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第2章 王都へ

126 以心伝心?

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『ね、姐さん?もう、怒ってないって言ってなかったか?』
「にゃん!」 

リードの言葉に同意するように激しく首を縦に振るマーブル。

「怒ってはないよ?マーブルが反省してるのもわかってるし。だから、お説教と言うよりは話し合いに近いかな?」
「にー?」

首をかしげているマーブルと視線を合わせ、私の気持ちを伝える。

「私がさっき何で怒ってたかはわかってる?」
「にゃんにゃごにゃ?」
『怪我させたから?だってさ』
「うん、そうだね。それに、魔力で脅したことも怒ってた」
「にー…」
「マーブルはファムたちが私にちょっかいかけたからって言ってたけど、実際はマーブルに興味があって近づいてきたんでしょう?勘違いで怪我させられて、脅されるなんて可哀想過ぎるよ」
「にゃんにゃんにーっ!」
『でも、あいつだって許可なくポシェットに鼻を突っ込んできたーっ!って』
「確かに寝起きのところを突然侵入されたら驚くのは当然だね。それは止められなかった私も悪かったと思う。ごめんね」

あそこで止められてたら、怪我させることもなかったと思うので、マーブルに謝る。頭を下げてマーブルに謝ると、まさか私に謝られると思っていなかったのかマーブルが私の手の中でわたわたする。

「にゃ、にゃにゃにゃっ」
『マ、ママは悪くないよっ、だとさ』
「でも、一番の理由は私がファムたちに興味津々だったのが嫌だったんでしょ?」
「にゅぐっ」
「フェリシアの時もそうだったけど、私が他の子を褒めたり、触りたそうにしてると怒ってたよね」
「にー、にーにゃんっ」
『だって、僕のママなのに、ってさ』
「うん。だから、不安にさせちゃってごめんね。でも、それを私にじゃなくて、相手にぶつけるのはダメだよ。怪我をさせた時点で、マーブルが100%悪い事になっちゃうし、こんなことを続けてたらマーブルの正体がばれることになるかもしれない」
「にゃっ⁉️」
「猫が狼に勝つなんて本来ならあり得ないことだよ?ラム先輩だって最初は信じてくれなかったでしょ?」
「にー」
「ばれなかったとしても、このままだとマーブルの周りには誰も寄り付かなくなっちゃうよ」
「ににゃん!」
「私がいれば良いって?でも、せっかくリードたちの許可をもらってここにいるんだから、もっとマーブルも色々な生き物や人と触れあってほしいな。友達とか見つけてさ」
「にー?」
「そう友達!私はアミーちゃんたちと友達になれてすごく楽しいよ!マーブルにもそんな相手をつくって欲しいな」
「にー…」
「うん、考えてみて!あと、これはすごく大事なことなんだけど」
「にゃ?」
「私の一番はマーブルだから!」
「にゃっ⁉️」
「本当だよ!だって、マーブルは私の大切な家族だもん!これからも他の子に目を奪われるかもしれないけど、私にとってマーブルは特別だから、それは信じて欲しいな」
「ににゃんっ♪」
「えへへ、私も大好きだよ!そうだ!さっき約束したブラッシングをしてあげるね」
「にゃーん♪」
「どういたしまして」

ベットから降り、マーブル用のブラシを取り出すとマーブルの全身をブラッシングしてあげる。マーブルは体をくねらせ、気持ち良さそうにしている。
よく考えたら、こんなにマーブルを構ってあげれたのは一週間ぶりかもしれない。マーブルの気持ちが不安定になったのも仕方がないのかも。

「マーブルが満足するまでずっとブラッシングしてあげるね」
「にゃはーんっ♪」
『なんか通訳しなくても、普通に会話できてね?』

マーブルと私のそばで、リードが呆れたように呟いたのにも気づかず、私はマーブルが満足するまでブラッシングを続けたのだった。


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