【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

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第三章 出会い

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バイト先には喧嘩に巻き込まれて手首を怪我してしまったと伝え、俺は長袖での勤務を許してもらった。

京介たちが守ってくれるという安心感もあってか、俺は思ったよりも日常生活に苦痛を感じていなかった。

ただ、目覚めは常に最悪だった。
夢の中で追いかけられて恐怖で目が覚めたり、体を這う感覚に吐き気を催して目が覚めることもあった。
快眠という日がめっきりなくなり、疲労が募ってきているが、まだ隠せる状態だった。

早く落ち着いてちゃんと寝なければ、そのうちバイトにも支障が出始める。
俺の中での最優先事項はそれだった。


休み明け、柿原は本当に登校してこなかった。
退院もして動けるらしいのだが、休み続けている。
まだ退学の話は出ていないようだが、時間の問題だろうとの話だった。

あとは俺に対して、京介たちが予想していた通りに対決の申し込みが来ていた。
ただ、京介たちがずっと傍にいてくれたおかげで、俺に代わって2人が断りを入れてくれることによって、俺は何とか喧嘩を免れている。

そんなある日のお昼、俺は2人に付き添ってもらって火神のたまり場に向かっていた。
そこは校門を上がってきて一番前に立っている第一校舎の最上階、4階空き教室。

鍵は全て職員室で管理されているが、この空き教室の合鍵を作って勝手にたまり場にしているらしく、窓から下を見下ろせば辺りは良く見え、偵察するにはもってこいの場所のようだ。

そんな空き教室の扉を前にすれば、中から話し声がしているので今人がいるのは確かだった。
だからその扉を三回ノックし、声をかける。

「すみません、1年の亀城なんですけど。」

そういうと、中から扉を開けられ、市瀬が姿を現した。

「田中も一緒じゃん。何?まだ学年トップすらも決まってない奴らが何の用?」

あからさまな喧嘩腰に俺は少し怯みながらも、袋に入れた服を差し出す。

「服、返しにきました。先日はありがとうございました。助けてもらって。」

「律儀だねぇ。別に良かったのに。」

「そういうわけには。あの、火神さんたちにも直接お礼が言いたいんですけど。」

「そういうのいいから。」

「別に構わねぇよ。そこ通してやれよ。」

市瀬が俺の前に立ちはだかって中は見えていなかったが、どうやら火神もそこにいるらしい。
奥からあの日聞いた声と同じ声が聞こえる。

それに市瀬は渋々というように俺の前からどいてくれ、教室内を覗き見れば、窓側に置かれたソファーに火神は座ってこちらを見ていた。
ここは備品置き場として使ってるのか、応接用のソファーと机が組んで角に置いてあり、それと似たような応接セットに座っているので、ここにあったものを勝手に使っているのだろう。
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