チートスキルが使えるから島民を守れって言われても俺は好きな女の子といちゃいちゃしていたい普通の中学生なんだよね。 だから好き勝手に生きる

甘いからあげ

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俺が好きな女の子のママがメインヒロイン?親殺し女はお断りします

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結界の向うに行くのは、人間社会で生きていけない人間の出来損ないだ。止めても無駄だ。
あれらは偶然に結界の向うに行くわけではない。行く者は止めても遅かれ早かれ行く。人間社会からの落後者の受け入れ先と思え。
~先住民族に怯える島 日常に退屈した貴方へ 週末に行ける日本の少しだけ非日常旅行~抜粋 呉留出版社2019年発刊 1998円

 「先生も無事だったし。あれが学校に来なくなって暫く平和だったんだけどね。友達の家で遊んだ帰り道、学校にも来てないあれを外で見かけたわ。
片手に大きなスーツケースを持っていて、背中にも大きなリュックを背負っていたわ」
 そこまで聞けば、もう家出して結界の向うに行く時だったんだろうなんて分かる。
 「ああ、結界の向うに行くんだろうなって思ったわ。クラスメイトや周囲の人なら誰が見てもそう思う状況よ。
あれを知らない人でも小学生が一人でスーツケースや大きなリュック持ってるだけで、島育ちの人間なら誰もがそう思うでしょうね
止める気もしないし、止めて逆恨みで何かされたから嫌だから、止もしなかったわ。」
 真姫ママが結界の向うに行って、真姫祖父母は自決した。もし、お母さんがその時真姫ママを止めていたら、真姫祖父母は自決しなかったのじゃ。
そんな事も考えるが、黙って見過ごしたお母さんの判断は正しい。
大体、俺なんて真姫ママが一番怖いのにお母さんにあの時止めていればなんて言っていいはずがない。
 「でも、あれの御両親には言っておこうと、そのままあれの家まで行ってチャイムを鳴らしたの。
日曜日なのにあれの御両親も出てこないから、とりあえず警察にあれが家出したんじゃないかって通報しておいたわ。
大きなスーツケースと大きなリュックを背負って、結界の向うに行ったんじゃないかって。
すぐに警察が結界の方に捜索に行ったけど、あれは見つからなかったそうよ。まぁ、スーツケースにリュックの小学生なんて見間違えるわけもないし目だつ
から、きっともう結界の向こうに行ってたんでしょうね。暫くしたら、あれの家の前で警察が来ていて、近所の人も来ていて騒ぎになっていたのよ」
 この先の話は分かるが、おかしい。
じゃあ、真姫ママは両親が留守の時か両親の目を盗んでスーツケースを持って家を出たのではなく、
両親に結界の向うに言くと言って、それを聞いた真姫祖父母は自決したと?普通止めるのではないのか。
止めても説得しきれなかったから諦めて自決したということなのか。
この話の先に待っているのは、真姫祖父母の自決なのでなければ、真姫祖父母は。
 「あれの御両親が、素人の子供がやったような偽装自殺で死んでるって騒ぎになってたわ」 
 聴きたくなかった。認めたくなかった事だ。
 「実際の死因は首を絞められた事なのは明らかな事。しかし、手で首を絞めたような痕跡もなく道具を使ったような痕跡も見つからない。
自殺に見せかけるためには、指紋を残していて、手袋もしていない様子だったと。
じゃあ、首を絞めたのだけはなんの痕跡もないのは」
 お母さんは俺に言わせたいようだ。
 俺が好きな女の子の母親がどういう存在なのか俺自身に言わせて認識させたいんだろう。
 「チートスキル」 
 「ええ。クラスの皆もその噂を聞いて、あれがチートスキルでやったんだって警察にも言ってたわ」
 「あなたは、分かるわよね。あれの御両親を殺して偽装自殺なんてしたのは」
 お母さんはこれも俺に言わせたいらしい。認めなさいと言う事だ。
 「真姫ママが、両親を殺したんだ」
 「両親を殺して。その後は何だったかしら」
 「偽装自殺。両親を殺して自殺に見せかけたんだ」
 「両親を殺す事はまぁあり得ない話ではないわ。でも、それを自殺に見せかけるなんて人間にできることかしら」
 「できない。そんな事をできるのはもう人間じゃない。俺はそんな存在を人間だとは思わない」
 「よく言えました。あれは人間じゃないわ」
 「『でも卿と結婚して良かったわ。していなかったら今でも後悔してるでしょうね』。真姫ママはそう言ったんだ。
 じゃあ、真姫ママは両親を殺して自殺に見せかけるために遺体に手をつけ、それでも後悔していない。これで良かったわと言ってたわけか」
 想像できなかった事じゃない。少し聞けば聞けた噂だ。聞きたくないから避けていた事だ。
 「外道ね」
 「結界の向うに行くのは、まともな人間では行けないの」
 「結界の向うに行くのは、水守一族の誘惑もあるだろうがそれだけじゃない。人間社会には馴染めない。
人間社会の倫理観と会わない。そういう者が結界を越える。お前にも言ってきたことだし、島の者なら言われてきて当然の事だろう」
 両親から何度も聞いてきたことだ。子供が親の言う事を聞かない時によく言う言葉でもある。 
 お父さんお母さんの言う事を聞かない者は、結界の向うに行ってしまうのよ。
 結界の向うに行けば二度と帰ってこれない。家族とも友達とも二度と会えない。
 テレビも甘いお菓子もない。
 今はテレビの部分がスマホに変わって言われているが、ここは世代によってラジオや雑誌に変わっている。
 俺も徹も友達も、親にこれを言われると怖くて謝った。島育ちの子供なら誰もが経験してる事だ。
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