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義弟とデート?
しおりを挟む「シャーロットちゃん、春になればユリウスと同じ学園に通うのはどうかしら?ただ、教会からの聖力認定日で聖力が大きいと最低でも週に一度は通わないといけないんだけど……」
「学園、ですか?」
前回は教会へ足を運んでばかりだったけれど、、、確かに今後の為にも学園へ通い学べるものは学んでもよいかもしれない。そう義母と話を終えて、自分の部屋で、地図を広げて赤ペンで印をつける。
「ここの地域は教会の影響が強いわね……んー、、医師と薬師を置く必要があるかも、しかも薬草とか沢山ある森
の近くだわ、たしかここは昔から精霊達の癒やしの森とか呼ばれてたわね。義父とソルさんに相談してみよう。
「……ふぅ」
気づけば、夕暮れだった。
指先に力が入らず、ペンを置く。
「ビール飲みたい」
こう、くうっ!と仕事が終わった後のビールは最高なのよ。ただ、今の私は未成年、、。あと10年ね。
その時――
コンコン。
控えめなノック音だった。
「……姉上」
扉の向こうから、ユリウスの声がする。
「あれ?どうしたの?」
「……少し、お時間はありますか」
扉を開けると、ユリウスはきちんと背筋を伸ばして立っていた。だが、その視線は、わずかに心配そうだ。
「……最近の姉上は……」
言い淀み、言葉を選びながら、私の方を見つめる。
「……働きすぎです」
私は思わず笑ってしまう。
「あはは!まさか、ユリウスに注意されるなんて。おかしい!」
「……笑い事ではありません。夜も、書類を持ち帰っているでしょう」
「……見てたの?」
「……当然です」
視線を逸らしつつ。
「それで……もし可能であれば……街へ、出かけませんか」
「……ユリウスから誘ってくれるなんて、珍しいわ」
「……息抜きが必要だと判断しました」
あの、ユリウスが、、私を心配してくれている。
こんなに懐かれて、仲良くなるだなんて、、前回の私達は、、、一体何処で間違えたのかしら、、。
「……姉上?」
「え、あ!うん、いいわ」
そう答えると、ユリウスはわずかに笑顔になる。
「……では、明日の午後。人混みは避けます。警戒も怠りません」
「うん、、頼もしい護衛ね」
翌日約束通り、私とユリウスは屋敷を出る準備をしていた。私の黒髪はあまり良く思われないだろうから、髪を一つにまとめて、帽子を被ることにした。今あまり目立っても良くないしね。
それにしても、いつもビシッとしている服装のユリウスだが、ラフな格好をしている姿でも高貴なオーラがあるものね。
護衛達は距離を保ち、目立たぬよう後方に控えているし、安心して出かけられる。とはいえ、ユリウスはーずか9歳ながらも剣術の天才と呼ばれている。
「……あの…、、天気が良いですね」
「ええ。久しぶりに、外の空気を吸った気がするわ」
そんな会話を交わしながら、門を抜けた――その時だった。
「あれ?」
聞き慣れた声がした。
「シャーロットじゃん」
馬車の窓から、振り向くと、道の向こうからソラが歩いてくる。肩に小さな籠を下げ、どうやら買い出しする予定らしい。
「ソラじゃない、お使い?」
「まあな。親父に薬草頼まれてさ、薬品はまだ扱えないけど、材料とかそんなんだわ」
そう言って、シャーロットと楽しく話すとその瞬間ーー
「…………あ!」
ユリウスの視線が、鋭く細くなった。無言だが、ソラも、それに気づいたのか、一瞬だけ目を瞬かせた。
「……あーあー、うん、」
空気を察したように、頭の後ろを掻く。
「俺、ちょっと急ぎの用事あったわー、お喋りしてる暇ないんだ。んじゃ!」
「え?」
「ほら、薬草屋、閉まるの早いし!じゃ、またな!」
そう言って、逃げるようにその場を離れていく。
去っていく背中を、ユリウスは最後まで睨みつけていた。
「行きましょう、姉上」
ユリウスは何事もなかったように馬車へ降りて、シャーロットをエスコートして、歩き出す。
護衛を伴い、二人は城下町へと足を向けた。城下町は、昼の賑わいを迎えていた。露店が並び、人々の声が交差する。
露店で布小物を眺めたり、香辛料の香りに足を止めたりしていた。
「この香り……病院でも使えるかしら」
「消毒には向きませんが、気付け薬としては」
「……もう答えが出るのね」
「資料を読んだので」
何気ない会話なのに、ユリウスの視線は常に私の動きを追っているような、、以前は目すら合わせてなかった私達が本当のきょうだいのに話て歩いてるな……。
ふと、菓子屋の前で立ち止まると、ユリウスの瞳が僅かにキラキラと輝いていた。中に入ると、甘い香りが満ちていた。
「……姉上、苺菓子があります」
少し、声が弾んでいる。この子、本当に甘いものが好きなのね。
「ユリウスは、本当に苺が好きなのね。一緒にたべましょう」
「……はい」
一瞬だけ、年相応の顔を見せる。うん、可愛い。
その時ーー
遠くから、ソラがちらりとシャーロット達を見て――
何かを悟ったように、肩をすくめて、別の道へ曲がっていった。
「あー、これ。入らんほうがいいやつだな」
その背中は、どこか大人びていた。
城下町のざわめきの中、シャーロットとユリウスは、仲良く苺の綿飴を食べた。
屋敷へ帰ったあと、義父カイロスが私達を待っていた様子だった。
「シャーロット」
「はい、あの何かーー」
カイロスが私に渡したのは一通の手紙。それは聖力認定日の日付だった。
とうとうこの日がやってくるのね。ここで聖女見習いとして、オフィーリアと私は、、、出会う事になる。
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