40 / 50
第四十話・Rシーン
しおりを挟む
柊人さんの手に胸を揉まれ、唇で先端を吸われて、私はソファーに埋もれながら身悶えていた。彼の肩に手を添え、強く刺激を感じる度にその指先に力を入れる。波のように強弱をつけながら襲ってくる刺激。口を閉じても鼻から吐息が漏れ出てしまい、ちっとも余裕のあるフリができない。
「んっ、ふぅん!」
すでに私の身体のことを熟知してしまったのか、ピンポイントで弱いところを中心に狙ってくる。過敏なところばかり攻められ、私は声を押さえることも忘れて喘ぎ続ける。柊人さんの舌の動きに合わせて腰が無意識に揺れていた。わざと聞こえるように音を出して吸われると、私は恥ずかしさで顔を紅潮させる。そんな私の反応を楽しんでいるのか、顔を上げた彼の口の端は少しばかり上がって見えた。
その時、リビングの壁に設置されたインターフォンが鳴り響く。ソファー越しに視線を移すと、点滅する小さなモニターには宅配業者の制服を着た男性が映し出されていた。柊人さんが立ち上がって対応する。
「注文してた本が届いたみたいだ」
出張へ向かう新幹線の中で何冊かビジネス書をネットで購入したらしい。一冊ならポストに投函されるはずが、複数冊をまとめて頼んだから通常の便で届けられたみたいだと言いながら、柊人さんは壁面の棚の引き出しから印鑑を取り出して準備している。一階のエントランスからこの八階の部屋まで、エレベーターがスムーズに来たとしても数分はかかる。場合によっては、他の部屋にも立ち寄ってとなると結構待たされることだってあるのだ。
私は起き上がってからソファーの上で、乱れた服装を整える。下着まで着け直した頃になっても業者はまだ来ないみたいで、柊人さんは拗ねているのか眉を寄せていた。完全に最悪のタイミングだ。週末だから荷物の指定が重なっているのだろうか、大型マンションならではだ。
私が気を取り直して立ち上がり、洗濯物を取り込むためにバルコニーへ向かおうとすると、後ろから柊人さんが抱き締めにきてから切ない声で言った。
「荷物はもうすぐ来ると思うから、咲良は先に寝室で待ってて」
絶妙な邪魔が入ったおかげで気がそがれたものと思っていたら、柊人さんの声から熱はまだ冷めてはいないみたいだった。私の首後ろに軽い口付けをした後、促すように腕を引く。彼に誘導されながら寝室へと向かい、私がベッドに腰掛けたと同時に玄関前のインターフォンが鳴る音が聞こえてきた。印鑑を手にした柊人さんが対応に向かう後ろ姿を見つめてから、私は少し考えた後に着ている服を自分で脱ぎ始めた。
玄関先の短いやり取りを一瞬で終えた柊人さんが戻って来た時、カーテンを閉めて真っ暗になった寝室で私はベッド上で布団に包まっていた。冷静に考えたらとても恥ずかしい状況だけれど、さっきまで着ていた洋服はベッド下に畳んで置いている。さすがに下着まで全部脱いでしまうのはと思ってブラジャーとショーツはそのままだ。だけど、布団の中でこれはこれでエッチな格好だと後悔し始めていた。
――ま、柊人さんにはガードルだけの痴女状態だって見られてるんだけど……
何も隠し切れてないあの時よりはマシだと自分で自分に言い聞かせる。そして、彼の足音が玄関から近付いてくるのをドキドキしながら待つ。ガチャリと寝室のドアが開かれ、カーテンは閉められていたけれど、まだ明るい廊下から差し込む光で私がベッドに入っているのは分かったらしい。頭まで布団を被って顔を隠していた私は、足音がすぐ脇まで聞こえた後、何かがパサリと床に落とされる音に気付き、そっと目元だけ布団から顔を出して確認する。
ベッドのすぐ横で、柊人さんが着ていたシャツを脱ぎ、ベルトに手をかけて外そうとしているところ。ベッドの下に私の服があるのに気付いたみたいだ。彼は下着まで全てを脱ぎ捨ててから、布団の中へと潜り込みながら嬉しそうに笑っている。
「そんな積極的に誘われるとは思ってなかった」
顔を半分まで隠していた掛布団を捲り上げられ、私は下着姿を彼の目に晒される。同系色の花柄の刺繍がたっぷり入っているブルーの下着。勝負下着というほどではないけれど、どちらかと言うとお気に入りではあった。でも私は恥ずかしくて柊人さんから目を反らす。全裸より下着姿の方が羞恥心が煽られるのはなぜだろうか。
「可愛いな……」
柊人さんはそう呟いた後、私の上に覆い被さってから、下着を着けたままの私の身体へ触れ始める。いつもは簡単にホックを外して捲りあげてしまうブラジャーも、そのままを手の平に包み込んで揉み出している。首筋へ舌を添わせて舐められると、「ふぅん」という短い声が鼻から漏れた。布越しという間接的なじれったい刺激が続くと、私は不満気に彼の手を掴んでから何も着けていない腰へと誘導する。もっと肌に直接触れて欲しい。そう目で訴えかけ、彼の背に腕を回してしがみ付く。腰やお腹を優しく撫でて回る彼の手がとても温かくて気持ちいい。腕に力を入れて身体を密着させると、お腹の近くに熱を持った硬い物が触れた。何も穿かず直接的に感じるその熱さに、私は驚き顔で彼のことを見上げた。
「んっ、ふぅん!」
すでに私の身体のことを熟知してしまったのか、ピンポイントで弱いところを中心に狙ってくる。過敏なところばかり攻められ、私は声を押さえることも忘れて喘ぎ続ける。柊人さんの舌の動きに合わせて腰が無意識に揺れていた。わざと聞こえるように音を出して吸われると、私は恥ずかしさで顔を紅潮させる。そんな私の反応を楽しんでいるのか、顔を上げた彼の口の端は少しばかり上がって見えた。
その時、リビングの壁に設置されたインターフォンが鳴り響く。ソファー越しに視線を移すと、点滅する小さなモニターには宅配業者の制服を着た男性が映し出されていた。柊人さんが立ち上がって対応する。
「注文してた本が届いたみたいだ」
出張へ向かう新幹線の中で何冊かビジネス書をネットで購入したらしい。一冊ならポストに投函されるはずが、複数冊をまとめて頼んだから通常の便で届けられたみたいだと言いながら、柊人さんは壁面の棚の引き出しから印鑑を取り出して準備している。一階のエントランスからこの八階の部屋まで、エレベーターがスムーズに来たとしても数分はかかる。場合によっては、他の部屋にも立ち寄ってとなると結構待たされることだってあるのだ。
私は起き上がってからソファーの上で、乱れた服装を整える。下着まで着け直した頃になっても業者はまだ来ないみたいで、柊人さんは拗ねているのか眉を寄せていた。完全に最悪のタイミングだ。週末だから荷物の指定が重なっているのだろうか、大型マンションならではだ。
私が気を取り直して立ち上がり、洗濯物を取り込むためにバルコニーへ向かおうとすると、後ろから柊人さんが抱き締めにきてから切ない声で言った。
「荷物はもうすぐ来ると思うから、咲良は先に寝室で待ってて」
絶妙な邪魔が入ったおかげで気がそがれたものと思っていたら、柊人さんの声から熱はまだ冷めてはいないみたいだった。私の首後ろに軽い口付けをした後、促すように腕を引く。彼に誘導されながら寝室へと向かい、私がベッドに腰掛けたと同時に玄関前のインターフォンが鳴る音が聞こえてきた。印鑑を手にした柊人さんが対応に向かう後ろ姿を見つめてから、私は少し考えた後に着ている服を自分で脱ぎ始めた。
玄関先の短いやり取りを一瞬で終えた柊人さんが戻って来た時、カーテンを閉めて真っ暗になった寝室で私はベッド上で布団に包まっていた。冷静に考えたらとても恥ずかしい状況だけれど、さっきまで着ていた洋服はベッド下に畳んで置いている。さすがに下着まで全部脱いでしまうのはと思ってブラジャーとショーツはそのままだ。だけど、布団の中でこれはこれでエッチな格好だと後悔し始めていた。
――ま、柊人さんにはガードルだけの痴女状態だって見られてるんだけど……
何も隠し切れてないあの時よりはマシだと自分で自分に言い聞かせる。そして、彼の足音が玄関から近付いてくるのをドキドキしながら待つ。ガチャリと寝室のドアが開かれ、カーテンは閉められていたけれど、まだ明るい廊下から差し込む光で私がベッドに入っているのは分かったらしい。頭まで布団を被って顔を隠していた私は、足音がすぐ脇まで聞こえた後、何かがパサリと床に落とされる音に気付き、そっと目元だけ布団から顔を出して確認する。
ベッドのすぐ横で、柊人さんが着ていたシャツを脱ぎ、ベルトに手をかけて外そうとしているところ。ベッドの下に私の服があるのに気付いたみたいだ。彼は下着まで全てを脱ぎ捨ててから、布団の中へと潜り込みながら嬉しそうに笑っている。
「そんな積極的に誘われるとは思ってなかった」
顔を半分まで隠していた掛布団を捲り上げられ、私は下着姿を彼の目に晒される。同系色の花柄の刺繍がたっぷり入っているブルーの下着。勝負下着というほどではないけれど、どちらかと言うとお気に入りではあった。でも私は恥ずかしくて柊人さんから目を反らす。全裸より下着姿の方が羞恥心が煽られるのはなぜだろうか。
「可愛いな……」
柊人さんはそう呟いた後、私の上に覆い被さってから、下着を着けたままの私の身体へ触れ始める。いつもは簡単にホックを外して捲りあげてしまうブラジャーも、そのままを手の平に包み込んで揉み出している。首筋へ舌を添わせて舐められると、「ふぅん」という短い声が鼻から漏れた。布越しという間接的なじれったい刺激が続くと、私は不満気に彼の手を掴んでから何も着けていない腰へと誘導する。もっと肌に直接触れて欲しい。そう目で訴えかけ、彼の背に腕を回してしがみ付く。腰やお腹を優しく撫でて回る彼の手がとても温かくて気持ちいい。腕に力を入れて身体を密着させると、お腹の近くに熱を持った硬い物が触れた。何も穿かず直接的に感じるその熱さに、私は驚き顔で彼のことを見上げた。
19
あなたにおすすめの小説
甘い束縛
はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。
※小説家なろうサイト様にも載せています。
一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました
由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。
ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。
遠い存在になったはずの彼。
けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。
冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。
【完】ソレは、脱がさないで
Bu-cha
恋愛
エブリスタにて恋愛トレンドランキング2位
パッとしない私を少しだけ特別にしてくれるランジェリー。
ランジェリー会社で今日も私の胸を狙ってくる男がいる。
関連物語
『経理部の女王様が落ちた先には』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高4位
ベリーズカフェさんにて総合ランキング最高4位
2022年上半期ベリーズカフェ総合ランキング53位
2022年下半期ベリーズカフェ総合ランキング44位
『FUJIメゾン・ビビ~インターフォンを鳴らして~』
ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高11位
『わたしを見て 触って キスをして 恋をして』
ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高25位
『大きなアナタと小さなわたしのちっぽけなプライド』
ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高13位
『ムラムラムラモヤモヤモヤ今日も秘書は止まらない』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高32位
『“こだま”の森~FUJIメゾン・ビビ』
ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高 17位
私の物語は全てがシリーズになっておりますが、どれを先に読んでも楽しめるかと思います。
伏線のようなものを回収していく物語ばかりなので、途中まではよく分からない内容となっております。
物語が進むにつれてその意味が分かっていくかと思います。
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
【完結】育てた後輩を送り出したらハイスペになって戻ってきました
藤浪保
恋愛
大手IT会社に勤める早苗は会社の歓迎会でかつての後輩の桜木と再会した。酔っ払った桜木を家に送った早苗は押し倒され、キスに翻弄されてそのまま関係を持ってしまう。
次の朝目覚めた早苗は前夜の記憶をなくし、関係を持った事しか覚えていなかった。
不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました
入海月子
恋愛
有本瑞希
仕事に燃える設計士 27歳
×
黒瀬諒
飄々として軽い一級建築士 35歳
女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。
彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。
ある日、同僚のミスが発覚して――。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
溺愛のフリから2年後は。
橘しづき
恋愛
岡部愛理は、ぱっと見クールビューティーな女性だが、中身はビールと漫画、ゲームが大好き。恋愛は昔に何度か失敗してから、もうするつもりはない。
そんな愛理には幼馴染がいる。羽柴湊斗は小学校に上がる前から仲がよく、いまだに二人で飲んだりする仲だ。実は2年前から、湊斗と愛理は付き合っていることになっている。親からの圧力などに耐えられず、酔った勢いでついた嘘だった。
でも2年も経てば、今度は結婚を促される。さて、そろそろ偽装恋人も終わりにしなければ、と愛理は思っているのだが……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる