Blissful Kiss

雪原歌乃

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Chapter.6 好きだから

Act.4-04☆

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 高遠さんの唇が私のそれに重ねられる。深い口付けを交わしたまま、ゆっくりと、高遠さん自身が私の陰部の奥へと入ってくる。
 舌とは比べ物にならない異物感だった。加えて快感よりも痛みが勝り、全身が強張った。
「もう少し力抜いて、絢」
「で、でも……、勝手に身体が……」
 確かに初めての時は痛いと話には聴いていた。けれど、いざ自分がその立場になってみたら、これ以上は無理なのではないかと不安を覚えた。
 やめてほしい。多分、私が泣きながらそう訴えたら高遠さんは無理はしない。でも、この痛みを何度も経験するぐらいなら、一度で終わらせてほしい。そう思った私は、自分なりに力を抜いて高遠さんを受け入れる。
「全部入ったよ……」
 高遠さんが満足げに私に笑顔を見せた。
「ちょっとずつ動くから……」
 その言葉通り、高遠さんの動きは緩やかだった。奥を突かれるたびに痛みを覚えたけれど、同時にわずかでも気持ち良さを感じた。
 余裕のない中で高遠さんの表情を覗ってみれば、眉間に皺が刻まれている。口からは切なげな吐息が漏れ、高遠さんも私のナカで感じてくれているのだと察した。
 と、高遠さんと目が合った。高遠さんは再び私の唇を塞ぐ。
 息が思うように出来ない。なのに、高遠さんの温もりを感じているととても心地良い。
 気付けば痛みはほとんどなくなっていた。代わりに甘い電流が最奥を通して流れ、自然と甘ったるい声が自分の口から漏れ出してきた。
「あ……あぁ……っ……あん……っ……」
 舌でされていた時は理性があったのに、今はほとんど残っていない。むしろ、自分の喘ぎ声が他人の声のようにさえ聴こえている。
「ごめん……俺も……抑えが……」
 高遠さんが深く激しく突き上げてきた。初めの方の余裕が全く感じられない。
「あ……あん……っ……あぁ……っ……」
 お互いの肌が激しくぶつかり合う。高遠さんの律動も速くなり、私の意識も朦朧としてくる。
「あっ……あぁぁ……っ……!」
 私が嬌声を上げてから少しして、高遠さんの動きが止まった。私を強く抱き締めたまま、肩で息を繰り返す。
「ごめん、もうちょっとだけこうさせて……」
 男性の高遠さんの身体は重い。でも、重苦しさよりも、十五も年上のこの人に愛おしさが込み上げ、背中に両腕を回していた。
 私達はしばらく抱き締め合ったままでいた。けれど、高遠さんが先に身体を離し、ずっと私のナカに入ったままの高遠さん自身を引き抜き、後処理を始めた。
 高遠さんは私の陰部もティッシュで拭ってくれた。よく見てみたら、透明な粘液に混ざってうっすらと血が付いていた。
「結局、俺のペースでやってしまったからな……」
 私に向けて、少し哀しげな笑みを見せる。
 私は私で強引に高遠さんに抱かれたわけではないから、そんな表情をされると胸がチクリと痛む。
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