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揃ったエージェントたちの報告会(2)
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『どういった成分が使用されているのか分かりませんが、レッドドリームは、ブルードリームによってある程度まで遺伝子に隙間が開いたところで、食いついて力づくで情報を変えてしまうという働きがあるようです。条件を満たした人体の中に入ると、一気に増殖し、まるで生きているように食いつくんですよ。一体どういう原料から取られた成分で出来ているのか、全くもって不明です』
雪弥は耳を傾けながら、口に入れた茶菓子をもごもごとさせた。『聞いてるか』とナンバー1が問いただしたので、「聞いてますよ」と答える。
ナンバー1と雪弥の会話が終わったと確認するまで、キッシュは数秒の沈黙を要した。
『……え~、レッドドリームに食われた者は、急激に変化した組織や遺伝子ががっちり凝り固まってしまいますので、二度と元の姿には戻りません。ブルードリームのみの使用だと、肉体が死ぬと元の細胞に落ちつくのは確認されています』
まるで、どこかの映画かアニメみたいな話ですが、と彼は前置きする。
『四月以降に出回っているこの二種は、遺伝子レベルで作用するため、今のところその急激な変化に身体が耐えられないという欠点があり、細胞が自滅を始める特徴があります。火曜日の夜に運ばれてきた青年は、今日の昼まではどうにか生きていたんですがね……彼は今までの検挙者の中でもっとも異常でした。調べていくとこれがまた厄介でして…………』
キッシュが苦々しく言葉を濁した。つまり怪物と化したまま、精神状態が戻ることもなく先程、里久の死亡が確認されたのだろう。
岡野が準備した紅茶で喉を潤した雪弥は、そこで眉根を寄せて顔を上げた。
「一つ訊いていいかな。服薬の順番的には、絶対青いほうを先に飲むようにいわれるってことだよね?」
『まぁ、そうなりますね』
「じゃあ、例えば赤いほうを先に摂取したらどうなるの」
『強烈な快感のあとに苦痛が来ます。んで、各細胞が破裂して、ぽーん、です』
キッシュは簡単ながら、あっさりと実に分かりやすい言い回しでそう答えた。情報を整理させるようにスピーカーの向こうが沈黙したので、二人はそれぞれの自然な表情を浮かべて見つめ合った。
尾崎が柔らかな声で、「東京だけでなく、今はここもそうだということでしょう」と言った。今にも拳銃を撃ち抜きそうな雰囲気を感じ取ったが、雪弥は平気な顔で茶菓子を口に放り込んだ。
『……尾崎教官、頼みますからスピーカーをぶっ壊さないでくださいね』
音声だけで察したらしいキッシュが、『うちも早急に動いているところなんですから』と念を押してくる。
ナンバーの位が高いエージェントは、将来特殊機関に配属される子供を教育する現場教官を務めることも多い。基本的に希望制であるが、教育熱心だった尾崎はまるで教師のように教官職に力を入れ、軍用ヘリで仕事現場と本部を行き来していたという伝説の教官でもあった。
現在技術、研究、情報、と各部署に別れて配属している人間の中にも、その教育機関出身の者は多くおり、キッシュもそのうちの一人だ。
尾崎は孫を見つめるように皺をゆるめただけで、何も答えなかった。雪弥は二人の関係を察して、なるほど、という顔で茶菓子を食べ進める。
長い沈黙を置いて、キッシュが緊張気味に話しを切り出した。
『とはいえ、どうも荒が目立つんですよ。出回っているブルードリームは、摂取し続けないと傷ついた細胞が『隙間を開けた』現状を維持しないようなんです。それでいて、摂取し続けると組織が壊れて死んでしまうという……。今のところ、東京で薬物取締法によって検挙された中の三十二人が、ブルードリームのみの使用者と判明しましたが、その半分が息を引き取っています』
ただ、全く安心出来ない事が今回で判明している、と彼は言う。
『二日前にナンバー4が確保したブルードリームは、若干成分が違っていたんです。遺伝子を傷つけるのではなく、『遺伝子そのものに変化を与えて隙間を作る』特性を持っています。それ以上の事はまだ分かっていませんが、なんというか、遺伝子が反応を起こし易くなる……そうですね、ふにゃっとした柔らかい感じになると言いますか』
キッシュは口ごもった。『細胞の一つ一つが常に変化するなんて有り得ないことなので、俺自身うまく説明できないんですが』と、彼は戸惑うように続ける。
『簡単に違いを申しますと、前者のブルードリームは遺伝子を壊す作用のみで、摂取しなくなる事で細胞が元に戻ろうという通常の回復反応が見られます。しかし、学園側で確認されたブルードリームに関しては、一度摂取してしまうと遺伝子がゆるっゆるになって、現状そのまま回復しないのです』
学園側で出回っている方が、少しだけ改良に成功した最新版のような気もする、と彼は自身の意見を口にした。
『回収したブルードリームでモルモット実験を試みましたが、五感による刺激のどれにも、遺伝子が不安定に揺れてしまうような反応を見せます。薬の効果が抜けた後もそれは変わらず続きます。この時点では、まぁ特に懸念するようなダメージでもないんですけどね。この反応については、人間が恐怖を覚えた時に震えるのと同じ程度の現象反応だ、と思って頂ければと思います』
つまり両者のブルードリームは、それのみの摂取であれば、どちらも社会復帰が可能である事に変わりはないらしい。
ただ後者が、本人も周りも気付かないほど小さな、遺伝子レベルで精密に検査をしないと分からないような、刺激反応を起こしているという状態だけが続く。これは現時点での推測だと、恐らく長い時間をかけても回復の兆しがない可能性があるという。
『問題なのは、そこにレッドドリームを加えた後ですね。まずは体の組織構造が、ありえないくらいのスピードで劇的に変わります。しかも遺伝子が受けた反応がそのまま身体に出て、しばらくはその変化が続くんですよ。二十体のモルモットが、それぞれ違った身体変化をする光景は、まるで悪夢のようでしたね』
個体の体積が大きければ、身体の変化反応は短時間でなくなるという。
二日前の夜、二メートルの化け物となった里久の手が、鞭のように伸びた反応がまさにそれだったらしい。
『どちらにせよ、最新版のブルードリームを含め共通していることは、理性が飛んで動物本能の一部が剥き出しになることですね。過剰自己防衛のように、近くにいる生き物を殺してしまうんですよ。で、そのあと変化し続ける細胞組織に耐えきれず、当人たちは死んでしまうというわけです』
キッシュは説明し、呼吸を整えるように言葉を切った。
『私が今回実験し調査を行ったのはモルモットでしたが、これが人間だったらと考えると恐ろしいです。ナンバー4が撮った映像も確認しましたが、身体に変化を起こした里久という人間は、どこかへ行こうとしていたんですよね?』
雪弥は思い出して、「人のいる大通りへ」とだけ言って口を閉じた。尾崎がわずかに目を細める間に、キッシュが『そう、人のいる大通りです』と繰り返した。
雪弥は耳を傾けながら、口に入れた茶菓子をもごもごとさせた。『聞いてるか』とナンバー1が問いただしたので、「聞いてますよ」と答える。
ナンバー1と雪弥の会話が終わったと確認するまで、キッシュは数秒の沈黙を要した。
『……え~、レッドドリームに食われた者は、急激に変化した組織や遺伝子ががっちり凝り固まってしまいますので、二度と元の姿には戻りません。ブルードリームのみの使用だと、肉体が死ぬと元の細胞に落ちつくのは確認されています』
まるで、どこかの映画かアニメみたいな話ですが、と彼は前置きする。
『四月以降に出回っているこの二種は、遺伝子レベルで作用するため、今のところその急激な変化に身体が耐えられないという欠点があり、細胞が自滅を始める特徴があります。火曜日の夜に運ばれてきた青年は、今日の昼まではどうにか生きていたんですがね……彼は今までの検挙者の中でもっとも異常でした。調べていくとこれがまた厄介でして…………』
キッシュが苦々しく言葉を濁した。つまり怪物と化したまま、精神状態が戻ることもなく先程、里久の死亡が確認されたのだろう。
岡野が準備した紅茶で喉を潤した雪弥は、そこで眉根を寄せて顔を上げた。
「一つ訊いていいかな。服薬の順番的には、絶対青いほうを先に飲むようにいわれるってことだよね?」
『まぁ、そうなりますね』
「じゃあ、例えば赤いほうを先に摂取したらどうなるの」
『強烈な快感のあとに苦痛が来ます。んで、各細胞が破裂して、ぽーん、です』
キッシュは簡単ながら、あっさりと実に分かりやすい言い回しでそう答えた。情報を整理させるようにスピーカーの向こうが沈黙したので、二人はそれぞれの自然な表情を浮かべて見つめ合った。
尾崎が柔らかな声で、「東京だけでなく、今はここもそうだということでしょう」と言った。今にも拳銃を撃ち抜きそうな雰囲気を感じ取ったが、雪弥は平気な顔で茶菓子を口に放り込んだ。
『……尾崎教官、頼みますからスピーカーをぶっ壊さないでくださいね』
音声だけで察したらしいキッシュが、『うちも早急に動いているところなんですから』と念を押してくる。
ナンバーの位が高いエージェントは、将来特殊機関に配属される子供を教育する現場教官を務めることも多い。基本的に希望制であるが、教育熱心だった尾崎はまるで教師のように教官職に力を入れ、軍用ヘリで仕事現場と本部を行き来していたという伝説の教官でもあった。
現在技術、研究、情報、と各部署に別れて配属している人間の中にも、その教育機関出身の者は多くおり、キッシュもそのうちの一人だ。
尾崎は孫を見つめるように皺をゆるめただけで、何も答えなかった。雪弥は二人の関係を察して、なるほど、という顔で茶菓子を食べ進める。
長い沈黙を置いて、キッシュが緊張気味に話しを切り出した。
『とはいえ、どうも荒が目立つんですよ。出回っているブルードリームは、摂取し続けないと傷ついた細胞が『隙間を開けた』現状を維持しないようなんです。それでいて、摂取し続けると組織が壊れて死んでしまうという……。今のところ、東京で薬物取締法によって検挙された中の三十二人が、ブルードリームのみの使用者と判明しましたが、その半分が息を引き取っています』
ただ、全く安心出来ない事が今回で判明している、と彼は言う。
『二日前にナンバー4が確保したブルードリームは、若干成分が違っていたんです。遺伝子を傷つけるのではなく、『遺伝子そのものに変化を与えて隙間を作る』特性を持っています。それ以上の事はまだ分かっていませんが、なんというか、遺伝子が反応を起こし易くなる……そうですね、ふにゃっとした柔らかい感じになると言いますか』
キッシュは口ごもった。『細胞の一つ一つが常に変化するなんて有り得ないことなので、俺自身うまく説明できないんですが』と、彼は戸惑うように続ける。
『簡単に違いを申しますと、前者のブルードリームは遺伝子を壊す作用のみで、摂取しなくなる事で細胞が元に戻ろうという通常の回復反応が見られます。しかし、学園側で確認されたブルードリームに関しては、一度摂取してしまうと遺伝子がゆるっゆるになって、現状そのまま回復しないのです』
学園側で出回っている方が、少しだけ改良に成功した最新版のような気もする、と彼は自身の意見を口にした。
『回収したブルードリームでモルモット実験を試みましたが、五感による刺激のどれにも、遺伝子が不安定に揺れてしまうような反応を見せます。薬の効果が抜けた後もそれは変わらず続きます。この時点では、まぁ特に懸念するようなダメージでもないんですけどね。この反応については、人間が恐怖を覚えた時に震えるのと同じ程度の現象反応だ、と思って頂ければと思います』
つまり両者のブルードリームは、それのみの摂取であれば、どちらも社会復帰が可能である事に変わりはないらしい。
ただ後者が、本人も周りも気付かないほど小さな、遺伝子レベルで精密に検査をしないと分からないような、刺激反応を起こしているという状態だけが続く。これは現時点での推測だと、恐らく長い時間をかけても回復の兆しがない可能性があるという。
『問題なのは、そこにレッドドリームを加えた後ですね。まずは体の組織構造が、ありえないくらいのスピードで劇的に変わります。しかも遺伝子が受けた反応がそのまま身体に出て、しばらくはその変化が続くんですよ。二十体のモルモットが、それぞれ違った身体変化をする光景は、まるで悪夢のようでしたね』
個体の体積が大きければ、身体の変化反応は短時間でなくなるという。
二日前の夜、二メートルの化け物となった里久の手が、鞭のように伸びた反応がまさにそれだったらしい。
『どちらにせよ、最新版のブルードリームを含め共通していることは、理性が飛んで動物本能の一部が剥き出しになることですね。過剰自己防衛のように、近くにいる生き物を殺してしまうんですよ。で、そのあと変化し続ける細胞組織に耐えきれず、当人たちは死んでしまうというわけです』
キッシュは説明し、呼吸を整えるように言葉を切った。
『私が今回実験し調査を行ったのはモルモットでしたが、これが人間だったらと考えると恐ろしいです。ナンバー4が撮った映像も確認しましたが、身体に変化を起こした里久という人間は、どこかへ行こうとしていたんですよね?』
雪弥は思い出して、「人のいる大通りへ」とだけ言って口を閉じた。尾崎がわずかに目を細める間に、キッシュが『そう、人のいる大通りです』と繰り返した。
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