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急告
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明日小鳥遊柚羽は死ぬ。
誰も止めることは出来ないし、邪魔は出来ない。
決定事項だからだ。
「急じゃないよ、小春」
「急だよ」
「別に人を殺めるわけじゃないよ」
南雲は親友に自殺することを予告された。
「私も連れて行ってよ」
「あはは~。駄目に決まってるじゃーん」
「じゃあ私の意思で死ぬよ」
「させないよ。小春が今日まで生きていたように、私はこれからも生き長らえさせる」
「私、言ったよね。柚羽が死ぬまで生きてあげるって」
「それは小春の決め事。これは私の決め事。だから、生きるんだよ」
「嫌……。私、柚羽がいないと生きる理由がないよ」
南雲は初めて駄々をこねる。
正確に言えば2回目。
1回目は小さい頃に勉強をしたくないと父に言うと、「ふざけるな」と殴られた。その時から我儘を言わなくなった。
「お願いだから私を置いていかないで……っ」
「そんな可愛いこと言わないでよ。判断が鈍る」
「柚羽……っ!」
「でもごめん。手紙を読んだ瞬間から決めてたことだから。私は自分の体の1部を切り落としてまで生きたくないからさ」
小鳥遊の手紙に、
《花の種類・・・ユウガオ
病気になった原因・・・友人の裏切り
唯一の治療法・・・周りの人間を殺すこと
花を吐く際の応急処置・・・花を治まるまで吐き続ける
治療の結果・・・完治せず数ヶ月後に死を迎える
処置しなかった場合・・・数週間後体の一部を切除しなけ
ればならない》
と書かれていたのを南雲は知っていた。
「私が……私が絶対に治す方法見つけるからっ!」
「そりゃ頼もしい」
小鳥遊は南雲の頭を撫でる。
子供をあやすような顔をしている。
「小春でこの悲劇を止めてあげて。あはは~。これもしかしてプレッシャー?」
「プレッシャーなんて生易しいものじゃないよ」
「だよねぇ~。でもね、小春は頭も勘も良い。私には出来ないことだよ」
「でも私に出来ないことを柚羽はやってる。羨ましいよ、嫉妬してしまうほどに」
自由で単純だからこその強さだった。
南雲は今確信した。
「柚羽の全部が羨ましい」
「あはは~。やっぱり私のこと大好きだね~」
「うん。大好きだよ」
南雲は泣きながら小鳥遊を抱きしめた。
「……誘わなきゃよかった」
「ぇ……?」
「私も大好きだもん、小春のこと。置いていくのだって嫌だ。1人になるのも1人にするのもすっごく嫌だ」
「柚羽ぁ……っ、柚羽ぁ……っ!」
小鳥遊は南雲に応えるように抱き返す。
「でもね、小春には大切な役割があるでしょ。あるっていうか、私がただ押し付けただけだけどね」
「ほんとだよ。そういうところよ」
「あはは~。私ね、小春に凄い感謝してる。私が前の学校で友達関係のせいで人間不信になってたとこを助けてくれたんだよ。多分、小春は自分と同じになって欲しくなくて声掛けてくれたと思うんだ。自分を殺さないで良かったの、小春ぐらいだったしさ」
「何それ」
「私は面倒見の良い小春に重い荷物を背負わせるよ」
「酷い女ね」
「これくらいした方が燃えるでしょ?」
「私体育会系じゃないのよ」
「知ってる~」
自殺前夜。
本当に明日いなくなるような感じがしない。
これから先もずっと一緒に過ごすビジョンしか見えない。
「数年後、後を追えるはずだから待っててね」
「うん。ちゃんと治療してね」
「当たり前よ。名前も地位も役割も早く捨てたいからね」
「あはは~。あんまり急いで来なくていいからね」
「それは奇病の進行によるわねぇ」
「どう転がるか楽しみにしてる」
「ええ」
南雲は小鳥遊に急に夜の散歩に誘われた。
もうすぐ秋が来るため、パーカーを着るくらいがちょうど良い。
夜風は少しだけ冷たかった。
「もっと歩こう」
「それな。まだ話したいこといっぱいあるし」
「それな。柚羽と一緒にいたいしね」
「あはは~。ほんとだ。私の影響めっちゃ受けてるね」
「そうだって言ってるでしょ。私にだって、あーね、くらい使えるよ」
「お? もっと良いのか教えちゃおっか?」
「今日しか使えないけどね」
「じゃあ飛びっきりの教えるよ」
2人は日付が変わるまで歩いていた。
青春をしている普通の学生に見える。
次の日、学校では小鳥遊柚羽の自殺について集会で話された。
南雲は泣かなかった。
誰も止めることは出来ないし、邪魔は出来ない。
決定事項だからだ。
「急じゃないよ、小春」
「急だよ」
「別に人を殺めるわけじゃないよ」
南雲は親友に自殺することを予告された。
「私も連れて行ってよ」
「あはは~。駄目に決まってるじゃーん」
「じゃあ私の意思で死ぬよ」
「させないよ。小春が今日まで生きていたように、私はこれからも生き長らえさせる」
「私、言ったよね。柚羽が死ぬまで生きてあげるって」
「それは小春の決め事。これは私の決め事。だから、生きるんだよ」
「嫌……。私、柚羽がいないと生きる理由がないよ」
南雲は初めて駄々をこねる。
正確に言えば2回目。
1回目は小さい頃に勉強をしたくないと父に言うと、「ふざけるな」と殴られた。その時から我儘を言わなくなった。
「お願いだから私を置いていかないで……っ」
「そんな可愛いこと言わないでよ。判断が鈍る」
「柚羽……っ!」
「でもごめん。手紙を読んだ瞬間から決めてたことだから。私は自分の体の1部を切り落としてまで生きたくないからさ」
小鳥遊の手紙に、
《花の種類・・・ユウガオ
病気になった原因・・・友人の裏切り
唯一の治療法・・・周りの人間を殺すこと
花を吐く際の応急処置・・・花を治まるまで吐き続ける
治療の結果・・・完治せず数ヶ月後に死を迎える
処置しなかった場合・・・数週間後体の一部を切除しなけ
ればならない》
と書かれていたのを南雲は知っていた。
「私が……私が絶対に治す方法見つけるからっ!」
「そりゃ頼もしい」
小鳥遊は南雲の頭を撫でる。
子供をあやすような顔をしている。
「小春でこの悲劇を止めてあげて。あはは~。これもしかしてプレッシャー?」
「プレッシャーなんて生易しいものじゃないよ」
「だよねぇ~。でもね、小春は頭も勘も良い。私には出来ないことだよ」
「でも私に出来ないことを柚羽はやってる。羨ましいよ、嫉妬してしまうほどに」
自由で単純だからこその強さだった。
南雲は今確信した。
「柚羽の全部が羨ましい」
「あはは~。やっぱり私のこと大好きだね~」
「うん。大好きだよ」
南雲は泣きながら小鳥遊を抱きしめた。
「……誘わなきゃよかった」
「ぇ……?」
「私も大好きだもん、小春のこと。置いていくのだって嫌だ。1人になるのも1人にするのもすっごく嫌だ」
「柚羽ぁ……っ、柚羽ぁ……っ!」
小鳥遊は南雲に応えるように抱き返す。
「でもね、小春には大切な役割があるでしょ。あるっていうか、私がただ押し付けただけだけどね」
「ほんとだよ。そういうところよ」
「あはは~。私ね、小春に凄い感謝してる。私が前の学校で友達関係のせいで人間不信になってたとこを助けてくれたんだよ。多分、小春は自分と同じになって欲しくなくて声掛けてくれたと思うんだ。自分を殺さないで良かったの、小春ぐらいだったしさ」
「何それ」
「私は面倒見の良い小春に重い荷物を背負わせるよ」
「酷い女ね」
「これくらいした方が燃えるでしょ?」
「私体育会系じゃないのよ」
「知ってる~」
自殺前夜。
本当に明日いなくなるような感じがしない。
これから先もずっと一緒に過ごすビジョンしか見えない。
「数年後、後を追えるはずだから待っててね」
「うん。ちゃんと治療してね」
「当たり前よ。名前も地位も役割も早く捨てたいからね」
「あはは~。あんまり急いで来なくていいからね」
「それは奇病の進行によるわねぇ」
「どう転がるか楽しみにしてる」
「ええ」
南雲は小鳥遊に急に夜の散歩に誘われた。
もうすぐ秋が来るため、パーカーを着るくらいがちょうど良い。
夜風は少しだけ冷たかった。
「もっと歩こう」
「それな。まだ話したいこといっぱいあるし」
「それな。柚羽と一緒にいたいしね」
「あはは~。ほんとだ。私の影響めっちゃ受けてるね」
「そうだって言ってるでしょ。私にだって、あーね、くらい使えるよ」
「お? もっと良いのか教えちゃおっか?」
「今日しか使えないけどね」
「じゃあ飛びっきりの教えるよ」
2人は日付が変わるまで歩いていた。
青春をしている普通の学生に見える。
次の日、学校では小鳥遊柚羽の自殺について集会で話された。
南雲は泣かなかった。
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