私がいつの間にか精霊王の母親に!?

桜 あぴ子(旧名:あぴ子)

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第2章 王都へ

83 マール町④

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コンコンコン

アランさんが扉をノックする。 

「はいっ。どうぞ」
「「「お邪魔しまーすっ」」」


中からハル君の声が聞こえ、アランさんが扉を開けてくれたので、そのままみんなで部屋にはいる。
部屋の中にはマーヴェイさんとハル君がいて、椅子に向かい合わせに座って何やらお話ししている。

「ハル君っ!」
「あ。キャシー!みんなも」

ハル君は私たちに気づいて、椅子から降りるとこちらにやって来る。

「ハル君もキャシーちゃんに先に目が行くのね」

アミーちゃんはまた、先程と同じようににやにやしている。
これも女子会のときに教えてくれるのかな?

「もう具合はいいのか?」
「うんっ。心配してくれてありがとう。でも、もう大丈夫っ」

キャシーちゃんはハル君に心配してもらって嬉しそうだ。同い年の幼馴染みっていいなぁ。
私はすぐ下の子でも7歳だから、ついお姉さん目線になっちゃうし。幼馴染みって感じじゃないんだよねぇ。

「ハル君っ。3日目に泊まる町で観光する時間を作ってくれるんだって!その町は海に面してて、珍しいものがいっぱいあるって教えてもらったの」
「へえっ!楽しみだなっ」
「うんっ」

 
二人の会話が落ち着いたところで、みんなで椅子に座ることにする。

「どうぞ」
「「「「ありがとうございます」」」」

護衛の仕事にお茶いれは含まれていないだろうに、アランさんがみんなにお茶をふるまってくれた。
お手伝いを申し入れたけど、子供が遠慮しないと断られてしまったのだ。
アランさんがいれてくれたお茶をみんなで一口飲む。
お茶は花の香りのようなとても華やかで良い香りがした。

「「「「おいしいっ」」」」
「ふふ。アランは料理は全然ダメだけど、お茶をいれるのだけは上手なのよ」
「おい。だけって何だよ」

シーラさんをアランさんが咎めるけど、シーラさんは何処吹く風だ。

「あら。だって本当の事でしょ。ねぇ、マーヴェイ」
「ん」
「ちぇっ」
「悔しかったら、少しは料理を覚えることね」
「わかったよ」

アランさんたちは本当に仲良いなぁ。

「そうだっ!さっきハル君とマーヴェイで何か話してただろう。どんな話してたんだ?」

話題を変えるためか、アランさんがマーヴェイさんに問いかける。

「ああ。俺たちの事を少し」
「マーヴェイさんたちはC級冒険者なんですよね!C級になるのも大変って親父に聞いたことがありますっ。すごいなぁっ」

ハル君は興奮したように話すと、マーヴェイさんたちを尊敬の眼差しで見ている。
えっと、確か冒険者のランクも相性度のランクと一緒の数え方だったはず。
と言うことは、お父さんの一つ下のランクなんだ。

「C級冒険者なら探せばいくらでもいるさ。まぁ、俺たちはB級になるために頑張ってるところなんだけどさ」
「B級ってすごいんですか?」
「そうだね。一般的にF級は見習い冒険者で、E級になってやっと冒険者を名乗れるレベルになる。D、C級は中級レベルだな。このランクになると指名依頼が来たり、受けれる仕事も増える。でも、B級からは別格だ。Cランク以下とは扱いが大きく異なる。上級冒険者の名に恥じない扱いを受けるし、実力も相当にないとなれない。」
「B級冒険者になるには昇進試験を受けなくちゃいけないし、本当に大変なのよね」

アランさんたちの話を聞いて、お父さんがすごい冒険者だったことがわかって、嬉しくなる。
思わず口許がによによしちゃう。
みんなに気づかれないように、私は必死に顔を引き締める。

「ちなみに、A級やS級は?」

キャシーちゃんも気になったのか、更に突っ込んだ質問をアランさんたちに聞いている。

「A級は加護持ち並みになれる人が少なくて、英雄級の強さを持つ。S級は人外級の強さを持つ人たちで、今現在は世界に8人しかいないんだ。俺たちではB級にはなれても、A級は難しいだろうな」

アランさんはそう言うけど、その瞳は全く諦めていなかった。

「でも、冒険者であるうちは高みを目指して頑張るつもりだけどね」

アランさんの言葉にシーラさんとマーヴェイさんは頷く。
その時の三人の表情は本当に格好よかった。

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