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#22 瞼の裏の少年
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長谷部を送り届けて、竜司は帰路に着いた。
「ただいまー」とお留守番をさせた縁司に言う竜司に、リビングから「おかえりー」なんて縁司の声が聞こえた。それににこにこと竜司もリビングに向かった。
「お留守番ありがとね」
「本当にだよw 兄貴に頼んだのが運の尽きってやつだったなー」
茶化すように縁司は竜司に言う。
言われた竜司は、
「酷い言い様だなー全く。少しは反省をしたらどうなんだい」
少し棘のある言葉を返した。
「反省つったって、する必要なんかないじゃんー」
しれっと言い返す縁司に竜司もため息を吐いた。
「本当にー縁司君はー」
呆れたという表情の竜司に「あのさー兄貴ぃ~~」と縁司も言いかけたのだが。すぐに口を縁司も閉ざした。
「? 何ー今、呼んだかい、縁司君??」
「んにゃー~~お呼びしておりまっせぇ~~ん」
「本当に少しは後悔しないと、本当に痛い目にあっちゃうんだからねっ!」
ふてぶてしい態度の縁司に経験をもとに注意をするのだが。経験もない縁司にとっては、胸にも頭にも残らない言葉でしかない。
「昔はあんっっっっなにっ、可愛かったのなぁー~~っ」
ぶちぶちと愚痴る竜司を横目に縁司も思うところがある。
(これ以上、兄貴を巻き込むってのも罪悪感が半端ねぇよなぁ~~w)
「本当に、もうママ活とか止めておくれよ? 何かあってからじゃ遅いんだからねっ」
着替えて元の場所に腰かける竜司の背中に、また縁司も背中をひっつけた。
縁司の温もりに、その重みに竜司も安心をする。
「んなドジなんかねぇーってのぉう~~」
「そういう安易な考えがねーダメなんだってばぁーもぉう」
頬を膨らませて竜司も身体を揺らした。
「お兄ちゃんを心配させないでおくれよ。禿ちゃうじゃないか」
「まだ、そんな歳じゃねぇでしょw 兄貴ってばw」
「お兄ちゃんは、もうおじさんなんだよ。42歳なんだからね」
竜司に揺らされる縁司も、
「とりあえずさー金貰ってもいいかなぁ? マジで金欠なんだわー」
ぶれることなく、ママ活で竜司が海潮から受け取った報酬を要求した。
それに竜司も振り向くことなく手だけを後ろにやった。
お金が握られていて、縁司も受け取った。
「これで全額? 半分なのー?」
受け取った金額に縁司は竜司に確認をした。
思いもしない金額だったからだ。
「半分だよ。なくなったら、また渡すよ」
「はァー~~? オレはもうガキじゃないんだぜぇーんな小遣いみってぇなこと――」
「ガキだからお金の感覚がおかしいんじゃないのかい? 全くっ」
「っわぁ~~ったよw はいはい」
縁司は竜司の背中に体重をかけた。前のめりになる竜司も「こらこらっw」と笑っていた。結局のとこと怒っても注意して言い合っても。
仲がいい兄弟な訳だ。
「…あのよぉうー兄貴ぃ? ちなみにママ活の野郎の店ってどこにあんのぉ?」
「教えないよ? 教えたら縁司君のことだし、行く気でいるでしょ?」
弟の問いかけを一蹴する兄に、縁司も図星だったのか舌打ちをした。
流石に縁司の行動など把握済みの竜司だ。
「横道に反れる真似なんかさせてたくなんかないんだよ。父さんや母さんを悲しませたくなんかないからね」
しみじみと言う竜司に縁司も言い返すことも出来ない。
「そりゃあー~~そぉうっすねw」
しかし、諦めきれない。
どうしても行ってみたくもなった。
「店の名前は? そんぐらいならいいでしょ~~」
「まぁ、…あ。名前、聞いてないや…」と素で言い返した竜司に縁司も目を閉じてため息を吐いた。その瞼の裏に浮ぶのは――
『死ねっ』
一回りと若い少年だった。
「兄貴のドジぃーw」
股間も熱く縁司は勃起をさせた。
「ただいまー」とお留守番をさせた縁司に言う竜司に、リビングから「おかえりー」なんて縁司の声が聞こえた。それににこにこと竜司もリビングに向かった。
「お留守番ありがとね」
「本当にだよw 兄貴に頼んだのが運の尽きってやつだったなー」
茶化すように縁司は竜司に言う。
言われた竜司は、
「酷い言い様だなー全く。少しは反省をしたらどうなんだい」
少し棘のある言葉を返した。
「反省つったって、する必要なんかないじゃんー」
しれっと言い返す縁司に竜司もため息を吐いた。
「本当にー縁司君はー」
呆れたという表情の竜司に「あのさー兄貴ぃ~~」と縁司も言いかけたのだが。すぐに口を縁司も閉ざした。
「? 何ー今、呼んだかい、縁司君??」
「んにゃー~~お呼びしておりまっせぇ~~ん」
「本当に少しは後悔しないと、本当に痛い目にあっちゃうんだからねっ!」
ふてぶてしい態度の縁司に経験をもとに注意をするのだが。経験もない縁司にとっては、胸にも頭にも残らない言葉でしかない。
「昔はあんっっっっなにっ、可愛かったのなぁー~~っ」
ぶちぶちと愚痴る竜司を横目に縁司も思うところがある。
(これ以上、兄貴を巻き込むってのも罪悪感が半端ねぇよなぁ~~w)
「本当に、もうママ活とか止めておくれよ? 何かあってからじゃ遅いんだからねっ」
着替えて元の場所に腰かける竜司の背中に、また縁司も背中をひっつけた。
縁司の温もりに、その重みに竜司も安心をする。
「んなドジなんかねぇーってのぉう~~」
「そういう安易な考えがねーダメなんだってばぁーもぉう」
頬を膨らませて竜司も身体を揺らした。
「お兄ちゃんを心配させないでおくれよ。禿ちゃうじゃないか」
「まだ、そんな歳じゃねぇでしょw 兄貴ってばw」
「お兄ちゃんは、もうおじさんなんだよ。42歳なんだからね」
竜司に揺らされる縁司も、
「とりあえずさー金貰ってもいいかなぁ? マジで金欠なんだわー」
ぶれることなく、ママ活で竜司が海潮から受け取った報酬を要求した。
それに竜司も振り向くことなく手だけを後ろにやった。
お金が握られていて、縁司も受け取った。
「これで全額? 半分なのー?」
受け取った金額に縁司は竜司に確認をした。
思いもしない金額だったからだ。
「半分だよ。なくなったら、また渡すよ」
「はァー~~? オレはもうガキじゃないんだぜぇーんな小遣いみってぇなこと――」
「ガキだからお金の感覚がおかしいんじゃないのかい? 全くっ」
「っわぁ~~ったよw はいはい」
縁司は竜司の背中に体重をかけた。前のめりになる竜司も「こらこらっw」と笑っていた。結局のとこと怒っても注意して言い合っても。
仲がいい兄弟な訳だ。
「…あのよぉうー兄貴ぃ? ちなみにママ活の野郎の店ってどこにあんのぉ?」
「教えないよ? 教えたら縁司君のことだし、行く気でいるでしょ?」
弟の問いかけを一蹴する兄に、縁司も図星だったのか舌打ちをした。
流石に縁司の行動など把握済みの竜司だ。
「横道に反れる真似なんかさせてたくなんかないんだよ。父さんや母さんを悲しませたくなんかないからね」
しみじみと言う竜司に縁司も言い返すことも出来ない。
「そりゃあー~~そぉうっすねw」
しかし、諦めきれない。
どうしても行ってみたくもなった。
「店の名前は? そんぐらいならいいでしょ~~」
「まぁ、…あ。名前、聞いてないや…」と素で言い返した竜司に縁司も目を閉じてため息を吐いた。その瞼の裏に浮ぶのは――
『死ねっ』
一回りと若い少年だった。
「兄貴のドジぃーw」
股間も熱く縁司は勃起をさせた。
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