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僕は傷つかないから
9(R18)
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良い感じでイチャイチャしてたのに、コウちゃんがチラッと時計を見たから一気に不安になる。
「どうしていつも9時になると帰っちゃうの?」
「どっかで線を引かないと帰れないし、お風呂上がりの姿なんて見たら冷静でいられる自信が無かったんだよ。
今は帰るつもりなんてないよ。温まったかなって思っただけ」
ローションウォーマーからボトルを取り出してベッドに戻って来たら「交代」って言われて、銜えてた時の僕の姿勢にコウちゃんがなる。
「おいで」
跨がったら手を出すように言われて、そこにローションを出された。コウちゃんが出した人差し指に扱くように塗る。
左手で僕のを優しく掴んで、前から右手をくぐらせる。人差し指で割れ目の上からなぞって場所を見つけると、すぐには入れないで周りをなぞる。
前の刺激に反応した瞬間に後ろもヒクついてコウちゃんの指を少しだけ吸った。そうやって少しずつ飲み込んでいったらコウちゃんが微笑んだ。
「根本まで入ったよ」
その微笑みのままゆっくり一気に指を抜かれて腿が震える。
僕が落ち着いたらボトルと右手を差し出された。
「今度は二本だから」
ローションをコウちゃんの人差し指と中指に丁寧に塗る。
根本まで入ってすぐに引き抜かれた。
「三本いける?」
頷いてコウちゃんの指にローションを塗る。
「一気に奥まで入れるからゆっくり息吐いて」
ドキドキしながら頷く僕にお兄ちゃんの顔になる。
「吸ってー吐いてー、吸ってー吐いてー」
二回目の「吐いて」で僕の息が詰まるまで止まらずに入って来た。
「吸ってー吐いてー」
僕が息を吐いている時だけ進んでくる指。他の指の感じで根元まで入ったと分かる。
息を吸いきれない。
それでも少しは落ち着いたタイミングでコウちゃんが指の向きを変えた。
「んあっ!」
コウちゃんの肩を掴んで仰け反る。
ヤバ、手にローションが付いてるんだった。
「いいよ。掴まってろ」
ヌルヌルしててうまく掴めない。肩に手を置いてピッタリくっついて肩に顎を乗せた。
指が元の向きに戻る。少し抜かれてまた入ってくる。くっついてた指が離れてバラバラに動き出した。
泣いてるみたいな息になる。っていうか本当に涙が出て来た。
ヤバイ。もう体力が。
「コウちゃん、コウちゃん!」
抱きついたまま首を振る僕にコウちゃんの両手が動きを止める。
「痛い?イヤ?」
「もう……コウちゃんがいい」
「ん?」
力尽きる前に。
「早く……コウちゃんと、一つになりたい」
僕のを握る手に力が入る。
「んん!」
「あ、ごめん。でも煽ったのはお前だからな」
コウちゃんが枕元に置いといたゴムの封を開けたから、邪魔にならないように少し足の方にずれる。ああ、コウちゃんのもヌルヌルだ。
コウちゃんがヘッドボードに枕を乗せる。
「その向きのままこれ掴んで」
膝歩きで近づいて枕を掴むと、コウちゃんが僕の後ろに回った。僕の腰を掴んで先端が当てられる。
やっと、やっとだ。
感動で震えたのをコウちゃんが勘違いした。
「怖い?」
「ううん」
左手を枕から離して、僕の腰を掴むコウちゃんの左手に添える。
「コウちゃん、大好き」
腰を掴む両手が強くなって、この一瞬で更に硬くなった物が入ってくる。まるで金槌で刺さっていく釘みたい。でも太さはそんな可愛い物じゃなくて目を閉じられない。
全部入ったらすぐにお腹に腕を回して抱きしめられて、上体を起こされる。右手は枕を握りしめたまま、左手は掛け布団を勝手に握りしめている。
膝立ちの同じ姿勢でくっついてたのが、コウちゃんが腰を落としてその上に僕が座るみたいになる。もう根元まで入ったと思ってたのに体重で更に奥まで貫かれた。
「ああっ!あっ!」
後ろから冷たいのか熱いのか分からない声で囁かれる。
「煽るなって言っただろ」
コウちゃんがまた膝立ちになろうとして押される。抱きしめていた腕が離れて背中を押されて、枕を離せないままの手をヘッドボードに乗せた。僕たちが乗ってて掛け布団が動かないから、左手はただの握り拳になった状態でヘッドボードに押し当てる。
刺さり具合がどんどん変わって頭も体も追いつかない。
コウちゃんが膝歩きで僕を引きずる。
「っ、っ」
一歩動くごとに背中が反る。
コウちゃんが覆い被さって僕の左手を掛け布団の端へと動かした。手を怪我しないようにだ。力を抜けない手でなんとか布団を掴み直す。
中側では釘が動き回って、外側ではコウちゃんの手が這い回っている。もう一度覆い被さられるとコウちゃんの唇が背中に触れて舐められた。されたいとは言ったけど僕からだって何かしたい。
「コウちゃん、コウちゃん」
「ごめん、止まらない」
「いいよっ。……でも、僕も抱きつきたい。っ、チューしたい」
次の瞬間に釘が一番奥まできて振動した。
「玄樹、玄樹」
あれ?仰向けになってる。気を失っても掛け布団を離さなかったみたいで、向きを変えた僕に引っ張られて捲られている。枕も握ったままだ。
「離せるか?」
動かない指をぼんやりと見つめていたら、コウちゃんが一本ずつそっと離してくれた。
コウちゃんが優しく頭を撫でてくれた。
「コウちゃん」
「ん?」
「幸せ」
「ばか。
今度を許してくれるなら、ちゃんとした幸せを教えてあげたい」
「今がいい」
「無理すんな」
「やだ、今がいい」
今度は向き合ってるから沢山色んな場所にチューして何度も胸に顔を埋めたり見つめ合ったりした。全部がゆっくりだったのに、最後だけ口で口を塞がれて息が苦しいまま一緒にいった。
今度はなんとか意識を保てた。余韻をしっかり味わってから腕枕になる。僕は仰向けでコウちゃんは僕の方を向いている。枕になってない方の手で僕の頭を傾けさせて、耳とコウちゃんの口が近づいた。
「愛してる」
もう少し起きていたかったのに、コウちゃんのバカ。
「どうしていつも9時になると帰っちゃうの?」
「どっかで線を引かないと帰れないし、お風呂上がりの姿なんて見たら冷静でいられる自信が無かったんだよ。
今は帰るつもりなんてないよ。温まったかなって思っただけ」
ローションウォーマーからボトルを取り出してベッドに戻って来たら「交代」って言われて、銜えてた時の僕の姿勢にコウちゃんがなる。
「おいで」
跨がったら手を出すように言われて、そこにローションを出された。コウちゃんが出した人差し指に扱くように塗る。
左手で僕のを優しく掴んで、前から右手をくぐらせる。人差し指で割れ目の上からなぞって場所を見つけると、すぐには入れないで周りをなぞる。
前の刺激に反応した瞬間に後ろもヒクついてコウちゃんの指を少しだけ吸った。そうやって少しずつ飲み込んでいったらコウちゃんが微笑んだ。
「根本まで入ったよ」
その微笑みのままゆっくり一気に指を抜かれて腿が震える。
僕が落ち着いたらボトルと右手を差し出された。
「今度は二本だから」
ローションをコウちゃんの人差し指と中指に丁寧に塗る。
根本まで入ってすぐに引き抜かれた。
「三本いける?」
頷いてコウちゃんの指にローションを塗る。
「一気に奥まで入れるからゆっくり息吐いて」
ドキドキしながら頷く僕にお兄ちゃんの顔になる。
「吸ってー吐いてー、吸ってー吐いてー」
二回目の「吐いて」で僕の息が詰まるまで止まらずに入って来た。
「吸ってー吐いてー」
僕が息を吐いている時だけ進んでくる指。他の指の感じで根元まで入ったと分かる。
息を吸いきれない。
それでも少しは落ち着いたタイミングでコウちゃんが指の向きを変えた。
「んあっ!」
コウちゃんの肩を掴んで仰け反る。
ヤバ、手にローションが付いてるんだった。
「いいよ。掴まってろ」
ヌルヌルしててうまく掴めない。肩に手を置いてピッタリくっついて肩に顎を乗せた。
指が元の向きに戻る。少し抜かれてまた入ってくる。くっついてた指が離れてバラバラに動き出した。
泣いてるみたいな息になる。っていうか本当に涙が出て来た。
ヤバイ。もう体力が。
「コウちゃん、コウちゃん!」
抱きついたまま首を振る僕にコウちゃんの両手が動きを止める。
「痛い?イヤ?」
「もう……コウちゃんがいい」
「ん?」
力尽きる前に。
「早く……コウちゃんと、一つになりたい」
僕のを握る手に力が入る。
「んん!」
「あ、ごめん。でも煽ったのはお前だからな」
コウちゃんが枕元に置いといたゴムの封を開けたから、邪魔にならないように少し足の方にずれる。ああ、コウちゃんのもヌルヌルだ。
コウちゃんがヘッドボードに枕を乗せる。
「その向きのままこれ掴んで」
膝歩きで近づいて枕を掴むと、コウちゃんが僕の後ろに回った。僕の腰を掴んで先端が当てられる。
やっと、やっとだ。
感動で震えたのをコウちゃんが勘違いした。
「怖い?」
「ううん」
左手を枕から離して、僕の腰を掴むコウちゃんの左手に添える。
「コウちゃん、大好き」
腰を掴む両手が強くなって、この一瞬で更に硬くなった物が入ってくる。まるで金槌で刺さっていく釘みたい。でも太さはそんな可愛い物じゃなくて目を閉じられない。
全部入ったらすぐにお腹に腕を回して抱きしめられて、上体を起こされる。右手は枕を握りしめたまま、左手は掛け布団を勝手に握りしめている。
膝立ちの同じ姿勢でくっついてたのが、コウちゃんが腰を落としてその上に僕が座るみたいになる。もう根元まで入ったと思ってたのに体重で更に奥まで貫かれた。
「ああっ!あっ!」
後ろから冷たいのか熱いのか分からない声で囁かれる。
「煽るなって言っただろ」
コウちゃんがまた膝立ちになろうとして押される。抱きしめていた腕が離れて背中を押されて、枕を離せないままの手をヘッドボードに乗せた。僕たちが乗ってて掛け布団が動かないから、左手はただの握り拳になった状態でヘッドボードに押し当てる。
刺さり具合がどんどん変わって頭も体も追いつかない。
コウちゃんが膝歩きで僕を引きずる。
「っ、っ」
一歩動くごとに背中が反る。
コウちゃんが覆い被さって僕の左手を掛け布団の端へと動かした。手を怪我しないようにだ。力を抜けない手でなんとか布団を掴み直す。
中側では釘が動き回って、外側ではコウちゃんの手が這い回っている。もう一度覆い被さられるとコウちゃんの唇が背中に触れて舐められた。されたいとは言ったけど僕からだって何かしたい。
「コウちゃん、コウちゃん」
「ごめん、止まらない」
「いいよっ。……でも、僕も抱きつきたい。っ、チューしたい」
次の瞬間に釘が一番奥まできて振動した。
「玄樹、玄樹」
あれ?仰向けになってる。気を失っても掛け布団を離さなかったみたいで、向きを変えた僕に引っ張られて捲られている。枕も握ったままだ。
「離せるか?」
動かない指をぼんやりと見つめていたら、コウちゃんが一本ずつそっと離してくれた。
コウちゃんが優しく頭を撫でてくれた。
「コウちゃん」
「ん?」
「幸せ」
「ばか。
今度を許してくれるなら、ちゃんとした幸せを教えてあげたい」
「今がいい」
「無理すんな」
「やだ、今がいい」
今度は向き合ってるから沢山色んな場所にチューして何度も胸に顔を埋めたり見つめ合ったりした。全部がゆっくりだったのに、最後だけ口で口を塞がれて息が苦しいまま一緒にいった。
今度はなんとか意識を保てた。余韻をしっかり味わってから腕枕になる。僕は仰向けでコウちゃんは僕の方を向いている。枕になってない方の手で僕の頭を傾けさせて、耳とコウちゃんの口が近づいた。
「愛してる」
もう少し起きていたかったのに、コウちゃんのバカ。
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