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#47 お持ち帰りの扇さん
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(っど、どうしたいいんだ!?)
「ぇ、ぇえっとー~~」
突然の告白と剣幕に腰も引き気味の竜司である。
冷や汗と外にまで聞こえるんじゃないのかと思うほどの心臓音。
「好きなのか、嫌いなのかじゃないのw」
戸惑う竜司に扇も肩を竦めて優しく言葉をかけた。
確かに、彼の言葉の通りなのだが。
「出来れば。好きの言葉を聞きたいところなんだけど?」
口端を吊り上げて笑う扇に、
スキ。
竜司も、感情をそのままと言いたくもなるのだが。
しかし、やはりというか自信がないのだ。
年齢差もきになってしまう。
こんなおじさんである自身が4歳差にしろ、若い彼の未来の足枷にならないか。
女性と結婚して子どもを授かる未来だってあるという現実問題に顔を縦に振る真似を身勝手にも、軽く頷くことなんか怖くて出来ない訳だ。
頭の中は、こんなにも文字と彼の未来で埋め尽くされているというのに。
スキ。
スキ。
スキ。
心が溢れてしまう。
今、心の言葉を漏らせば。
目の前の彼が強く抱きしめてキスをしてくれるだろう。
なんて素敵なことだろうか。
「答えることも出来ないのw?」
少し低い口調の扇に竜司の身体がビクついた。
少なからず。
彼からの告白は【現実】だ。
ここで竜司が「嫌いだ」と言ってしまえば終わる恋愛。
だが、言葉が喉から出てこない。
突き放す真似が出来ない。
「なぁ? どっちなの? ぅん?」
「っぼ。僕は」
「うんw」
「ぼぼぼぼ、僕は――……」
「うん」
「縁司の身代わりにはならないよ?」
震えた言葉をようやく絞り出せた。
「ぅんンん????」
だが、その言葉を扇には理解が出来ずに聞き返してしまう。
どうして、そんな言葉が彼から出るのかが理解出来ないからだ。
「私が竜司君を身代わりにしてるって????」
「っそ、そぉだよっ」
「なんでなのかなぁ????」
「縁司君の顔、だから好きなんじゃないの?」
「まぁ、……似てる、よねぇ? え?!」
「僕みたいなおおおお、おじさんなんかに告白するなんてあり得ないもんンんんっっっっ!」
「ぇえー~~……弱ったなぁw」
泣き出してしまった竜司に扇も頭を掻いた。
「縁司君ンん? お兄さんお借りしてもいいっかなぁああ!?」
扇の言葉に「いいけど。生きて帰してくれよ?」などと縁司も頷く。
そんな彼の様子を長谷部は目を細めて見つめていた。
(少しは止めたらどうよ。何かされてからじゃあ遅いつぅのによぉう)
モノ言いたそうな長谷部の視線に気がついたのか、
「いい歳したおっさんなんだから、お好きにしたらいいのさw」
ウインクをして長谷部に聞こえるように言い捨てる。
確かに一理はあるのだが。あるのだとしても、今のそれでは身売りに近い。
「なぁ? 長谷部ぇちゅわぁん?」
「へ?」
「そう思うでしょうw?」
「ゃ、あ、……まぁ、いい歳なのは、ぅん」
「なんで、お好きにしてよw 義兄さんw」
縁司の言葉に扇の目が丸くなった。
「兄貴を口説き落として見てよ」
親指を立てる彼に長谷部は目を閉じた。
「うん。おじさん、頑張るよぉうw」
まとまりつつ、その場がバーだとも忘れて盛り上がる彼ら。
だが、そんな彼らの騒ぎなど誰一人として気にする客も店員もいない。
「さぁあってとw」
「え゛!?」
「行っきますっかぁー~~wwwww」
能天気な声を出しつつ扇は竜司の腕を掴み歩き出した。
突然の行為に竜司も上擦った声と、指先の熱に首を捻る。
強引な行為なのだが、今の竜司には、その手を掃う真似が出来なかった。
「す、き……」
とても小さな声で、大きな店内の音にかき消されてしまう。
「え? 何だってw????」
顔をブンブン! と竜司は左右に振ることしか出来なかった。
「ふぅん? さささ! 行っっっっくよぉうー~~w」
「ぁ。ど、どこに!?」
声を上げて扇に竜司は声をかけた。
それに扇も、声を上げて応えた。
「私の家っでぇえっすぅうwwwww」
「ぇ、ぇえっとー~~」
突然の告白と剣幕に腰も引き気味の竜司である。
冷や汗と外にまで聞こえるんじゃないのかと思うほどの心臓音。
「好きなのか、嫌いなのかじゃないのw」
戸惑う竜司に扇も肩を竦めて優しく言葉をかけた。
確かに、彼の言葉の通りなのだが。
「出来れば。好きの言葉を聞きたいところなんだけど?」
口端を吊り上げて笑う扇に、
スキ。
竜司も、感情をそのままと言いたくもなるのだが。
しかし、やはりというか自信がないのだ。
年齢差もきになってしまう。
こんなおじさんである自身が4歳差にしろ、若い彼の未来の足枷にならないか。
女性と結婚して子どもを授かる未来だってあるという現実問題に顔を縦に振る真似を身勝手にも、軽く頷くことなんか怖くて出来ない訳だ。
頭の中は、こんなにも文字と彼の未来で埋め尽くされているというのに。
スキ。
スキ。
スキ。
心が溢れてしまう。
今、心の言葉を漏らせば。
目の前の彼が強く抱きしめてキスをしてくれるだろう。
なんて素敵なことだろうか。
「答えることも出来ないのw?」
少し低い口調の扇に竜司の身体がビクついた。
少なからず。
彼からの告白は【現実】だ。
ここで竜司が「嫌いだ」と言ってしまえば終わる恋愛。
だが、言葉が喉から出てこない。
突き放す真似が出来ない。
「なぁ? どっちなの? ぅん?」
「っぼ。僕は」
「うんw」
「ぼぼぼぼ、僕は――……」
「うん」
「縁司の身代わりにはならないよ?」
震えた言葉をようやく絞り出せた。
「ぅんンん????」
だが、その言葉を扇には理解が出来ずに聞き返してしまう。
どうして、そんな言葉が彼から出るのかが理解出来ないからだ。
「私が竜司君を身代わりにしてるって????」
「っそ、そぉだよっ」
「なんでなのかなぁ????」
「縁司君の顔、だから好きなんじゃないの?」
「まぁ、……似てる、よねぇ? え?!」
「僕みたいなおおおお、おじさんなんかに告白するなんてあり得ないもんンんんっっっっ!」
「ぇえー~~……弱ったなぁw」
泣き出してしまった竜司に扇も頭を掻いた。
「縁司君ンん? お兄さんお借りしてもいいっかなぁああ!?」
扇の言葉に「いいけど。生きて帰してくれよ?」などと縁司も頷く。
そんな彼の様子を長谷部は目を細めて見つめていた。
(少しは止めたらどうよ。何かされてからじゃあ遅いつぅのによぉう)
モノ言いたそうな長谷部の視線に気がついたのか、
「いい歳したおっさんなんだから、お好きにしたらいいのさw」
ウインクをして長谷部に聞こえるように言い捨てる。
確かに一理はあるのだが。あるのだとしても、今のそれでは身売りに近い。
「なぁ? 長谷部ぇちゅわぁん?」
「へ?」
「そう思うでしょうw?」
「ゃ、あ、……まぁ、いい歳なのは、ぅん」
「なんで、お好きにしてよw 義兄さんw」
縁司の言葉に扇の目が丸くなった。
「兄貴を口説き落として見てよ」
親指を立てる彼に長谷部は目を閉じた。
「うん。おじさん、頑張るよぉうw」
まとまりつつ、その場がバーだとも忘れて盛り上がる彼ら。
だが、そんな彼らの騒ぎなど誰一人として気にする客も店員もいない。
「さぁあってとw」
「え゛!?」
「行っきますっかぁー~~wwwww」
能天気な声を出しつつ扇は竜司の腕を掴み歩き出した。
突然の行為に竜司も上擦った声と、指先の熱に首を捻る。
強引な行為なのだが、今の竜司には、その手を掃う真似が出来なかった。
「す、き……」
とても小さな声で、大きな店内の音にかき消されてしまう。
「え? 何だってw????」
顔をブンブン! と竜司は左右に振ることしか出来なかった。
「ふぅん? さささ! 行っっっっくよぉうー~~w」
「ぁ。ど、どこに!?」
声を上げて扇に竜司は声をかけた。
それに扇も、声を上げて応えた。
「私の家っでぇえっすぅうwwwww」
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