【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

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第三章 出会い

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「昨日、バイトの帰りに襲われたんだ。柿原に。正直、何が起こったのかはっきりとは思い出せない。ずっと意識が朦朧としてたから。ただ、何かで殴られて意識を失って、次に目を開けたときには手をロープで結ばれて捕まってた。多田はさっき俺の体を見たから分かると思うけど、体中を触られて、俺は必死の思いで隙をついて逃げた。でも、俺は森林公園の出口を目前にこけた。めまいが止まらなくて、動けなくなった。また捕まって、もう半分諦めてた。そのときに、助けてくれたんだ。火神と久我が。たまたま通りかかっただけって言ってた。その後はもう分からない。気づいたら自分の家にいたし、京介たちが家にいた。」

「そういうことだったんだな。その後は、手当てもして服も着替えさせられた亀を俺の家に市瀬が届けにきたんだ。眠剤で寝てるだけだってそれだけ言って俺に託して帰っていった。詳しいことも何も分からないけど、とりあえず安静に寝られるほうがいいだろうと思って家に勝手に上がらせてもらった。ごめんな。」

「うぅん。おかげで助かった。俺さ、ついでだから暴露しちゃうんだけど、中学でも同じことがあったんだ。男のグループに襲われたことがある。その時は自力で逃げれたんだけどね。だけど、それから俺トラウマなんだ、男に触られるの。ある程度は時間が解決してくれて、日常生活には問題ないまでになったんだけど、多分今回のでぶり返すと思う。今まで誰にも言わずに耐えてきたけど、二人には隠せないかも。迷惑かけるかもしれない。先に謝っとくよ、ごめん。」

中学でのアイツ等の行動に、どんな意味があったのかは知らない。
好意があったのか、ただのいじめの一環だったのか。

ただ、俺は体育館倉庫に押し込められ、4人がかりで押さえつけられ、リーダー格の奴にカッターシャツを破かれ、体を触られた。
逃げられたのは、左足を押さえていた奴が俺の脚を逃してしまったから。

蹴り飛ばして暴れた。
その時は薬も何もなかった。
だから俺は逃げることが出来た。

でも、俺の体に残った感触は消えてくれなかった。
体を這う手の感触に吐き気は止まらず、また襲われるのではないかという恐怖に体は震え、不意に触られると拒絶反応が出た。

やっとの思いで解放されたと思っていたのに、俺はまたあの苦痛を味わわないといけないのだろうか。
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