146 / 474
10巻
10-2
しおりを挟む
◇◇◇◇◇◇
「……というわけで、龍人のアイオーンを受け入れてほしいって話だ」
ある日、俺――アシュトは、ガーランド王が送ってきた手紙をみんなの前で読んだ。
内容は、龍人の王族である少女を、村に留学させてほしいというものだ。
ガーランド王の実姉フォルテシモとアルメリア王妃の実弟レクシオンとの間に生まれた少女で、ローレライと同年代の龍人。名前は、『時流龍』アイオーン。
本来はドラゴンロード王国の学校に通う予定だったが、ガーランド王の提案でこの村に留学させてほしいとか。
ガーランドの娘ローレライは、カーフィーを啜って言う。
「おじ様とおば様の御息女ね……私と同い年と聞いたけど、会ったことはないわ」
「姉さま姉さま、龍人ってことはわたしたちと同じだよね!! お友達になれるかな!!」
ローレライの妹クララベルは、早速ウキウキしている。
「ええ、きっとなれるわ」
龍人ってことは、ドラゴンに変身できるんだろうな。
すると、俺の妹のシェリーが言う。
「留学って、勉強するんでしょ? 本はいっぱいあるけど教える人は?」
「教師なら悪魔族がいるぞ。ディアーナなんて、魔界都市ベルゼブブの学園で教鞭を執ったこともあるらしい」
「え、マジで?」
「ああ。天使族も悪魔族も秀才ばかりだし、教師には事欠かないぞ。他にも、シルメリアさんも頭いいから教えられるしな」
「へぇ……知らなかった」
ミュアちゃんたちに文字を教えたり計算を教えたりしたのはシルメリアさんだし、悪魔族や天使族は図書館に通いまくっているからな。それに、薬草系なら俺だって教えられる。
ミュディは、クッキーをサクッと齧る。
「留学かぁ……一人じゃ大変だよねぇ」
「ま、でも同じ龍人が二人もいるんだ。ローレライとクララベル、受け入れの際にはいろいろお願いしてもいいか?」
「もちろん。同年代の龍人には興味があるわ」と、ローレライ。
「わたしも!!」と、クララベル。
「うん。じゃあ、一つ目の問題はクリアだな」
「一つ目? アシュト、まだ何か問題があるのかしら?」
最大の問題。それは……ガーランド王夫妻と、アイオーンの両親がここに来るってことだ。
ガーランド王の時みたいに、また戦うはめにならないだろうか……もうあんな怖い戦いはゴメンだ。
そう思いつつ俺は、手紙の最後の部分――アイオーン以外にも、ドラゴンロードの王家一族が全員来るという情報を読み上げた。
「パパとママが来るのっ!?」
「ああ。挨拶にな」
「やったぁ!!」
クララベルは大いに喜んでる。確かに、両親に会えるのは嬉しいよな。
でも、もう少し先の話だ。移住の準備もあるし、あちらの都合もある。
とりあえず、こちらの準備が整ってから向こうに連絡をするつもりだ。
龍人の留学生……どんな子かな。
◇◇◇◇◇◇
ここはドラゴンロード王国。ガーランド王の執務室。
ガーランド王は、アシュトからの手紙を読んでウンウンと頷いていた。
「ガーランド、どうしたのー?」
「姉ちゃん、緑龍の村でアイオーンの受け入れをしてくれるってよ」
「ふーん……」
「なんだよ、やる気ないのか?」
ここでは普段は文官が仕事をしているが、今日はガーランドとフォルテシモの二人だけ。
アルメリアとレクシオンは姉弟でお茶会を開き、そこにアイオーンも加わっている。
「ねぇ、ホントに緑龍の村ってのはいいとこなの? あんたを負かしたアシュトだっけ? 人間にアイオーンを任せるってのはやっぱりねー……」
フォルテシモが言うと、殺気が充満する。
殺気を放ちながらフォルテシモを睨むのは、ガーランド王だ。
「姉ちゃん……いくら姉ちゃんでも、言っていいことと悪いことがあるぞ。オレが認め、オレが娘たちを託した相手だ」
喧嘩を売るような殺気に、フォルテシモも応える。
「あんたが認めたからって、アタシが認めるとでも? トントン拍子で話が進んでたから言ってなかったけど、大事な娘を預けるのはアタシも同じ……」
「じゃあどうすんだ……オレとやるか?」
「はぁ? アタシに泣かされてたガーランドちゃんが喧嘩売る気?」
「隠居して寝たきりババァの姉ちゃんがオレに勝てるとでも? 親父と一騎打ちして『覇王龍』となったオレの実力、思い知らせてやろうか?」
ガーランドのツノが伸び、フォルテシモのツノも伸びて牙が生える。
姉と弟ではなく、龍人としての意地のぶつかり合いだ。
「何をしているのかしら、ガーランド!!」
「フォルテシモ、やめるんだ!!」
殺気を感じたアルメリアとレクシオンが部屋に飛び込んできて、事なきを得た。
ガーランドとフォルテシモは殺気を抑え、『人間態』に戻る。
二人が互いに事情を話すと、アルメリアはため息を吐いた。
「まったく、あなたって人は……」
「し、仕方ないだろう。いくら姉ちゃんでもアシュトくんを侮辱するのは……」
「ふん、しょせん人間なのは事実でしょ」
そっけないフォルテシモを、レクシオンがたしなめる。
「フォルテシモ、いい加減にしてくれよ。そのアシュトくんとやらは、ガーランドが認めるくらいの男だ。きっと立派なんだろう」
「……いいわ、わかったわよ」
フォルテシモが立ち上がり、全員に宣言した。
「決めた。ガーランド、あんたの言うアシュトくんとやら……どれほどの男か、アタシが試してあげる」
「ほう、面白いじゃないか。言っておくが、必ず後悔することになる。彼はシエラ様に愛された男だからな」
「ふぅーん……いいじゃない」
「え!? し、シエラ様って……がが、ガーランド!! どういうこと!?」
動揺するレクシオンにアルメリアが言う。
「落ち着きなさいレクシオン。はぁ……これは避けられないわね」
自分の身に、再びドラゴンという脅威が迫っていることに……アシュトは気付くはずもなかった。
◇◇◇◇◇◇
「………………………………冗談キツいぞ」
ガーランド王から追加で届いた手紙を読む俺――アシュト。
そこには、アイオーンを預けるに足る男かどうか確かめたいので、アイオーンの母である『鋼光龍』フォルテシモ様と勝負してほしい旨が書かれていた。
冗談じゃないぞ……またドラゴンと戦えって?
「ガーランド王と同じくらい強いのかな……」
誰もいない部屋で頭を抱える。
というか、俺は人間だぞ……ドラゴンに勝てるわけないじゃん。
でも、もう決定事項っぽいし拒否できないんだろうな……なんでこうなるの?
「仕方ない。対策を練るか」
俺には『緑龍の知識書』と神話七龍の力がある。
といっても、神話七龍のみなさんからもらった力、まっっったく検証もしてないしどんなものかもわからん。だって日常生活じゃ使わないし……しょうがないよね。
「まんどれーいく」
「あるらうねー」
「ん……おお、お前たちか」
悩んでいると、マンドレイクとアルラウネが部屋に入ってきた。
とりあえずソファへ移動。お茶を淹れてお菓子を出してやると、二人はクッキーをモグモグ食べ始める。
マンドレイクが膝の上に乗ってきたので撫でてやった。
「はぁ……可愛いなぁ」
「まんどれーいく?」
「あるらうねー?」
「はは、お前たちは可愛いなーって」
「「??」」
可愛らしく首を傾げる二人を撫で、とりあえず決闘のことは忘れた。
だが一瞬忘れられても、忘れっぱなしなわけにもいかず……
「アシュト。おば様から決闘を申し込まれたって……」
「ローレライ……まぁ、そうだな」
「……大丈夫?」
日向ぼっこをしに行ったマンドレイクとアルラウネの次に、俺の部屋に来たのはローレライ。
手には手紙が握られていて、内容はどうやら俺に届いた手紙と同じようだ。
ソファに座ると、心配そうに聞いてくる。
「おば様は強いわ。私程度じゃ傷一つつけることはできないでしょうね……それに、昔はお父様よりも強かったらしいわね」
「マジ……?」
「ええ。今は隠居されてるらしいけど……ドラゴンは年を重ねるほど強くなる生物だから、昔よりも強いはず。お父様にも言えることだけどね」
「わぉ……」
「殺されるようなことはないと思う。でも、気を引き締めて挑まないと」
やっぱりねー……俺が挑むことはローレライの中でも決定事項みたい。
「アシュト、対策はある?」
「いや、ないけど」
「なら考えましょう。お父様からおば様の話は聞いたことがあるわ。何か手伝えるかも」
「……や、やる気満々だな」
意外と好戦的なのかな、ローレライ。
とりあえず、対策というか手はある。
まさか俺が生身で戦うわけにもいかないし……たまには思いきり戦わせてやろう。
俺は、ローレライに言う。
「手というか……ウッドとベヨーテとフンババと一緒に戦おうと思う」
ちなみにベヨーテは木人、フンババは木の巨人だ。俺や村の護衛をしていて、どっちもウッドと同じく俺の植物魔法で誕生した。
「一応あいつら、俺の魔法で意思を持った奴らだし……手紙には『戦うのはアシュトが魔法で生み出したものでも可』って書いてあるし、数の制限もないみたいだから」
「なるほどね……けど、本当に大丈夫なの?」
「たぶん。みんな拒否しないだろうし、俺が死なない限りあいつらも不死身だからな」
「そう……でも、無茶はダメよ?」
「わかってる。フンババたちが砕ける瞬間なんて見たくないからな。それに、あいつらかなり強いぞ」
そう、フンババもベヨーテも強い。
早速、三人に話をしに行くことにした。
『オラ、タタカウ』と、フンババ。
『マカセナ。ドラゴンダロウガ、オレニカナウヤツハイネェ……』と、ベヨーテ。
『ガンバル、ガンバル!!』と、ウッド。
村の入口で日向ぼっこをしていたフンババたちに事情を話すと、二つ返事でオーケーだった。
まぁ、こいつらが拒否するとは思えない。
「ありがとな。終わったらとびっきり美味しい栄養剤をあげるから」
『オオー!!』
『フッ……キマエノイイコッタ』
『ヤッター!!』
というわけで、戦いの準備はバッチリだ。
第三章 ドラゴンとの戦い、再び
ここはドラゴンロード王国。
王城前の広場に、龍騎士とドラゴンが集まっていた。
ドラゴンの一体に大きな籠が取りつけられている。ガーランドはいつもこれに乗ってオーベルシュタイン領土まで向かうのだ。
もちろん、レクシオンとフォルテシモ、アイオーンの席もある。
「さぁて、準備はできたな」と、ガーランド。
「アタシは飛んでいくからいいわ」と、フォルテシモ。
「おい、姉ちゃん」
「いいから、行くわよ」
フォルテシモは『翼龍態』へ変身。翼を広げ飛び立つ。
「フォルテシモ……だいぶ待ちきれないみたいだ」と、レクシオン。
「ったく、ガキじゃあるまいし」と、ガーランド。
「あの、おじ様。私も母上と一緒に飛んでいきます」
アイオーンは、子供っぽい一面を見せる母フォルテシモが好きだった。
自らもドラゴンの姿になり、母を追うように飛び立つ。
レクシオンは苦笑し、アルメリアに言った。
「やれやれ。早く行かないと追いつけそうにないね……どうする?」
「はぁ……まぁ、最近運動不足だったしね」
「まぁいいだろう。そうだ、アシュトくんたちを驚かせようじゃないか!!」
ガーランド、アルメリア、レクシオンもドラゴンに変身。
『お前たち、後からついてこい!!』
そうガーランドが言うと、三匹の巨大ドラゴンは飛び立つ。
慌てて後を追うように、護衛の龍騎士団もドラゴンに跨り空を飛ぶ。護衛とは言いがたい出発となった。
ガーランドたちは、すぐにフォルテシモとアイオーンに追いついた。
『何よ、ガーランド。あんたたちも来てるじゃない』
『たまにはいいかもな。姉ちゃん』
『ふふ、レクシオン。一緒に飛ぶのは何年……ううん、何十、何百年ぶりかしら?』
『姉上、百年ぶりくらいじゃないか?』
『そう? あ、アイオーンは初めてよね?』
『は、はい。その……みなさん、すっごく立派で。私なんかまだまだで』
『大丈夫大丈夫。あんたもすぐに大きくなるわよ』
五匹のドラゴンがそんなことを話しながら空を飛ぶ姿は、ドラゴンロード王国の城下町からよく見えた。
住人たちは、その姿に敬意を払い、圧倒される。
オーベルシュタイン領土までの道のりは遠いようで近い。
空の旅は、アイオーンにとってとても楽しい時間となった。
◇◇◇◇◇◇
俺――アシュトが空を見上げていると、村にやってきたのは、巨大な五匹のドラゴンだった。
漆黒、白銀、濁った白、水色、群青色……いやはや、綺麗で壮観。
出迎えの龍騎士たちは最敬礼。龍騎士たちと一緒に修業中のシェリーも交ざって敬礼していた。
ローレライとクララベルは、五匹がドラゴンの姿だったのでドラゴンに変身。
ローレライはクリーム色、クララベルは純白のドラゴンになり、父と母を出迎えた。
『パパ、ママ!!』
『おおクララベル、それにローレライ!! うんうん、お前たちはいつ見ても美しぶがっふぁぁぁっ!?』
ローレライとクララベルに近付いたガーランド王が、濁った白いドラゴンに吹っ飛ばされた。
『ローレライ、クララベル……大きくなったねぇ~!!』
『お、おば様? お久しぶりです!!』
『おば様!!』
『うんうん。アタシが見た頃はちっちゃい赤ちゃんドラゴンだったのに、こんなに立派になって……』
おお、おば様ってことは濁った白いドラゴンがフォルテシモ様なのか。
フォルテシモ様はクララベルに顔を擦りつける。
その後はローレライにも同じように擦りつけた……なるほど、これがドラゴン同士の挨拶か。
『ね、姉ちゃん……何すんだ』
『あーらごめんなさいガーランド。黒くて大きな岩かと思ったわ』
『んだと!?』
『ほらほら、子供たちの前で喧嘩しないの。フォルテシモ、キミも煽らないで』
水色のドラゴンが二人の間に割って入り宥める。
『はいはーい』
『ぐぬぬ……』
その間、ローレライとクララベルはアルメリア様に目一杯甘えていた。
『ママ。今日は一緒に寝ようね』
『クララベル、あなたは相変わらず甘えん坊ね。ローレライ、あなたは素敵なレディになったわ……ふふ、手紙だけじゃ伝わらないことも、顔を見るとよくわかるわね』
『はい。私たちはアシュトと元気にやっています。ところで……』
そう、ローレライが気にしたのは……俺だ。
「あ、あの……?」
『…………』
現在、俺は群青色のドラゴンに睨まれていた。
ふしゅーふしゅーと鼻息が荒い。長い首、枝分かれしたツノ、群青色に輝く鱗がとても美しい。
ビビッていると、ドラゴンは言った。
『初めまして。私はアイオーン。よろしくお願いします』
「え、あ……はい」
『おっと失礼』
群青のドラゴンは、目の前でしゅるしゅると形が変えた。そして、知的そうな眼鏡をかけた長い群青色の髪をした少女が俺の目の前に。これがこの子の『人間態』か。
少女ことアイオーンは俺に手を差し出す。
「人間は手と手を繋ぐ挨拶をするのでしたね」
「あ、うん。よろしくお願いします」
手を差し出されたので繋ぐ……うん、やわっこい。女の子の手だ。
アイオーンが人間になったのを皮きりに、全員が『人間態』へ。
わかっていたけど……全員が美男美女だ。スタイルも抜群にいい。
すると、フォルテシモ様が俺の元へ。前屈みになり、顔をじーっと見る。
や、やばい。前屈みになると胸の谷間がめっちゃ見えるんですけど!!
「ふーん……確かにいい魔力を持ってるわね。でも、そんなに大した量じゃないし……ガーランド、あんたホントにこの子に負けたの?」
フォルテシモ様は俺自身の魔力量を感知したらしい。シエラ様の加護で魔力供給を受けてない時の俺自身の魔力量は、そんなに多くないからな。
「おい姉ちゃん、山暮らしで頭おかしくなったのか? 挨拶くらいしろよ」と、ガーランド王。
「あ? あんた、誰に殺気飛ばしてんの? ぶっ飛ばすぞ?」
「やれんのか? オレの息子同然の子に失礼な態度取りやがって……前の続きやるか?」
やばい、ガーランド王とフォルテシモ様が睨み合ってる!!
アルメリア様に助けを求めると、水色のドラゴンだったイケメンと一緒に仲裁してくれた。
「ほら、やめなさいガーランド」
「アルメリア……お前は怒らないのか? 娘たちの夫が侮辱されているのだぞ?」
「もちろん怒っているわ。フォルテシモお義姉様、私にも限界がありますのでご注意を」
「あーら、言うわね……」
「姉上の言う通り、フォルテシモ……キミの態度はさすがに無礼だ」
「レクシオン、あんたもガーランドの味方?」
「そういうわけじゃない。キミの態度の話をしてるんだ」
いや待て待て、なんで仲裁役が自ら険悪にしてんの!?
ローレライとクララベルは青くなってるし、アイオーンもガタガタ震えてるし……
やばい、喧嘩なんて始まったらこの辺り一帯が消滅するんじゃないか!?
どうしようか悩んでいると……
「はいは~い、そこまで♪ ここで喧嘩するなら私も怒っちゃうぞ~?」
と、圧倒的な存在感を持つ誰かが割って入る。
……し、シエラ様だ!!
ガーランド王たちはシエラ様の登場にビクッとなる。すっげぇ、殺気が霧散した。
「し、シエラ様……お久しぶりです」
「フォルテシモちゃん。昔から短気は直らないわねぇ……レクシオンくんも止めないとダメじゃない?」
「もも、申し訳ありません!!」
「ガーくん、アルメリアちゃんもダメダメだよ? ちゃんと周りを見ないと。子供たちだって見ているんだから」
「……申し訳ありません」
「ごご、ごめんなさいシエラ様ぁぁっ!!」
おお、さっきまで怒り狂ってたドラゴンたちがシエラ様に頭を下げている!!
待てよ、もしかしたらこのまま俺との決闘もなかったことになるんじゃ……
「フォルテシモちゃん。アシュトくんの力を知りたいならちゃんと場所を用意してあげる。あなたの力でも壊れない特設会場を、私が準備しちゃいま~す♪」
「え」
硬直する俺を見たシエラ様は、イタズラっぽくウィンクした。
いやいや、そんなの望んでいないんですけど。
「おお、それはありがたいです!!」
ガーランド王はノリノリだ。
「準備に時間が掛かるから、今日はみんなでゆっくり過ごしてね♪ じゃ、またね~♪」
そう言って、シエラ様は森に消えた……
立ち直ったガーランド王が俺に言う。
「よし。気を取り直して……アシュトくん久しぶりだな!! 今日はいろいろ聞かせてもらおうか!! 姉ちゃん、レクシオン、さっきのことは忘れて酒飲もう!!」
「お、いいわね。セントウ酒って極上の果実酒があるんでしょ? さぁさぁ宴よ宴!!」
さっきまで喧嘩してたのに、似たもの同士すぎるぞこの姉弟。
「……というわけで、龍人のアイオーンを受け入れてほしいって話だ」
ある日、俺――アシュトは、ガーランド王が送ってきた手紙をみんなの前で読んだ。
内容は、龍人の王族である少女を、村に留学させてほしいというものだ。
ガーランド王の実姉フォルテシモとアルメリア王妃の実弟レクシオンとの間に生まれた少女で、ローレライと同年代の龍人。名前は、『時流龍』アイオーン。
本来はドラゴンロード王国の学校に通う予定だったが、ガーランド王の提案でこの村に留学させてほしいとか。
ガーランドの娘ローレライは、カーフィーを啜って言う。
「おじ様とおば様の御息女ね……私と同い年と聞いたけど、会ったことはないわ」
「姉さま姉さま、龍人ってことはわたしたちと同じだよね!! お友達になれるかな!!」
ローレライの妹クララベルは、早速ウキウキしている。
「ええ、きっとなれるわ」
龍人ってことは、ドラゴンに変身できるんだろうな。
すると、俺の妹のシェリーが言う。
「留学って、勉強するんでしょ? 本はいっぱいあるけど教える人は?」
「教師なら悪魔族がいるぞ。ディアーナなんて、魔界都市ベルゼブブの学園で教鞭を執ったこともあるらしい」
「え、マジで?」
「ああ。天使族も悪魔族も秀才ばかりだし、教師には事欠かないぞ。他にも、シルメリアさんも頭いいから教えられるしな」
「へぇ……知らなかった」
ミュアちゃんたちに文字を教えたり計算を教えたりしたのはシルメリアさんだし、悪魔族や天使族は図書館に通いまくっているからな。それに、薬草系なら俺だって教えられる。
ミュディは、クッキーをサクッと齧る。
「留学かぁ……一人じゃ大変だよねぇ」
「ま、でも同じ龍人が二人もいるんだ。ローレライとクララベル、受け入れの際にはいろいろお願いしてもいいか?」
「もちろん。同年代の龍人には興味があるわ」と、ローレライ。
「わたしも!!」と、クララベル。
「うん。じゃあ、一つ目の問題はクリアだな」
「一つ目? アシュト、まだ何か問題があるのかしら?」
最大の問題。それは……ガーランド王夫妻と、アイオーンの両親がここに来るってことだ。
ガーランド王の時みたいに、また戦うはめにならないだろうか……もうあんな怖い戦いはゴメンだ。
そう思いつつ俺は、手紙の最後の部分――アイオーン以外にも、ドラゴンロードの王家一族が全員来るという情報を読み上げた。
「パパとママが来るのっ!?」
「ああ。挨拶にな」
「やったぁ!!」
クララベルは大いに喜んでる。確かに、両親に会えるのは嬉しいよな。
でも、もう少し先の話だ。移住の準備もあるし、あちらの都合もある。
とりあえず、こちらの準備が整ってから向こうに連絡をするつもりだ。
龍人の留学生……どんな子かな。
◇◇◇◇◇◇
ここはドラゴンロード王国。ガーランド王の執務室。
ガーランド王は、アシュトからの手紙を読んでウンウンと頷いていた。
「ガーランド、どうしたのー?」
「姉ちゃん、緑龍の村でアイオーンの受け入れをしてくれるってよ」
「ふーん……」
「なんだよ、やる気ないのか?」
ここでは普段は文官が仕事をしているが、今日はガーランドとフォルテシモの二人だけ。
アルメリアとレクシオンは姉弟でお茶会を開き、そこにアイオーンも加わっている。
「ねぇ、ホントに緑龍の村ってのはいいとこなの? あんたを負かしたアシュトだっけ? 人間にアイオーンを任せるってのはやっぱりねー……」
フォルテシモが言うと、殺気が充満する。
殺気を放ちながらフォルテシモを睨むのは、ガーランド王だ。
「姉ちゃん……いくら姉ちゃんでも、言っていいことと悪いことがあるぞ。オレが認め、オレが娘たちを託した相手だ」
喧嘩を売るような殺気に、フォルテシモも応える。
「あんたが認めたからって、アタシが認めるとでも? トントン拍子で話が進んでたから言ってなかったけど、大事な娘を預けるのはアタシも同じ……」
「じゃあどうすんだ……オレとやるか?」
「はぁ? アタシに泣かされてたガーランドちゃんが喧嘩売る気?」
「隠居して寝たきりババァの姉ちゃんがオレに勝てるとでも? 親父と一騎打ちして『覇王龍』となったオレの実力、思い知らせてやろうか?」
ガーランドのツノが伸び、フォルテシモのツノも伸びて牙が生える。
姉と弟ではなく、龍人としての意地のぶつかり合いだ。
「何をしているのかしら、ガーランド!!」
「フォルテシモ、やめるんだ!!」
殺気を感じたアルメリアとレクシオンが部屋に飛び込んできて、事なきを得た。
ガーランドとフォルテシモは殺気を抑え、『人間態』に戻る。
二人が互いに事情を話すと、アルメリアはため息を吐いた。
「まったく、あなたって人は……」
「し、仕方ないだろう。いくら姉ちゃんでもアシュトくんを侮辱するのは……」
「ふん、しょせん人間なのは事実でしょ」
そっけないフォルテシモを、レクシオンがたしなめる。
「フォルテシモ、いい加減にしてくれよ。そのアシュトくんとやらは、ガーランドが認めるくらいの男だ。きっと立派なんだろう」
「……いいわ、わかったわよ」
フォルテシモが立ち上がり、全員に宣言した。
「決めた。ガーランド、あんたの言うアシュトくんとやら……どれほどの男か、アタシが試してあげる」
「ほう、面白いじゃないか。言っておくが、必ず後悔することになる。彼はシエラ様に愛された男だからな」
「ふぅーん……いいじゃない」
「え!? し、シエラ様って……がが、ガーランド!! どういうこと!?」
動揺するレクシオンにアルメリアが言う。
「落ち着きなさいレクシオン。はぁ……これは避けられないわね」
自分の身に、再びドラゴンという脅威が迫っていることに……アシュトは気付くはずもなかった。
◇◇◇◇◇◇
「………………………………冗談キツいぞ」
ガーランド王から追加で届いた手紙を読む俺――アシュト。
そこには、アイオーンを預けるに足る男かどうか確かめたいので、アイオーンの母である『鋼光龍』フォルテシモ様と勝負してほしい旨が書かれていた。
冗談じゃないぞ……またドラゴンと戦えって?
「ガーランド王と同じくらい強いのかな……」
誰もいない部屋で頭を抱える。
というか、俺は人間だぞ……ドラゴンに勝てるわけないじゃん。
でも、もう決定事項っぽいし拒否できないんだろうな……なんでこうなるの?
「仕方ない。対策を練るか」
俺には『緑龍の知識書』と神話七龍の力がある。
といっても、神話七龍のみなさんからもらった力、まっっったく検証もしてないしどんなものかもわからん。だって日常生活じゃ使わないし……しょうがないよね。
「まんどれーいく」
「あるらうねー」
「ん……おお、お前たちか」
悩んでいると、マンドレイクとアルラウネが部屋に入ってきた。
とりあえずソファへ移動。お茶を淹れてお菓子を出してやると、二人はクッキーをモグモグ食べ始める。
マンドレイクが膝の上に乗ってきたので撫でてやった。
「はぁ……可愛いなぁ」
「まんどれーいく?」
「あるらうねー?」
「はは、お前たちは可愛いなーって」
「「??」」
可愛らしく首を傾げる二人を撫で、とりあえず決闘のことは忘れた。
だが一瞬忘れられても、忘れっぱなしなわけにもいかず……
「アシュト。おば様から決闘を申し込まれたって……」
「ローレライ……まぁ、そうだな」
「……大丈夫?」
日向ぼっこをしに行ったマンドレイクとアルラウネの次に、俺の部屋に来たのはローレライ。
手には手紙が握られていて、内容はどうやら俺に届いた手紙と同じようだ。
ソファに座ると、心配そうに聞いてくる。
「おば様は強いわ。私程度じゃ傷一つつけることはできないでしょうね……それに、昔はお父様よりも強かったらしいわね」
「マジ……?」
「ええ。今は隠居されてるらしいけど……ドラゴンは年を重ねるほど強くなる生物だから、昔よりも強いはず。お父様にも言えることだけどね」
「わぉ……」
「殺されるようなことはないと思う。でも、気を引き締めて挑まないと」
やっぱりねー……俺が挑むことはローレライの中でも決定事項みたい。
「アシュト、対策はある?」
「いや、ないけど」
「なら考えましょう。お父様からおば様の話は聞いたことがあるわ。何か手伝えるかも」
「……や、やる気満々だな」
意外と好戦的なのかな、ローレライ。
とりあえず、対策というか手はある。
まさか俺が生身で戦うわけにもいかないし……たまには思いきり戦わせてやろう。
俺は、ローレライに言う。
「手というか……ウッドとベヨーテとフンババと一緒に戦おうと思う」
ちなみにベヨーテは木人、フンババは木の巨人だ。俺や村の護衛をしていて、どっちもウッドと同じく俺の植物魔法で誕生した。
「一応あいつら、俺の魔法で意思を持った奴らだし……手紙には『戦うのはアシュトが魔法で生み出したものでも可』って書いてあるし、数の制限もないみたいだから」
「なるほどね……けど、本当に大丈夫なの?」
「たぶん。みんな拒否しないだろうし、俺が死なない限りあいつらも不死身だからな」
「そう……でも、無茶はダメよ?」
「わかってる。フンババたちが砕ける瞬間なんて見たくないからな。それに、あいつらかなり強いぞ」
そう、フンババもベヨーテも強い。
早速、三人に話をしに行くことにした。
『オラ、タタカウ』と、フンババ。
『マカセナ。ドラゴンダロウガ、オレニカナウヤツハイネェ……』と、ベヨーテ。
『ガンバル、ガンバル!!』と、ウッド。
村の入口で日向ぼっこをしていたフンババたちに事情を話すと、二つ返事でオーケーだった。
まぁ、こいつらが拒否するとは思えない。
「ありがとな。終わったらとびっきり美味しい栄養剤をあげるから」
『オオー!!』
『フッ……キマエノイイコッタ』
『ヤッター!!』
というわけで、戦いの準備はバッチリだ。
第三章 ドラゴンとの戦い、再び
ここはドラゴンロード王国。
王城前の広場に、龍騎士とドラゴンが集まっていた。
ドラゴンの一体に大きな籠が取りつけられている。ガーランドはいつもこれに乗ってオーベルシュタイン領土まで向かうのだ。
もちろん、レクシオンとフォルテシモ、アイオーンの席もある。
「さぁて、準備はできたな」と、ガーランド。
「アタシは飛んでいくからいいわ」と、フォルテシモ。
「おい、姉ちゃん」
「いいから、行くわよ」
フォルテシモは『翼龍態』へ変身。翼を広げ飛び立つ。
「フォルテシモ……だいぶ待ちきれないみたいだ」と、レクシオン。
「ったく、ガキじゃあるまいし」と、ガーランド。
「あの、おじ様。私も母上と一緒に飛んでいきます」
アイオーンは、子供っぽい一面を見せる母フォルテシモが好きだった。
自らもドラゴンの姿になり、母を追うように飛び立つ。
レクシオンは苦笑し、アルメリアに言った。
「やれやれ。早く行かないと追いつけそうにないね……どうする?」
「はぁ……まぁ、最近運動不足だったしね」
「まぁいいだろう。そうだ、アシュトくんたちを驚かせようじゃないか!!」
ガーランド、アルメリア、レクシオンもドラゴンに変身。
『お前たち、後からついてこい!!』
そうガーランドが言うと、三匹の巨大ドラゴンは飛び立つ。
慌てて後を追うように、護衛の龍騎士団もドラゴンに跨り空を飛ぶ。護衛とは言いがたい出発となった。
ガーランドたちは、すぐにフォルテシモとアイオーンに追いついた。
『何よ、ガーランド。あんたたちも来てるじゃない』
『たまにはいいかもな。姉ちゃん』
『ふふ、レクシオン。一緒に飛ぶのは何年……ううん、何十、何百年ぶりかしら?』
『姉上、百年ぶりくらいじゃないか?』
『そう? あ、アイオーンは初めてよね?』
『は、はい。その……みなさん、すっごく立派で。私なんかまだまだで』
『大丈夫大丈夫。あんたもすぐに大きくなるわよ』
五匹のドラゴンがそんなことを話しながら空を飛ぶ姿は、ドラゴンロード王国の城下町からよく見えた。
住人たちは、その姿に敬意を払い、圧倒される。
オーベルシュタイン領土までの道のりは遠いようで近い。
空の旅は、アイオーンにとってとても楽しい時間となった。
◇◇◇◇◇◇
俺――アシュトが空を見上げていると、村にやってきたのは、巨大な五匹のドラゴンだった。
漆黒、白銀、濁った白、水色、群青色……いやはや、綺麗で壮観。
出迎えの龍騎士たちは最敬礼。龍騎士たちと一緒に修業中のシェリーも交ざって敬礼していた。
ローレライとクララベルは、五匹がドラゴンの姿だったのでドラゴンに変身。
ローレライはクリーム色、クララベルは純白のドラゴンになり、父と母を出迎えた。
『パパ、ママ!!』
『おおクララベル、それにローレライ!! うんうん、お前たちはいつ見ても美しぶがっふぁぁぁっ!?』
ローレライとクララベルに近付いたガーランド王が、濁った白いドラゴンに吹っ飛ばされた。
『ローレライ、クララベル……大きくなったねぇ~!!』
『お、おば様? お久しぶりです!!』
『おば様!!』
『うんうん。アタシが見た頃はちっちゃい赤ちゃんドラゴンだったのに、こんなに立派になって……』
おお、おば様ってことは濁った白いドラゴンがフォルテシモ様なのか。
フォルテシモ様はクララベルに顔を擦りつける。
その後はローレライにも同じように擦りつけた……なるほど、これがドラゴン同士の挨拶か。
『ね、姉ちゃん……何すんだ』
『あーらごめんなさいガーランド。黒くて大きな岩かと思ったわ』
『んだと!?』
『ほらほら、子供たちの前で喧嘩しないの。フォルテシモ、キミも煽らないで』
水色のドラゴンが二人の間に割って入り宥める。
『はいはーい』
『ぐぬぬ……』
その間、ローレライとクララベルはアルメリア様に目一杯甘えていた。
『ママ。今日は一緒に寝ようね』
『クララベル、あなたは相変わらず甘えん坊ね。ローレライ、あなたは素敵なレディになったわ……ふふ、手紙だけじゃ伝わらないことも、顔を見るとよくわかるわね』
『はい。私たちはアシュトと元気にやっています。ところで……』
そう、ローレライが気にしたのは……俺だ。
「あ、あの……?」
『…………』
現在、俺は群青色のドラゴンに睨まれていた。
ふしゅーふしゅーと鼻息が荒い。長い首、枝分かれしたツノ、群青色に輝く鱗がとても美しい。
ビビッていると、ドラゴンは言った。
『初めまして。私はアイオーン。よろしくお願いします』
「え、あ……はい」
『おっと失礼』
群青のドラゴンは、目の前でしゅるしゅると形が変えた。そして、知的そうな眼鏡をかけた長い群青色の髪をした少女が俺の目の前に。これがこの子の『人間態』か。
少女ことアイオーンは俺に手を差し出す。
「人間は手と手を繋ぐ挨拶をするのでしたね」
「あ、うん。よろしくお願いします」
手を差し出されたので繋ぐ……うん、やわっこい。女の子の手だ。
アイオーンが人間になったのを皮きりに、全員が『人間態』へ。
わかっていたけど……全員が美男美女だ。スタイルも抜群にいい。
すると、フォルテシモ様が俺の元へ。前屈みになり、顔をじーっと見る。
や、やばい。前屈みになると胸の谷間がめっちゃ見えるんですけど!!
「ふーん……確かにいい魔力を持ってるわね。でも、そんなに大した量じゃないし……ガーランド、あんたホントにこの子に負けたの?」
フォルテシモ様は俺自身の魔力量を感知したらしい。シエラ様の加護で魔力供給を受けてない時の俺自身の魔力量は、そんなに多くないからな。
「おい姉ちゃん、山暮らしで頭おかしくなったのか? 挨拶くらいしろよ」と、ガーランド王。
「あ? あんた、誰に殺気飛ばしてんの? ぶっ飛ばすぞ?」
「やれんのか? オレの息子同然の子に失礼な態度取りやがって……前の続きやるか?」
やばい、ガーランド王とフォルテシモ様が睨み合ってる!!
アルメリア様に助けを求めると、水色のドラゴンだったイケメンと一緒に仲裁してくれた。
「ほら、やめなさいガーランド」
「アルメリア……お前は怒らないのか? 娘たちの夫が侮辱されているのだぞ?」
「もちろん怒っているわ。フォルテシモお義姉様、私にも限界がありますのでご注意を」
「あーら、言うわね……」
「姉上の言う通り、フォルテシモ……キミの態度はさすがに無礼だ」
「レクシオン、あんたもガーランドの味方?」
「そういうわけじゃない。キミの態度の話をしてるんだ」
いや待て待て、なんで仲裁役が自ら険悪にしてんの!?
ローレライとクララベルは青くなってるし、アイオーンもガタガタ震えてるし……
やばい、喧嘩なんて始まったらこの辺り一帯が消滅するんじゃないか!?
どうしようか悩んでいると……
「はいは~い、そこまで♪ ここで喧嘩するなら私も怒っちゃうぞ~?」
と、圧倒的な存在感を持つ誰かが割って入る。
……し、シエラ様だ!!
ガーランド王たちはシエラ様の登場にビクッとなる。すっげぇ、殺気が霧散した。
「し、シエラ様……お久しぶりです」
「フォルテシモちゃん。昔から短気は直らないわねぇ……レクシオンくんも止めないとダメじゃない?」
「もも、申し訳ありません!!」
「ガーくん、アルメリアちゃんもダメダメだよ? ちゃんと周りを見ないと。子供たちだって見ているんだから」
「……申し訳ありません」
「ごご、ごめんなさいシエラ様ぁぁっ!!」
おお、さっきまで怒り狂ってたドラゴンたちがシエラ様に頭を下げている!!
待てよ、もしかしたらこのまま俺との決闘もなかったことになるんじゃ……
「フォルテシモちゃん。アシュトくんの力を知りたいならちゃんと場所を用意してあげる。あなたの力でも壊れない特設会場を、私が準備しちゃいま~す♪」
「え」
硬直する俺を見たシエラ様は、イタズラっぽくウィンクした。
いやいや、そんなの望んでいないんですけど。
「おお、それはありがたいです!!」
ガーランド王はノリノリだ。
「準備に時間が掛かるから、今日はみんなでゆっくり過ごしてね♪ じゃ、またね~♪」
そう言って、シエラ様は森に消えた……
立ち直ったガーランド王が俺に言う。
「よし。気を取り直して……アシュトくん久しぶりだな!! 今日はいろいろ聞かせてもらおうか!! 姉ちゃん、レクシオン、さっきのことは忘れて酒飲もう!!」
「お、いいわね。セントウ酒って極上の果実酒があるんでしょ? さぁさぁ宴よ宴!!」
さっきまで喧嘩してたのに、似たもの同士すぎるぞこの姉弟。
67
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
