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2章 次代へ
18.ロゼとフラン
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ジーク兄とアンジェリカ王女が、もうすぐ戻ってくるらしい。
全員が揃ったら、ルノ兄の王太子指名について話し合うと聞いた。
僕は、その前にどうしても聞いておきたいことがあった。
「ロゼ、待たせてごめん。」
「大丈夫よ。ここは薔薇が特にきれいだから、ちっとも退屈しなかったわ。」
王族しか入れない中庭の奥、ベンチに座ってロゼが待っていてくれた。
公爵令嬢のための教育と、王子教育は同じ部分もあるが、やはり違うことも多い。
一緒に学べない時は、こうして中庭で待ち合わせしていた。
「ジーク兄とアンジェリカ王女が帰ってくるね。
3年ぶりくらい?」
「聞いたわ。3年ぶりっていうけど、家にいた時もあまり会っていないの。
ジーク兄はアンジェ姉様とべったりなんですもの。」
ちょっと拗ねた言い方に笑ってしまう。
一番上の兄にあまり遊んでもらえなかったことを思い出したらしい。
最近は2番目のルノ兄も忙しそうだし、ロゼも忙しい。
あまり遊んでいる時間もないのだが、気持ちの問題なのだろう。
「ジーク兄は戻って来ても、将来的にはレガール国に行ってしまうだろうし、
ルノ兄は王太子になるから、王宮に住むことになると思う。」
「そうなの?
ルノ兄は王宮に住むんだ。いいなぁ。」
「ロゼも王宮に住みたい?」
「うん。だって、そうしたら寂しくないでしょ?
ずっとフランと一緒にいられるよ?」
「…住むのは王宮じゃないけど、
僕となら、ずっと一緒にいられる方法が一つだけあるよ。」
「あるの?じゃあ、そうする!」
「ロゼ?その方法が何か聞かなくていいの?」
「聞くけど、そうする。だって、フランと一緒にいられるんでしょ?」
あまりの即答に戸惑ってしまった。
だますつもりはないけど、なんだかだましている気分だ。
いいのかな…これで。
それでも、一緒にいたいなら今言うしかない。
「僕を公爵家に娘婿としてむかえてくれないか?」
「娘婿?」
「そう。ロゼがコンコード公爵家を継いで、僕と結婚する。」
「公爵を継いで結婚って、お父様とお母様みたいになるってことよね?」
「そう。嫌か?」
「嫌じゃない。じゃあ、ロゼはフランと結婚して、公爵になる!」
「良かった。…でも、僕でいいのか?」
「いいのかって?」
「争いから逃げるような感じで、ちょっと男らしくないなって。
全部をルノ兄に任せて、僕は王族から下りて…いいのかなって思うんだ。
ロゼは素敵な令嬢だから、これからたくさんの令息から求婚されるだろう。
その前に、こんな僕を選んで後悔しないかなって。」
「私がずっと一緒にいるのはフランがいい。
フランが国王になるなら、王妃になろうと思ってたけど、
別に王妃になりたいと思ったことは無いの。
でも、そうじゃないとフランと一緒にいられないと思ったから、
頑張ってただけなの。」
見上げてくる目がきらきらして、嘘じゃないってわかる。
きっと王宮に連れてこられて、僕と一緒に学び始めた時から、
婚約者候補だっていうのは知っていたんだろう。
それでも、僕と一緒にいるために頑張ってくれていたんだ…。
ベンチに座っているロゼに跪いて、両手をつないで見つめる。
光が当たって、ロゼの金色の髪が浮かび上がって、まるで天使のように見える。
「ロゼ、僕もずっと一緒にいるのはロゼがいい。
僕と結婚してください。」
「するわ!」
抱き着いてくるロゼを受け止め、そのまま抱き上げる。
まだ軽いロゼだから何とかなったけど、成長してからも抱き上げられるように、
毎日の剣技練習はさぼらないで頑張ろうと思う。
「今度みんなで会う時に、僕たちのことも話そう。きっと大丈夫。」
ジーク兄はともかく、ルノ兄はもしかしたら渋い顔するかもしれない。
それでもちゃんと話したらわかってくれると思う。
だって僕にはロゼが、ロゼだけが必要なんだから。
全員が揃ったら、ルノ兄の王太子指名について話し合うと聞いた。
僕は、その前にどうしても聞いておきたいことがあった。
「ロゼ、待たせてごめん。」
「大丈夫よ。ここは薔薇が特にきれいだから、ちっとも退屈しなかったわ。」
王族しか入れない中庭の奥、ベンチに座ってロゼが待っていてくれた。
公爵令嬢のための教育と、王子教育は同じ部分もあるが、やはり違うことも多い。
一緒に学べない時は、こうして中庭で待ち合わせしていた。
「ジーク兄とアンジェリカ王女が帰ってくるね。
3年ぶりくらい?」
「聞いたわ。3年ぶりっていうけど、家にいた時もあまり会っていないの。
ジーク兄はアンジェ姉様とべったりなんですもの。」
ちょっと拗ねた言い方に笑ってしまう。
一番上の兄にあまり遊んでもらえなかったことを思い出したらしい。
最近は2番目のルノ兄も忙しそうだし、ロゼも忙しい。
あまり遊んでいる時間もないのだが、気持ちの問題なのだろう。
「ジーク兄は戻って来ても、将来的にはレガール国に行ってしまうだろうし、
ルノ兄は王太子になるから、王宮に住むことになると思う。」
「そうなの?
ルノ兄は王宮に住むんだ。いいなぁ。」
「ロゼも王宮に住みたい?」
「うん。だって、そうしたら寂しくないでしょ?
ずっとフランと一緒にいられるよ?」
「…住むのは王宮じゃないけど、
僕となら、ずっと一緒にいられる方法が一つだけあるよ。」
「あるの?じゃあ、そうする!」
「ロゼ?その方法が何か聞かなくていいの?」
「聞くけど、そうする。だって、フランと一緒にいられるんでしょ?」
あまりの即答に戸惑ってしまった。
だますつもりはないけど、なんだかだましている気分だ。
いいのかな…これで。
それでも、一緒にいたいなら今言うしかない。
「僕を公爵家に娘婿としてむかえてくれないか?」
「娘婿?」
「そう。ロゼがコンコード公爵家を継いで、僕と結婚する。」
「公爵を継いで結婚って、お父様とお母様みたいになるってことよね?」
「そう。嫌か?」
「嫌じゃない。じゃあ、ロゼはフランと結婚して、公爵になる!」
「良かった。…でも、僕でいいのか?」
「いいのかって?」
「争いから逃げるような感じで、ちょっと男らしくないなって。
全部をルノ兄に任せて、僕は王族から下りて…いいのかなって思うんだ。
ロゼは素敵な令嬢だから、これからたくさんの令息から求婚されるだろう。
その前に、こんな僕を選んで後悔しないかなって。」
「私がずっと一緒にいるのはフランがいい。
フランが国王になるなら、王妃になろうと思ってたけど、
別に王妃になりたいと思ったことは無いの。
でも、そうじゃないとフランと一緒にいられないと思ったから、
頑張ってただけなの。」
見上げてくる目がきらきらして、嘘じゃないってわかる。
きっと王宮に連れてこられて、僕と一緒に学び始めた時から、
婚約者候補だっていうのは知っていたんだろう。
それでも、僕と一緒にいるために頑張ってくれていたんだ…。
ベンチに座っているロゼに跪いて、両手をつないで見つめる。
光が当たって、ロゼの金色の髪が浮かび上がって、まるで天使のように見える。
「ロゼ、僕もずっと一緒にいるのはロゼがいい。
僕と結婚してください。」
「するわ!」
抱き着いてくるロゼを受け止め、そのまま抱き上げる。
まだ軽いロゼだから何とかなったけど、成長してからも抱き上げられるように、
毎日の剣技練習はさぼらないで頑張ろうと思う。
「今度みんなで会う時に、僕たちのことも話そう。きっと大丈夫。」
ジーク兄はともかく、ルノ兄はもしかしたら渋い顔するかもしれない。
それでもちゃんと話したらわかってくれると思う。
だって僕にはロゼが、ロゼだけが必要なんだから。
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