【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

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第二章 最強の男

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そのような生活は1週間ほど続いた。

京介たちとは放課後毎日のように遊び、様々な場所に連れて行ってくれ、俺に周辺の勝手を教えてくれた。
学校生活も特筆して何かがあるわけでもなく、退屈な授業を適当に受け、京介がいない時にたまに周りの席の人が話しかけてくるようになり、少しだけ交友関係が広がったぐらいだ。

皆口を揃えて京介がいつも傍にいるから話しかけられなかったというが、そんなに怖がらなくとも京介は理不尽な暴力は振らない。

俺を自分のものみたいに扱うこともないし、他のやつと遊びたかったら好きなだけ行ってこいと言ってくれている。
周りが勝手に京介を怖いと思い込み、俺を勝手に側近に仕立て上げているに過ぎないのだが、俺が否定しようともその印象が変わることは無かった。

そんなある日、俺は体育の時間に京介に引っ張られて体育館と校舎を結ぶ連絡通路に連れ出されていた。

「おい、あそこ見ろ。駐輪場のとこ。あの一番明るい茶髪がここのトップの火神だ。市瀬と久我もいるぜ。黒髪のほうが久我な。」

3階にある連絡通路から京介が指を指している二年生の駐輪場はよく見えた。
遅刻してきたのか三人とも何も入っていないであろうペタンコのスクールバックを持って駐輪場から校舎に向かっていくところだった。

火神と呼ばれたその人は俺が知っている中では一番明るい髪色をしており、ほぼ金髪と遜色ない色をしていた。
その人を先頭に後ろを二人がついていっているが、黒髪が久我ならもう一人の少し暗めの茶髪をしているのが市瀬なのだろう。

そしてその三人を見て俺が一番に思ったことは、すごい綺麗な顔をしているということだった。

俺の中で不良で強い奴は体がごつくて筋肉質であり、顔立ちも何となくごついイメージを持っていたため、端整な顔立ちとすらりとした体型と手足に何故だか見ほれてしまう。

そのとき、俺達の視線を感じ取ったのかその火神と呼ばれた人物はふとこちらに視線を向ける仕草を見せた。

「やべっ。」

京介の慌てた声とともに俺は首根っこを掴まれて通路の手すり壁へと引きずり込まれ、俺は突然のことで服が喉に食い込み、みっともなくグエっと声を上げる。

「突然何?苦しいじゃん。」

「馬鹿お前。顔が割れて得することなんてねぇだろ。特にお前は喧嘩できねぇんだから。」

「そんな顔覚えられただけで何が起こるの?」
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