元黒聖女シャーロットはもう祈らない

くま

文字の大きさ
28 / 57

シャーロットの好みの人は

しおりを挟む
【ウィリアム王太子が亡くなったぞ!】

【心臓発作したらしい、、やはりアンナ王女に続きなんて不憫な、、このまま成長をすれば立派な国王となられた方なのに…】

久しぶりに教会から、帰ってくると私の存在はいないかのように、屋敷内のメイドと執事達は亡くなった王太子の事を話ていた。

私の婚約者であるガイア王子もとても泣いていた。

『兄上は、、、我儘な俺でも、優しい人だったんだ』

そう泣いていた彼を見て私は胸を痛む。

『周りは兄上と俺を比べてばかりだ、、なあ、シャーロット、もっと俺に力を貸してくれるか?』

最初は貴方だけが私を見つめてくれてると思ってた、彼だけが私の世界だと依存していた。

『……ユリウス、な、なんで、、、教会の聖騎士に入団したの?』

『………そんなことより、姉上、、』

『そんな、こと?……そんなに私が嫌いなくせに、、』


あの時のユリウスの顔など見てない。

どんな顔だったのだろうか……。

友にも裏切られ、一人ぼっちの世界…そう勝手に閉じこもっていた馬鹿な私の過去だ。



そっか、、、あぁ、これは夢だ。それも昔の。遠い遠い

『先輩、無理しちゃダメすよ?なんでもかんでも、一人で考えるのは良くないですしねえ』


木下君、、、本当はね……少しだけ、貴方を意識していたわ。私と正反対だけど、根は真面目なのを知っている。だからーーー

パチリと目を覚ますと、しまったわ。書類を片付けていた時、そのまま寝てしまったんだ。

「ふふ、変な夢だわ」

「…どんな楽しい夢を見たんですか」

目の前には明らかに不機嫌なユリウスがいた。

「……え、いつからいたの?」

「……少し前です」

病院の無事に設立ができ、色々と書類に目を通すことが多くなった私は部屋で作業する事が多かった。ユリウスも忙しいのに合間みて、会いにきてくれている。

「……母上がお茶にしようと言ってました。ソラも呼んでます」

「そう、確かに疲れたから、確かに甘いものが欲しいものね。行きましょう」

最近ではこうやって手を握り、一緒に歩く事もあるわね。

「人生なにがあるかわからないものだわ」

「……?急に何を言っているんです」

「お子様にはわからないものよ」


ユリウスは、ぴたりと足を止めた。

「……もう少し、、もう少ししたら、背も姉上より大きくなります」

「え?、まあ、そうね」


振り返ると、彼はじっと私を見つめている。普段は感情を表に出さない瞳が、わずかに揺れているような、、。

「姉上は……時々、遠くを見てるきがします。私の知らない場所を見ているみたいに」


少しムキになったように、彼は続ける。

「だから……その、、、聞きたいことがあります」

「?」

「姉上は、どんな人が……好みなんですか」

思いがけない質問で私は止まってしまった。

「え?どうして、急に?えーと、、、そうね」

少し考えるふりをして、視線を落とす。ふと、浮かんだのは前世の記憶だわ。

書類に追われていた夜、何も言わずにビールを差し出してきた。明るくて、でも誰より周りをよく見ていて、、

「無理しないでください」と笑いながら、さりげなく肩の荷を軽くしてくれた人。

「……さりげなく気遣いができる人、かしら」

「気遣い……」

「明るくて、場の空気を和ませられる人。無理に支えようとしなくても、隣にいるだけで安心できる人」

ユリウスは黙り込んだ。

「あ、あと笑顔が多い人ね、苦しい時でも、誰かを思いやれる人」


「……あとー大人になったら、ビールとか、持ってきてくれる人?」

冗談めかして言うと、ユリウスの眉がぴくりと動いた。

「……酒飲みですか」

「ふふ、違うわ。“気づいてくれる”人、って意味よ」

少し間を置いて、ユリウスはぽつりと言った。

「キノシタが好みなんですか」

「へ!!?え、え、あの何故、その名を」

「……よく寝言で呼んでます」

私は恥ずかしくて真っ赤になる反面、何故かユリウスは顔が青くなっていた。

「え、あのユリウス、、?」

「……母上達が、、待ってます。急ぎましょう」

「…うん、そうね」

急に話題を変え、無言のままのユリウスだった。


義母と楽しそうにお茶をするシャーロットの反対に、大好きなイチゴマフィンを一口も食べてないユリウスを、隣にいるソラは話かけた。

「ユリウス様、どうした?食べないのか?」

ソラをジッと見つめてため息を出すユリウス。

「……ソラは、、明るい奴だな。話しやすい、、、」

「いや、ユリウス様、ほんと、どした?」






しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる

みおな
恋愛
聖女。 女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。 本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。 愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。 記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。

家出を決行した結果

恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。 デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。 自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。 ※なろうさんにも公開しています。

王子よ、貴方が責任取りなさい

天冨 七緒
恋愛
「聖女の補佐をしてくれないか?」  王子自ら辺境まで訪れ、頭を下げる。  それほど国は、切羽詰まった状況なのだろう。  だけど、私の答えは……  皆さんに知ってほしい。  今代の聖女がどんな人物なのか。  それを知った上で、私の決断は間違いだったのか判断してほしい。

【完結】婚約破棄、その後の話を誰も知らない

あめとおと
恋愛
奇跡によって病を癒す存在――聖女。 王国は長年、その力にすべてを委ねてきた。 だがある日、 誰の目にも明らかな「失敗」が起きる。 奇跡は、止まった。 城は動揺し、事実を隠し、 責任を聖女ひとりに押しつけようとする。 民は疑い、祈りは静かに現実へと向かっていった。 一方、かつて「悪役」として追放された令嬢は、 奇跡が失われる“その日”に備え、 治癒に頼らない世界を着々と整えていた。 聖女は象徴となり、城は主導権を失う。 奇跡に縋った者たちは、 何も奪われず、ただ立場を失った。 選ばれなかった者が、世界を救っただけの話。 ――これは、 聖女でも、英雄でもない 「悪役令嬢」が勝ち残る物語。

王命を忘れた恋

須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』  そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。  強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?  そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。

殿下、幼馴染の令嬢を大事にしたい貴方の恋愛ごっこにはもう愛想が尽きました。

和泉鷹央
恋愛
 雪国の祖国を冬の猛威から守るために、聖女カトリーナは病床にふせっていた。  女神様の結界を張り、国を温暖な気候にするためには何か犠牲がいる。  聖女の健康が、その犠牲となっていた。    そんな生活をして十年近く。  カトリーナの許嫁にして幼馴染の王太子ルディは婚約破棄をしたいと言い出した。  その理由はカトリーナを救うためだという。  だが本当はもう一人の幼馴染、フレンヌを王妃に迎えるために、彼らが仕組んだ計略だった――。  他の投稿サイトでも投稿しています。

処理中です...