婚約破棄された悪役令嬢にはヤンデレ婚約者が宛がわれました

荷居人(にいと)

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2章元婚約者と旦那様

これは豪華すぎません?

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そしてしばし旦那様と一時を過ごし、周囲に時間が来るからと名残惜しくも離され始まる結婚式は国の一大イベントとして有名な王家の結婚式よりも遥かに豪華な上に気のせいか国の主要人物さんどころか、国外でも有名な人がちらちら見えるような……旦那様、何をされたんですか?

「生涯愛することを誓いますか?」

「誓います」

なんて目まぐるしい結婚式に呆然と流れに任せていればついに誓いのキス直前まで来て慌てて答える。

………ん?キス?キスするんだ!いや、結婚式だしね!でもこれ緊張でおかしくなりそう!みんなが見てると思うと余計に……!

「落ち着いて、ミリーナ」

「あ……」

これじゃあいつもの私たちと反対だ。いつものというほどまだ関わりはないけれど。結婚式効果?それとも惚れたら負け的な?わからないけど今日の旦那様は本当にかっこよくて………気がつけば唇は奪われていた。

身体中から熱が沸き上がるようなそれでいてほわほわと幸せで胸が一杯になるようなそんな感覚に頭が真っ白になる。

ああ…………。

あれ……ようやく?何を言っているんだろう私は。

「ミリーナ」

なんて考えていれば思考を遮るように旦那様の手が伸びてきてはっとしてその手をとる。祝福してくれる周囲の開いてくれた道を渡りながら次に一番早く結婚をする花嫁にブーケを与えるのがこの世界では一般的。

私と同じように幸せな結婚式を送れますようにと祝福の意味があるとか。後のお披露目会で一輪ずつ他の花嫁になる方々に送る場もある。平等で素敵だと思う。政略結婚も多いから果たしてその祝福が正しいのかはわからないけれど。

せめて政略結婚でも幸せにあれという願い故にできたことかもしれない。私は旦那様との結婚幸せですけどね!

「まさか国外からの方々もいらっしゃるとは思いませんでしたわ」

「い、嫌でしたか?」

「祝福されて嫌なことはありません。それよりもさっきの堂々とした姿はどちらに?」

「一気に、その、ぶり返したと言いますか……ひ、必死だったんです、これでも」

「私の旦那様は随分と可愛らしいのですね」

かっこよかったり、可愛かったりと今日一日で色んな旦那様が見れて幸せすぎる結婚式だと思う。

「ち、誓いのキスをした貴女も……可愛らしかったです、よ?」

「………っあ、あれは………」

まさか旦那様から反撃が来るとは!旦那様をからかうことで落ち着いてきていたのがまたぶり返すように身体中が熱くなる気がした。

意外に旦那様って意地悪だわ……!
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