言って学園に向かわせる。
教室について、マリエット達四人にもイフリア公爵家に戻ったことを説明する。
昼休憩もジェラルド兄様とは取らないことにしていたので、
みんなでカフェテリアに行って食事を取る。
どこかでシュゼット様に会うかもしれないと思っていたけれど、
どうやらずっと休んでいるようだった。
会えば何か言われそうだったので、休んでいると聞いてほっとする。
授業が終われば、また馬車に乗ってイフリア公爵家に戻る。
一日、ジェラルド兄様と会わないまま終わるのは、
私がレドアル公爵家に保護されてから初めてのことだった。
夜になって身体は疲れているはずなのに、少しも眠くならない。
目を閉じて身体を休ませようとしていると、
いつのまにか朝になってしまった。
そんな風に一週間が過ぎて、学園が休みの日になる。
朝食を取った後、何もすることがなくて困っていると、
ユリナに散歩を勧められる。
そういえばイフリア公爵家に来てから庭に出ていない。
散歩もいいかもしれないと思い、日傘をさして外に出る。
ユリナや他の侍女たちがついてこようとしたけれど、
一人にしてほしいと言って歩き出した。
なんとなく覚えがある庭を歩いていると、離れに出た。
……お母様と私が暮らしていた離れ。
今はどうなっているんだろう。
「ジュリアンヌ、離れが気になるのか?」
「……レイモン兄様?」
振り返れば、そこにはレイモン兄様が来ていた。
伯父様とレイモン兄様の間で話し合いがつき、
私はイフリア公爵家に戻ることになった。
「ジュリアンヌ、迎えに来たよ」
「レイモン兄様」
レドアル公爵家を離れるのが悲しくて、
レイモン兄様の顔を見た瞬間、涙がこらえきれなくなる。
それに気がついたのか、レイモン兄様が抱きしめてくれた。
その胸にしがみついていると、レイモン兄様が伯父様と話をしている。
「それでは、ジュリアンヌはイフリア公爵家に連れて行きます。
書類はそちらのほうで王家に出してもらえますか?」
「ああ、署名はもらったしな。わかった。
レドアル公爵家から出しておこう」
その書類が王家に認められたら、
私はジュリアンヌ・レドアルではなく、ジュリアンヌ・イフリアに戻る。
ずっと悩んで決めたことなのに、もう後悔している。
ジェラルド兄様と離れてしまうのが嫌で、兄様を見ることもできない。
だって、兄様の顔を見たら、抱き着いてしまったら、
離れたくないと言ってしまいそうだから。
ジェラルド兄様が私に手を延ばそうとしたけれど、
私が下を向いたままだったからか、その手はふれるまえに戻された。
お別れを言わなくてはいけないのに、
何も言えずにレイモン兄様に抱き着いたまま。
「……ジュリアンヌ、行こうか。
挨拶はまた今度来よう」
もう声を出すこともできなくて、ただうなずく。
レイモン兄様はそんな私に無理に挨拶させることはなく、
そのまま馬車に乗せてくれた。
伯父様と伯母様、ジェラルド兄様が見送ってくれているのに、
窓の外に手を振ることもできない。
馬車が走り出して少ししてから、ようやく外を見る。
遠くなっていくレドアル公爵家の屋敷を見て、
叫んでしまいそうになる。
「ジュリアンヌ、好きなだけ泣いていい」
「レイモン兄様……」
「うん、大丈夫だ。これからは兄様がいるから」
優しく背中を撫でられ、安心はするけれど、
どうしてもジェラルド兄様ではないと思ってしまう。
イフリア公爵家に着いて馬車から降りると、
使用人たちがずらりと並んでいた。
泣き顔を見られたくなくてうつむいていると、
レイモン兄様が使用人に指示を出す。
「これから妹のジュリアンヌもこの屋敷に住む。
俺と同等の身分だと思って接するように」
公爵と公爵の妹では身分が違いすぎるのに、
そんな風に指示を出したからか、使用人たちに深く礼をされる。
「さぁ、ジュリアンヌの部屋に案内するよ」
「……母屋に?」
「ああ、もちろん。部屋は俺の隣にした。
何かあればすぐにわかるからな」
「ありがとう……」
母屋に入ったことは記憶にないから初めてだ。
レドアル公爵家の屋敷に慣れているから、それほど驚きはしないけれど、
イフリア公爵家の母屋に自分の部屋があるのが不思議に思ってしまう。
部屋に入った後、数人の侍女を紹介される。
レイモン兄様は落ち着くまで一緒にいようとしてくれたけれど、
一人で大丈夫だと言って断ることにした。
もう一人でも大丈夫になるためにイフリア公爵家に来たのだから。
レイモン兄様にも必要以上頼ったりはしない。
夜になって寝台に横になったけれど、少しも眠くなかった。
こんな日はいつもジェラルド兄様が来てくれた。
今にも部屋のドアが開くような気がして見つめてしまう。
いつになったら、ジェラルド兄様がいなくても平気になるんだろう。
手をつないでほしいと求めてしまう気持ちは、
どのくらい一人でいればなくなるのだろうか。
次の日、朝起きて準備が整ってから食事室へと向かう。
誰の手も借りずに歩いて行くことがなんだか不思議に思う。
屋敷の中だから当然のことだけど、
今まではジェラルド兄様が手をつないでくれていた。
だけど、レイモン兄様はそんなことはしない。
本当の兄妹なら、屋敷の中で手をつないだりしない。
「よく眠れたか?」
「……ううん」
「そうか。学園は休んでもいいんだぞ?」
「大丈夫。行くわ」
今日からはイフリア公爵家から学園に通うことになる。
レイモン兄様は心配していたようだけど、
このくらいで休むわけにはいかない。
学園に向かう馬車には侍女ユリナが一緒に乗り、護衛が何人もつけられた。
レドアル公爵家の時も護衛はいたけれど、侍女はいなかった。
ユリナには顔色が悪いことを心配されたけれど、
気にしないように言って学園に向かわせる。
教室について、マリエット達四人にもイフリア公爵家に戻ったことを説明する。
昼休憩もジェラルド兄様とは取らないことにしていたので、
みんなでカフェテリアに行って食事を取る。
どこかでシュゼット様に会うかもしれないと思っていたけれど、
どうやらずっと休んでいるようだった。
会えば何か言われそうだったので、休んでいると聞いてほっとする。
授業が終われば、また馬車に乗ってイフリア公爵家に戻る。
一日、ジェラルド兄様と会わないまま終わるのは、
私がレドアル公爵家に保護されてから初めてのことだった。
夜になって身体は疲れているはずなのに、少しも眠くならない。
目を閉じて身体を休ませようとしていると、
いつのまにか朝になってしまった。
そんな風に一週間が過ぎて、学園が休みの日になる。
朝食を取った後、何もすることがなくて困っていると、
ユリナに散歩を勧められる。
そういえばイフリア公爵家に来てから庭に出ていない。
散歩もいいかもしれないと思い、日傘をさして外に出る。
ユリナや他の侍女たちがついてこようとしたけれど、
一人にしてほしいと言って歩き出した。
なんとなく覚えがある庭を歩いていると、離れに出た。
……お母様と私が暮らしていた離れ。
今はどうなっているんだろう。
「ジュリアンヌ、離れが気になるのか?」
「……レイモン兄様?」
振り返れば、そこにはレイモン兄様が来ていた。
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