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5章 第三のセキュリティー・エリア(1)
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仮想空間のシミュレーション・システムには、強制的な目覚めを発動させ、意識を身体に戻す保護プログラムがなされている。身体が仮想空間内で受けた衝撃に対し、脳内で起こる生命の防衛反応が利用されているらしい。
「不意打ちで戻る事になったら、大変だよねぇ」
精神力にも強く左右されるのだと、スウェンは語った。
怖い夢で目が覚めたり、現実世界で意識を手放してしまうのと同様で、対象の人間の脳が精神的に受ける衝撃に対しての値はそれぞれ異なる。
「外に身体があれば俺も、自分が死ぬぐらいの衝撃を受けたら戻れるって事かな」
「う~ん、君は正規のルートから入っているわけではないし、とりあえず、今は試さない方が懸命かもね。うん、君ってちょっと極端すぎて怖いよ」
「そう?」
「うん、結構な強者だと思う。素人にしては状況の飲み込みも早いし、精神的にタフなんじゃない?」
スウェンは行方不明者達が次々に遺体となって発見されている例もあり、起こりうる結果は未知数なので、状況が分かるまで危険な賭けはしないように、とエルに説いた。彼らは、ここへ来る際に保険として二重の強制帰還システムが施されているらしい。
ホテルの外の通りは、先程と打って変わって静まり返り風も吹いていなかった。
ログとセイジ、その後ろにスウェンが続き、その三人の後ろをエルが少し離れて歩いていた。クロエはバストンバッグの中から、辺りを物珍しそうに眺めている。
エルは歩きながら改めて考えた。何の必要があって、マルクという科学者は外の人間を連れ去ったのだろう。彼らの一部は死んで外の世界で発見され、他の者は見つかってさえいないという。
連れて来られた人達は、どうなってしまったのだろう。
スウェンやセイジから話を聞かされた時から、科学者であるマルクが、非人道的な実験を進めた可能性がエルの頭の片隅から離れないでいる。しかし、本当にそうなのだろうかと、エルの思考は、いつもそこで途絶えた。
小さな鳴き声が聞こえて、エルは我に返った。クロエが脇腹に頭をすり寄せていた。
らしくない事を考えた、ごめんねと心の中で謝りながら、エルは彼女の頭を撫でた。心なしか、クロエの毛並みが少しふっくらしたように感じた。
「そういえば、支柱っていうのはどうやって探すの?」
エルは一先ず思考を切り替え、近い距離にいたスウェンの背中に尋ねた。彼は肩越しに振り返り、「外に協力してもらってるよ」と答えた。
「場所を特定してもらって、伝えてもらうんだよ。仮想空間内の見取り図が向こうとこっちに、同時に反映されるようになっているから、僕達は自分たちの現在地から支柱までの距離を見て、探す的を絞るという感じかな。本来は地図の役目を果たしてくれるらしいマップも、今は真っ黒だからね。おおよその距離を計算できるナビ、みたいな感じかな」
「ふうん」
その時、エルは身体が浮くような感覚を覚えた。
途端に風が強く巻き起こり、服や髪を躍らせ、様々な色のついた光りが目まぐるしく視界を回った。光りは水の中の気泡のように激しく飛び交い、同時に、脳が激しく揺さぶられるような衝撃を受けた。
息が苦しい。――エルは、眩しさに目を瞑った。
しかし、数秒も掛からずに風が止んで突然視界が開けた。世界の色や空気が唐突に変化し、急降下と急上昇した後のように頭の奥がグラリとした。
そろりと辺りを窺うように目を開けたエルは、鼻先に舞い落ちる桃色の花弁に気付いて、目を丸くした。
人々の賑わいや歓声が、エルの鼓膜を一気に叩き出した。第三のセキュリティー・エリアは、どこもかしこも人で溢れ返っていた。西洋風の通路や建物が広がり、舞い上がる風船や花弁や紙吹雪、仮装した様々なドレスや衣装の色鮮やかさが世界を染め上げている。
通行人の中には、仮装の姫や騎士、ピエロ、魔法使い、王など、多くの仮装人が入り混じっていた。どうやら、ファンタジーをコンセプトとした遊園地のようだ、とエルは理解した。
観覧車や魔法の城、お菓子の家や氷の館、にジェットコースター、世界感を演出する色鮮やかな小さな建物が坂の上まで続いている。仮装人やマスコットが、入園者と同じぐらいの頻度で大勢出歩いており、子共や大人達が時折足を止めては、声を掛けたり写真を撮ったりしていた。
立ち止まる四人の頭上には、『幸せランドへようこそ!』と書かれた横断幕があった。幸せはここにあったよ、帰らなくてもきっと楽しい、といったフレーズの曲がどこからか流れている。
空は澄んだ青で、温度のない日差しが遊園地全土に降り注いでいた。
エルは、人の多さにたじろいだ。人嫌いそうなログが、嫌悪感を露わに通りの人々を睨んでいる。立ち尽くす四人の姿は目立っていたが、気にとめる通行人は一人としていなかった。
仮想空間とは、所詮ただのシミュレーション・システムなのだ。設定されていない行動を起こすエキストラは、ここにはいないのだろう。
「遊園地かよ」
辺りを窺ったログが、改めてそう吐き捨てた。
四人が到着した通りの場所は、遊園地のメイン・ゲートのようだった。ゲートから頂上へ向けて、ゆったりとカーブを描く坂道が伸びており、至るところに建物や施設が立ち並んでいた。
メイン通りの他にも道が別れており、色鮮やかで形も大きさも違う多くの建物が入り乱れている。
「さっき一休憩しているんだから、ちゃちゃっと任務を終わらせてしまおう」
スウェンが歩き出し、一同はその後をついて歩いた。
一見する限りでは、害が発生するような状況は考えにくかったが、何が起こるかは未知数だ。警戒するに越した事はないだろう。エルは、コートの上から銃の存在を今一度確かめた。
自分の身は自分で守る。絶対に足手まといにならない。
目に止まる人々は、家族連れや恋人が多く、皆とても楽しそうだった。ただの夢の中の登場人物とは思えないほど、彼らの顔に浮かぶ表情は暖かい。
エルは、改めて辺りを見回してみたが、仮想空間内はどこまでもリアルに再現されているようで現実世界と錯覚しそうになった。人の声に同一性はなく、キャラ設定でもあるのか人間としての個性も窺える。
しかも、先程のホテルとは違い、地面に敷かれた柔らかいタイルの感触も、鼻先にかすめる様々な食べ物や香水の匂いも、日差しに照らされた建物が熱を持った時の独特の匂いも、半ば現実味を増して五感に伝わって来た。
唯一の欠点とするならば、太陽の日差しの再現までは出来てない事ぐらいだろうか。
通りを進みながら、エルはふと、アイスクリームのショップの前にいる母子に目が止まった。トリプルのコーンアイスを頼んだ六歳ぐらいの男の子が、一番上に乗せていたはずのアイスを地面に落として泣き始めていた。
がやがやと賑やかな騒音の中で、まるで世界が終わるような悲しみの声が、エルの耳にこびりついた。母親は、困った顔で男の子を慰めている。
「不意打ちで戻る事になったら、大変だよねぇ」
精神力にも強く左右されるのだと、スウェンは語った。
怖い夢で目が覚めたり、現実世界で意識を手放してしまうのと同様で、対象の人間の脳が精神的に受ける衝撃に対しての値はそれぞれ異なる。
「外に身体があれば俺も、自分が死ぬぐらいの衝撃を受けたら戻れるって事かな」
「う~ん、君は正規のルートから入っているわけではないし、とりあえず、今は試さない方が懸命かもね。うん、君ってちょっと極端すぎて怖いよ」
「そう?」
「うん、結構な強者だと思う。素人にしては状況の飲み込みも早いし、精神的にタフなんじゃない?」
スウェンは行方不明者達が次々に遺体となって発見されている例もあり、起こりうる結果は未知数なので、状況が分かるまで危険な賭けはしないように、とエルに説いた。彼らは、ここへ来る際に保険として二重の強制帰還システムが施されているらしい。
ホテルの外の通りは、先程と打って変わって静まり返り風も吹いていなかった。
ログとセイジ、その後ろにスウェンが続き、その三人の後ろをエルが少し離れて歩いていた。クロエはバストンバッグの中から、辺りを物珍しそうに眺めている。
エルは歩きながら改めて考えた。何の必要があって、マルクという科学者は外の人間を連れ去ったのだろう。彼らの一部は死んで外の世界で発見され、他の者は見つかってさえいないという。
連れて来られた人達は、どうなってしまったのだろう。
スウェンやセイジから話を聞かされた時から、科学者であるマルクが、非人道的な実験を進めた可能性がエルの頭の片隅から離れないでいる。しかし、本当にそうなのだろうかと、エルの思考は、いつもそこで途絶えた。
小さな鳴き声が聞こえて、エルは我に返った。クロエが脇腹に頭をすり寄せていた。
らしくない事を考えた、ごめんねと心の中で謝りながら、エルは彼女の頭を撫でた。心なしか、クロエの毛並みが少しふっくらしたように感じた。
「そういえば、支柱っていうのはどうやって探すの?」
エルは一先ず思考を切り替え、近い距離にいたスウェンの背中に尋ねた。彼は肩越しに振り返り、「外に協力してもらってるよ」と答えた。
「場所を特定してもらって、伝えてもらうんだよ。仮想空間内の見取り図が向こうとこっちに、同時に反映されるようになっているから、僕達は自分たちの現在地から支柱までの距離を見て、探す的を絞るという感じかな。本来は地図の役目を果たしてくれるらしいマップも、今は真っ黒だからね。おおよその距離を計算できるナビ、みたいな感じかな」
「ふうん」
その時、エルは身体が浮くような感覚を覚えた。
途端に風が強く巻き起こり、服や髪を躍らせ、様々な色のついた光りが目まぐるしく視界を回った。光りは水の中の気泡のように激しく飛び交い、同時に、脳が激しく揺さぶられるような衝撃を受けた。
息が苦しい。――エルは、眩しさに目を瞑った。
しかし、数秒も掛からずに風が止んで突然視界が開けた。世界の色や空気が唐突に変化し、急降下と急上昇した後のように頭の奥がグラリとした。
そろりと辺りを窺うように目を開けたエルは、鼻先に舞い落ちる桃色の花弁に気付いて、目を丸くした。
人々の賑わいや歓声が、エルの鼓膜を一気に叩き出した。第三のセキュリティー・エリアは、どこもかしこも人で溢れ返っていた。西洋風の通路や建物が広がり、舞い上がる風船や花弁や紙吹雪、仮装した様々なドレスや衣装の色鮮やかさが世界を染め上げている。
通行人の中には、仮装の姫や騎士、ピエロ、魔法使い、王など、多くの仮装人が入り混じっていた。どうやら、ファンタジーをコンセプトとした遊園地のようだ、とエルは理解した。
観覧車や魔法の城、お菓子の家や氷の館、にジェットコースター、世界感を演出する色鮮やかな小さな建物が坂の上まで続いている。仮装人やマスコットが、入園者と同じぐらいの頻度で大勢出歩いており、子共や大人達が時折足を止めては、声を掛けたり写真を撮ったりしていた。
立ち止まる四人の頭上には、『幸せランドへようこそ!』と書かれた横断幕があった。幸せはここにあったよ、帰らなくてもきっと楽しい、といったフレーズの曲がどこからか流れている。
空は澄んだ青で、温度のない日差しが遊園地全土に降り注いでいた。
エルは、人の多さにたじろいだ。人嫌いそうなログが、嫌悪感を露わに通りの人々を睨んでいる。立ち尽くす四人の姿は目立っていたが、気にとめる通行人は一人としていなかった。
仮想空間とは、所詮ただのシミュレーション・システムなのだ。設定されていない行動を起こすエキストラは、ここにはいないのだろう。
「遊園地かよ」
辺りを窺ったログが、改めてそう吐き捨てた。
四人が到着した通りの場所は、遊園地のメイン・ゲートのようだった。ゲートから頂上へ向けて、ゆったりとカーブを描く坂道が伸びており、至るところに建物や施設が立ち並んでいた。
メイン通りの他にも道が別れており、色鮮やかで形も大きさも違う多くの建物が入り乱れている。
「さっき一休憩しているんだから、ちゃちゃっと任務を終わらせてしまおう」
スウェンが歩き出し、一同はその後をついて歩いた。
一見する限りでは、害が発生するような状況は考えにくかったが、何が起こるかは未知数だ。警戒するに越した事はないだろう。エルは、コートの上から銃の存在を今一度確かめた。
自分の身は自分で守る。絶対に足手まといにならない。
目に止まる人々は、家族連れや恋人が多く、皆とても楽しそうだった。ただの夢の中の登場人物とは思えないほど、彼らの顔に浮かぶ表情は暖かい。
エルは、改めて辺りを見回してみたが、仮想空間内はどこまでもリアルに再現されているようで現実世界と錯覚しそうになった。人の声に同一性はなく、キャラ設定でもあるのか人間としての個性も窺える。
しかも、先程のホテルとは違い、地面に敷かれた柔らかいタイルの感触も、鼻先にかすめる様々な食べ物や香水の匂いも、日差しに照らされた建物が熱を持った時の独特の匂いも、半ば現実味を増して五感に伝わって来た。
唯一の欠点とするならば、太陽の日差しの再現までは出来てない事ぐらいだろうか。
通りを進みながら、エルはふと、アイスクリームのショップの前にいる母子に目が止まった。トリプルのコーンアイスを頼んだ六歳ぐらいの男の子が、一番上に乗せていたはずのアイスを地面に落として泣き始めていた。
がやがやと賑やかな騒音の中で、まるで世界が終わるような悲しみの声が、エルの耳にこびりついた。母親は、困った顔で男の子を慰めている。
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