25 / 102
25
しおりを挟む
その後数日経ったものの、急に自信をつける方法などあるはずもなく、現在は本当に自分に自信をつけることが一番にすべきこととして正解なのか疑問を抱く日々となっている。その理由は単純に僕が公爵様に耐性が無さすぎたからだ。
「今日はシャロンにこのネックレスを用意したんだ。公爵の家紋が入っているから牽制になるだろう」
「えっと……」
牽制とは誰に対して?と言いたいのは山々だけど、公爵様のほんのり暗い瞳とどこか満足気な表情を見ると何も言えない。この数日間公爵様と二人になることが多いんだけど、公爵様はあからさまに触れることはないものの異様に僕に近く、プレゼントを来るたびに大量にくれて王城で貸してもらっている自室はこの数日間で公爵様のプレゼントで埋まっている。
そのせいか常に公爵様が近くに感じられて自信をつけるどころじゃないと思ったわけだ。何よりあからさまではないものの身につける系のプレゼントは全て公爵様の手によってつけられるので顔が近づくほどに心臓が壊れそうである。
それと会うたびに公爵様の僕を見る目が少し怖く感じるのも原因かもしれない。嫌な感じではないんだけど……なんというか説明が難しい。リードと話せればわかってくれるかなとは思うけど、公爵様を見てると他の人の話題を出したらいけないような気がするのはなんでだろう?
「あ、もしかしてこの色嫌いか?なら他にもあるから一緒に選ぼう。シャロンは何でも似合うからな」
「そ、そんなことないです!この色も素敵だと思うんですけど最近貰いすぎだなって……」
少しでも言い淀めばいくつだって色違いのデザインから形の違うものまでたくさん出てくるプレゼント。今までの公爵様らしからぬと言えばそれはそうなんだけど、離婚話から変わった時とはまた違った一面な気がしている。
このまま今の公爵様の変わりようを放置していたら危ういようなそんな一面が……。だからまずはプレゼントを控えてもらうべきかなと考えたんだけど……。
「シャロンは公爵夫人なんだからこれくらいのプレゼントは当然だろう?」
「離婚したからそれは……」
「再婚すれば一緒だから心配はいらない」
離婚が本来成立してないのを公爵様は知らないはずだ。なのに僕を公爵夫人として扱う公爵様はどこかおかしい。僕を想ってくれている感じはあるんだけど、謁見の日前後とはどこか違う気がするのは気のせい……なのかな?
「公爵様は……」
「そうだ。シャロンは私の妻なんだから私の名前を呼ばないと……話し方だってあの謁見のときのようにしてくれていいんだぞ?」
「いや、でも今は」
「第二王子のことは名前で呼んでいただろう?実はとても羨ましかったんだ」
私の妻発言はともかく、リードのことを名前で呼んでいただけで公爵様が羨ましがっていたことには驚く。正直僕なんかに名前を呼ばれても大抵の人は生意気だと思われそうだし。悲しいことに身分的な問題で。
「じ……ジーン……さま?」
「様もいらないが十分嬉しい。名前を呼ばれただけなのにシャロンと心が縮まった気がする。愛しくてどうにかなりそうだ。シャロン」
少し緊張しながらも公爵様が願うならと呼んでみればそれはそれは綺麗な笑みを浮かべて公爵様は喜んでくれた。だが、その笑みを見て僕は本当に公爵様の願い通り名前を呼んだことは正解だったのか分からなくなる。
だってその笑みはまるで僕を捕まえたくてしょうがないという捕食者のようなそんな表情だったから……。
「今日はシャロンにこのネックレスを用意したんだ。公爵の家紋が入っているから牽制になるだろう」
「えっと……」
牽制とは誰に対して?と言いたいのは山々だけど、公爵様のほんのり暗い瞳とどこか満足気な表情を見ると何も言えない。この数日間公爵様と二人になることが多いんだけど、公爵様はあからさまに触れることはないものの異様に僕に近く、プレゼントを来るたびに大量にくれて王城で貸してもらっている自室はこの数日間で公爵様のプレゼントで埋まっている。
そのせいか常に公爵様が近くに感じられて自信をつけるどころじゃないと思ったわけだ。何よりあからさまではないものの身につける系のプレゼントは全て公爵様の手によってつけられるので顔が近づくほどに心臓が壊れそうである。
それと会うたびに公爵様の僕を見る目が少し怖く感じるのも原因かもしれない。嫌な感じではないんだけど……なんというか説明が難しい。リードと話せればわかってくれるかなとは思うけど、公爵様を見てると他の人の話題を出したらいけないような気がするのはなんでだろう?
「あ、もしかしてこの色嫌いか?なら他にもあるから一緒に選ぼう。シャロンは何でも似合うからな」
「そ、そんなことないです!この色も素敵だと思うんですけど最近貰いすぎだなって……」
少しでも言い淀めばいくつだって色違いのデザインから形の違うものまでたくさん出てくるプレゼント。今までの公爵様らしからぬと言えばそれはそうなんだけど、離婚話から変わった時とはまた違った一面な気がしている。
このまま今の公爵様の変わりようを放置していたら危ういようなそんな一面が……。だからまずはプレゼントを控えてもらうべきかなと考えたんだけど……。
「シャロンは公爵夫人なんだからこれくらいのプレゼントは当然だろう?」
「離婚したからそれは……」
「再婚すれば一緒だから心配はいらない」
離婚が本来成立してないのを公爵様は知らないはずだ。なのに僕を公爵夫人として扱う公爵様はどこかおかしい。僕を想ってくれている感じはあるんだけど、謁見の日前後とはどこか違う気がするのは気のせい……なのかな?
「公爵様は……」
「そうだ。シャロンは私の妻なんだから私の名前を呼ばないと……話し方だってあの謁見のときのようにしてくれていいんだぞ?」
「いや、でも今は」
「第二王子のことは名前で呼んでいただろう?実はとても羨ましかったんだ」
私の妻発言はともかく、リードのことを名前で呼んでいただけで公爵様が羨ましがっていたことには驚く。正直僕なんかに名前を呼ばれても大抵の人は生意気だと思われそうだし。悲しいことに身分的な問題で。
「じ……ジーン……さま?」
「様もいらないが十分嬉しい。名前を呼ばれただけなのにシャロンと心が縮まった気がする。愛しくてどうにかなりそうだ。シャロン」
少し緊張しながらも公爵様が願うならと呼んでみればそれはそれは綺麗な笑みを浮かべて公爵様は喜んでくれた。だが、その笑みを見て僕は本当に公爵様の願い通り名前を呼んだことは正解だったのか分からなくなる。
だってその笑みはまるで僕を捕まえたくてしょうがないという捕食者のようなそんな表情だったから……。
510
あなたにおすすめの小説
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
死に戻りした僕を待っていたのは兄たちによる溺愛モードでした
液体猫(299)
BL
*諸々の事情により第四章の十魔編以降は一旦非公開にします。十魔編の内容を諸々と変更いたします。
【主人公(クリス)に冷たかった兄たち。だけど巻き戻した世界では、なぜかクリスを取り合う溺愛モードに豹変してしまいました】
アルバディア王国の第五皇子クリスが目を覚ましたとき、十三年前へと戻っていた。
前世でクリスに罪を着せた者への復讐は『ついで。』二度目の人生の目的はただ一つ。前の世界で愛し合った四男、シュナイディルと幸せに暮らすこと。
けれど予想外なことに、待っていたのは過保護すぎる兄たちからの重たい溺愛で……
やり直し皇子、クリスが愛を掴みとって生きていくコミカル&ハッピーエンド確定物語。
第三章より成長後の🔞展開があります。
※濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭、ちょっとだけ重い展開あり。
※若干の謎解き要素を含んでいますが、オマケ程度です!
王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)
薄明 喰
BL
アーバスノイヤー公爵家の次男として生誕した僕、ルナイス・アーバスノイヤーは日本という異世界で生きていた記憶を持って生まれてきた。
アーバスノイヤー公爵家は表向きは代々王家に仕える近衛騎士として名を挙げている一族であるが、実は陰で王家に牙を向ける者達の処分や面倒ごとを片付ける暗躍一族なのだ。
そんな公爵家に生まれた僕も将来は家業を熟さないといけないのだけど…前世でなんの才もなくぼんやりと生きてきた僕には無理ですよ!!
え?
僕には暗躍一族としての才能に恵まれている!?
※すべてフィクションであり実在する物、人、言語とは異なることをご了承ください。
色んな国の言葉をMIXさせています。
本作は皆様の暖かな支援のおかげで第13回BL大賞にて学園BL賞を受賞いたしました!
心よりお礼申し上げます。
ただ今、感謝の番外編を少しずつ更新中です。
よければお時間のある時にお楽しみくださいませ
【完結】義妹(いもうと)を応援してたら、俺が騎士に溺愛されました
未希かずは(Miki)
BL
第13回BL大賞 奨励賞 受賞しました。
皆さまありがとうございます。
「ねえ、私だけを見て」
これは受けを愛しすぎて様子のおかしい攻めのフィンと、攻めが気になる受けエリゼオの恋のお話です。
エリゼオは母の再婚により、義妹(いもうと)ができた。彼には前世の記憶があり、その前世の後悔から、エリゼオは今度こそ義妹を守ると誓う。そこに現れた一人の騎士、フィン。彼は何と、義妹と両想いらしい。まだ付き合えていない義妹とフィンの恋を応援しようとするエリゼオ。けれどフィンの優しさに触れ、気付けば自分がフィンを好きになってしまった。
「この恋、早く諦めなくちゃ……」
本人の思いとはうらはらに、フィンはエリゼオを放っておかない。
この恋、どうなる!? じれキュン転生ファンタジー。ハピエンです。
現在番外編を連載中。
リナルド×ガルディア。王族と近衞騎士の恋。
――忠誠を誓った相手を、愛してはいけないと思っていた。切ない身分差、年の差の恋。恋の自覚は、相手が成人してからになります。
宰相閣下の執愛は、平民の俺だけに向いている
飛鷹
BL
旧題:平民のはずの俺が、規格外の獣人に絡め取られて番になるまでの話
アホな貴族の両親から生まれた『俺』。色々あって、俺の身分は平民だけど、まぁそんな人生も悪くない。
無事に成長して、仕事に就くこともできたのに。
ここ最近、夢に魘されている。もう一ヶ月もの間、毎晩毎晩………。
朝起きたときには忘れてしまっている夢に疲弊している平民『レイ』と、彼を手に入れたくてウズウズしている獣人のお話。
連載の形にしていますが、攻め視点もUPするためなので、多分全2〜3話で完結予定です。
※6/20追記。
少しレイの過去と気持ちを追加したくて、『連載中』に戻しました。
今迄のお話で完結はしています。なので以降はレイの心情深堀の形となりますので、章を分けて表示します。
1話目はちょっと暗めですが………。
宜しかったらお付き合い下さいませ。
多分、10話前後で終わる予定。軽く読めるように、私としては1話ずつを短めにしております。
ストックが切れるまで、毎日更新予定です。
お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
不遇の第七王子は愛され不慣れで困惑気味です
新川はじめ
BL
国王とシスターの間に生まれたフィル・ディーンテ。五歳で母を亡くし第七王子として王宮へ迎え入れられたのだが、そこは針の筵だった。唯一優しくしてくれたのは王太子である兄セガールとその友人オーティスで、二人の存在が幼いフィルにとって心の支えだった。
フィルが十八歳になった頃、王宮内で生霊事件が発生。セガールの寝所に夜な夜な現れる生霊を退治するため、彼と容姿のよく似たフィルが囮になることに。指揮を取るのは大魔法師になったオーティスで「生霊が現れたら直ちに捉えます」と言ってたはずなのに何やら様子がおかしい。
生霊はベッドに潜り込んでお触りを始めるし。想い人のオーティスはなぜか黙ってガン見してるし。どうしちゃったの、話が違うじゃん!頼むからしっかりしてくれよぉー!
【完結】王宮勤めの騎士でしたが、オメガになったので退職させていただきます
大河
BL
第三王子直属の近衛騎士団に所属していたセリル・グランツは、とある戦いで毒を受け、その影響で第二性がベータからオメガに変質してしまった。
オメガは騎士団に所属してはならないという法に基づき、騎士団を辞めることを決意するセリル。上司である第三王子・レオンハルトにそのことを告げて騎士団を去るが、特に引き留められるようなことはなかった。
地方貴族である実家に戻ったセリルは、オメガになったことで見合い話を受けざるを得ない立場に。見合いに全く乗り気でないセリルの元に、意外な人物から婚約の申し入れが届く。それはかつての上司、レオンハルトからの婚約の申し入れだった──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる