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38、誕生!ポポ聖女
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大雨のおかげで、すぐに火事はおさまった。
「オイラ、レオンを助けに行く」
「ワタクシもざんす」
と、今にも駆けだそうとするマカとロン。
「あっちは危ないから、2人はここに残ってなさい。
かわりに私が行くから」
そんなチビ達の肩をムンズとつかんで、火災跡に視線を移した時だった。
黒焦げになった建物の中から、ぐったりしたジョーをかかえたレオンが、こちらに向かって歩いてくる。
「レオン、無事だったのね!」
彼の姿を認めた瞬間、私は理性をとばした。
「レオン、レオン!」
涙で顔をぐしゃぐしゃにして、レオンの方へまっしぐらに走る。
「ポポ。その様子からすると誤解はとけたみたいだな」
救急隊の担架にジョーを移動させてから、レオンは私に微笑んだ。
彫刻のような整った顔はススだらけで、みごとな金髪には灰や火の粉がふりかかっている。
けど、私の目にはレオンの姿がまぶしくてたまらない。
「一瞬でも、レオンを疑った自分がバカだったわ。
本当に本当にごめんなさい
これからは、どんな時でもレオンを信じることにする」
そう言って、レオンの広くて厚い胸にとびこんでいった。
「それはありがたいな」
レオンがギュツと私を抱きしめると、彼の規則正しい心臓の音が耳の鼓膜を微かにふるわす。
トクトク、トクトク。
「良かった。レオンが生きていてくれて。
私、気がついたの。
私こそ、レオンがいないと1秒も生きていけないことに」
こんな熱い告白をしたのに、どうしてかレオンは沈黙したままだ。
不安に思って胸に抱かれたまま顔を上げると、視線の先には顔を真っ赤にして、かたまっているレオンがいた。
なにそれ、可愛すぎるー。
そう思った瞬間猛烈にレオンが愛しくなって、背伸びをして自分からレオンの唇にチュッとキスをした。
「レオンが大、大、だーい好き!」
するとレオンの顔はさっきよりもさらに赤く染まる。
けど、きっと私の方がもっと赤いはずよ。
頬に手をあてホテリを沈めていたら、急に身体がフワリと宙にうく。
「ポポ。
疲れただろうから、オレが家まで抱いて帰ってやる」
「何を言ってるのよ。
私よりレオンの方がずーと疲れているでしょう」
レオンに横抱きにされたまま身体をもじもじさせていたら、私を黙らすためかな。
唇にレオンの長いキスがふってきた。
「ポポのさっきの言葉でオレの疲れは一気にふっとんだ。
この続きは家でやろう」
「ねえ。レオン。
その前に焼けたお店を回復したいから、下ろしてくれない。
レオンが命がけで守ろとした市場だもん。私も何かしたいの」
「それはいい考えだ。
けど忘れるな。
これから先も、ポポの隣にいるのはオレしかいない、という事を」
レオンはそう言うと、私を地面に優しく立たせた。
「うん。そっちこそ忘れないでね」
私はコクリとうなずくと、地面をけって空に向かってジャンプする。
「元どおりになーれ」
フワフワと宙を漂いながら、焼け跡に人差し指を盛大にふった。
すると指先から金色の光がユラユラとこぼれて、市場のお店が次々に復活してゆく。
「わあああ。
奇跡がおこった!」
「見ろ!
にこにこ堂のポポが空をとんでいるぞ」
焼け跡で作業をしていた人達が手をとめ、ポカンと口をあけて私を見上げていた。
そして、その中の誰かが叫んだ。
「あの方は聖女様だぞ!」と。
それからは、その声に同意するように皆は両手をあわせて、私に膝まづいた。
「オイラ、レオンを助けに行く」
「ワタクシもざんす」
と、今にも駆けだそうとするマカとロン。
「あっちは危ないから、2人はここに残ってなさい。
かわりに私が行くから」
そんなチビ達の肩をムンズとつかんで、火災跡に視線を移した時だった。
黒焦げになった建物の中から、ぐったりしたジョーをかかえたレオンが、こちらに向かって歩いてくる。
「レオン、無事だったのね!」
彼の姿を認めた瞬間、私は理性をとばした。
「レオン、レオン!」
涙で顔をぐしゃぐしゃにして、レオンの方へまっしぐらに走る。
「ポポ。その様子からすると誤解はとけたみたいだな」
救急隊の担架にジョーを移動させてから、レオンは私に微笑んだ。
彫刻のような整った顔はススだらけで、みごとな金髪には灰や火の粉がふりかかっている。
けど、私の目にはレオンの姿がまぶしくてたまらない。
「一瞬でも、レオンを疑った自分がバカだったわ。
本当に本当にごめんなさい
これからは、どんな時でもレオンを信じることにする」
そう言って、レオンの広くて厚い胸にとびこんでいった。
「それはありがたいな」
レオンがギュツと私を抱きしめると、彼の規則正しい心臓の音が耳の鼓膜を微かにふるわす。
トクトク、トクトク。
「良かった。レオンが生きていてくれて。
私、気がついたの。
私こそ、レオンがいないと1秒も生きていけないことに」
こんな熱い告白をしたのに、どうしてかレオンは沈黙したままだ。
不安に思って胸に抱かれたまま顔を上げると、視線の先には顔を真っ赤にして、かたまっているレオンがいた。
なにそれ、可愛すぎるー。
そう思った瞬間猛烈にレオンが愛しくなって、背伸びをして自分からレオンの唇にチュッとキスをした。
「レオンが大、大、だーい好き!」
するとレオンの顔はさっきよりもさらに赤く染まる。
けど、きっと私の方がもっと赤いはずよ。
頬に手をあてホテリを沈めていたら、急に身体がフワリと宙にうく。
「ポポ。
疲れただろうから、オレが家まで抱いて帰ってやる」
「何を言ってるのよ。
私よりレオンの方がずーと疲れているでしょう」
レオンに横抱きにされたまま身体をもじもじさせていたら、私を黙らすためかな。
唇にレオンの長いキスがふってきた。
「ポポのさっきの言葉でオレの疲れは一気にふっとんだ。
この続きは家でやろう」
「ねえ。レオン。
その前に焼けたお店を回復したいから、下ろしてくれない。
レオンが命がけで守ろとした市場だもん。私も何かしたいの」
「それはいい考えだ。
けど忘れるな。
これから先も、ポポの隣にいるのはオレしかいない、という事を」
レオンはそう言うと、私を地面に優しく立たせた。
「うん。そっちこそ忘れないでね」
私はコクリとうなずくと、地面をけって空に向かってジャンプする。
「元どおりになーれ」
フワフワと宙を漂いながら、焼け跡に人差し指を盛大にふった。
すると指先から金色の光がユラユラとこぼれて、市場のお店が次々に復活してゆく。
「わあああ。
奇跡がおこった!」
「見ろ!
にこにこ堂のポポが空をとんでいるぞ」
焼け跡で作業をしていた人達が手をとめ、ポカンと口をあけて私を見上げていた。
そして、その中の誰かが叫んだ。
「あの方は聖女様だぞ!」と。
それからは、その声に同意するように皆は両手をあわせて、私に膝まづいた。
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