12 / 13
害虫駆除せねば
しおりを挟む
鳥の鳴き声が聞こえ、朝日と共に赤い薔薇をアリア•ウィンチェスターのお墓の前に立っていたのは、前髪を切り髭を剃りスッキリとした身なりになったクロックスがいた。
「あの可愛らしく小さな君が‥‥大きくなったと思えば‥‥亡くなったとはな‥‥‥駄目な大人達ばっかりだなあ‥‥」
「ならば、今からでも役に立ってくださいませ」
そうクロックスに話しをかけたのは、同じく赤い薔薇を持って制服姿のスピカだった。
ジッと見つめるスピカに、クロックスはもう一度墓の前の方を見る。
「分家の奴らがうるさいんだろ。そこはまあ、、、こっちで処理をする」
「当たり前です。そろそろウィンチェスター家の一員と自覚してください」
「はは、亡くなった兄貴にもよく言われたよ。‥‥本業はまあ‥少し休むとしてーー‥‥可愛い姪の頼みだからな。アリアに頼まれてていたからな、『もし自分に何かあればスピカを助けてあげて』と」
そうクロックス叔父様はパンパンな頬の不恰好のまま、とりあえずはウィンチェスター家代理として仕事をしてくれるようになった。
クロックス叔父様もそうだけど、私自身‥‥全部アリア姉様に甘えていた側だわ。
「だから、これからは私がしっかりしなきゃいけないわね。ジャック、学園へ行くわよ」
「‥‥かしこまりました」
私はアリア姉様が着ていた制服を着て馬車に乗り学園へと向かう。
王都学園は学園内では平民も貴族も関係のなく『平等』にて生徒達は過ごしているが、それでも貴族階級が根強く、今では王太子達とメロディ男爵令嬢が学園の中心となり、誰も逆らえないという構図になっていた。
ウィンチェスター家次期当主となっていたリゲルは平民へと落ちぶれ学園へ姿を見せなくなった事だけでも学園内は大騒ぎしていた中、ある令嬢達の間では噂が流れていた。
『悪役令嬢のアリア•ウィンチェスターの亡霊がうろついてる』
そう囁かれていた。
ザワザワと生徒達が学園内で話しをしていた時、金髪の赤い瞳の女子生徒が執事を連れて廊下に歩いていた。
「ヒッ!?あ、アリア•ウィンチェスター‥?!」
「は?嘘だろ?彼女は‥‥」
「彼女は‥‥」
「「「死んだはず‥‥」」」
生徒達が固まっていると、アリア•ウィンチェスターにそっくりな令嬢は目が合った人にニッコリと微笑みかけてまた歩き出す。
頬を赤らめた男子生徒にそばにいた友人に話しかける。
「お前何見惚れてるんだよ!てか、あ、アリア嬢はいつも無表情だった、さっきのそっくりな彼女は一体何者なんだ?!」
教室がガヤガヤと虫のようにうるさく、私が気になるのか生徒達の視線は私に集中していた。学園って初めてだからこういうものなのかな?
隣りにいる先生は咳払いをしてから私を紹介する。
「あー、コホン。彼女は亡くなったアリア•ウィンチェスターの双子の妹であるスピカ•ウィンチェスターだ。スピカくん、君の席はーー」
「アリア姉様が使っていた席で十分です」
「そ、そうか。えーまあ、、その‥みんな仲良くするように」
そう私を紹介し、ささっと逃げるように先生は教室へと出ていく。私が一歩一歩歩くたびに、クラスの子は幽霊をみるかのように驚いて固まっていた。
一番後ろの窓側の席‥‥アリア姉様が座っていた席ね。ふふ、嬉しい。
「やあ、君がアリアの妹か。一度会っていたな。まあ、あの女より表情が豊かみたいだな。歓迎するよ」
席へ座った途端、偉そうに私に話しかけてきたのはーー銀髪の青年‥この人が
アリア姉様に婚約破棄をこの国の王太子。
マルクス•アウレリウス。
「へぇ、、私を覚えていらっしゃるとは、脳みそは正常のようでしたのね」
「‥‥なっ!失礼だぞ!私はこの国の王太子でありーー挨拶がまだされてない。あぁ、ずっと病弱で学がないのだな。かわいそうに」
そう王太子が言うとクスクスと笑う者達がいた。
「マルクス!駄目よ!この子はね、まだ何もわかってないの!私達が優しくしてあげないと」
「メロディ、君は本当に優しい子だな‥‥」
「あ、もう。みんなの前でそんな近づいて駄目よ!まだ正式な婚約者じゃないし。恥ずかしいわ」
いや、何急にコント初めてるのよ?急に現れたピンク令嬢‥‥あの牢屋に現れた子ね。廊下で控えているジャックに気付き、可愛いらしく手を振るピンク令嬢にジャックはガン無視をしていた。
彼女の取り巻き達がやって、ニヤニヤしながら私の前に来た。王太子が話しかけてきたから、今度は自分達だといわんばかりに。
「あの女の妹なんだろ?」
「ふふ、やだわ。またクラスの空気が悪くなるわ」
「顔もそっくりで気持ちが悪い」
そう取り巻き達が言うとピンク令嬢は慌てて
「だ、駄目よ!そんな事いって‥‥」
とかいいながら口元にやけてるの丸わかり。
クラス全員が笑っている。ウィンチェスター家は格式が高い家柄なのに、何故こうも下に見られるわけ?
なるほど。
アリア姉様は‥‥こんな扱いをされてたのね。
可哀想に。
私はハンカチを鼻に当てて話した後、教室へでる。王太子もピンク令嬢も何故私が教室へ出たのかわからないという顔だった。
「確かに空気が悪いですわ。こんなに汚い虫がいるんですもの。大変っ、ジャック」
「ハッ」
その瞬間、クラス中白い粉だらけになった。
転校生スピカ•ウィンチェスターがやってきた時、クラス中が虫避け粉だらけになり、髪も制服も粉だらけでクラス中悲鳴をあげていた。
「な、ななによ!これ!ペッ!」
「クソ!粉だらけだ!」
「メイクが崩れちゃった!!」
クラス中粉だらけで、大騒ぎし、他のクラスがどうしたんだと野次馬も集まり、見に来ていた。
パチパチと拍手をしていたスピカに、粉だらけのマルクス王子は怒っていた。
「おい!!一体なんのつもりだ!!」
そうマルクス王子がスピカに問い詰めると、スピカはキョトンとした後、ニッコリと可愛いらしく微笑んで話す。
「害虫駆除⭐︎」
それはそれはとても、クラスの無様な格好を一人で笑い、可愛いらしい笑顔が故に、他のクラスの一部は少しだけスピカを恐れを感じていた、らしい。
ーー拝啓愛しいアリア姉様へーー
天国にいるアリア姉様は今何をしていますか?大好きなチョコレートケーキを食べているかもしれないわね。
私は、アリア姉様が通っていた学園へ通う事になりました。
あぁ、学園には沢山害虫がいるのを知りましたので早めに片づけようかと思う。
初めての学園でドキドキしちゃうけど‥
なんとか上手くやっていけそうよ。
「よし、こんな感じかな」
「スピカお嬢様も日記を始めるのですか?」
「日記というより手紙に近いかもね。ジャック、今日はいい気分だから甘いチョコレートケーキを食べるわ。お前も一緒に食べましょう」
「‥貴女には敵いませんよ。本当に」
私は屋敷に帰り、テラスでティーカップを3つ用意してもらいジャックと一緒にチョコレートケーキを食べた。
アリア姉様が大好きなチョコレートケーキを。
「あの可愛らしく小さな君が‥‥大きくなったと思えば‥‥亡くなったとはな‥‥‥駄目な大人達ばっかりだなあ‥‥」
「ならば、今からでも役に立ってくださいませ」
そうクロックスに話しをかけたのは、同じく赤い薔薇を持って制服姿のスピカだった。
ジッと見つめるスピカに、クロックスはもう一度墓の前の方を見る。
「分家の奴らがうるさいんだろ。そこはまあ、、、こっちで処理をする」
「当たり前です。そろそろウィンチェスター家の一員と自覚してください」
「はは、亡くなった兄貴にもよく言われたよ。‥‥本業はまあ‥少し休むとしてーー‥‥可愛い姪の頼みだからな。アリアに頼まれてていたからな、『もし自分に何かあればスピカを助けてあげて』と」
そうクロックス叔父様はパンパンな頬の不恰好のまま、とりあえずはウィンチェスター家代理として仕事をしてくれるようになった。
クロックス叔父様もそうだけど、私自身‥‥全部アリア姉様に甘えていた側だわ。
「だから、これからは私がしっかりしなきゃいけないわね。ジャック、学園へ行くわよ」
「‥‥かしこまりました」
私はアリア姉様が着ていた制服を着て馬車に乗り学園へと向かう。
王都学園は学園内では平民も貴族も関係のなく『平等』にて生徒達は過ごしているが、それでも貴族階級が根強く、今では王太子達とメロディ男爵令嬢が学園の中心となり、誰も逆らえないという構図になっていた。
ウィンチェスター家次期当主となっていたリゲルは平民へと落ちぶれ学園へ姿を見せなくなった事だけでも学園内は大騒ぎしていた中、ある令嬢達の間では噂が流れていた。
『悪役令嬢のアリア•ウィンチェスターの亡霊がうろついてる』
そう囁かれていた。
ザワザワと生徒達が学園内で話しをしていた時、金髪の赤い瞳の女子生徒が執事を連れて廊下に歩いていた。
「ヒッ!?あ、アリア•ウィンチェスター‥?!」
「は?嘘だろ?彼女は‥‥」
「彼女は‥‥」
「「「死んだはず‥‥」」」
生徒達が固まっていると、アリア•ウィンチェスターにそっくりな令嬢は目が合った人にニッコリと微笑みかけてまた歩き出す。
頬を赤らめた男子生徒にそばにいた友人に話しかける。
「お前何見惚れてるんだよ!てか、あ、アリア嬢はいつも無表情だった、さっきのそっくりな彼女は一体何者なんだ?!」
教室がガヤガヤと虫のようにうるさく、私が気になるのか生徒達の視線は私に集中していた。学園って初めてだからこういうものなのかな?
隣りにいる先生は咳払いをしてから私を紹介する。
「あー、コホン。彼女は亡くなったアリア•ウィンチェスターの双子の妹であるスピカ•ウィンチェスターだ。スピカくん、君の席はーー」
「アリア姉様が使っていた席で十分です」
「そ、そうか。えーまあ、、その‥みんな仲良くするように」
そう私を紹介し、ささっと逃げるように先生は教室へと出ていく。私が一歩一歩歩くたびに、クラスの子は幽霊をみるかのように驚いて固まっていた。
一番後ろの窓側の席‥‥アリア姉様が座っていた席ね。ふふ、嬉しい。
「やあ、君がアリアの妹か。一度会っていたな。まあ、あの女より表情が豊かみたいだな。歓迎するよ」
席へ座った途端、偉そうに私に話しかけてきたのはーー銀髪の青年‥この人が
アリア姉様に婚約破棄をこの国の王太子。
マルクス•アウレリウス。
「へぇ、、私を覚えていらっしゃるとは、脳みそは正常のようでしたのね」
「‥‥なっ!失礼だぞ!私はこの国の王太子でありーー挨拶がまだされてない。あぁ、ずっと病弱で学がないのだな。かわいそうに」
そう王太子が言うとクスクスと笑う者達がいた。
「マルクス!駄目よ!この子はね、まだ何もわかってないの!私達が優しくしてあげないと」
「メロディ、君は本当に優しい子だな‥‥」
「あ、もう。みんなの前でそんな近づいて駄目よ!まだ正式な婚約者じゃないし。恥ずかしいわ」
いや、何急にコント初めてるのよ?急に現れたピンク令嬢‥‥あの牢屋に現れた子ね。廊下で控えているジャックに気付き、可愛いらしく手を振るピンク令嬢にジャックはガン無視をしていた。
彼女の取り巻き達がやって、ニヤニヤしながら私の前に来た。王太子が話しかけてきたから、今度は自分達だといわんばかりに。
「あの女の妹なんだろ?」
「ふふ、やだわ。またクラスの空気が悪くなるわ」
「顔もそっくりで気持ちが悪い」
そう取り巻き達が言うとピンク令嬢は慌てて
「だ、駄目よ!そんな事いって‥‥」
とかいいながら口元にやけてるの丸わかり。
クラス全員が笑っている。ウィンチェスター家は格式が高い家柄なのに、何故こうも下に見られるわけ?
なるほど。
アリア姉様は‥‥こんな扱いをされてたのね。
可哀想に。
私はハンカチを鼻に当てて話した後、教室へでる。王太子もピンク令嬢も何故私が教室へ出たのかわからないという顔だった。
「確かに空気が悪いですわ。こんなに汚い虫がいるんですもの。大変っ、ジャック」
「ハッ」
その瞬間、クラス中白い粉だらけになった。
転校生スピカ•ウィンチェスターがやってきた時、クラス中が虫避け粉だらけになり、髪も制服も粉だらけでクラス中悲鳴をあげていた。
「な、ななによ!これ!ペッ!」
「クソ!粉だらけだ!」
「メイクが崩れちゃった!!」
クラス中粉だらけで、大騒ぎし、他のクラスがどうしたんだと野次馬も集まり、見に来ていた。
パチパチと拍手をしていたスピカに、粉だらけのマルクス王子は怒っていた。
「おい!!一体なんのつもりだ!!」
そうマルクス王子がスピカに問い詰めると、スピカはキョトンとした後、ニッコリと可愛いらしく微笑んで話す。
「害虫駆除⭐︎」
それはそれはとても、クラスの無様な格好を一人で笑い、可愛いらしい笑顔が故に、他のクラスの一部は少しだけスピカを恐れを感じていた、らしい。
ーー拝啓愛しいアリア姉様へーー
天国にいるアリア姉様は今何をしていますか?大好きなチョコレートケーキを食べているかもしれないわね。
私は、アリア姉様が通っていた学園へ通う事になりました。
あぁ、学園には沢山害虫がいるのを知りましたので早めに片づけようかと思う。
初めての学園でドキドキしちゃうけど‥
なんとか上手くやっていけそうよ。
「よし、こんな感じかな」
「スピカお嬢様も日記を始めるのですか?」
「日記というより手紙に近いかもね。ジャック、今日はいい気分だから甘いチョコレートケーキを食べるわ。お前も一緒に食べましょう」
「‥貴女には敵いませんよ。本当に」
私は屋敷に帰り、テラスでティーカップを3つ用意してもらいジャックと一緒にチョコレートケーキを食べた。
アリア姉様が大好きなチョコレートケーキを。
応援ありがとうございます!
2
お気に入りに追加
40
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる