【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

文字の大きさ
211 / 261
第七章 従順な俺

211

しおりを挟む
俺が寝室に入った時には多田も寝ており、2人の小さな寝息が聞こえている。
京介はきっとまた再戦を挑むことだろう。
それがいつになるのかは分からないが、自分が納得するまで戦い続けるはずだ。
颯斗も暫くはワクワクする生活を送れることだろう。

翌日、京介は顔の腫れが酷いからと学校をサボるらしく、それに付き合って多田も行かないというので、俺は一人で登校した。
しかし、そこで俺は困り果てていた。

「亀城ってさ、前の時もそうだけど、火神とどういう関係なんだよ?」

「いつから仲いいわけ?」

「つーか舎弟なのか?」

昨日あの場所で呼ばれたこともあって、周りの俺の認識はトップの仲のいい奴ということになってしまったらしい。
朝から質問攻めの嵐で疲れ果てている。
おまけに今は昼休憩だ。
長い休み時間質問をかわし続けるのは無理がある。

「ちょっと面識があるだけだよ。俺から言うことは何もないよ。」

「その割には仲良さそうじゃん。でもそれってあり?お前田中の側近じゃん。」

「それは京介たちも了承してくれてるから。」

「でもトップ争いしてんだぜ?相手は敵だぜ?倒さなきゃなんねぇ奴と仲いいって側近としてありえなくない?」

「そう言われても、俺側近になった覚えもないし・・・。」

「今更何言ってんだよ。側近として喧嘩受けてんのにそれはねぇだろ。」

こうなることは分かっていたが、やはり認めてもらえるものではなかった。
ここに京介や多田がいれば抑止力になっていたのだろうが、俺自身に威厳なんてものはないので標的になるのは避けられない。

「おい、田中いるか?」

突然教室の扉が派手に音を立てて開けられ、全員が注目の視線を向ける中、京介を探す声が通る。
俺は周りに人が集っていたので視界が狭い中、体をずらしてそちらに目を向ける。
そこには颯斗の姿があった。

やはり腫れにくい体質だからか京介と違ってあまり腫れはなく、切れている頬辺りが少し腫れているなと思う程度だった。
しかし、京介のことを探すとは何事だろうか。
颯斗のことだから京介が休みのことぐらい調べがついていると思うのだが。

「京介は、休みっすけど。」

「あっそ。じゃあこいつ貰っていくわ。」

どこからか伝えられた事実に颯斗は適当に返事をし、俺の方に向かってきて俺の手首を掴んで立たされる。

「え?何?」

「こいつに下手に手出ししねぇ方がいいぜ。痛い目見るぞ。」


俺が困惑する中、颯斗は教室内を一瞥してそう告げた。
それに返事をするものはいなかったが、全員が身を固くしたことは分かった。
もしかしたら、颯斗は俺が質問攻めにあっていることを知って助けに来てくれたのかもしれない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

隣の席のイケメンに懐かれた

しょうがやき
BL
隣の席のイケメンに懐かれた平凡男子の話

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~

みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。 成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪ イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~

柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】 人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。 その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。 完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。 ところがある日。 篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。 「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」 一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。 いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。 合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)

処理中です...