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イロハカエデ
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朝倉は南雲の1件からずっと考えている。
自分がこれからどう行動していくべきか。
誰かに相談をしてもいいのか。
断ったらどうなるのだろうか。
果たして自分には南雲の後を継ぐに相応しいのか。
悩むことは山ほどある。
「はぁ……」
遅くても1ヶ月。
そのタイムリミットが余計焦りを生む。
しかし、焦っていても何も現状は変わらないことを朝倉は知っているので、ゆっくり考えていく。
「どうしたよ、そんな溜め息なんかついちゃって」
朝倉の座席の前に田中が座る。
田中の手にはコーヒー牛乳のパックが握られていた。
「いや……、まぁ……」
「ああ、俺の分からないやつね」
「うん……」
「そんなに思い詰めるなよ、って言ってやりたいけど、意外と余裕無いんだろ?」
「そこ突かれると痛いところではある」
「はは。だよな。ほら、これやる」
田中はもう片方の手に握られたいちごオレのパックを机の上に置く。
「あざーす」
「おう」
朝倉は机の上のいちごオレを見ていた。
パッケージにはいちごが牛乳に落ちるイラストが描かれていて、大きく『いちごオレ』と書かれている。
大きさは250ml。
「ねぇ、田中」
「何?」
「確実なことといつになるかは分からないけどどうにかなること、どっち選ぶ?」
これは南雲にとっての自殺か花吐き病での死か、に通じるものがある。
「うーん。どっちでもいいけど、強いて言うなら、後者かな」
「どうして?」
「目的があると思うから」
朝倉は思考が鮮明になった気がした。
というよりは、結果に辿り着けた。
「そうだよな……」
南雲は自身に対しての確実性ではなく、未来に向けての確実性を取った。
自身の辿り着く結果は同じだから、自己犠牲を払ってまでも後世に思考を止めて欲しくないと思っている。
その努力と揺るがない想いを断ち切るのは簡単だ。
だが、罪の意識と申し訳なさを背負って生きるのは辛く、困難だろう。
「……ありがとう、田中」
「お、おう?」
天秤に継続と放棄をかけた場合、重さは一緒だ。
どちらを選ぶかは、その人の人間性次第。
そこで朝倉は立候補された。
何が決定点になったかは南雲に聞いてみなければ分からないが、野暮なことな気がする。
「俺、南雲さんのところに行ってくるわ」
「おうよ」
朝倉は南雲のいる3組に足を運ぶ。
3組の教室に着き、ドアから南雲を見つめると、すぐに朝倉の方に振り向く。
一瞬驚いた顔をするが、微笑みながら南雲は朝倉の元へ行く。
「答え、出たみたいだね」
「うん」
数週間前に来た階段の踊り場に行き、お互い壁に寄りかかりながら話す。
静かなので話をするには持ってこいの場所だ。
「一応朝倉君の口から聞いていい?」
「分かった」
南雲は天井を見上げる。
「後は俺に任せて」
「うん、ありがとう。朝倉君ならやってくれるって信じてた」
朝倉が決断するのに1ヶ月は経たなかった。
「今の朝倉君には支えてくれる人たちがいっぱいいるから大丈夫だね」
「そうかな」
「最初にグミくれた日のこと覚えてる?」
「そりゃ覚えてるよ」
「その時にさ、奇病患者に詮索しないであげて、って言ったよね」
「う、うん……」
朝倉は冷や汗をかきながら、横目で南雲を見る。
しかし、南雲は怒っていない様子だった。
「見事に破ってくれたよね」
南雲は笑いながら言った。
怒られると身構えていた朝倉は体をビクつかせる。
「す、すみません……」
「全くだよね」
「何と申し上げればいいか……」
「まぁ、そこが長所なんだろうけどね」
「うーん……?」
朝倉は首を傾げた。
「あ、そうだ。この前言ってた香りで花吐き衝動を促された話、分かったよ」
「え! ほんと?」
「うん。顔見知りの子だったからね」
「そうだったんだ。やっぱりすごいね、南雲さん」
朝倉は南雲から原因が天使病を患っている生徒だということを聞いた。
どうやら天使病の進行が不安定な時期だったらしく、フェロモンに似たようなものが分泌されていたらしい。
「そういうわけだから。分からないことあったらいるうちに聞きに来てね」
「物騒だな……」
そして2人は各々の教室に戻って行った。
木々の葉はもう赤や黄、茶などに色を染めていた。
カサついた音がし始める。
・花→イロハカエデ
・花言葉→大切な思い出。美しい変化。
・誕生花→10/3
自分がこれからどう行動していくべきか。
誰かに相談をしてもいいのか。
断ったらどうなるのだろうか。
果たして自分には南雲の後を継ぐに相応しいのか。
悩むことは山ほどある。
「はぁ……」
遅くても1ヶ月。
そのタイムリミットが余計焦りを生む。
しかし、焦っていても何も現状は変わらないことを朝倉は知っているので、ゆっくり考えていく。
「どうしたよ、そんな溜め息なんかついちゃって」
朝倉の座席の前に田中が座る。
田中の手にはコーヒー牛乳のパックが握られていた。
「いや……、まぁ……」
「ああ、俺の分からないやつね」
「うん……」
「そんなに思い詰めるなよ、って言ってやりたいけど、意外と余裕無いんだろ?」
「そこ突かれると痛いところではある」
「はは。だよな。ほら、これやる」
田中はもう片方の手に握られたいちごオレのパックを机の上に置く。
「あざーす」
「おう」
朝倉は机の上のいちごオレを見ていた。
パッケージにはいちごが牛乳に落ちるイラストが描かれていて、大きく『いちごオレ』と書かれている。
大きさは250ml。
「ねぇ、田中」
「何?」
「確実なことといつになるかは分からないけどどうにかなること、どっち選ぶ?」
これは南雲にとっての自殺か花吐き病での死か、に通じるものがある。
「うーん。どっちでもいいけど、強いて言うなら、後者かな」
「どうして?」
「目的があると思うから」
朝倉は思考が鮮明になった気がした。
というよりは、結果に辿り着けた。
「そうだよな……」
南雲は自身に対しての確実性ではなく、未来に向けての確実性を取った。
自身の辿り着く結果は同じだから、自己犠牲を払ってまでも後世に思考を止めて欲しくないと思っている。
その努力と揺るがない想いを断ち切るのは簡単だ。
だが、罪の意識と申し訳なさを背負って生きるのは辛く、困難だろう。
「……ありがとう、田中」
「お、おう?」
天秤に継続と放棄をかけた場合、重さは一緒だ。
どちらを選ぶかは、その人の人間性次第。
そこで朝倉は立候補された。
何が決定点になったかは南雲に聞いてみなければ分からないが、野暮なことな気がする。
「俺、南雲さんのところに行ってくるわ」
「おうよ」
朝倉は南雲のいる3組に足を運ぶ。
3組の教室に着き、ドアから南雲を見つめると、すぐに朝倉の方に振り向く。
一瞬驚いた顔をするが、微笑みながら南雲は朝倉の元へ行く。
「答え、出たみたいだね」
「うん」
数週間前に来た階段の踊り場に行き、お互い壁に寄りかかりながら話す。
静かなので話をするには持ってこいの場所だ。
「一応朝倉君の口から聞いていい?」
「分かった」
南雲は天井を見上げる。
「後は俺に任せて」
「うん、ありがとう。朝倉君ならやってくれるって信じてた」
朝倉が決断するのに1ヶ月は経たなかった。
「今の朝倉君には支えてくれる人たちがいっぱいいるから大丈夫だね」
「そうかな」
「最初にグミくれた日のこと覚えてる?」
「そりゃ覚えてるよ」
「その時にさ、奇病患者に詮索しないであげて、って言ったよね」
「う、うん……」
朝倉は冷や汗をかきながら、横目で南雲を見る。
しかし、南雲は怒っていない様子だった。
「見事に破ってくれたよね」
南雲は笑いながら言った。
怒られると身構えていた朝倉は体をビクつかせる。
「す、すみません……」
「全くだよね」
「何と申し上げればいいか……」
「まぁ、そこが長所なんだろうけどね」
「うーん……?」
朝倉は首を傾げた。
「あ、そうだ。この前言ってた香りで花吐き衝動を促された話、分かったよ」
「え! ほんと?」
「うん。顔見知りの子だったからね」
「そうだったんだ。やっぱりすごいね、南雲さん」
朝倉は南雲から原因が天使病を患っている生徒だということを聞いた。
どうやら天使病の進行が不安定な時期だったらしく、フェロモンに似たようなものが分泌されていたらしい。
「そういうわけだから。分からないことあったらいるうちに聞きに来てね」
「物騒だな……」
そして2人は各々の教室に戻って行った。
木々の葉はもう赤や黄、茶などに色を染めていた。
カサついた音がし始める。
・花→イロハカエデ
・花言葉→大切な思い出。美しい変化。
・誕生花→10/3
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