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後輩は恋心で暴走する
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その男にとっては、何でもない行動のつもりだった。
会社の後輩を自宅に誘い、食事をして、軽く酒飲み話として恋愛の話をしただけ。
なのに。
「んぅー」
男は酔って寝ている間に、後輩にタオルで縛り上げられていた。
「先輩……すみません。起きて大声を出されたら困るので……」
「んぐっ」
大声どころか、身動きすら取れない状態にされている。
後ろ手にタオルで縛られ、足は膝を折り曲げた形でそれぞれ足首と太ももを繋がれていた。これでは、足を閉じても簡単に開かされてしまう。
口にもタオルを噛まされていて、言葉を発する事は出来ない。ならばせめてと、男は後輩を睨んだ。
「どうして? って目……ですよね?」
「うぅっ!」
当たり前だ、外せ! と男は唸った。
その唸り声を聞いて、後輩は言った。
「僕が、先輩を好きだからです」
「んっ?」
意外な言葉に男がたじろぐ。後輩は構わず続けた。
「本当に好きで、今日家に呼ばれたのだって……本当に楽しみで、嬉しかったんです。世間話とはいえ『お前なら良い彼女できるよ』ってひどすぎますよ」
そんなの知らない。と思いはしたが、後輩の本当に傷付いた表情を見せられると、怒りにまで発展させる事は出来なかった。
「このままじゃ僕はただの後輩で終わる。それだけは嫌なんです。だから」
「んぐっ?」
ぽつぽつと語っていた後輩の目が、突然に熱く男を射抜いた。後輩が、男に。自分が愛している先輩に、身体を近付けていく。
正確には、手を、男の胸に。
「僕が先輩を好きなんだって、身体に伝えて。たくさん気持ち良くして見せます」
後輩の長い指が男の右の胸に触れ。
右の乳首を、きゅっと摘んだ。
「んっ……」
予想外の刺激に、男はピクン、と仰け反る。普段気にも留めない場所を優しく摘まれ、感じてしまった自分に男は驚いていた。
「先輩って、感じやすいんですね」
屈辱的な事を言われてる気がするのに、男には怒りが湧かない。
きっと、さっき傷付けた事への罪悪感があるから。そして、後輩が本当に愛しそうな目で、感じてる自分を見つめてくれるから。
見られているだけで身体の奥が焼けるような感覚がする。縛られているから、男はその視線から逃れられない。
後輩の指が乳首を弄るのからも、逃げられなかった。
「先輩の乳首、最初は可愛いピンクだったのに、もう赤くなってますよ」
「ふぅっ……」
くにくにと乳首を捏ねられ、男が拘束された身体をくねらせる。
右の乳首のみを弄られてるせいで、左の乳首の淡いピンクと右の乳首のいやらしく充血した赤が対比されて目に入った。
目に見える変化は色だけでなく、右乳首は明らかに硬く立って、後輩の指を悦んでいた。
「先輩の感じてるとこ、可愛い。もっと、見せて下さい」
掠れた声で囁き、後輩は顔を男の胸へと、まだピンク色を保っている左乳首へと近付けていく。
舌を、エロティカルに覗かせながら。
「んっ」
舌で舐められる。そう思うと、男の中に恐怖と、期待が生まれた。
舌で舐められて気持ち良くされたら、オレはどうなってしまうんだろうという恐怖。そして舌で舐められて気持ち良くされたら、オレはどうなれるんだろうという期待。
後輩の男に気持ち良くされる。自分を好きと言ってくれる男が、感じさせてくれる。
男は後輩の舌先が自分の乳首に迫る所を、食い入るように見つめ、赤く濡れた舌が桃色の突起を舐め上げた。
「うふっ……くぅ」
訪れた快感に、男はタオルを噛み締める。その様子を見て、後輩は唇を乳首に寄せたまま男の口を塞いでいるタオルに手を伸ばした。
「ごめんなさい、苦しかったですよね」
「ふぐっ……そこで、しゃべらな……で」
声の振動が乳首に伝わり、男は自由になった口で頼んだ。
「じゃあ、吸います」
「ひぁっ!? んふぅっ!」
ぢゅちゅっ、と音を立てて乳首が吸われ、男は大きく跳ねる。右の乳首は指で潰されていて、左右の乳首から断続的に快楽が発生した。
「だめっ、だめぇっ! 気持ち良……しゅぎぃっ!」
男がガクガクと震え、舌を突き出して喘ぐ。後輩はその痴態を、乳首を吸い続けて見上げていた。
あまりに熱くて、甘い視線。何もかも蕩けて、そのまま吸い取られてしまうんじゃないか。という不安さえ湧いてくる。
「やめっ、やめてっ。オレ、こんな、おかひく……うぅっ!」
涙を流して懇願すると、後輩は慌てて唇と手を離した。快感が止まり、男は舌を垂らして荒い息を吐く。
目の端と口の端から液体を零し、男は性に蕩けた表情をしている。
「僕、先輩が可愛くて見とれて。初めてだって事、忘れてました。無理させて、すみません」
謝って、後輩は男の涙を指で拭う。割れ物に触れるかのような手つきで涙を拭いて、本当に申し訳無さそうに謝っている後輩に、男は手足を縛るタオルを軋ませて見せた。
「オレ、どうせ逃げらんないんだから。あの、もっと……優しくしてくれ」
「え、あ……はいっ」
返事をする後輩に、男は笑った。
自分から言ったのは、後輩の本気を知ったから。
そして、本気の後輩に惹かれ始めた自分が、愛されてみたいと思ったから。
「先輩、出来るだけ、優しくします」
「んむっ……はぷ、ふっ」
唇を重ねられ、初めてのキス。
優しくすると言ったのに必死になって舌を動かし、余裕の無い目で自分を見る年下の男に、つい笑ってしまった。
しかし、唇が離れた時、自分の身体を上から下まで見た後輩の目が獣になったのを見て、男の背筋がゾクッとする。
「絶対に、先輩に僕を意識させて見せます」
「バカ……もう、意識してるよ」
それどころか、この数分で自分も好きにされてしまったかも知れない。
その『かも知れない』を確かめる為に、男は後輩の愛撫に、心から身を委ねていった。
会社の後輩を自宅に誘い、食事をして、軽く酒飲み話として恋愛の話をしただけ。
なのに。
「んぅー」
男は酔って寝ている間に、後輩にタオルで縛り上げられていた。
「先輩……すみません。起きて大声を出されたら困るので……」
「んぐっ」
大声どころか、身動きすら取れない状態にされている。
後ろ手にタオルで縛られ、足は膝を折り曲げた形でそれぞれ足首と太ももを繋がれていた。これでは、足を閉じても簡単に開かされてしまう。
口にもタオルを噛まされていて、言葉を発する事は出来ない。ならばせめてと、男は後輩を睨んだ。
「どうして? って目……ですよね?」
「うぅっ!」
当たり前だ、外せ! と男は唸った。
その唸り声を聞いて、後輩は言った。
「僕が、先輩を好きだからです」
「んっ?」
意外な言葉に男がたじろぐ。後輩は構わず続けた。
「本当に好きで、今日家に呼ばれたのだって……本当に楽しみで、嬉しかったんです。世間話とはいえ『お前なら良い彼女できるよ』ってひどすぎますよ」
そんなの知らない。と思いはしたが、後輩の本当に傷付いた表情を見せられると、怒りにまで発展させる事は出来なかった。
「このままじゃ僕はただの後輩で終わる。それだけは嫌なんです。だから」
「んぐっ?」
ぽつぽつと語っていた後輩の目が、突然に熱く男を射抜いた。後輩が、男に。自分が愛している先輩に、身体を近付けていく。
正確には、手を、男の胸に。
「僕が先輩を好きなんだって、身体に伝えて。たくさん気持ち良くして見せます」
後輩の長い指が男の右の胸に触れ。
右の乳首を、きゅっと摘んだ。
「んっ……」
予想外の刺激に、男はピクン、と仰け反る。普段気にも留めない場所を優しく摘まれ、感じてしまった自分に男は驚いていた。
「先輩って、感じやすいんですね」
屈辱的な事を言われてる気がするのに、男には怒りが湧かない。
きっと、さっき傷付けた事への罪悪感があるから。そして、後輩が本当に愛しそうな目で、感じてる自分を見つめてくれるから。
見られているだけで身体の奥が焼けるような感覚がする。縛られているから、男はその視線から逃れられない。
後輩の指が乳首を弄るのからも、逃げられなかった。
「先輩の乳首、最初は可愛いピンクだったのに、もう赤くなってますよ」
「ふぅっ……」
くにくにと乳首を捏ねられ、男が拘束された身体をくねらせる。
右の乳首のみを弄られてるせいで、左の乳首の淡いピンクと右の乳首のいやらしく充血した赤が対比されて目に入った。
目に見える変化は色だけでなく、右乳首は明らかに硬く立って、後輩の指を悦んでいた。
「先輩の感じてるとこ、可愛い。もっと、見せて下さい」
掠れた声で囁き、後輩は顔を男の胸へと、まだピンク色を保っている左乳首へと近付けていく。
舌を、エロティカルに覗かせながら。
「んっ」
舌で舐められる。そう思うと、男の中に恐怖と、期待が生まれた。
舌で舐められて気持ち良くされたら、オレはどうなってしまうんだろうという恐怖。そして舌で舐められて気持ち良くされたら、オレはどうなれるんだろうという期待。
後輩の男に気持ち良くされる。自分を好きと言ってくれる男が、感じさせてくれる。
男は後輩の舌先が自分の乳首に迫る所を、食い入るように見つめ、赤く濡れた舌が桃色の突起を舐め上げた。
「うふっ……くぅ」
訪れた快感に、男はタオルを噛み締める。その様子を見て、後輩は唇を乳首に寄せたまま男の口を塞いでいるタオルに手を伸ばした。
「ごめんなさい、苦しかったですよね」
「ふぐっ……そこで、しゃべらな……で」
声の振動が乳首に伝わり、男は自由になった口で頼んだ。
「じゃあ、吸います」
「ひぁっ!? んふぅっ!」
ぢゅちゅっ、と音を立てて乳首が吸われ、男は大きく跳ねる。右の乳首は指で潰されていて、左右の乳首から断続的に快楽が発生した。
「だめっ、だめぇっ! 気持ち良……しゅぎぃっ!」
男がガクガクと震え、舌を突き出して喘ぐ。後輩はその痴態を、乳首を吸い続けて見上げていた。
あまりに熱くて、甘い視線。何もかも蕩けて、そのまま吸い取られてしまうんじゃないか。という不安さえ湧いてくる。
「やめっ、やめてっ。オレ、こんな、おかひく……うぅっ!」
涙を流して懇願すると、後輩は慌てて唇と手を離した。快感が止まり、男は舌を垂らして荒い息を吐く。
目の端と口の端から液体を零し、男は性に蕩けた表情をしている。
「僕、先輩が可愛くて見とれて。初めてだって事、忘れてました。無理させて、すみません」
謝って、後輩は男の涙を指で拭う。割れ物に触れるかのような手つきで涙を拭いて、本当に申し訳無さそうに謝っている後輩に、男は手足を縛るタオルを軋ませて見せた。
「オレ、どうせ逃げらんないんだから。あの、もっと……優しくしてくれ」
「え、あ……はいっ」
返事をする後輩に、男は笑った。
自分から言ったのは、後輩の本気を知ったから。
そして、本気の後輩に惹かれ始めた自分が、愛されてみたいと思ったから。
「先輩、出来るだけ、優しくします」
「んむっ……はぷ、ふっ」
唇を重ねられ、初めてのキス。
優しくすると言ったのに必死になって舌を動かし、余裕の無い目で自分を見る年下の男に、つい笑ってしまった。
しかし、唇が離れた時、自分の身体を上から下まで見た後輩の目が獣になったのを見て、男の背筋がゾクッとする。
「絶対に、先輩に僕を意識させて見せます」
「バカ……もう、意識してるよ」
それどころか、この数分で自分も好きにされてしまったかも知れない。
その『かも知れない』を確かめる為に、男は後輩の愛撫に、心から身を委ねていった。
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