【R18】死に戻り悪役令嬢は悪魔と遊ぶ

三月べに

文字の大きさ
14 / 18

○14 婚約破棄のあとは初夜を。

しおりを挟む


「私を貶める悪い噂から身を守るためにも、従者に『謎の貴公子』を演じさせて、事実無根の噂を否定する行動を示しましたの。皆様を騙すような真似して、申し訳ございません。嘘はついていませんがね」

 注目を集める貴族の中には、『謎の貴公子』の紹介をいつかすると聞いた人達がいるので、そう優雅に微笑んで謝っておく。

「それのどこが噂を否定する行動になる!」

 目の前に『謎の貴公子』がいたにも関わらず、誰だと喚いていたことが恥ずかしかったのか、真っ赤になってアレキサンドが怒鳴ってきた。

「従者にエスコートを頼むほど、婚約者のクリストン侯爵令息との仲が冷め切っているのに、あなたと懇意にしているご令嬢にちょっかいをかけるなんて、矛盾しているではないですか」

 事実無根の証明になる。
 アレキサンドは目を見開いて、ミンティーをチラッと見たが、結局浮気相手の方を味方するようで、私をギッと睨みつける。
 まぁ、本命はそっちだもんね。別によろしくてよ?

「そもそも、その噂を流しているのは、サライト伯爵令嬢本人だと証拠を掴んでおります」
「なんだと!?」
「ゼノヴィス、お願い。協力をお願いした方々も、どうぞよろしくお願いいたします」

 ゼノヴィスにバトンタッチして、一歩彼より後ろに下がる。
 予め手配していた貴族の令嬢や令息が少し前に出てきた。

 ゼノヴィスが「夜会でディナお嬢様に隅に追いやられて罵倒された、という話をお聞きになったのは――――」と名前を呼べば、返事がきた。
 そして頼んだ通り、複数人が証言をしてくれる。確かにミンティーが泣きそうな顔をして、怖い目に遭ったと訴えた、と。

「しかし、その夜会にディナお嬢様が参加された事実はありません。まだ静養中だったと従者の私めが証言できますし、何よりその主催者であるコナー伯爵夫人も不参加を把握しており、証言もいただいております」
「はい。コナー伯爵夫人ですわ。その夜会に、ディナ嬢からは不参加の手紙が届いた上、参加したという証拠は何一つありません」

 厳しい表情で、コナー伯爵夫人は証言してくれた。
 辺りが、ざわっとする。
 ミンティーの虚言が証明されたのだから。
 ミンティーもアレキサンドも、真っ青な顔だ。

「他にも、サライト伯爵令嬢が作り出した噂を否定出来る証拠は揃えています。続けますか?」

 スッと瞳を細めて、冷たく見据えたゼノヴィス。
 音を上げる? 上げてもいいよ? でも続けるけどね!!

「このゼノヴィスは、逸材と言えるほどの有能でして。クリストン侯爵令息とサライト伯爵令嬢が懇意にしている証拠も掴んでくれましたわ」

 にっこりと、追い立てる。

「嘘だ! 何もないぞ!! 疚しいことは何も!」

 慌てる方が怪しいわよ。

「ゼノヴィス」
「はい、ディナお嬢様。クリストン侯爵令息とサライト伯爵令嬢は、逢瀬を繰り返したようで、カフェの店員に新しい常連のカップルとして覚えられていました」

 そうゼノヴィスは、つらつらとその店員の名前を読み上げる。
 一応手元には、証拠として書き記した書類がしっかりあるのだ。
 記録って大事よ。

「それは客観的な認識だろ! 私達は街案内の休憩によく使っていただけだ!」
「そ、そうです! 友人同士で利用しただけじゃないですか!」

 まぁ、これは言い逃れは、まだ出来る。
 私とゼノヴィスは目を合わせてから、ゼノヴィスに”やっちゃって”と頷きを見せた。

「そのカフェのそばの路地裏で口付けを交わしているところを、同じ常連が目撃しています」
「「ッ!!」」

 心当たりがあるからって、衝撃で身体を震わせるなんて。あらあら。脆いんじゃなくて?
 いよいよ浮気が濃厚になったと貴族達が、ざわざわと面白がったり軽蔑したり、騒がしくなった。

「観劇でも、従業員が目撃しています。カップル以外に思えない濃厚な口付けだったと証言しました」

 きっちりとゼノヴィスは、常連の名前も、従業員の名前も読み上げる。
 偽りではないけれど、ここはちょっとした細工をしているのだ。
 前回で、ゼノヴィスは使い魔を使って、二人の大まかの行動範囲を把握していた。なのでそれを利用して、ゼノヴィスは二人が利用する店や劇場の常連や従業員に暗示をかけたのだ。
 ただ『少し見ていろ』という単純な暗示である。それによって、フラッと追いかけた常連達は、二人の浮気現場を目撃するという状況が出来上がるわけだ。

「三日前の夜会でも、暗がりの裏庭で密会して、口付けを交わしてたっぷり戯れていたと使用人が目撃しております。証言は、その使用人の主が保証してくれるそうです」

 これもまた、二人がエスコートはしなくとも同じ夜会に参加すると情報を掴んで、ゼノヴィスが仕込んだ細工だ。
 悪魔のゼノヴィスが掌握して仕組んでいるので、ちょっとズルいかもしれないけれどね。

 でも実際目撃させるだけで、盛ったのは彼ら自身である。こちらの不正ではない。

 すっかり会場は、二人を非難する視線で満ちていた。

 ブルブルと真っ青に震えるアレキサンドとミンティー。
 正直、いつ逆上して飛びかかって来るかヒヤヒヤしているけれど、ゼノヴィスのそばにいるので冷静でいられている。
 ミンティーも、叔母に「あなた、三日前に居なくなったと思ったら!!」と責め立てられているが、私を憎しみを込めて睨むことでいっぱいのようだ。

「お、お前! お前はどうなんだ!?」

 指差して怒鳴りつけるアレキサンド。

「婚約解消を申し立ててきたのだって、その従者と浮気していたからなんだろ!? 何が私が心変わりする悪い夢を見ただ!! お前が先だろ!! そうに決まっている!! そうじゃなきゃおかしい!!」

 あくまで私に非があると喚き散らすアレキサンドに、噴き出してしまいそうな唇に扇子を押し付ける。
 ゼノヴィスも小さく「ぐっ」と呻いて笑いを堪えている気配がした。

 婚約解消の申し出については、ゼノヴィスがうっかり言ってしまう手筈だったのに。
 自ら言っちゃったよ!

 仲裁のタイミングを完全に失っていた両家の当主が、真っ青になって倒れそうだ。実際、夫人が先に倒れて、クリストン侯爵が慌てて抱き留めた。

「まあ! クリストン侯爵令息ったら! せっかくそちらの体面のためにも、私からの婚約解消の申し出については言わないようにしていたのに、自ら公表してしまうのですね! せっかくなので、教えてください! こちらが婚約解消の申し出をしたのに、承諾をせずに、そちらのご令嬢を逢瀬を重ねていた申し開きを!!」

 申し開きをしてごらんなさい! おーほほほっ!
 扇子をひらひらさせて声高々に煽ってやるけれど、私はやっぱり飛びつかれるんじゃないかって、ゼノヴィスにやや寄っている。
 自分がまたミスをやらかしたとわかり、絶句したクリストン侯爵は私の挑発に真っ赤にぶるぶると震えた。

 私がすでに婚約解消の申し出をしていたにも関わず、承諾せずに二股していた侯爵令息。
 貴族はもう面白くて堪らない醜聞だろう。

 すると、そこでグイッとゼノヴィスに肩を抱かれた。
 パンッと弾く音が響く。結界が魔法を弾いた音だ。

「衛兵! ディナお嬢様に攻撃魔法を放ったサライト伯爵令嬢を捕らえろ!!」

 私を抱き締めるゼノヴィスは、鋭く命令を飛ばした。

「違うっ! あたしじゃない!!」
「ミンティー! あなた、なんてことを!!」

 待機していた衛兵がミンティーを捕らえる。
 魔力の気配がしたのか、そばにいたサライト伯爵夫人はショックを受けた顔で見ているから、言い逃れは出来ないだろう。

 ひえぇえ。ヒロインが手を下してきた……。追い込むと怖い。殺られる……。
 護身に自分でも守護魔法をかけているし、ゼノヴィスにも結界をかけてもらっていたから、大丈夫だったけれど、ゼノヴィスに背中を撫でられると一番安心する。ホッ。

「ほ、ほらっ!! お前だって浮気している!!」

 どうしても道連れにしたいアレキサンドが喚く。
 せめてもの悪足掻きなんだろう。

「私を貶める者がいる以上、ゼノヴィスには直接の危害を受けないために、守護をお願いするのは当然でしょう」

 私は聞く耳を持たないみたいに呆れて言い放ったあと、ゼノヴィスに放してもらって仕上げをする。


「アレキサンド・クリストン侯爵令息! 婚約解消の申し出をした私を貶め、浮気相手に攻撃させるとは、これ以上は我慢ならない! 婚約解消ではなく、婚約破棄をする!!」

「なっ……!!」


 公衆の面前でフラれる。しかも婚約破棄をされる。それはこの上ない屈辱だろう。
 その顔を歪ませるけれど、事態はそれを気にしている場合ではない。

「自分の浮気を正当化したいからって婚約破棄だと! ふざけるなよ!!」

 ブーメランだろ。
 と、思っていれば、クリストン侯爵がアレキサンドの横っ面をぶん殴った。

「ふざけているのはお前だ!! もう醜態をさらすな!! お前は勘当だ!! 申し訳ございませんっ! 妻が! 妻が限界なので! 償いは必ず!!」

 蒼白の顔の夫人を抱えてひたすら頭を下げるクリストン侯爵は、アクアート伯爵家の許可を得て、すっ飛んで帰ってしまった。
「そ、そんな!」と、勘当通告のショックから立ち直れないアレキサンドは置き去りだ。
 持って帰ってくれないかな……。まぁいいや。

「こんな騒ぎを起こしてしまい、申し訳ございません」と、客人にお辞儀。

「婚約破棄する事態にまでなってしまいました。だから言いましたよね」
「「「……」」」

 それから、家族と向き合う。
 悪い夢を見たのだと訴えた私を、そっとはしてくれたが、信じてくれなかった家族達は言葉に詰まる。
 こうなっては後の祭りだが、だからといって許せるわけもない。

「もう皆さんには期待はしません。あとは任せますので、そっとしてください」

 これが家族との決別だ。
 夜会の主催を頼んでおきながら、開始早々に収拾を丸投げした。

 あれだけ言ったのに、こうなる前に手を打ってくれなかった当主も悪いだろう。
 心配はしてくれたが、呆れもしていたから、情なんてない。
 醜聞? 知らないわ。知っていて何もしなかったのなら自業自得よ。フンだ。

「こちら、証言をまとめたものです。私はディナお嬢様を、お部屋まで送り届けます」

 ゼノヴィスは書類を父に押し付けると、腕を差し出してエスコートをしてくれる。

 婚約破棄劇を見た貴族の客人達のざわざわとした騒ぎから抜け出して、部屋に帰った。


 終わった。
 ヒロインは、危害を加えたとして投獄。ヒーローは勘当。共犯と見做されて投獄されるかはまだわからない。
 どちらにせよ、ざまぁは完了。
 婚約はキッパリと断ち切ったのだし、二人を社会的に倒したので、あとは…………。

 ふぅー。なんとか終わった。

 深呼吸して、どっと深く息を吐いたあと、息を吸い込むと花の香りに気付く。
 どこからするのかと気になって辿っていくと寝室。
 ベッドの上には、キラキラとしている花びらが散乱していた。大きなベッドを飾り付けるように。
 足元にもある花びらには見覚えがある。

「これ……銀華(ぎんか)?」

 銀のラメ色の花びらの希少な花だ。ゼノヴィスが私の髪色に似ていると褒めて気に入っていた花。この美しさと希少価値で高値で売買される花なのにどうして、こんな風にムード作りのためみたいに散乱しているのだろう。
 そう考えようとして、あっという間に、答えに辿りつく。

 ムード作り! つまりは……初夜だ!

「ゼノっ、ん!」

 振り返れば、抱き締められて唇を奪われた。

「まっ、待って、ゼノっ! んっ! 待って、あっ!」

 ゼノヴィスが迫るから、私は後退り。銀色の花びらを踏みつけながら、ベッドに押し倒されてしまった。
 赤いドレスと一緒に、銀色の花びらが舞う。

「もう終わったんだから、待たないよ。待ちに待った初夜だ。ディナの全部、ちょうだい」

 上に跨り、私の両腕をベッドに縫い付けるように押さえるゼノヴィスは、興奮と期待で頬を紅潮させて、笑みを零す。

「いやいや、待って? ついさっきの今だよ? 誰か来るかもよ!?」
「大丈夫、部屋の前にオレの使い魔を分身として待機させてる。誰か来ても、危害を加えかけられそうになって婚約破棄したお嬢様を一人にしてくれるよ。使い魔も暗示使えるから」
「ゼノヴィスの使い魔、有能すぎる!」
「オレは夜も有能だって証明するね♡」
「ひええっ」

 パチンと指を鳴らすゼノヴィスは、薄暗かった寝室のランプをつけて明るくする。
 そのまま、深い口付けをしてきた。掻き抱くような動きをしていたゼノヴィスの両腕は、私のドレスを脱がしにかかる。

「ゼノっ、ホント、待って」
「え、絶対嫌。今夜抱くって決めてたんだから」
「マジトーン、怖い」

 これ絶対今、初夜を断ったら、あとが怖いヤツだ。

「そうじゃなくて、ね。あの……もうちょっと、勝利の余韻を味わいたかったのだけど、まぁいいや。改めて、ゼノヴィス。ありがとう」

 両手でゼノヴィスの頬を包み込んで、ベッドに横たわったままだけど見つめ合ってお礼を告げる。


「ゼノヴィスのおかげで絶望的な運命から逃げられた。ありがとう、ゼノ。大好きよ」
「ディナ……オレも大好きだよ」

「だから、私の悪魔さん。私を救ってくれた対価に、私の全部をあげるわ」

「!」


 ちょっと恥ずかしいけれど、ゼノヴィスに全部あげると、ちゃんと言葉にして伝えた。
 二重の黒い瞳孔の金色の瞳は大きく見開き、左右に揺れて潤んだ。

「ディナ……全部、全部もらうから」

 はむ、と唇に噛みつくようなキスをしながら、ゼノヴィスは言う。

「もう、他の悪魔にそんなこと言っちゃだめだよ? 悪魔と取り引きして、そんな対価を差し出すなんて……オレだけだからね。オレのディナだから。ディナの全部、この悪魔がもらうよ。ちゅうっ」

 舌を絡みつけて、吸い上げるゼノヴィスは、熱っぽく吐息を零した。


「愛してる、ディナ。オレの全てだよ、ディナ。絶対に、魂ごと放さないよ。愛してる」
「うん、私も愛してる。放さないで」


 どうか、独りにしないように、私の魂ごとあげるから、放さないで――――。



 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

君は番じゃ無かったと言われた王宮からの帰り道、本物の番に拾われました

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ココはフラワーテイル王国と言います。確率は少ないけど、番に出会うと匂いで分かると言います。かく言う、私の両親は番だったみたいで、未だに甘い匂いがするって言って、ラブラブです。私もそんな両親みたいになりたいっ!と思っていたのに、私に番宣言した人からは、甘い匂いがしません。しかも、番じゃなかったなんて言い出しました。番婚約破棄?そんなの聞いた事無いわっ!! 打ちひしがれたライムは王宮からの帰り道、本物の番に出会えちゃいます。

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

処理中です...