BLエロ小説短編集

五月雨時雨

文字の大きさ
601 / 1,452

諦め悪く逃げる裸体は滑稽な娯楽として愉しまれる

しおりを挟む
狭い部屋の壁と一体化した四つの丸い金属製の拘束具。真ん中で取り外せる自身の内側に手首から先と足首から先を追いやり、外した部品を再度接続することで内部に仕込まれた柔らかな素材越しに金属の圧迫を与えて手足を引き抜けない状態を作り出す拘束具。
それを装着された男の裸体はもう、何処にも逃げられはしない。幾ら手足に力を込めても縛めからの脱出はおろか室内と外部を仕切る為に設置された強化ガラス製の窓を通して自分を観察している憎い敵の男の視線から恥部を守ることも出来はしない。
取れる行動は精々、口を塞いでいる赤いギャグボールの穴からくぐもった唸りと共に唾液を飛ばす行動と、わずかに残された遊びに許された範囲で裸体を情けなくくねらせる程度の行動だけ。悪趣味な恥辱を準備した敵の男の思惑に沿った痴態を晒すことを目的として残された遊びの中で恐怖混じりの無様な悲鳴を飲み込みきれない唾液と共に溢れさせつつ、間抜けに裸体を踊らせる程度の行動だけだ。

「んぶっ、ぶおぉぉっ! うふっ、むぎゅぅぅっ!!」

四肢の先端を飲み込んだ拘束を支点にして裸体を休み無くよじらせながら、男が意味を成していない声で鳴き喚く。不明瞭な言葉で自分を鑑賞している敵に怒気をぶつける余裕も無くした男が、無防備に露出させられた男根を滑稽に振り乱しつつ不自由な裸体を残酷な責めから逃がし続ける。
だが、どんなに必死に地獄の回避を願いながら裸体を頑張らせても男の努力はそれを眺める男に愉快を捧げる結果しか生めはしない。可能な限りに裸体を逃がさなければ、自身の周りを緩慢な速度で不規則に動き回る機構に望まぬ淫猥な苦悶をもたらされてしまう。そこまで理解させられた上で根本的な脱出という救済を手に入れたくても手に入れられない姿に変えられた惨めな男はもはや、なりふり構わない忍耐の果てに訪れた裸体の憔悴に伴ってやってくるどんなに命令を飛ばしても裸体を機構から逃がせない状況へと至る過程を、憎き男の娯楽として愉しみ尽されるしかないのだ。

「ふぅっ! むふ、ぐみゅぅぅ……っ!!」

自分に視線を向けることもままならなくなった男が、己の股間に迫る機構に戦慄の眼差しを浴びせつつ腰を後ろに逃がしている光景を一人用のソファーに悠然と腰掛けた体勢で堪能しながら。強化ガラスの仕切りを除いた床や壁、及び天井に掘られた溝に沿って進む箱型の装置の上部から生えたアームの先にある触れた箇所に強烈な発情と感度の増幅を引き起こす媚薬で濡れた筆のような毛が絶えず男の裸体付近で揺れている様を笑みの黒さを際限無く深めて見つめながら。男を捕らえ自分専用の見世物に貶めた非道な男は疲労が蓄積し痙攣が抑えられなくなり始めている汗塗れの裸体に歪んだ興奮を募らせつつ、まだ諦め悪く頑張っている男が力尽き淫らな弱点のみならずありとあらゆる箇所を媚薬に蝕まれ全身を性感帯に仕立てられた裸体を為す術無く跳ねさせながらイき狂わせているといういずれ来る末路に思いを馳せていた。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

機械に吊るされ男は容赦無く弄ばれる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

捜査員達は木馬の上で過敏な反応を見せる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

処理中です...