私のおウチ様がチートすぎる!!

トール

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第一章

29.リッチモンドさん、若返る!?



「カナデ様、おはようございます!」
「あ、バーモントさん、おはようございます! 畑のお世話の後は、家具作りですか?」
「はい! リッチモンド様とレオ様が、森で立派な木を取ってきて下さったんです!!」

村に新たな住人がやって来てから2週間が経った。

皆、レオさん達と同じように、日本の建物や設備に初めはかなり戸惑っていたが、イヴリンさんやローガンさん達が丁寧に教えてあげて、すぐに順応してくれた。

毎日新しいものが現れるが、そこも女神の力だとヒューゴさんが押し切り、誰もふれなくなってしまった。

それで、皆にそれぞれ住んでいる家の畑の管理を任せたのだが、ローガンさん達が仕事をしているのを見た皆さんが、自分達もと言い出した為、今は自分の特技を仕事にしてもらっている。

このバーモントさんというレオさんと同じ年頃の男性も、家具作りが得意らしくて、色々作ってもらっているのだ。

「そうなんですね! あ、バーモントさん。家具作りが終わってからでいいんですけど、作ってもらいたい物があって……バーモントさんの時間がある時に少し相談にのってもらっても良いですか?」
「勿論です!! 何なら今からでも大丈夫ですよ!」
「本当ですか! じゃあお願いしても……「カナデ、こんな所に居たのか」リッチモンドさん、どうしたんですか?」

バーモントさんと話していたら、リッチモンドさんがやって来て私達を見るなり、なぜだか眉を下げてしまったのだ。

「リッチモンド様、おはようございます!」
「うむ。バーモントよ、元気そうで何よりだ」

あれ? いつものリッチモンドさんに戻った。

「カナデ様、僕はいつでも大丈夫ですので、ご遠慮なくお声掛け下さい。何でもお作りしますので! では、失礼しますっ」

バーモントさんは畑の世話に戻り、私はリッチモンドさんへ向き直る。

「リッチモンドさん、何かあったんですか?」
「いや、今日はカナデとゆっくりしようと思ってな」
「え、今日は森に行かないんですか?」
「うむ。カナデはいつも忙しなく働いているからな。少しは休ませねばと思っていたのだ」

何てことだ。リッチモンドさんは私の為に休みを取ってくれたらしい。

「へへっ 何か嬉しいです」

久しぶりに二人で過ごす気がしますね。と言うと、リッチモンドさんは目を細めて頷いてくれたのだ。

「カナデ、少し散歩しながら話をしよう」
「はい!」

リッチモンドさんと二人の時には、よくこうして村を巡りながら話をしていたっけ。

「リッチモンドさん、最近若返りましたよね」
「ん? そうだな。ここに来てから調子が良くてな。全盛期の力が戻ってきたようだ」
「そうなんだぁ! だから見た目も若返ったんですね」
「本当はもっと若返らせる事も可能だぞ」

リッチモンドさんの爆弾発言にぎょっと目を剥く。

「ええ!? うそっ リッチモンドさんの若い顔見たい!!」
「何だ? カナデは年寄りの外見が好きだったのではなかったのか? いつもスマートで“だんでぃ”で“ろまんすぐれえ”だと褒めてくれていたではないか」
「そうですけど、若くなれるならその姿も見てみたいんです! 絶対格好良いと思うからっ」

今ですら格好良い、リッチモンドさんの若い姿ってどんななんだろう。

ワクワクと見ていたら、「仕方ないな」と笑いながら、姿を変えてくれたのだ。


「どうだ。カナデ」


枯れかけた素敵な声ではなく、バリトンの美しい声が私の名を呼んだ。

腰が砕けそうなそれに、言葉を失っていると、「カナデ」ともう一度呼ばれ、顔がブワッと熱くなる。

「り、リッチモンドさん?」
「そうだ。同じ顔だろう」

同じ顔って、確かにそうだけど……。

おじいちゃんだった時の白い髪は青みがかった銀髪になっており、瞳は変わらずの金色。端正な顔はそのままだけど、シワがなくなり、シュッと引き締まっていて、男らしい格好良さと美人さんが丁度良い具合に混ざったような、絶妙なバランスのイケメンがそこにいたのだ。

手足も長くて、雑誌に載ってる外国人モデルのようなスタイルだった。

「うわぁ……っ」
「もしや、あまりの格好良さに驚いたか?」

その言葉に、こっくり頷いて、ますます熱くなる顔を手で仰ぐ。
暫くして、リッチモンドさんが黙っている事に気づいて顔を上げると、なぜだか、リッチモンドさんの顔が真っ赤に染まっていたのだ。

「リッチモンドさん?」
「…………っ 仕方なかろう! カナデが褒めてくれたんだから……。ゴホンッ すまんな。どうも照れてしまって」

照れて……? リッチモンドさんが?


よく見ると彼の耳も、真っ赤に染まっていたのだった。


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