34 / 159
7章 それは、偽りの存在(4)
しおりを挟む
エレベーターを出ると、前方と左右に三つの簡素な扉がついていた。スウェンが部屋番号を確かめ、左方向にあった扉を開けた。
部屋の中は小奇麗だったが、室内には化粧台が一つ、真っ白なシーツが掛けられたキングサイズのベッドが一つ、シャワー付きトイレが一つしかなかった。
床は桃色の絨毯一色だった。玄関と思われる一メートル四方のタイル地に、四人分の靴が窮屈に並んだ。エルが、ボストンバッグからクロエを出してやると、クロエは絨毯の上を軽やかな足取りで進み、室内の匂いを嗅いで辺りを観察し始めた。
エルも、改めて室内を見渡した。ワンルームの室内は、大き過ぎるベッド一つだけで埋まってしまっているという、妙な造りをしている。女性物の、甘い香水の匂いに似た香りが室内には充満していた。壁や天井にはベージュ色のシールが貼られ、何故かキラキラと輝くシャンデリアが一つ下がっている。
そこでふと、エルは遅れてようやく状況を察知し、深々と溜息を吐いた。ベッドの四方には、それぞれ少しスペースが空いていたので、とりあえず玄関から一番近い場所にボストンバッグを置く。
スウェンとログが、部屋の様子に目をやり「良い部屋じゃないか」「まぁまぁだな」とそれぞれ感想をもらした。
「もっとドギツイかと思ったけど、結構まともそうで何よりだね」
「ベッドは回転式じゃねぇな」
「君ね、そこは問題じゃないだろう?」
二人がベッドに腰かけてクッション性を確かめる中、セイジが、落ち着かないように佇んでいた。
エルは、居心地悪そうなセイジに小声で話しかけた。
「……他に、普通の宿泊施設とか考えられなかったのかな?」
「……なかったようだな」
セイジは、叱られた子犬のようなか細い声で答えた。
別にセイジを責めているつもりはないのだ。頭が痛くなる状況であるだけなので、エルは、額に手をやりつつ溜息をこぼした。
「道理で、受付の人に変な顔をされる訳だ……」
「まぁ、いいじゃないの」
ベッドの端に腰かけたスウェンが、朗らかに言った。
「ベッドは上等だし、空間の歪みも見られない建物だ。休息にはもってこいの安全地帯だよ」
現実世界で持っている特殊能力の一部、が反映しているらしいスウェンの目は、この仮想空間内の『歪み』と呼ばれる異常性が視認出来るので、その判断は的確で信用があるのだろう。
ログが大きな欠伸を一つしたかと思うと、そのままベッドに横になってしまった。
こちらに背を向けるログを一度確認し、スウェンが「やれやれ」と肩をすくめた。
「仮想空間では、基本的に睡眠は必要ではないのだけれど、彼の場合は破壊の力を使っちゃうと、どうしても休息が必要になってくるんだよねぇ。僕らも気休めにはなるから、食事の摂取は行っているけれど、――エル君、お腹は空いてる?」
「いや、空いてない。けど、クロエには食事をあげるよ」
「うん、それがいいかもね。猫ちゃん、ボストンバッグの前で正座しているし」
スウェンが指を指す方向を見ると、いつの間にか、ボストンバッグの前に姿勢正しく座っているクロエの姿があった。どうやら彼女は、室内に対して危険は感じていないようだ。
エルがクロエを見て、「気が早いなぁ」とぼやくと、スウェンが可笑しそうに笑った。
エルはとりあえず先に、クロエにはミルクをあげる事にした。スウェンは、ベッドの端に腰かけて探査機のブラウザに見入り、セイジは部屋の隅に腰を降ろして、銃の手入れを始めた。
部屋には冷房の稼働音が低く呻っており、窓がないせいで外の様子も窺えなかった。時刻の経過を計るのは難しいが、エルは、以前セイジが言っていた『スウェンの体内時計』とやらを信用する事にした。
室内は天井のシャンデリア以外に見る物がなく、他にやるべき事もみつからなかった。エルは、ボストンバッグの隣に腰を降ろし、クロエがミルクを飲み終えるまで待った。
クロエはミルクを飲み終えると、エメラルドグリーンの瞳を持ち上げて、エルを見た。
「クロエ、ご飯、食べる?」
エルは、柔らかい猫フードを片手に持って尋ねた。しかし、クロエは首を左右に振った。「そうか。うん、ミルクは全部飲んだね。良い子だ」
エルは、クロエをそっと抱き上げた。彼女の少し骨ばった小さな身体を抱きしめていると、エルの身体の緊張も自然と解けた。
「お前は暖かいね、クロエ」
「ニャーン」
エルは彼女に触れながら、その小さな身体に異変がないかどうか、こっそり確認した。
気のせいか、仮想空間に巻き込まれる前よりも少しだけ肉付きが良くなり、毛もふっくらとしていたような気がした。クロエの脇の下に手を入れて、肉球の色を確認すべく手を持ち上げると、クロエが楽しそうに鳴いた。
「遊んでいるわけじゃないんだよ、クロエ」
「ニャ?」
「まぁ、クロエが楽しんでいるのなら、いいけどさ……」
ボストンバッグの中で激しく揺られる事もあっただろうが、クロエに関して、現状体調も機嫌も良さそうだった。
エルは安堵しつつ、改めて彼女を両腕で抱きしめた。クロエが楽しそうに顔をすり寄せてくるたび、暖かい毛並みがエルの頬に触れた。
その時、スウェンが「よし」と相槌を打った。
「ほら、エル君。せっかくの休息なんだから、君も少しは眠らなきゃ駄目だよ」
「俺、眠くないよ」
エルがスウェンに目を向けると、クロエも、エルの腕の中から彼へ顔を向けた。
「確かに睡魔はないだろうけど、君は生身の身体なんだから、少しでも寝た方がいいよ。僕らだって精神的な疲労はあるから、少しは寝るつもりだよ。横になって目を閉じるだけでも、睡眠と同じ効力はあるからね」
エルは、思わず特大サイズ級のベッドへ目を向けた。身体の大きな男が三人並んで寝るというむさ苦しい想像には、正直気が引ける。
その中に飛び込めと? うわぁ、勘弁して欲しい……
エルは、腕の中のクロエと目配せした。小声で「お前なら、あの中に飛び込む勇気はある?」と問うと、クロエは両耳をやや後ろへとそむけた。
クロエのエメラルドグリーンの呆れた眼差しは、あんな暑苦しいスペースで寝られないわよ、と言っているような気がした。それは、エルも同意見だった。
「――あの、俺、別に眠くないから、ここでクロエを抱っこして目でも閉じてるよ。それにさ、そこのベッドで四人並んで寝るのは、さすがにスペース的な問題もあって、ちょっときついかなと思うけど」
「大丈夫だよ。君は小さいし、皆で横になれば暖も取れるじゃないか。ほら、ベッドもふかふかだよ」
スウェンはそう言って、ベッドの上を数回叩きクッション性をアピールした。
エルが困惑している間に、セイジがベッドへと上がり、さも当然そうに横になった。軍で同じチームだったというぐらいだから、三人での共同生活には慣れてしまっているのだろう。見本といわんばかりに、続いてスウェンも横になった。
ログとセイジの間には、子供一人分ほどの空きが作られていた。しかし、やはりベッドは満員状況だ。エルは、男三人というむさ苦しい光景に、彼らが全く疑問を抱かない事が少し心配になった。
寝る事は、特に強制でもないらしい。スウェンもセイジも、数秒後には規則正しい寝息を立て始めた。
彼らが本当に眠ってしまったのかは定かではないけれど、一先ず、場は落ち着いたということだろう。
部屋の中は小奇麗だったが、室内には化粧台が一つ、真っ白なシーツが掛けられたキングサイズのベッドが一つ、シャワー付きトイレが一つしかなかった。
床は桃色の絨毯一色だった。玄関と思われる一メートル四方のタイル地に、四人分の靴が窮屈に並んだ。エルが、ボストンバッグからクロエを出してやると、クロエは絨毯の上を軽やかな足取りで進み、室内の匂いを嗅いで辺りを観察し始めた。
エルも、改めて室内を見渡した。ワンルームの室内は、大き過ぎるベッド一つだけで埋まってしまっているという、妙な造りをしている。女性物の、甘い香水の匂いに似た香りが室内には充満していた。壁や天井にはベージュ色のシールが貼られ、何故かキラキラと輝くシャンデリアが一つ下がっている。
そこでふと、エルは遅れてようやく状況を察知し、深々と溜息を吐いた。ベッドの四方には、それぞれ少しスペースが空いていたので、とりあえず玄関から一番近い場所にボストンバッグを置く。
スウェンとログが、部屋の様子に目をやり「良い部屋じゃないか」「まぁまぁだな」とそれぞれ感想をもらした。
「もっとドギツイかと思ったけど、結構まともそうで何よりだね」
「ベッドは回転式じゃねぇな」
「君ね、そこは問題じゃないだろう?」
二人がベッドに腰かけてクッション性を確かめる中、セイジが、落ち着かないように佇んでいた。
エルは、居心地悪そうなセイジに小声で話しかけた。
「……他に、普通の宿泊施設とか考えられなかったのかな?」
「……なかったようだな」
セイジは、叱られた子犬のようなか細い声で答えた。
別にセイジを責めているつもりはないのだ。頭が痛くなる状況であるだけなので、エルは、額に手をやりつつ溜息をこぼした。
「道理で、受付の人に変な顔をされる訳だ……」
「まぁ、いいじゃないの」
ベッドの端に腰かけたスウェンが、朗らかに言った。
「ベッドは上等だし、空間の歪みも見られない建物だ。休息にはもってこいの安全地帯だよ」
現実世界で持っている特殊能力の一部、が反映しているらしいスウェンの目は、この仮想空間内の『歪み』と呼ばれる異常性が視認出来るので、その判断は的確で信用があるのだろう。
ログが大きな欠伸を一つしたかと思うと、そのままベッドに横になってしまった。
こちらに背を向けるログを一度確認し、スウェンが「やれやれ」と肩をすくめた。
「仮想空間では、基本的に睡眠は必要ではないのだけれど、彼の場合は破壊の力を使っちゃうと、どうしても休息が必要になってくるんだよねぇ。僕らも気休めにはなるから、食事の摂取は行っているけれど、――エル君、お腹は空いてる?」
「いや、空いてない。けど、クロエには食事をあげるよ」
「うん、それがいいかもね。猫ちゃん、ボストンバッグの前で正座しているし」
スウェンが指を指す方向を見ると、いつの間にか、ボストンバッグの前に姿勢正しく座っているクロエの姿があった。どうやら彼女は、室内に対して危険は感じていないようだ。
エルがクロエを見て、「気が早いなぁ」とぼやくと、スウェンが可笑しそうに笑った。
エルはとりあえず先に、クロエにはミルクをあげる事にした。スウェンは、ベッドの端に腰かけて探査機のブラウザに見入り、セイジは部屋の隅に腰を降ろして、銃の手入れを始めた。
部屋には冷房の稼働音が低く呻っており、窓がないせいで外の様子も窺えなかった。時刻の経過を計るのは難しいが、エルは、以前セイジが言っていた『スウェンの体内時計』とやらを信用する事にした。
室内は天井のシャンデリア以外に見る物がなく、他にやるべき事もみつからなかった。エルは、ボストンバッグの隣に腰を降ろし、クロエがミルクを飲み終えるまで待った。
クロエはミルクを飲み終えると、エメラルドグリーンの瞳を持ち上げて、エルを見た。
「クロエ、ご飯、食べる?」
エルは、柔らかい猫フードを片手に持って尋ねた。しかし、クロエは首を左右に振った。「そうか。うん、ミルクは全部飲んだね。良い子だ」
エルは、クロエをそっと抱き上げた。彼女の少し骨ばった小さな身体を抱きしめていると、エルの身体の緊張も自然と解けた。
「お前は暖かいね、クロエ」
「ニャーン」
エルは彼女に触れながら、その小さな身体に異変がないかどうか、こっそり確認した。
気のせいか、仮想空間に巻き込まれる前よりも少しだけ肉付きが良くなり、毛もふっくらとしていたような気がした。クロエの脇の下に手を入れて、肉球の色を確認すべく手を持ち上げると、クロエが楽しそうに鳴いた。
「遊んでいるわけじゃないんだよ、クロエ」
「ニャ?」
「まぁ、クロエが楽しんでいるのなら、いいけどさ……」
ボストンバッグの中で激しく揺られる事もあっただろうが、クロエに関して、現状体調も機嫌も良さそうだった。
エルは安堵しつつ、改めて彼女を両腕で抱きしめた。クロエが楽しそうに顔をすり寄せてくるたび、暖かい毛並みがエルの頬に触れた。
その時、スウェンが「よし」と相槌を打った。
「ほら、エル君。せっかくの休息なんだから、君も少しは眠らなきゃ駄目だよ」
「俺、眠くないよ」
エルがスウェンに目を向けると、クロエも、エルの腕の中から彼へ顔を向けた。
「確かに睡魔はないだろうけど、君は生身の身体なんだから、少しでも寝た方がいいよ。僕らだって精神的な疲労はあるから、少しは寝るつもりだよ。横になって目を閉じるだけでも、睡眠と同じ効力はあるからね」
エルは、思わず特大サイズ級のベッドへ目を向けた。身体の大きな男が三人並んで寝るというむさ苦しい想像には、正直気が引ける。
その中に飛び込めと? うわぁ、勘弁して欲しい……
エルは、腕の中のクロエと目配せした。小声で「お前なら、あの中に飛び込む勇気はある?」と問うと、クロエは両耳をやや後ろへとそむけた。
クロエのエメラルドグリーンの呆れた眼差しは、あんな暑苦しいスペースで寝られないわよ、と言っているような気がした。それは、エルも同意見だった。
「――あの、俺、別に眠くないから、ここでクロエを抱っこして目でも閉じてるよ。それにさ、そこのベッドで四人並んで寝るのは、さすがにスペース的な問題もあって、ちょっときついかなと思うけど」
「大丈夫だよ。君は小さいし、皆で横になれば暖も取れるじゃないか。ほら、ベッドもふかふかだよ」
スウェンはそう言って、ベッドの上を数回叩きクッション性をアピールした。
エルが困惑している間に、セイジがベッドへと上がり、さも当然そうに横になった。軍で同じチームだったというぐらいだから、三人での共同生活には慣れてしまっているのだろう。見本といわんばかりに、続いてスウェンも横になった。
ログとセイジの間には、子供一人分ほどの空きが作られていた。しかし、やはりベッドは満員状況だ。エルは、男三人というむさ苦しい光景に、彼らが全く疑問を抱かない事が少し心配になった。
寝る事は、特に強制でもないらしい。スウェンもセイジも、数秒後には規則正しい寝息を立て始めた。
彼らが本当に眠ってしまったのかは定かではないけれど、一先ず、場は落ち着いたということだろう。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
オネエ伯爵、幼女を拾う。~実はこの子、逃げてきた聖女らしい~
雪丸
ファンタジー
アタシ、アドルディ・レッドフォード伯爵。
突然だけど今の状況を説明するわ。幼女を拾ったの。
多分年齢は6~8歳くらいの子。屋敷の前にボロ雑巾が落ちてると思ったらびっくり!人だったの。
死んでる?と思ってその辺りに落ちている木で突いたら、息をしていたから屋敷に運んで手当てをしたのよ。
「道端で倒れていた私を助け、手当を施したその所業。賞賛に値します。(盛大なキャラ作り中)」
んま~~~尊大だし図々しいし可愛くないわ~~~!!
でも聖女様だから変な扱いもできないわ~~~!!
これからアタシ、どうなっちゃうのかしら…。
な、ラブコメ&ファンタジーです。恋の進展はスローペースです。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。(敬称略)
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる