徒然 物語

小説化したもの(する予定) または本編で出せなかった話

陽ざし

　誰が想像しただろうか。
　私の心にこのような変化が訪れることを。

　愛に行ったり来たり。
　幾度も、吐き気を催すような感情。
　これは愛ではないと、私は自分に言い聞かせていた。
　それは何故？
　きっと自分が愛される存在ではないとそう感じていたのだろう。
　あなたの愛を疑っていた。
　それは私も同じでした。
　私たちはお互いにお互いの愛情を疑っていた。

　いつからか、与えるよりも求めて求めて、応えてくれないことに怒っていましたね。
　酷く幸せで、酷く苦しい日々だった。きっとそれはあなたも。


　愛に苦しんで、好意に悩んで、愛されることに執着をして、私はすっかり忘れてしまっていました。

　――どんな場所よりも、誰と行くかで私の幸せは決まります。
　――どんな高価な贈り物よりも、私はあなたとの時間がほしいのです。
　そんな私本来の価値観を。

　そしてそれを思い出した時、心が震えました。魂が震える感覚、それは忘れていた大切な前世を思い出し、涙が自然と流れていくような、例えるならばそのような感じでしょうか。

　――あなたは沢山の時間を私に費やしてくれていたのです。
　
　私はあなたの愛を疑ったことを酷く後悔しました。
　そして愛されていた自分を認めました。
　私は私の感情で私を傷つけないと誓いました。

　こんなに愛されていたのに、多くを求めてしまって本当にごめんねと、それは心からの慈しみと、何故か今になって溢れ出る愛おしさでした。


　もう今となっては、これからあなたも私もなにをするのも自由。
　どんな時間を生きても構わないけれど、私が私らしく、そして何よりあなたがあなたらしく、本当にあなたがしたいことが出来る人生を祈っています。
　本当に今は、あなたに望むことはただそれだけです

　そして私が私らしくいるために、私は歌い書き、幸せを見つけるのです。