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5章裏切りと真実の愛
3,衝撃の真実
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ルーカス様が猛烈なスピードで歩くものだからバスケットは上下左右に激しく揺れる。
「うわああああ。目が回るわ。お願い。ここから出してちょうだい!」
私はコロコロと転がり回りながら、カゴの中から助けを求めた。
「情けないわね。辛抱しなさいよ」
「そうしようと思うんだけど。胸がムカムカして吐きそうなの」
「ダメなウサ公ね。
しかたないわ。それじゃ今から走るわよ」
ルーカス様のきっぱりした声が耳に届く。
「これ以上スピードを上げるのはやめてちょうだい。私、きっと気絶するから」
胸の前で両手を合わせて必死な声をだした。
なのにルーカス様からの返事は何もない。
「こうなったら自力でここから脱出するしかないわね」
意を決して、バスケットの中からグイと上半身をのりだすと、視線の先に大きな壁が立ちはだかっていた。
どうやら今いる場所は廊下のつきあたりのようだ。
だとしたら御魂士のいる部屋は廊下の左右どちらに違いない。
「なーんだ。もう着いたも同然じゃない」
ホッと胸をなでおろした時だった。
「えいっ」
ルーカス様は気合のはいった声を上げて、長い足で強く壁をけり上げる。
すると壁はクルリと回転して、目の前に地下へと伸びる長い階段が現れたのだ。
「こんなところに隠し扉があったなんて、ビックリだわ」
「ふふふ。この事を知っているのはほんの一部の人間だけなのよ。
この階段を下りた部屋に御魂士を待たせているの。
一気に駆け下りるから、念のため酔い止めを飲んでなさい」
ルーカス様は早口でそう言うと、懐に手を入れて赤い丸い粒を差し出した。
「ありがとう」
お礼を言ってから受けとると、バスケットの底に座りカリカリと大粒の薬をかじる。
最初はこわごわ舐める程度だったけど薬はほんのりイチゴ味がして、まるで
スイーツのように美味しかった。
この薬も例の御魂士がこしらえたのだろうか。
だとしたらかなりの凄腕ね。(薬に甘味を加えるのはかなり難しいのだ)
良かった。これから会う御魂士は確実に私を元の姿に戻してくれるわ。
100%そう信じたいのに、なぜか強い不安を胸から消せない私がいる。
「大丈夫よ。きっとうまくいくわ」
自分に言い聞かせた時、ルーカス様の動きがピタリと止まった。
「着いたわよ」
ルーカス様はぶっきら棒に言うと、錆びた重そうな扉をゆっくりと開く。
そして慣れた様子で部屋の中に進んで行った。
天井には銀色の蜘蛛の巣。
奥には破棄された色々な家具や道具が乱雑に積み上がっている。
「わあ。汚い」
キラキラのレイン様の自室を見慣れた私の目にはここは廃屋にしか見えない。
こんな場所に孔雀国王のお抱え御魂士を通すなんて、ルーカス様は間違っている。
ここはバルバド帝国皇妃としてお詫びしないといけない。
どんな風に謝罪したらいいかしら。
思案していると、突然ルーカス様に頭をつかまれ中心にある丸テーブルの上に立たされる。
「皆さんお待たせ。
これが噂のぬいぐるみになったキャンディ皇妃ですわ」
ルーカス様は私を取り巻くように立っていた集団にドヤ顔をした。
ルーカス様と同じ黒いロープを身につけた彼らはフードをすっぽり被って顔を隠している。
なので誰が誰だかわからないけれどこの中の一人が御魂士なのだろう。
正直彼らには胡散臭さを感じた。
けれどもここは大国の皇妃らしいを見せつけたい。
「初めましてキャンディと申します。
この度はわたくしの為に遠い国よりご足労いただき申し訳ありません」
そう言って自分史上一番丁寧なカーテシを披露した。
「「「「「「おおおおおおお」」」」」
とたんに彼らは地鳴りのような驚きの声を上げる。
そしてほとんどの者がおののいたように後ずさりをした。
が一人だけ私との距離をつめてくる。
「まさかぬいぐるみが一人でに動き話すとは……」
その者は唸るように呟きながら、一歩一歩私に近寄ってきた。
きっとこの人がルーカス様の言う御魂士なのだろう。
近くで見れば、その人のフードにだけ金糸で星型の刺繍がほどこされている。
大勢のお弟子さんを従えて私の為に足を運んでくれたのだ。
「この度は……」
もう一度感謝の言葉を述べようとしたが、御魂士の上げた声に遮られる。
「どうしても妾は信じられぬ。魂が皇妃の体からぬいぐるみに移るなんてあり得ないじゃろ。
小賢しいレインのことじゃ。そういう話をつくって皇国民の人気を得ようとしてるいに違いない。妾だけは絶対に騙されんぞ」
「妾ですって! 貴方はまさか皇太后様なの!?」
聞き覚えのある声へ視線を移す。
「そうじゃ!」
声の主が被っていたフードを瞬時に手で払いのけた。
「グレイス皇太后様……。貴方が御魂士だったのですか?」
いつも以上に冷酷な美しさが際立っているグレイス様に小首を傾げる。
「そんなわけないじゃろ」
グレイス様が薄い唇の口角を上げて勝ち誇った顔をした。
と同時に周囲の者達が一斉に嫌な笑い声を上げる。
「でも。ルーカス様がここで御魂士が待っている……」
と言いかけて途中でハッとした。
「私を騙したのね!
どうしてそんな事をしたのよ!」
ありったけの力をこめて声をはる。
「決まってるじゃない。
憎いレインを皇帝陛下の座から引きずりおろす為よ」
荒々しい声を上げたルーカス様は両手で私の体をギュッと掴んだ。
「痛いわ! 放してちょうだい」
逃げ出そうと、身体をよじってもなんともならない。
「放してと言われて放すバカはいないでしょ。
私の従弟はね。レインにもっともっと痛い思いをさせられたのよ。
だから貴方にはもっと痛がってもらわないとね」
「従弟って? 一体なんの話かわからないわ。
きっと何か誤解があるのよ。落ち着いてちゃんと話しあいましょう。
それに貴方がこんな事をしたと知ると、ダンは悲しみのあまり立ち直れなくなるわ。
ね。だからその手を放してちょうだい」
「嫌よ!!!
私の従弟はね。
レインにメッチャ刺しにされて殺されてのよ。
弟同然だったあの子の仇をなんとしてでもとってやるわ。
ダンはその為の道具よ。あっさりと私に落ちてくれたおかげで色々な情報が聞けて、動きやすかったわ」
「まさか。あの時の刺客がルーカス様の従弟だったの」
先日聞いたばかりの離宮での惨事が脳裏をよぎる。
「貴方の従弟がレイン様のお母を……」
あまりの衝撃の真実にワナワナと身体が震えた。
「わかったら大人しく言う通りにしなさい」
ルーカス様は吐き捨てるように言うと、私を抑えつけていた手に一段と力をこめる。
「うわああああ。目が回るわ。お願い。ここから出してちょうだい!」
私はコロコロと転がり回りながら、カゴの中から助けを求めた。
「情けないわね。辛抱しなさいよ」
「そうしようと思うんだけど。胸がムカムカして吐きそうなの」
「ダメなウサ公ね。
しかたないわ。それじゃ今から走るわよ」
ルーカス様のきっぱりした声が耳に届く。
「これ以上スピードを上げるのはやめてちょうだい。私、きっと気絶するから」
胸の前で両手を合わせて必死な声をだした。
なのにルーカス様からの返事は何もない。
「こうなったら自力でここから脱出するしかないわね」
意を決して、バスケットの中からグイと上半身をのりだすと、視線の先に大きな壁が立ちはだかっていた。
どうやら今いる場所は廊下のつきあたりのようだ。
だとしたら御魂士のいる部屋は廊下の左右どちらに違いない。
「なーんだ。もう着いたも同然じゃない」
ホッと胸をなでおろした時だった。
「えいっ」
ルーカス様は気合のはいった声を上げて、長い足で強く壁をけり上げる。
すると壁はクルリと回転して、目の前に地下へと伸びる長い階段が現れたのだ。
「こんなところに隠し扉があったなんて、ビックリだわ」
「ふふふ。この事を知っているのはほんの一部の人間だけなのよ。
この階段を下りた部屋に御魂士を待たせているの。
一気に駆け下りるから、念のため酔い止めを飲んでなさい」
ルーカス様は早口でそう言うと、懐に手を入れて赤い丸い粒を差し出した。
「ありがとう」
お礼を言ってから受けとると、バスケットの底に座りカリカリと大粒の薬をかじる。
最初はこわごわ舐める程度だったけど薬はほんのりイチゴ味がして、まるで
スイーツのように美味しかった。
この薬も例の御魂士がこしらえたのだろうか。
だとしたらかなりの凄腕ね。(薬に甘味を加えるのはかなり難しいのだ)
良かった。これから会う御魂士は確実に私を元の姿に戻してくれるわ。
100%そう信じたいのに、なぜか強い不安を胸から消せない私がいる。
「大丈夫よ。きっとうまくいくわ」
自分に言い聞かせた時、ルーカス様の動きがピタリと止まった。
「着いたわよ」
ルーカス様はぶっきら棒に言うと、錆びた重そうな扉をゆっくりと開く。
そして慣れた様子で部屋の中に進んで行った。
天井には銀色の蜘蛛の巣。
奥には破棄された色々な家具や道具が乱雑に積み上がっている。
「わあ。汚い」
キラキラのレイン様の自室を見慣れた私の目にはここは廃屋にしか見えない。
こんな場所に孔雀国王のお抱え御魂士を通すなんて、ルーカス様は間違っている。
ここはバルバド帝国皇妃としてお詫びしないといけない。
どんな風に謝罪したらいいかしら。
思案していると、突然ルーカス様に頭をつかまれ中心にある丸テーブルの上に立たされる。
「皆さんお待たせ。
これが噂のぬいぐるみになったキャンディ皇妃ですわ」
ルーカス様は私を取り巻くように立っていた集団にドヤ顔をした。
ルーカス様と同じ黒いロープを身につけた彼らはフードをすっぽり被って顔を隠している。
なので誰が誰だかわからないけれどこの中の一人が御魂士なのだろう。
正直彼らには胡散臭さを感じた。
けれどもここは大国の皇妃らしいを見せつけたい。
「初めましてキャンディと申します。
この度はわたくしの為に遠い国よりご足労いただき申し訳ありません」
そう言って自分史上一番丁寧なカーテシを披露した。
「「「「「「おおおおおおお」」」」」
とたんに彼らは地鳴りのような驚きの声を上げる。
そしてほとんどの者がおののいたように後ずさりをした。
が一人だけ私との距離をつめてくる。
「まさかぬいぐるみが一人でに動き話すとは……」
その者は唸るように呟きながら、一歩一歩私に近寄ってきた。
きっとこの人がルーカス様の言う御魂士なのだろう。
近くで見れば、その人のフードにだけ金糸で星型の刺繍がほどこされている。
大勢のお弟子さんを従えて私の為に足を運んでくれたのだ。
「この度は……」
もう一度感謝の言葉を述べようとしたが、御魂士の上げた声に遮られる。
「どうしても妾は信じられぬ。魂が皇妃の体からぬいぐるみに移るなんてあり得ないじゃろ。
小賢しいレインのことじゃ。そういう話をつくって皇国民の人気を得ようとしてるいに違いない。妾だけは絶対に騙されんぞ」
「妾ですって! 貴方はまさか皇太后様なの!?」
聞き覚えのある声へ視線を移す。
「そうじゃ!」
声の主が被っていたフードを瞬時に手で払いのけた。
「グレイス皇太后様……。貴方が御魂士だったのですか?」
いつも以上に冷酷な美しさが際立っているグレイス様に小首を傾げる。
「そんなわけないじゃろ」
グレイス様が薄い唇の口角を上げて勝ち誇った顔をした。
と同時に周囲の者達が一斉に嫌な笑い声を上げる。
「でも。ルーカス様がここで御魂士が待っている……」
と言いかけて途中でハッとした。
「私を騙したのね!
どうしてそんな事をしたのよ!」
ありったけの力をこめて声をはる。
「決まってるじゃない。
憎いレインを皇帝陛下の座から引きずりおろす為よ」
荒々しい声を上げたルーカス様は両手で私の体をギュッと掴んだ。
「痛いわ! 放してちょうだい」
逃げ出そうと、身体をよじってもなんともならない。
「放してと言われて放すバカはいないでしょ。
私の従弟はね。レインにもっともっと痛い思いをさせられたのよ。
だから貴方にはもっと痛がってもらわないとね」
「従弟って? 一体なんの話かわからないわ。
きっと何か誤解があるのよ。落ち着いてちゃんと話しあいましょう。
それに貴方がこんな事をしたと知ると、ダンは悲しみのあまり立ち直れなくなるわ。
ね。だからその手を放してちょうだい」
「嫌よ!!!
私の従弟はね。
レインにメッチャ刺しにされて殺されてのよ。
弟同然だったあの子の仇をなんとしてでもとってやるわ。
ダンはその為の道具よ。あっさりと私に落ちてくれたおかげで色々な情報が聞けて、動きやすかったわ」
「まさか。あの時の刺客がルーカス様の従弟だったの」
先日聞いたばかりの離宮での惨事が脳裏をよぎる。
「貴方の従弟がレイン様のお母を……」
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