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ヒメユリ
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「お、鈴香。今日は学校来てるね」
佐藤が1年生の女子に話しかける。
1年生は顔を顰める。
「ちょっと。学年違うんだから、学校で話しかけないでよね」
「そんな事言わないでくれよ。おじさん悲しいよ~」
「1歳しか変わんないでしょ」
武田が佐藤を呼びに来る。
「おーい、佐藤。後3分だぞ」
「おー。今行くー。じゃあな、鈴香」
「ふんっ」
1年生はお手洗いの帰りだったらしく、教室へ帰っていった。
佐藤は武田の後をついて行き、視線を先程1年生と話していた場所へ移す。
「彼女?」
武田は佐藤に問いかける。
すると、佐藤は吹き出し、笑う。
「あははっ! 違う違う。幼馴染だよ。家近くてさ、昔はよく遊んだんだよ」
「幼馴染とか羨ましいな。名前は?」
「高山鈴香って言うんだ。って、あ! 武田、お前狙うつもりだろ!」
「ちげーよ。俺は当分彼女はいらないから」
「モテ男め。じゃあ何で名前訊いたんだよ?」
「何となくだよ」
「ふーん」
佐藤は目を細めながら武田を見る。
高山はよく学校を休む。毎回体調不良によるものだ。
佐藤が心配をして声を掛けるが、最近は冷たくされてしまう。
友達やクラスメイトとは普通に笑って話している。
そんな姿を見て、面倒見られるのも嫌な歳だよな、と佐藤は思っている。
今日も何も変わらず、放課後になった。
「お、鈴香~」
「優斗くん……」
佐藤優斗。佐藤の下の名前である。
「今日、俺1人なんだよねー。帰る方向一緒だし、帰んない?」
高山は嬉しそうな顔をするが、すぐにそっぽを向く。
「いい。1人で帰る」
「あ、分かった」
佐藤は手のひらに拳を乗せる。
「彼氏できたろ?! そりゃそうだわ。俺と帰って勘違いされたら困るもんな。ごめんごめん」
佐藤は高山を越していき、手を振る。
「また明日な~」
「ちょ……っ! 違うよ!」
「おお?」
「彼氏なんていないし……」
「ほら、一緒に帰るぞ~」
「切り替え早……」
高山は佐藤はこうなれば折れない、と思い、一緒に帰ることにした。
道中、佐藤は他愛のない会話を振るが、あまり会話は弾まなかった。
「てか、鈴香に彼氏いないってことは好きな人いるとか?」
「さぁね。でも、よく休むから白い目で見られてるだけだし、クラスに思い入れないよ」
「お。と言うことは、歳上か歳下かぁ……」
「言わないってば」
「お兄さんに言っちゃいなよ~。キューピットなれるかもよ?」
「絶対なれないからいい」
「幼馴染だってのに水臭いな~」
「……鈴の好きな人はずっと変わってない」
高山の下唇を噛みながら恥ずかしがっている姿はとても可愛らしいものだ。
「まあ、鈴香が幸せになってくれたら、俺は嬉しいよ」
佐藤は高山の頭に手を乗せる。
「あ、あっそ……」
「そうだよ。じゃ、ちゃんと体調管理するんだぞ~」
「子供じゃないんだから!」
2人は各々の家に帰った。
佐藤と高山はお互いの家が隣で、小さい頃からよく遊んでいた。
高山は小さい頃は素直でよく笑う子だった。
何故かは分からないが、最近では、佐藤の前では笑ってくれない。
話してくれているから嫌いというわけではなさそうである。
次の日、佐藤は学校で高山の姿を見なかった。
・高山鈴香(タカヤマスズカ)
・16歳(高校1年生)
・花吐き病→ヒメユリ
佐藤が1年生の女子に話しかける。
1年生は顔を顰める。
「ちょっと。学年違うんだから、学校で話しかけないでよね」
「そんな事言わないでくれよ。おじさん悲しいよ~」
「1歳しか変わんないでしょ」
武田が佐藤を呼びに来る。
「おーい、佐藤。後3分だぞ」
「おー。今行くー。じゃあな、鈴香」
「ふんっ」
1年生はお手洗いの帰りだったらしく、教室へ帰っていった。
佐藤は武田の後をついて行き、視線を先程1年生と話していた場所へ移す。
「彼女?」
武田は佐藤に問いかける。
すると、佐藤は吹き出し、笑う。
「あははっ! 違う違う。幼馴染だよ。家近くてさ、昔はよく遊んだんだよ」
「幼馴染とか羨ましいな。名前は?」
「高山鈴香って言うんだ。って、あ! 武田、お前狙うつもりだろ!」
「ちげーよ。俺は当分彼女はいらないから」
「モテ男め。じゃあ何で名前訊いたんだよ?」
「何となくだよ」
「ふーん」
佐藤は目を細めながら武田を見る。
高山はよく学校を休む。毎回体調不良によるものだ。
佐藤が心配をして声を掛けるが、最近は冷たくされてしまう。
友達やクラスメイトとは普通に笑って話している。
そんな姿を見て、面倒見られるのも嫌な歳だよな、と佐藤は思っている。
今日も何も変わらず、放課後になった。
「お、鈴香~」
「優斗くん……」
佐藤優斗。佐藤の下の名前である。
「今日、俺1人なんだよねー。帰る方向一緒だし、帰んない?」
高山は嬉しそうな顔をするが、すぐにそっぽを向く。
「いい。1人で帰る」
「あ、分かった」
佐藤は手のひらに拳を乗せる。
「彼氏できたろ?! そりゃそうだわ。俺と帰って勘違いされたら困るもんな。ごめんごめん」
佐藤は高山を越していき、手を振る。
「また明日な~」
「ちょ……っ! 違うよ!」
「おお?」
「彼氏なんていないし……」
「ほら、一緒に帰るぞ~」
「切り替え早……」
高山は佐藤はこうなれば折れない、と思い、一緒に帰ることにした。
道中、佐藤は他愛のない会話を振るが、あまり会話は弾まなかった。
「てか、鈴香に彼氏いないってことは好きな人いるとか?」
「さぁね。でも、よく休むから白い目で見られてるだけだし、クラスに思い入れないよ」
「お。と言うことは、歳上か歳下かぁ……」
「言わないってば」
「お兄さんに言っちゃいなよ~。キューピットなれるかもよ?」
「絶対なれないからいい」
「幼馴染だってのに水臭いな~」
「……鈴の好きな人はずっと変わってない」
高山の下唇を噛みながら恥ずかしがっている姿はとても可愛らしいものだ。
「まあ、鈴香が幸せになってくれたら、俺は嬉しいよ」
佐藤は高山の頭に手を乗せる。
「あ、あっそ……」
「そうだよ。じゃ、ちゃんと体調管理するんだぞ~」
「子供じゃないんだから!」
2人は各々の家に帰った。
佐藤と高山はお互いの家が隣で、小さい頃からよく遊んでいた。
高山は小さい頃は素直でよく笑う子だった。
何故かは分からないが、最近では、佐藤の前では笑ってくれない。
話してくれているから嫌いというわけではなさそうである。
次の日、佐藤は学校で高山の姿を見なかった。
・高山鈴香(タカヤマスズカ)
・16歳(高校1年生)
・花吐き病→ヒメユリ
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