21 / 24
19】散策しようとしてみたら
しおりを挟む
19】散策しようとしてみたら
医者に自身のバース性の変化を聞いた。一応、アルファ性ではいたらしい。だが、同時に変化が起こっている。アルファでありながら、オメガの反応も出ているという。現段階では、どちらとも判断がつかないと、医者は簡単に説明をして出て行った。その際、おまもり程度にとオメガのようなヒート症状が出た際にと抑制剤を置いて。
『アーサー様。もしオメガのようなヒートがきた場合は、すぐにギルベルト様からは離れて下さいね。ヒート中にアルファとオメガが接触するのは、互いに危険ですので』
『分かっているよ』
同性であっても、それが何を意味するのか。その知識は、幼少期より皆学んでいること。ベッドサイドに置かれた薬を見ながら、どうしたものかと考えていた。
「このままオメガになれば良いのに」
そんなことを考えるのは、私くらいだろう。さて、部屋に籠りっぱなしも良くない。熱は下がったし、そろそろ私自身も身体を動かしたい。
「城内の散策くらいなら、問題ないだろう」
軽装のまま、とりあえず部屋の外へ。別段どこに行こうと決まってはいなかったが、ギルベルトがどこにいるのか知りたくて、つい騎士団員たちが集まっている所へと向かうことにした。
この時の選択が、私にショックを与えるものだと気付いていたら部屋に籠ったままの方が良かった。
「騎士団員達いる場所と馬舎は近いから、そちらに行ってみるか」
足取りは軽い。流石に騎士団員たちは、ギルベルトが何をしているか知っているだろう。もしかすると、ギルベルトがいるかもしれない。会ったら何を話そうかと思っていると、騎士団宿舎付近で話し声がした。
「ギルベルト団長、今は隣国からのあいさつ回りは今日帰ってくるだよな?」
「隣国のお姫様が、団長にアプローチしているところだったし、大丈夫かな。団長」
「お姫様、オメガだって話だろう? 流石に団長がこの国を出ることは無いと思うが、何かあればなぁ……」
「しっかしギルベルト団長。アルファで、あんなに顔も良くて強くてモテるのに、浮いた話一つでないもんな」
「俺、男だけど団長に抱いて欲しい時あるもん」
「俺も」
そんな談笑が聞こえ、入りずらくなってしまう。
(ギルベルトは、今国を出ているのか)
不在の情報とともに、どこかのお姫様にアプローチされていることまで知ってしまった。
「アーサー様? どうしたんですか、こんな所で。ああ、ギルベルト団長でしたら、不在ですよ。もうすぐ帰ってくる頃かと思いますが……」
「教えてくれてありがとう。じゃあ、入り口の方に行ってみようかな」
ハハ、と自分でも乾いた笑いを浮かべ足を速めた。
******
医者に自身のバース性の変化を聞いた。一応、アルファ性ではいたらしい。だが、同時に変化が起こっている。アルファでありながら、オメガの反応も出ているという。現段階では、どちらとも判断がつかないと、医者は簡単に説明をして出て行った。その際、おまもり程度にとオメガのようなヒート症状が出た際にと抑制剤を置いて。
『アーサー様。もしオメガのようなヒートがきた場合は、すぐにギルベルト様からは離れて下さいね。ヒート中にアルファとオメガが接触するのは、互いに危険ですので』
『分かっているよ』
同性であっても、それが何を意味するのか。その知識は、幼少期より皆学んでいること。ベッドサイドに置かれた薬を見ながら、どうしたものかと考えていた。
「このままオメガになれば良いのに」
そんなことを考えるのは、私くらいだろう。さて、部屋に籠りっぱなしも良くない。熱は下がったし、そろそろ私自身も身体を動かしたい。
「城内の散策くらいなら、問題ないだろう」
軽装のまま、とりあえず部屋の外へ。別段どこに行こうと決まってはいなかったが、ギルベルトがどこにいるのか知りたくて、つい騎士団員たちが集まっている所へと向かうことにした。
この時の選択が、私にショックを与えるものだと気付いていたら部屋に籠ったままの方が良かった。
「騎士団員達いる場所と馬舎は近いから、そちらに行ってみるか」
足取りは軽い。流石に騎士団員たちは、ギルベルトが何をしているか知っているだろう。もしかすると、ギルベルトがいるかもしれない。会ったら何を話そうかと思っていると、騎士団宿舎付近で話し声がした。
「ギルベルト団長、今は隣国からのあいさつ回りは今日帰ってくるだよな?」
「隣国のお姫様が、団長にアプローチしているところだったし、大丈夫かな。団長」
「お姫様、オメガだって話だろう? 流石に団長がこの国を出ることは無いと思うが、何かあればなぁ……」
「しっかしギルベルト団長。アルファで、あんなに顔も良くて強くてモテるのに、浮いた話一つでないもんな」
「俺、男だけど団長に抱いて欲しい時あるもん」
「俺も」
そんな談笑が聞こえ、入りずらくなってしまう。
(ギルベルトは、今国を出ているのか)
不在の情報とともに、どこかのお姫様にアプローチされていることまで知ってしまった。
「アーサー様? どうしたんですか、こんな所で。ああ、ギルベルト団長でしたら、不在ですよ。もうすぐ帰ってくる頃かと思いますが……」
「教えてくれてありがとう。じゃあ、入り口の方に行ってみようかな」
ハハ、と自分でも乾いた笑いを浮かべ足を速めた。
******
17
あなたにおすすめの小説
勇者様への片思いを拗らせていた僕は勇者様から溺愛される
八朔バニラ
BL
蓮とリアムは共に孤児院育ちの幼馴染。
蓮とリアムは切磋琢磨しながら成長し、リアムは村の勇者として祭り上げられた。
リアムは勇者として村に入ってくる魔物退治をしていたが、だんだんと疲れが見えてきた。
ある日、蓮は何者かに誘拐されてしまい……
スパダリ勇者×ツンデレ陰陽師(忘却の術熟練者)
追放オメガ聖帝の幸せな結婚〜クールなスパダリ騎士に拾われて溺愛されるまで〜
あきたいぬ大好き(深凪雪花)
BL
ノルディーナ王国の聖帝サーナは、教皇のありもしない嘘のせいで聖宮から追放されてしまう。
行く当てがないサーナが国境に向かうと、そこで隣国ルミルカ王国の騎士であるムーシュと出会う。ムーシュから諸事情により偽装結婚を提案されて、サーナは期限付きの偽装結婚ならばよいと承諾し、一時的に保護してもらうことに。
異国暮らしに慣れていく中で、やがてムーシュから溺愛されるようになり……?
貧乏子爵のオメガ令息は、王子妃候補になりたくない
こたま
BL
山あいの田舎で、子爵とは名ばかりの殆ど農家な仲良し一家で育ったラリー。男オメガで貧乏子爵。このまま実家で生きていくつもりであったが。王から未婚の貴族オメガにはすべからく王子妃候補の選定のため王宮に集うようお達しが出た。行きたくないしお金も無い。辞退するよう手紙を書いたのに、近くに遠征している騎士団が帰る時、迎えに行って一緒に連れていくと連絡があった。断れないの?高貴なお嬢様にイジメられない?不安だらけのラリーを迎えに来たのは美丈夫な騎士のニールだった。
「オレの番は、いちばん近くて、いちばん遠いアルファだった」
星井 悠里
BL
大好きだった幼なじみのアルファは、皆の憧れだった。
ベータのオレは、王都に誘ってくれたその手を取れなかった。
番にはなれない未来が、ただ怖かった。隣に立ち続ける自信がなかった。
あれから二年。幼馴染の婚約の噂を聞いて胸が痛むことはあるけれど、
平凡だけどちゃんと働いて、それなりに楽しく生きていた。
そんなオレの体に、ふとした異変が起きはじめた。
――何でいまさら。オメガだった、なんて。
オメガだったら、これからますます頑張ろうとしていた仕事も出来なくなる。
2年前のあの時だったら。あの手を取れたかもしれないのに。
どうして、いまさら。
すれ違った運命に、急展開で振り回される、Ωのお話。
ハピエン確定です。(全10話)
2025年 07月12日 ~2025年 07月21日 なろうさんで完結してます。
【完結】男の後輩に告白されたオレと、様子のおかしくなった幼なじみの話
須宮りんこ
BL
【あらすじ】
高校三年生の椿叶太には女子からモテまくりの幼なじみ・五十嵐青がいる。
二人は顔を合わせば絡む仲ではあるものの、叶太にとって青は生意気な幼なじみでしかない。
そんなある日、叶太は北村という一つ下の後輩・北村から告白される。
青いわく友達目線で見ても北村はいい奴らしい。しかも青とは違い、素直で礼儀正しい北村に叶太は好感を持つ。北村の希望もあって、まずは普通の先輩後輩として付き合いをはじめることに。
けれど叶太が北村に告白されたことを知った青の様子が、その日からおかしくなって――?
※本編完結済み。後日談連載中。
いい加減観念して結婚してください
彩根梨愛
BL
平凡なオメガが成り行きで決まった婚約解消予定のアルファに結婚を迫られる話
元々ショートショートでしたが、続編を書きましたので短編になりました。
2025/05/05時点でBL18位ありがとうございます。
作者自身驚いていますが、お楽しみ頂き光栄です。
胎児の頃から執着されていたらしい
夜鳥すぱり
BL
好きでも嫌いでもない幼馴染みの鉄堅(てっけん)は、葉月(はづき)と結婚してツガイになりたいらしい。しかし、どうしても鉄堅のねばつくような想いを受け入れられない葉月は、しつこく求愛してくる鉄堅から逃げる事にした。オメガバース執着です。
◆完結済みです。いつもながら読んで下さった皆様に感謝です。
◆表紙絵を、花々緒さんが描いて下さいました(*^^*)。葉月を常に守りたい一途な鉄堅と、ひたすら逃げたい意地っぱりな葉月。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる