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5章裏切りと真実の愛
5,怒りの皇帝陛下1
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「エドワルド所長。さっきの話の続きですがな。
所長は魔法を否定されてるようですが、不思議な力を持っている者は確かに存在しております。そしてその力の源はあのぬいぐるみの中にいる聖獣なのです」
「聖獣だと?
俺がそんな子供じみた作り話を信じるとでも思っているのか?」
エドワルド所長とグレー叔父様の視線がからみあい火花をちらす。
「作り話ではなく真実なのです。
キリン村での奇跡はきっとその聖獣がおこしたのでしょうな」
「ならその奇跡とやらを今ここで見せてみろ。それができればキラメック公爵の話を認めることにする」
「お安いごようですな」
グレー叔父様はそう言うと悪魔のような顔をして私を見据えた。
「キャンディ。お前はぬいぐるみの中ね聖獣と契約を交わしたのか?」
「ええ」
「なら今のお前は聖女でもあるのか。ラビット家からやっとまた聖女が誕生したわけだな」
叔父様は胸の前で腕をくむと感慨深げに天井を仰ぎ見る。
「知っているかキャンディ?
俺が一番欲しかったのは聖獣の力だ。
ぬいぐるみの中に聖獣がいると知ってから、俺はあらゆる書物を読み聖獣について調べあげた。
どうしても自分の物にしたかったからだ。
俺は聖獣と契約し魔力を得たい。
あの力さえあれば、世界の王にでもなれるだろうからな」
「叔父様なんか永遠に契約を結べっこないわ!」
「どうしてそう言い切れる?」
「聖獣ラビは利己的な人間が大嫌いだからよ」
「なるほど。だから聖女は自分の為に魔力は使えないのだな」
叔父様は押し殺した声をだすと私を睨みつける。
「聖女はね。自分の為には使おうとも思わないからわからないわ」
聖獣といえど魔力を使えばかなりの体力を消費するようだ。聖獣を感じる事ができる聖女には
それがわかるから、むやみに祈りを捧げたりしない。
だから私だってこの窮地にラビを求めたりしないのだ。
自分に降りかかった火の粉は自力で払う。その位の気概がない者は聖女には相応しくないだろう。
「生意気なヤツめ!」
怒声を上げた叔父様は私を掴むと力をこめて床にたたきつけた。
ーバシッー
衝撃音と共に男の声が耳に届く。
「皇太后様。父の仇をとってよろしいでしょうか」
仇ですって?
床にのびたまま声の方に視線を移すとリント公爵の息子が目にとびこんでくる。
逆恨みって言ったのにわかってくれなかったのね。
見た所彼の様子は普通じゃない。父親の死とともに心を酷く病んでいるようだ。
このままじゃ、何をされるかわからない。
なんとかこの場を逃げたしたいところだが、痛みで身体が動かせないのだ。
「パリス殿。お主は妾と同じ悲しみを抱えているようじゃな。
妾も下賤な側妃に皇帝陛下を奪われた時は相手を刺して自分も死のう、と思いつめた
ものじゃ。
だが今はお手柔らかに願うぞ。
そのウサギはレインとの交渉に使う大事な駒じゃからな」
「かしこまりました」
丁寧に頭を下げたパリスは懐から一本の矢を取り出すと、私の側へやってきた。
そして矢を持つ手を高く掲げると血走った目をして叫んだ。
「お父様の仇だ!」
パリスはあっと言う間に矢を私の背中に刺した。
「この矢には毒がぬってある。あと数時間でお前の命はつきるだろう。
その時どんな顔をして陛下は悲しむのだろうな。
フフフフ」
「私に何をしてもいいけれどレインに手をだすのは許さない」
遠くなる意識の中で声を絞りだしていると、グレイ叔父様の囁きが聞こえてくる。
「助かりたいなら必死で祈れ。
そして聖獣が姿を現したなら俺が捕らえてやる」
「聖女は自分の為には祈らない。
この位の傷。自力で治してみせるわ」
「くそう。ならこうしてやる」
いまいましげな声を上げた叔父様は部屋を照らしていた燭台に向かって走って行くと、次々に蝋燭を床に投げつけてゆく。
「放火は重罪よ。わかったなら今すぐやめてちょうだい」
「うるさい。ぬいぐるみの分際で俺に指図するな」
なんとか矢を抜いたものの、毒が身体の中をかけ巡っているのだろうか。頭がフラフラする。
それでもなんとか立ち上がると周囲を見渡して声を張る。
「皆。一緒にここで死にましょう!」
そうすればレイン様の敵を一掃できるのだ。
私は自分の命を犠牲にしてでも、レイン様を守りたかった。
所長は魔法を否定されてるようですが、不思議な力を持っている者は確かに存在しております。そしてその力の源はあのぬいぐるみの中にいる聖獣なのです」
「聖獣だと?
俺がそんな子供じみた作り話を信じるとでも思っているのか?」
エドワルド所長とグレー叔父様の視線がからみあい火花をちらす。
「作り話ではなく真実なのです。
キリン村での奇跡はきっとその聖獣がおこしたのでしょうな」
「ならその奇跡とやらを今ここで見せてみろ。それができればキラメック公爵の話を認めることにする」
「お安いごようですな」
グレー叔父様はそう言うと悪魔のような顔をして私を見据えた。
「キャンディ。お前はぬいぐるみの中ね聖獣と契約を交わしたのか?」
「ええ」
「なら今のお前は聖女でもあるのか。ラビット家からやっとまた聖女が誕生したわけだな」
叔父様は胸の前で腕をくむと感慨深げに天井を仰ぎ見る。
「知っているかキャンディ?
俺が一番欲しかったのは聖獣の力だ。
ぬいぐるみの中に聖獣がいると知ってから、俺はあらゆる書物を読み聖獣について調べあげた。
どうしても自分の物にしたかったからだ。
俺は聖獣と契約し魔力を得たい。
あの力さえあれば、世界の王にでもなれるだろうからな」
「叔父様なんか永遠に契約を結べっこないわ!」
「どうしてそう言い切れる?」
「聖獣ラビは利己的な人間が大嫌いだからよ」
「なるほど。だから聖女は自分の為に魔力は使えないのだな」
叔父様は押し殺した声をだすと私を睨みつける。
「聖女はね。自分の為には使おうとも思わないからわからないわ」
聖獣といえど魔力を使えばかなりの体力を消費するようだ。聖獣を感じる事ができる聖女には
それがわかるから、むやみに祈りを捧げたりしない。
だから私だってこの窮地にラビを求めたりしないのだ。
自分に降りかかった火の粉は自力で払う。その位の気概がない者は聖女には相応しくないだろう。
「生意気なヤツめ!」
怒声を上げた叔父様は私を掴むと力をこめて床にたたきつけた。
ーバシッー
衝撃音と共に男の声が耳に届く。
「皇太后様。父の仇をとってよろしいでしょうか」
仇ですって?
床にのびたまま声の方に視線を移すとリント公爵の息子が目にとびこんでくる。
逆恨みって言ったのにわかってくれなかったのね。
見た所彼の様子は普通じゃない。父親の死とともに心を酷く病んでいるようだ。
このままじゃ、何をされるかわからない。
なんとかこの場を逃げたしたいところだが、痛みで身体が動かせないのだ。
「パリス殿。お主は妾と同じ悲しみを抱えているようじゃな。
妾も下賤な側妃に皇帝陛下を奪われた時は相手を刺して自分も死のう、と思いつめた
ものじゃ。
だが今はお手柔らかに願うぞ。
そのウサギはレインとの交渉に使う大事な駒じゃからな」
「かしこまりました」
丁寧に頭を下げたパリスは懐から一本の矢を取り出すと、私の側へやってきた。
そして矢を持つ手を高く掲げると血走った目をして叫んだ。
「お父様の仇だ!」
パリスはあっと言う間に矢を私の背中に刺した。
「この矢には毒がぬってある。あと数時間でお前の命はつきるだろう。
その時どんな顔をして陛下は悲しむのだろうな。
フフフフ」
「私に何をしてもいいけれどレインに手をだすのは許さない」
遠くなる意識の中で声を絞りだしていると、グレイ叔父様の囁きが聞こえてくる。
「助かりたいなら必死で祈れ。
そして聖獣が姿を現したなら俺が捕らえてやる」
「聖女は自分の為には祈らない。
この位の傷。自力で治してみせるわ」
「くそう。ならこうしてやる」
いまいましげな声を上げた叔父様は部屋を照らしていた燭台に向かって走って行くと、次々に蝋燭を床に投げつけてゆく。
「放火は重罪よ。わかったなら今すぐやめてちょうだい」
「うるさい。ぬいぐるみの分際で俺に指図するな」
なんとか矢を抜いたものの、毒が身体の中をかけ巡っているのだろうか。頭がフラフラする。
それでもなんとか立ち上がると周囲を見渡して声を張る。
「皆。一緒にここで死にましょう!」
そうすればレイン様の敵を一掃できるのだ。
私は自分の命を犠牲にしてでも、レイン様を守りたかった。
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