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本当の幸せ
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2023/8/7
過去書いた『現代版人魚姫(?)』の続きかのような、そんな夢。
私は彼に手紙をしたためていた。
一度は抗おうと思ったのだ。
しかし送っても、可愛らしい女性の手によって送り返される、または隠されるばかりだった。
そしてついに私は、これが運命かーーと抗うことをしなくなった。
決して届かないと知りながらも、書き綴った便箋だけが狭い部屋に溢れて、今にも息が止まりそうな、そんな狭すぎる?空間の中で、私は最後の手紙を書いていた。
よく覚えてはいないけど、大まかな内容はこんな感じ。
本当に幸せならもうなんだっていいよ。
あなたが無事でいるのなら、それがいいし、それでいい。
何が嘘で何が本当かだなんて本当はどうでも良くて、私が信じたことが私の中の真実だって、そう思ってたけど、もうよく分からない。
でも大丈夫。みんな大丈夫。
もし幸せなら微笑んで。笑顔を見せてほしい。悲しみなんて何も感じない誇りで満ちたような笑顔を見せて。
私はもうそれだけで十分だって気付いた。
ずっと味方だと言ったでしょ。
今でもずっと変わらず信じてる。
でももし幸せでないのなら、いつか幸せでなくなった時は、そこから抜け出す事を諦めないで。
私は大丈夫だよ。平気。
今まで十分幸せだったから、もう幸せになれなくていい。
だから、いつか幸せだったんだと教えて。
本当の事を教えて。
それならば、私が生きた意味もきっとある。
本当はもっと長かったけど、特に印象的だった言葉を並べ立てた。
人魚姫?の時のような感情の爆発は無く、ただただ静かに悲しく微笑みながら綴っていた。
早々に死に向かう訳ではなく、少しは抗おうとした。
それは気付いて欲しかった故の足掻きだったのだが、それが果たして彼の幸せに繋がるのかーーということを考えて辞めてしまった。
奇妙な運命に吐き気がしたのだ。
そしてふと気付けば私は、彼と女性の目の前にいた。
「ねぇ?」
と恐る恐る声を掛けても彼は笑ってもくれないし、女性はただ優越感にひたったように微笑むばかり。
「覚えてないの? 全部?」
私が泣きながら彼に手を伸ばした時、咄嗟に女性がその手を振り払った。
その時に分かった。
触れれさえすればーーと。
私はその手を押しのけ、やっとの事で手の甲でそっと頬を撫でた。
その時彼の目が見開き、そこから涙がこぼれおち始める。
「あぁやっと」
呆れにも似た感動が胸を覆い尽くしていく。
ーーしかしーー
「えーー」
私は女性に肩を押され、真っ逆さまに崖から落ちていく。
焦った彼が咄嗟に私の手を掴もうとするが、届くはずもない。
落ちていく時の風が心地よいと感じる中、感情が少しずつ消えていくのが分かった。
手を伸ばしながら「やっと気付いてくれた」とひと言呟く。
私が死んだあとの世界は知らない。
どうにでもなればいい。
あなたのその後の悲しみなんて知らない。
良い死に時だった。
僅かな感情が慟哭しながらそんな事を思っていた。
過去書いた『現代版人魚姫(?)』の続きかのような、そんな夢。
私は彼に手紙をしたためていた。
一度は抗おうと思ったのだ。
しかし送っても、可愛らしい女性の手によって送り返される、または隠されるばかりだった。
そしてついに私は、これが運命かーーと抗うことをしなくなった。
決して届かないと知りながらも、書き綴った便箋だけが狭い部屋に溢れて、今にも息が止まりそうな、そんな狭すぎる?空間の中で、私は最後の手紙を書いていた。
よく覚えてはいないけど、大まかな内容はこんな感じ。
本当に幸せならもうなんだっていいよ。
あなたが無事でいるのなら、それがいいし、それでいい。
何が嘘で何が本当かだなんて本当はどうでも良くて、私が信じたことが私の中の真実だって、そう思ってたけど、もうよく分からない。
でも大丈夫。みんな大丈夫。
もし幸せなら微笑んで。笑顔を見せてほしい。悲しみなんて何も感じない誇りで満ちたような笑顔を見せて。
私はもうそれだけで十分だって気付いた。
ずっと味方だと言ったでしょ。
今でもずっと変わらず信じてる。
でももし幸せでないのなら、いつか幸せでなくなった時は、そこから抜け出す事を諦めないで。
私は大丈夫だよ。平気。
今まで十分幸せだったから、もう幸せになれなくていい。
だから、いつか幸せだったんだと教えて。
本当の事を教えて。
それならば、私が生きた意味もきっとある。
本当はもっと長かったけど、特に印象的だった言葉を並べ立てた。
人魚姫?の時のような感情の爆発は無く、ただただ静かに悲しく微笑みながら綴っていた。
早々に死に向かう訳ではなく、少しは抗おうとした。
それは気付いて欲しかった故の足掻きだったのだが、それが果たして彼の幸せに繋がるのかーーということを考えて辞めてしまった。
奇妙な運命に吐き気がしたのだ。
そしてふと気付けば私は、彼と女性の目の前にいた。
「ねぇ?」
と恐る恐る声を掛けても彼は笑ってもくれないし、女性はただ優越感にひたったように微笑むばかり。
「覚えてないの? 全部?」
私が泣きながら彼に手を伸ばした時、咄嗟に女性がその手を振り払った。
その時に分かった。
触れれさえすればーーと。
私はその手を押しのけ、やっとの事で手の甲でそっと頬を撫でた。
その時彼の目が見開き、そこから涙がこぼれおち始める。
「あぁやっと」
呆れにも似た感動が胸を覆い尽くしていく。
ーーしかしーー
「えーー」
私は女性に肩を押され、真っ逆さまに崖から落ちていく。
焦った彼が咄嗟に私の手を掴もうとするが、届くはずもない。
落ちていく時の風が心地よいと感じる中、感情が少しずつ消えていくのが分かった。
手を伸ばしながら「やっと気付いてくれた」とひと言呟く。
私が死んだあとの世界は知らない。
どうにでもなればいい。
あなたのその後の悲しみなんて知らない。
良い死に時だった。
僅かな感情が慟哭しながらそんな事を思っていた。
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