私がいつの間にか精霊王の母親に!?

桜 あぴ子(旧名:あぴ子)

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第2章 王都へ

132 王都の教会③

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「折角だから、サラさんと近くでお話ししたいわ。近くまで来てくださる?」

良いのかな?思わずフェ様を伺うと、安心させるように頷かれる。
他の神官様たちも特になにも言わないので、問題ないようだ。

「し、失礼します」

恐る恐る絨毯を歩き階段を上がる。すぐ近くまで行くと、最高神官長様は手を伸ばして、私の手を握った。
最高神官長の様の手はふっくらしてて、とても暖かく、触っているとなんだか安心する。

「その制服は王立魔法学校のものね」
「はい。今年入学するんです」
「そう。複数の精霊様から加護を授かっているとの事だったけれど、精霊様の属性は?」
「火、水、風、土の属性です」
「今は此方にいらっしゃるの?」

最高神官長様は私の周りをキョロキョロと見渡す。

「あ、いえ。今は火の精霊様だけで、私の横にいます」

横を向くとリード最高神官長様に手を振っているところだった。

「えーと、今は最高神官長様に手を振ってます」
「まあ!本当に?とても光栄だわ!」

最高神官長様は私の手を握ってない方の手でリードがいる辺りに向かって、嬉しそうに手を振ると、再び私の方を向く。

「常に精霊様たちがいらっしゃるわけではないのね」
「はい。マー…じゃなくて、交代制で私についてくれてます」
「そうなの」

危うくマーブルが嫌がるからと言いそうになって、慌ててごまかす。
最高神官長様は気づいてないようで、ほっとした。
最高神官長様と手を繋いでいると安心するからかな?気が緩んでつい色々なことを話してしまいそうになる。

「私が呼べばみんな来てくれますが、お呼びしますか?」
「いいえ。残念ながら私には精霊様の姿を見ることができないから。ただ、国王陛下との謁見の際は全員をお呼びした方が良いわ」
「わかりました」
「絶対によ?」
「は、はいっ」

元々全員で謁見に向かうつもりだったけれど、最高神官長様に念押しされて不思議に思う。全員で行った方がいい事でもあるのかな?

「今日、フェビラルがサラさんを私のもとに連れてきたのは、私に彼女の後ろ楯になって欲しいからかしら?」
「その通りです」

最高神官長様の問いかけにフェ様は力強く頷くと、最高神官長様に向かって自分の考えを語りだす。

「彼女は何の力もない村娘です。ですが、今まで誰もなすことのできなかった4属性の精霊様から加護を授かることができた。国王との謁見がすめば、彼女の周囲は今まで以上に目まぐるしく変わるでしょう。私は彼女の後見人になりましたが、いずれはサーズ町に帰らなくてはなりません。ですから、彼女が王都にいる間に彼女を託せる相手がどうしても必要だったのです」
「神官長様…」

教会本部には顔繋ぎのために挨拶に来たとばかり思っていたので、そんな思惑がフェ様の中にあったとは知らなくてびっくりする。でも、よく考えたら顔繋ぎのためだけだったら、わざわざ最高神官長様にお会いしなくても、神官様のどなたでも良かったはず。
フェ様も色々考えてくれてたんだ。

「私が後ろ楯になるのは構いませんよ。けれど貴方が後見人になって私までサラさんの後ろ楯になると、教会で彼女を抱え込むつもりだと受け取られないかしら」
「表だって力になって欲しいとまでは申しません。最高神官長の仰る通り、貴族たちに変に勘ぐられるのは避けたいですし、ただ、何か会ったときに彼女が逃げ込める場所を学校以外にも作ってあげたいのです」
「そう言うことなのね」

最高神官長様は少し考え込むように紺色の瞳を閉じると、再び瞳を開きフェ様をまっすぐに見つめる。

「わかりました。もしなにか問題ごあった場合はすぐにこの教会に来なさい。」
「あ、ありがとうございます!」
「感謝します」
「でも、フェビラルは国王陛下をもう少し信じてあげるべきね」
「は?あの」
「最高神官長様、そろそろお時間です」
「あら、もうそんな時間?」
「次の面会のお時間が迫っております」
「サラさん、フェビラル、そう言うわけだから、ごめんなさいね。また、謁見の際にお会いできるのを楽しみにしてるわ」
「は、はい!色々とありがとうございました!」
「また、サーズ町に帰る前にも挨拶にうかがいます」

最高神官長様の意味深な言葉にフェ様は訝しがるも、神官様に時間の終了を告げられ、どのような意味で言ったことなのか、わからないまま終わってしまった。

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