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へっぽこ姫の仲良し作戦⑧ 八章 家族編

国王の後悔と懺悔

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目の前にいたモルガ軍の兵を一気に倒し、エメラルド達の後ろにいた騎士団達はうおー!っと歓喜の声が響いていた。

「さすが天使様!いや、妖精様も一緒だな!」

「勝利の天使!」


クロマシューは満足気な顔をし、また光輝いて元の姿に戻った。クロは、フン!という顔でピンピンとしていたけど、マシューは色々と疲れてしまったのか私のマシュマロリュックの中へと丸まって入りお昼寝をし始めた。

クロもマシューもお疲れ様だね!

ガーネット兄様は私の顔をジッと見つめ

「……いつそうなった?」

「へ?クロマシューのこと??」

「……違う。その髪だ」

「髪?」

私の髪がどうしたの??ハウライト兄様とリビアも私をジッと見つめてるし。なんだろう?

「ねぇねぇ、僕もずっと気になってたんだけどエメの髪の毛半分、金髪色になってるよ。ハウライトと同じ色!」

「え?そうなの?!!」

プリちゃんにそう言われてビックリ!鏡を持ってないからわからないでいると、リビアがパチンと指を鳴らした瞬間、氷で出来た鏡を作ってくれた。鏡を見ると私の髪の毛半分金髪になってる!!?なんで?!

「わわ!なんかこれ、髪の毛染めてないプリンみたい!」

「ハイ!僕プリンすきだよ!あ、プリンでも硬めのがすき!」

プリちゃんよ、プリンはプリンでも髪の毛がプリン状態なのだ!というかなんでこうなったの?以前たしかに、髪の毛の毛先が少ーしだけ金色になってたままだけど特にそこから何も変わってなかったのに。よくわからないや。

「おや、それは聖獣様の力が姫様の体に反映されたようですね」

声がする方へ振り向くと、レピさんや、プリちゃんのパパとお師匠さん、ハナナ女王やナグサ王にレモン姫やオーロラ、シャトルさん、みんなが集まってきてくれた。これまた、全員集まってるなあ。隣にいたハウライト兄様の眉毛がピクンと動いてから、スタスタとヒロインオーロラの方へと歩いていった。…笑ってたけど、あれは笑ってない顔だったぞ!

「君、なんでここにいるわけ?さっき僕に拳でパンチしてきたよね?危険な事してるのはどちらなわけ?」

「えっと…それは…姫様や皆さんが心配ですし…」

「心配?心配だから、こんな戦場に来るわけ?今頃君の家族が心配してるはずだよ」

「……うっ…はい……そうですよね…すいません」


そしてガーネット兄様は無言の圧力でレモン姫を睨んでおります!怒っているみたいでレモン姫はガーネット兄様の目を逸らした。あ、口笛吹いて誤魔化してる!さっきとは立場が逆になったみたいだね。

「いってぇ…なにもタンコブできるほど殴らなくてもいいじゃえねか…」

「ブラッド君。タンコブだけなら良いじゃないですか、こちらは後で精神的な苦痛のお仕置きがまってるんですから!」

そして……うん。ブラッドとユー君は、ぷかぷかと飛ぶジュウタンに乗りながら正座していました。ブラッドの頭に大きなタンコブがあるよ…痛そう。二人とも怒られたんだね。

…あれ、私も絶対怒られるよね?
ハウライト兄様は

「エメラルド、あとでアンに報告するからね」

ニッコリと私にそう微笑むハウライト兄様が怖いよ!背筋がヒヤヒヤしちゃった!え、まって?
アンにだけは言わないで?またマシュマロの量が減る!!

「エメラルド!プリムラ!お主ら大丈夫かえ?」

「「ハナナ女王様!」」

ハナナ女王様は私とプリちゃんをギュッと抱きしめてくれた。とにかくなんとか大丈夫だと、みんなとワイワイ話あっていた時、全員の顔が青くなりはじめた。え?どうしたの?!

ハナナ女王の手がプルプルと震えていた。プリちゃんと私は首を傾げた。また闇の精霊の影響なのかな??

「クロ!クロもいるからみんな青リンゴさんみたいな顔になったよ」

《馬鹿者。これは私のせいではない。後ろを見ろ》

プリちゃんは、何やら後ろを振り向いたので私も一緒に振り向いた。


「……何…あれ……」


禍々しい黒いオーラを放ち、複数の頭があり、沢山のうめき声が聴こえてくる大きな…本当に大きな…全身血のような真っ赤な色の

「……ドラゴン!?」


「ギャァアアアアアアアアアオ!!!」


赤いドラゴンが声を出した瞬間、口から炎をだしこちらを攻撃しはじめた!いや、こんなの前世でよくみるゲームにでてくるみたいなやつじゃん!

「「みんな!ふせろ!!」」

ガーネット兄様とハウライト兄様が私の前に立ち声を出した瞬間一気に地面に穴が空き割れていた。ガーネット兄様とハウライト兄様、リビア三人でバリアをつくって守ってくれたみたい!助かった!

「リビア!」

「……エメを傷つけようとする奴は許さないからね」

リビアはニッコリと私にそう微笑み、兄様達はムスッとなんだか面白くなさそうな顔をしていた。

「…やだわん!なんなのあの化け物は!?みんなとりあえず撤退よ!子供達も早く!」

シャトルさんが騎士団達にそう指示をしていたとき、ハナナ女王とナグサ王は

「…あんな化け物見た事がないぞ…膨大魔力の力も感じるのぅ…」

「うむ。あんな強大な力がある生き物をモルガは連れてきたみたいだな!よし、子供達は早くこの場から離れろ!ここは我々が食い止める!」

もう一度クロとマシューに協力をお願い…だめだ!クロは起きてるけど、マシューはもうスヤピピ状態!爆睡だよう?

「ギャァアアアアアアアアアアア!」

「わわわ!またこっちに攻撃してく…ん?」

あの赤いドラゴンの目…沢山頭がある内の一匹だけ見た事がある目だ……太陽のように綺麗な金色の目…あれは…

「…ハウライト、二人で一気に力を溜めてあの化け物を倒すぞ」

「うん、そうだね」

ガーネット兄様とハウライト兄様はそう攻撃しようとしたところを私は二人の服を引っ張って止めた。

「だめ!!攻撃しちゃだめ!」

ガーネット兄様とハウライト兄様は首を傾げていたけど…アレは…あのドラゴンまさか…

クロがテクテクと面倒な顔をしながら、私達の前に出てフウと黒いモヤをだして吹きかけた。その黒いモヤを吸い出した時、赤いドラゴンの方からパパの声が聞こえてきた。

《私が全て悪かった》

《家族を守れなかった、何が王だ。何一つ、駄目だった》

《ガーネットの事も》

《ハウライトの事も》

《沢山傷つけて…母親を…ローズを…失ったのは全部私のせいだ》

悲しくて、辛くて、悔しくて、後悔ばかり、自分を責めている沢山の声……


「この声って……ガーネットこれって…」


「……かすかに、魔力の感じ方が…似ているな」


私はガーネット兄様とハウライト兄様の服を握りしめたまま手が震えていた。

この赤いドラゴン…化け物は…

「……パパぁ…!!」











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