BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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気付いてもらえぬまま男は狭い牢獄の中で淫らな悶絶を強いられる

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何も知らない者が見たら、工事現場に用意された仮設トイレの一つとしか思わない。そんな見た目をした箱型の牢獄の中で、男は絶え間無く襲い来る甘く屈辱的な責め苦にただただ悶絶を強いられ続けていた。

「んっ、んもぉっ! うぅ、あむぅぅっ!!」

男根を模した枷を喉近くまで噛まされた口でくぐもった唸りを必死に放っても、牢獄の壁に大きく音量を削がれたそれは工事現場という空間に鳴り響く騒音に掻き消されるだけで救いを与えてくれる誰かには届かない。自身を暗闇と恥辱に閉じ込めている牢獄の前を誰かが通り過ぎる気配を狙って一際切羽詰まった叫びを発してみても、それは自身を捕獲した組織の息が掛かった作業員の耳を愉しませる結果しか生めはしない。
ならばと脱出を求めて試行錯誤を重ねても、男のもがきは決して逃れられないという絶望の事実を再認識させ疲弊を加速させるだけだ。自らの身体を抱き締めているかのような形を両腕に保たせ、左右の足を隙間無く密着させた状態に維持させる。そんな機構を有した拘束服に首から下を縛められた男がどんなに身を悶えさせても自由は取り戻せない。白く頑丈な素材と黒革のベルトを組み合わせて作られた拘束服の各所に存在する丸い金具と狭い牢獄の各所にあてがわれた同じ形状の金具を遊び無く繋ぐ鎖達を耳障りに鳴らしながらなりふり構わずに暴れても、男は背筋を伸ばしたつま先立ちの姿勢から離れることさえ叶わない。
手も足も、言葉も出せない。牢獄から抜け出す以前に、牢獄の中央から動くことも許されない。そんな状況に追いやられた男に残された選択肢は、自分を捕らえた組織が準備した悪意に為す術無く嬲られる選択肢のみ。拘束服の内部に仕込まれた淫猥な器具の振動に過敏な男根を休み無くいたぶられながら、今の己の惨めさを強く噛み締めさせられつつの絶頂を繰り返す選択肢のみだ。

「むぐっ、うぐぅぅっ! あぉっ、んまぁぁぁっ!!」

男根全体をまんべんなく覆い、予想の付かない不規則な緩急を交えて振動を注ぐ装置の責めに抗いながら、男が拘束に塞がれていない鼻を間抜けに鳴らしつつ手足をじたばたと頑張らせる。
拘束服の股間部分を汚している先に放出させられた自らの精液の滑りを感じながら、男が大粒の涙を零している目を痛々しく見開きつつ、次の絶頂が訪れる前に事態を打破しようと格闘を試みる。
だが、幾ら手を尽くしても現状は何も変わらない。どれだけ牢獄の中で騒ぎ悶えても男が考えているよりも遥かに弱々しいその音はやはり、希望には一切結び付かない。
敵達に支配された空間で淫らに苦しみ、イかされ続ける。ただそれだけの存在に貶められた男は、我慢を突き崩す程に肥大化した自らの射精欲に屈しながら、自分を拘束している悪趣味で残酷な衣服の中にまた、精液を迸らせるしか無いのだ。

「んむぅぅぅーっ!! あお、ふぶぅぅぅーっ!!」

悲痛で、淫猥で、滑稽極まりない甲高い悲鳴を上げながら精液をひり出す。その男の痴態が繰り広げられている仮設トイレを模した空間を時折眺めながら、悪の一味である作業員に扮した男達は淫獄が行われている牢獄の向こうに見える捕らわれた男がかつて所属していた組織が拠点としているビルに黒く歪んだ笑みを寄せつつ、すぐ近くにいる仲間にも気付いてもらえぬまま今日もイき狂わされている捜査員を仕事に潤いをもたらす情報として消費していくのだった。
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