【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

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第三章 出会い

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俺は、何かの夢を見ていた気がする。
それがただ只管ひたすら怖く、逃げるように俺は目を開けた。

汗をぐっしょりとかき、髪の毛がおでこや首筋に張り付いて気持ち悪い。
お腹にかかっていたブランケットを剥ぎ取り、体を起こすと、全身に鈍い痛みが走り、頭もズキズキと痛んだ。

俺は体調の悪さを感じつつ、ベッドから出ようと床に足を下ろした。
そこで、自分が着ている服が知らない服だということに気づく。

薄手の七分丈のパンツに、薄手の長袖。見覚えすらもない服である。
その服たちはサイズが全然合っておらず、袖は余って首元も緩く、ズボンに至っては立てばずり落ちそうなぐらいウエストがあっていない。

俺は状況が理解できず辺りを見渡したが、自室の寝室に間違いはない。
頭がボーっとしてあまり考えが回らないまま、汗をかいて気持ち悪い体を起こしてリビングに続く扉を開ける。
すると、そこには京介と多田がソファーに座ってテレビを見ていた。

「あれ、昨日泊まったっけ?」

昨日の記憶が酷くおぼろげで、思い出そうにも二人が泊まった記憶が出てこない。

「お前、覚えてねぇの?昨日のこと。」

「昨日?」

昨日のことを思い出そうと思考を巡らそうとするが、体調の悪さに集中して考えられない。

「ごめん、ちょっと体調悪くて。先に、お風呂入ってもいい?寝汗が気持ち悪くて。」

「あぁ、構わねぇよ。一人で大丈夫か?」

何を心配されているのか分からなかったが、俺は肯定しつつ一人でお風呂に向かう。
俺は誰のか分からない服を脱ぎ捨て、お風呂に入ってシャワーを出す。
少しぬるめに設定するべく足先で温度を確かめながら調整し、丁度良くなれば頭からシャワーを当てて髪を濯ぐように頭皮に触れた。

その瞬間、ズキリと触れた後頭部に痛みが走った。
それに続いて手首に染みるような痛みを感じ、俺は訳も分からず手首に視線を落とす。

そこには、包帯を巻かれた濡れた右手首があった。
びっくりして左手も確認すれば同じように包帯が巻かれており、慌てて目の前の鏡に視線を向けると、俺の体には赤い痣のようなものが何個か出来ていた。

直接自分の体に視線を落とすと、楕円形の赤い痣が胸あたりに3つあり、右肩も擦りむいたような傷がある。
先ほど痛みを感じた頭皮に恐る恐る手を触れれば、触れるたびに痛いこぶが出来ていた。
俺は何があったのかと必死に考えを巡らせる。
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