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復誦
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少し茶色がかった花弁を吐いてから1ヶ月以上経つが、南雲はまだ健康に生きている。
「小春せんぱーい!」
「どうしたの?」
早川は南雲に抱き着く。
南雲が完治したのを早川は知っている。
生きている時間を大切にしたいのか、早川は以前より南雲の元を訪れることが多くなった。
「一緒に帰りましょ~」
「いいよ」
2人は帰り道、今日何があったか、明日は何をしようか、沢山のことを話す。
早川は南雲の手を握るので、南雲も微笑みながら握り返す。
「小春先輩」
「うん?」
「私、小春先輩のこと大好きです」
早川が満面の笑みで笑いかけるので、南雲は胸がいっぱいになるような気持ちになる。
胸が苦しいような、感極まるような。
分かるのは、自分が泣きながら笑っているということだけ。
突然泣き始めた南雲にオドオドしながら早川は南雲を色々な角度から顔色を窺う。
そんな早川も泣きたくなる。
本人たちは自分が何故泣いているかは分かっている。
「私のこと、置いてかないで……」
南雲が泣きながらも笑っていた理由。
3年前の自分と早川が重なって見えるから。
南雲には置いていかれる気持ちも置いていかなければいけない気持ちも分かる。
南雲は小鳥遊の気持ちが分かった。
「ごめんね。梨香のことは連れていけないから」
「やだよぉ……」
「私も梨香のこと大好きだからさ、元気に笑ってて」
「大好きなら尚更生きてもらわなきゃ困ります~」
「ふふ。確かにね」
南雲は泣いている早川を抱きしめ、頭を撫でてやる。
早川からは花の良い匂いがする。
お互いの体温は伝わってこないが、存在を確認すること︎ができた。
確かに南雲も早川もいる。
「でもね、私のことを待ってる人がいるの」
「ふーん……」
早川は可愛い頬を膨らませる。
そして、南雲を抱きしめる力を強くする。
「なーに不貞腐れてんの」
「私より大切な人なんですね」
「ふふ。大切な人だし、親友だよ」
「私より仲良かったんですか」
「仲は良かったよ。凄い自由で単純で強い子だった」
「ふーん」
「でもね、梨香といる時間の方が長かったかなぁ。いや、一緒かも」
「も~! どっちですかぁ~!」
「はは。梨香のことも大切だよ」
もう秋。
葉も花も寂しく茶色に染まる。
カサカサと耳に残る葉音も聞こえなくなってきた。
木に残る葉はてんでばらばらで。
沈む太陽も早く顔を隠して、地平線を気まぐれに消していく。
「そんな不安な顔しないで」
泣き止まない早川を南雲は細い指で涙を拭う。
「私の知ってる全てを託した人がいるの。その人を助けてあげて」
「……朝倉先輩ですか」
「うん。正解」
「私は何も分かりません。何も手助けできる知識は無いです」
「そんなことないよ。私といっぱいいたでしょ? 大丈夫だよ、梨香」
「私は馬鹿だから小春先輩がいなきゃ何にもできないんです……」
何を言っても南雲にも早川にも響かないかもしれない。
お互いに譲れない。
「できるよ。1学期末考査もできたじゃない」
「それだって小春先輩がいたから……」
「ふふ。梨香はほんと昔の私とそっくり」
「ほんとですか! 美人で頭良いってことですか!」
「梨香は可愛いんだよ」
南雲は笑う。
それに対して早川は手をじたばたさせて、怒っている、という動きをする。
「頭はどうか分かんないけど、やればできる子なんだから」
「むー……。でもでも」
理由探しで止まらない早川の口を南雲は物理的に止める。
唇と唇が触れる。
まだ新鮮なツツジの匂いが南雲の鼻の奥まで香る。
その香りは目を閉じても早川を思い浮かばせる。
ああ。手離したくない。
と、南雲は惜しい気持ちになる。
「大丈夫。梨香のこと、待ってるから」
「……っ!」
「だから好きなように生きて。あまり早く来たら、置いていくからね」
「うぅ……」
「まぁ、その前に朝倉君が根源を絶ってくれるかもね」
「そ、それはちょっと困りますよ~」
「ふふ。朝倉君のこと、よろしくね」
「誰が私にちゅーしてくれるんですか……」
早川は南雲の制服の裾を掴む。
「確かにね」
「でしょ?!」
「まだ私いるから後でいいんじゃない?」
今度は額にキスを落とす。
「あはは。ですね!」
今日も2人は恋人繋ぎで帰る。
お互いの存在を確認するように握り合う。
寒くなってきたので、マフラーをいつ巻いてこようか考える。
そもそもどこに片付けてしまったか思い出せない。
「小春せんぱーい!」
「どうしたの?」
早川は南雲に抱き着く。
南雲が完治したのを早川は知っている。
生きている時間を大切にしたいのか、早川は以前より南雲の元を訪れることが多くなった。
「一緒に帰りましょ~」
「いいよ」
2人は帰り道、今日何があったか、明日は何をしようか、沢山のことを話す。
早川は南雲の手を握るので、南雲も微笑みながら握り返す。
「小春先輩」
「うん?」
「私、小春先輩のこと大好きです」
早川が満面の笑みで笑いかけるので、南雲は胸がいっぱいになるような気持ちになる。
胸が苦しいような、感極まるような。
分かるのは、自分が泣きながら笑っているということだけ。
突然泣き始めた南雲にオドオドしながら早川は南雲を色々な角度から顔色を窺う。
そんな早川も泣きたくなる。
本人たちは自分が何故泣いているかは分かっている。
「私のこと、置いてかないで……」
南雲が泣きながらも笑っていた理由。
3年前の自分と早川が重なって見えるから。
南雲には置いていかれる気持ちも置いていかなければいけない気持ちも分かる。
南雲は小鳥遊の気持ちが分かった。
「ごめんね。梨香のことは連れていけないから」
「やだよぉ……」
「私も梨香のこと大好きだからさ、元気に笑ってて」
「大好きなら尚更生きてもらわなきゃ困ります~」
「ふふ。確かにね」
南雲は泣いている早川を抱きしめ、頭を撫でてやる。
早川からは花の良い匂いがする。
お互いの体温は伝わってこないが、存在を確認すること︎ができた。
確かに南雲も早川もいる。
「でもね、私のことを待ってる人がいるの」
「ふーん……」
早川は可愛い頬を膨らませる。
そして、南雲を抱きしめる力を強くする。
「なーに不貞腐れてんの」
「私より大切な人なんですね」
「ふふ。大切な人だし、親友だよ」
「私より仲良かったんですか」
「仲は良かったよ。凄い自由で単純で強い子だった」
「ふーん」
「でもね、梨香といる時間の方が長かったかなぁ。いや、一緒かも」
「も~! どっちですかぁ~!」
「はは。梨香のことも大切だよ」
もう秋。
葉も花も寂しく茶色に染まる。
カサカサと耳に残る葉音も聞こえなくなってきた。
木に残る葉はてんでばらばらで。
沈む太陽も早く顔を隠して、地平線を気まぐれに消していく。
「そんな不安な顔しないで」
泣き止まない早川を南雲は細い指で涙を拭う。
「私の知ってる全てを託した人がいるの。その人を助けてあげて」
「……朝倉先輩ですか」
「うん。正解」
「私は何も分かりません。何も手助けできる知識は無いです」
「そんなことないよ。私といっぱいいたでしょ? 大丈夫だよ、梨香」
「私は馬鹿だから小春先輩がいなきゃ何にもできないんです……」
何を言っても南雲にも早川にも響かないかもしれない。
お互いに譲れない。
「できるよ。1学期末考査もできたじゃない」
「それだって小春先輩がいたから……」
「ふふ。梨香はほんと昔の私とそっくり」
「ほんとですか! 美人で頭良いってことですか!」
「梨香は可愛いんだよ」
南雲は笑う。
それに対して早川は手をじたばたさせて、怒っている、という動きをする。
「頭はどうか分かんないけど、やればできる子なんだから」
「むー……。でもでも」
理由探しで止まらない早川の口を南雲は物理的に止める。
唇と唇が触れる。
まだ新鮮なツツジの匂いが南雲の鼻の奥まで香る。
その香りは目を閉じても早川を思い浮かばせる。
ああ。手離したくない。
と、南雲は惜しい気持ちになる。
「大丈夫。梨香のこと、待ってるから」
「……っ!」
「だから好きなように生きて。あまり早く来たら、置いていくからね」
「うぅ……」
「まぁ、その前に朝倉君が根源を絶ってくれるかもね」
「そ、それはちょっと困りますよ~」
「ふふ。朝倉君のこと、よろしくね」
「誰が私にちゅーしてくれるんですか……」
早川は南雲の制服の裾を掴む。
「確かにね」
「でしょ?!」
「まだ私いるから後でいいんじゃない?」
今度は額にキスを落とす。
「あはは。ですね!」
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